ラフマニノフの作品厳選26曲を解説!ピアノ弾きにはおすすめの1冊!
ロシア・ロマン派の巨匠と言えば、セルゲイ・ラフマニノフ(1873-1943)。
ロシアが生み出した作曲家やピアニストはたくさんいますが、ラフマニノフはその筆頭に上がるのではないでしょうか。
そんなラフマニノフの作品をピアノで弾いてみたいと思ったら、是非ラフマニノフについての本を読む事をおすすめします。
そしてラフマニノフのいろんなピアノ作品に触れてほしい。
そうは言っても、最初はどれを読んだらいいかわからないかもしれません。
そんなあなたにおすすめの1冊をご紹介しましょう。
作曲家ダイジェスト
ラフマニノフ(CD付)
柴辻純子・堀内みさ 共著
今日4月1日は、ラフマニノフの誕生日です。
是非、今日はラフマニノフの人生や作品に触れてみませんか?
Contents
ラフマニノフの作品厳選26曲を解説!の目次
ではまず、「ラフマニノフの作品厳選26曲を解説!」の目次を見ていきましょう。
**作曲家を知る**
- 幼少期のラフマニノフ
- ラフマニノフが学んだ先生と学校
- 音楽家ラフマニノフ
- ラフマニノフの交友録
- はじめての挫折
- ロシア音楽の系譜
- ラフマニノフの性格と結婚
- 当時のロシアと欧州情勢
- ”指揮者”ラフマニノフと演奏活動
- 隠れた名曲
- アメリカへの移住と望郷
- 番外編1.ラフマニノフ作品と映画
- 番外編2.名曲名盤案内
- 番外編3.ラフマニノフゆかりの地
**名曲案内**
- ピアノ協奏曲第2番
- パガニーニの主題による狂詩曲
- 12の歌
- 幻想的小品集
- ピアノ協奏曲第1番
- 歌劇「アレコ」
- 組曲第1番「幻想的絵画」
- 楽興の時
- 14の歌曲
- ピアノ三重奏曲第2番
「偉大な芸術家の思い出」 - 組曲第2番
- チェロ・ソナタ
- ショパンの主題による変奏曲
- 10の前奏曲/13の前奏曲
- 12の歌
- 交響曲第2番
- 交響詩「死の鳥」
- ピアノ協奏曲第3番
- 合唱交響曲「鐘」
- ピアノ・ソナタ第2番
- 無伴奏合唱曲「晩とう」
- 練習曲集「音の絵」
- コレルリの主題による変奏曲
- ピアノ協奏曲第4番
- 交響曲第3番
- 交響的舞曲
この「ラフマニノフの作品厳選26曲を解説!」は、「作曲家を知る」と「名曲案内」から織り交ぜて説明されているので、とても興味深く読んでいく事ができますよ。
ラフマニノフのピアニズムとは?
ラフマニノフのピアニズムの特徴は、たっぷりとした息の長いフレーズ、鮮やかなイントネーション、鍵盤の底まで達するような深くて豊かな音色、そして、自在なルバートにあります。
ここでラフマニノフの言葉を紹介しますね。
音楽は心より生まれ、心に届かなければならない。
まさにこの言葉こそが彼の音楽を言い表しているのでしょう。
ラフマニノフの音の記憶
ラフマニノフの幼少期は、家庭が大変でした。
ラフマニノフは400年以上の歴史を誇る旧家の貴族に生まれましたが、父親の浪費で家は傾きます。
ラフマニノフにとって一番身近な存在だった祖母。
その祖母の家を訪ねては、祖母が歌う民族音楽や聖歌を聴き、また大聖堂の鐘の音に耳を傾けたのでした。
こうして、ラフマニノフのロシア的な民族音楽を愛する心、鐘の音への想いが深まっていったのですね。
ラフマニノフ、作曲への決意
モスクワでのズヴェーレフ先生の家に住み込んでの内弟子時代、師匠ズヴェーレフ先生の家には、チャイコフスキーや有名な芸術家が訪れていました。
作曲に熱中していったラフマニノフ。
作曲に必要な「静寂」が欲しくて、1人部屋をもらえないかとズヴェーレフ先生に頼むも却下されてしまいます。
そうしてラフマニノフは恩師のもとを去ったのですね。
音楽家は、自分の音楽作りをする時間はとても大事なもの。
自分ひとりになれる環境があるかどうかは、譲れない条件ではないかと思います。
