● ヘンレ新版「エリーゼのために」について

 

ベルギーのお友達から教えてもらった、
ベートーヴェン様の有名すぎる「エリーゼのために」の、
新版

弾いた事がない人でも、最初のフレーズは
全部覚えていそうなくらい、
定着しきったメロディに変化が。

定着していた響きに変化が。

 

 

エリーゼのために」については、
多分、多くの方が、7小節目の右手は「ミドシラ」で、

繰り返される同じフレーズも「ミドシラ」で、

最後の最後だけ、「レドシラ」で練習しただろうと思います。

私自身、この曲は、家族の希望があって、
(レッスン曲ではなく)
買い求めたのが、全音さんのピースでした。

それは、上に書いたようになっていました。

スラーやペダルの指示、強弱の指示も、とても多いです。

そして自分が教えるようになってから、
生徒たちが使ってきた楽譜は、ほとんどが

「ピアノ曲集」と言う、

いろんな有名曲が詰まっている楽譜を使ってきました。

そして、それらは全て、私が使った楽譜と、
同じ音、同じ指示でした。

一度、ネット上で見た楽譜を見た時、

「はてな?」 と思った事がありました。

その版は、全てが「ミドシラ」、
最後の最後のフレーズも、「ミドシラ」で終わっていました。

あれれ〜?ミスプリ?  と思ったのでした。

ところが。

今回のヘンレでの新版を見て、
皆さん「ミドシラ」が「レドシラ」になっている所に
注目されただろうと思います。

 

が、今回の新版での改定は、実は
「レドシラ」ではなく、他の音の数々にあります。

どういう事か?と言いますと。

こちらの本を持っていた事を、忘れていました。
そして、この本を買った時も、
「エリーゼのために」に、全く興味がなかったもので・・・

   ごめんなさい。

 
このあまりにもよく知られた作品は、
ベートーヴェンが生きているうちに、出版される事はなかった。
初版が出版されたのは1867年ですが、
その版には、たくさんのミスがあった。

初版は最初のフレーズからレドシラで、
他、一箇所のみ、ミドシラに、なっていた。

そもそも、そのミドシラがミスプリントだったと思われる。

後に、スケッチが見つかった事により、
全てレドシラに修正された。

 
そして、そのスケッチも、
ベートーヴェン・ハウスのウェブサイト上で見る事が出来ます(一部)

また、作曲家の中村洋子先生の、2016年12月29日のブログ記事には、
この「新版 エリーゼのために」で、
何が変わったのか?と言う事について、説明されています。

興味のある方は、検索して見て下さい。

他の作品で興味があるもの、
学ぶもの、学び直すものなどは、
改めて別の版を購入しますから、
いろいろ、比較して見る事が出来ます。

違いにも気付き、いろいろ考えます。

が、本当、ごめんなさいデス。
「エリーゼのために」は、
大変申し訳ないけど、特に好きな曲でもなく、
自分から弾きたかった曲でもなく、
(子供の頃に、頼まれたから楽譜を買ってきて弾いただけで)
ヘンレ版にしろ、他の版を買ってみよう、
なんて思った事が、なかったのです。

「好奇心」の有る無しで、「知る」機会を
自ら失ってしまうのですね。

それでも、今回、知る事が出来て、
思い込みに囚われていてはいけない、とか、
「楽譜を持ってるから」で、過信しないとか、
そういう気付きも頂けました。

そういう事全てを含め、
感謝しています。ありがとうございます!

 
 

投稿者プロフィール

Chihiro ARAIピアニスト / ピアノ講師
香港在住24年。ピアニストでピアノ講師。
香港演藝学院のエレノア・ウォン教授に師事。
ピアノ・ソロ、ヴァイオリンとのデュオ、二台ピアノ、オーケストラとのピアノ協奏曲などの演奏活動をしながら、香港と日本で「体も心もラクにピアノを弾く」をモットーにレッスンをしております。