ラフマニノフは、音楽院で学びながら「ピアノ協奏曲第1番」を作り始めました。
そして生活のためにピアノや音楽理論を教えながら、18歳の時に音楽院のピアノ科を首席で卒業。
ちなみにこの時の次席はスクリャービンでした。
翌年、作曲科を卒業するまでにはピアノ協奏曲も完成し、音楽院の生徒達によるオーケストラとラフマニノフ自身のピアノで初演されました(第一楽章のみ)。
それは今思うと、とても贅沢な空間だったよう。
想いを馳せてしまいますね。
ラフマニノフの音楽は、歌わせて響かせる
ラフマニノフが作曲する上で大切にしたのは、ロシア音楽の原点ともいえる「歌」でした。
ロシア正教は、人の声を最も神聖なものと考え、教会内での楽器の使用を禁じていたそうです。
ラフマニノフは、楽器を歌わせることにこだわっていました。
ラフマニノフは、基本的に伝統的な調性の中で作品を書いていたのですが、それは「美しい理念、感情、体験によって人生を高め豊かにする」と考えていたからです。
また、ラフマニノフがロシアから受けた影響に、「教会の鐘の響き」があると言えるでしょう。それを思わせる重厚な和音は、様々な作品に見られますね。
ピアノ作品でも、ラフマニノフ自身がアンコールで演奏する事を何度も求められたという「前奏曲嬰ハ短調」は、副題が”鐘”となっています。
ラフマニノフにとってのチャイコフスキーの存在
作曲を始めたばかりのラフマニノフを高く評価し、支援してくれたのはチャイコフスキーでした。
たとえば和声学の試験のとき、チャイコフスキーはラフマニノフの作品に最高点の「5」を付けたそう。
さらに!その周りに「+」の印を4つも付けたと言われています。
「5++++」という感じでしょうか。点数なんか、付けられないよ!って感じかな?(笑)
また、卒業制作のオペラ「アレコ」の初演の時も、チャイコフスキーは終了後、ボックス席から身を乗り出して、力一杯拍手を贈り、祝福したそう。
これは、実にすごいこと。何故なら、当時チャイコフスキーは53歳で、既に著名な作曲家だったのです。
だから、「あのチャイコフスキーが絶賛している!」という姿を見せる/見せられるというのは、聴衆にいかほどの影響を与えたことでしょうか。
さて、他にもたくさんの興味深いトピックがあります。
また、名曲案内についても非常に興味深く解説されていますよ。
しかし(分厚い本ではありませんが)取り出してご紹介するには、あまりに項目が多くで選べない~!ので、このあたりで〆させて頂きますね。
ラフマニノフが気になっているあなたには、おすすめの1冊です。
作品のCDも付いていますよ♪
ピアノ動画*ラフマニノフ「音の絵」Op.39-6
ティブレイクは、ラフマニノフ作曲「音の絵」Op.39-6 “赤ずきんちゃんと狼”をお送りします。
ラフマニノフと言えば、ラフマニノフ自身が最も多く弾かされたかもしれない「前奏曲嬰ハ短調」”鐘”Op.3-2も、ピアノ弾きの憧れの一曲ですよね。
ラフマニノフの作品は決して易しくはありませんが、だからと言って諦めず、ぜひ何かに触れて欲しいです。
ラフマニノフの作品厳選26曲を解説!のまとめ
- ラフマニノフのピアニズムは息の長いフレーズ・鮮やかなイントネーションに豊かな音色・自在なルバートにある!
- ラフマニノフの音の記憶は祖母の歌にある!
- ラフマニノフは楽器を歌わせることにこだわっていた!
- チャイコフスキーは惜しみなくラフマニノフを絶賛していた!
ラフマニノフは、前奏曲も楽興の時もコンチェルトや連弾・二台ピアノ作品も、どれをとってもつい心を委ねて任せてしまいたくなるような、魅力に溢れています。
あなたが惹かれるラフマニノフ作品は何かしら?
是非、ラフマニノフの背景に触れて、ラフマニノフのピアノ音楽の世界にはまってくださいね。
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