香港の台風シーズンに気をつけろ!時期と頻度と台風警報発令で注意すべき5つのこと

2018年9月18日

台風と言えば夏を表す代名詞のようなものでしょうか。台風は日本だけに訪れる現象ではありません。香港にも台風はやってきます。私が香港へ移住したばかりの頃、まさに台風が香港を直撃し、警報が発令された時の事を今でも覚えています。

台風直撃で木々が折れたりなぎ倒される

所変われば何とやら。日本でも台風は天気予報で注意警報が出されますが、香港には香港のルールがあります。香港の台風シーズンはいつなのか?どのくらいの頻度で台風が香港を直撃するのかを、時期や警報(シグナル)について在住者がお話してまいります!

香港の台風シーズンはいつ?

台風は夏に訪れるものというイメージがあるでしょうか?日本では梅雨に入ると台風が来始めるようで、大体6月から台風シーズンが始まり10月まで続くようです。

じゃあ香港の台風シーズンはどうなのか?というと、大体4月から10月の終わり(時に11月初旬)までです。そもそも香港は夏が長く、4月から11月が夏。今年は3月でも夏かというくらい暑い日も多かったですね。香港では12月でも半袖を着てクーラーを付けるのは珍しいことではありません。

香港は夏が長いから台風の時期も長いのかもしれませんね。

余談:台風1号っていつ発生したの?

2018年も6月10日に台風5号が南大東島や伊豆諸島に接近しました。しかしこれ、台風5号です。ということは、それまでにも台風は発生しているのですよね。なんと2018年の台風1号は、1月1日にフィリピンへ!

台風は南の方で発生して、日本へ向ってくると北上していくイメージがありますが、先日の台風は関東に入ったかと思ったら進路を西日本に変えたのがありましたよね。香港にやってくる台風も、まっすぐ香港に向ってくる時もあれば、香港にやってくる勢いでありながら途中で進行が変わって日本へ行ってしまうものもあります。

香港はとても小さな街なので(東京都の約半分)、香港を台風が直撃すると香港そのものが台風の目にすっぽり入ってしまう感覚です。ちょっと不思議ですが、台風の目の中に入っちゃってる時って、意外と静かで拍子抜けしたりも(笑)。

香港の台風警報(シグナル)のシステムとは

香港では台風が近づくと、その台風の大きさによって様々な警報(シグナル)が発令されます。警報の種類によって幼稚園休園とか会社も全部休みなどの決まりが。

台風が来ても「ちょっと買い物くらいなら大丈夫でしょ」と思うかもしれませんが、ホテルから一歩も出られないなんていう事もありますから、まずその警報について知っておきましょう。

香港の台風シグナルの種類について

香港には台風が来た時の警報(シグナル)が幾つかあり、香港の市民はこのシグナルがいつどのように発令されるかに注意を向け動きます。ではその香港の台風シグナルについて、下に表にまとめますね。

警報のマーク シグナル名 概要
シグナル1 台風接近注意:800km圏内に台風が近づいており、香港に上陸する可能性あり
シグナル3 強風警告:台風が更に香港に接近。幼稚園休園。

シグナル8 暴風警告:台風の暴風域が香港に接近。全ての学校・会社・店舗は休業。タクシーや地下鉄の一部を除く交通機関もストップ。事実上の「外出禁止令」。
シグナル9 暴風警告:台風が香港を直撃!全ての学校・会社・店舗などが休業なのは同じ。地下鉄も停止。
シグナル10 暴風警告:ハリケーンが香港を直撃。

台風の警報は突然出るわけではなく、テレビやラジオで「あと2時間でシグナル3になるよ」などと発表されます。香港気象台のウェブサイトでもチェックできるので、ブックマークしておくと良いですね。香港気象台のウェブサイトの見方などは後で改めてお話します。

香港の台風警報シグナル1

香港で台風の警報シグナル1が発令されると、香港市民は台風の行方を気にし始めます。台風が香港に近づいて警報がシグナル8に上がると学校も会社も休みになるため、子供たちも大人も台風が香港にやってくるのを楽しみにしている人は少なくありません。

香港の台風警報シグナル3

台風の警報がシグナル3になると、保育園・幼稚園が休園に。

余談ですが、香港の学校や幼稚園へ通うスクールバスは、朝6時台に出る所も少なくありません。子供がスクールバスで学校へ行ってしまった後に警報が発令されて、迎えに行くにも行けない親も多く(共働きが多いので)苦情が多く出た事もあったんです。それからは、警報を出すのが微妙な感じでも、朝6時までにシグナル3は発令されるようになりました。

香港の台風警報シグナル8

香港の台風警報がシグナル8になりますと、全ての学校・会社・店舗がお休みになります。交通機関も一部の地下鉄・タクシー以外はほぼ停止。飛行機も飛ばなくなりますから、これから香港へ行こうという(もしくは日本へ帰る)日にシグナル8など発令されると大変です。かくいう筆者も2回ほどフライトにシグナル8が当たってしまって飛べなかった事が。

シグナル8の記号が4種類ありますが、それぞれ風向きを表しています。

香港の台風警報シグナル9

香港では台風の警報シグナル8以上が発令されれば、とりあえずほとんどの人はお休みになり自宅待機となりますから、報道関係者・気象関係者・交通機関の関係者以外の一般市民はシグナル8が出るだけで大喜びです(笑)。

というわけで市民としてはシグナル8が出てくれれば万々歳なのですが、シグナル8よりも強い台風が香港に超接近すると、警報シグナル9が発令されます。でも、シグナル9が発令されるのは滅多にある事ではなく、近いところでは2017年8月に発令されましたが、その前にシグナル9が発令されたのは2012年7月でした。

シグナル8では本数が減っても地下鉄は動いていますが、シグナル9になると地下鉄も全面的に運行休止に。こうなると、外に出てもどこにも行けませんし、そもそもどこも開いていませんから外に出るだけ無駄ですよ。危ないですからホテルにいて下さいね。

香港の台風警報シグナル10

台風警報シグナル9も5年に1度くらいしか出ませんから、シグナル10となるとその頻度は相当少なくなる?と思うでしょうか?

筆者が香港に移住してからの25年間で台風警報シグナル10は4回発令されました。1999年9月の台風ヨーク、2012年7月の台風ヴィセンテ、2018年8月の台風ハト、そして2018年9月16日の台風マンクットがそれ。

そうそう、日本では台風1号・台風2号と号数で呼びますよね。ところが香港では台風は名前で呼ぶんですよ。これは香港独自のものではなくて、世界的に決まっているようで、台風が発生すると各国の名前を付けていくようです。

さてシグナル10はもう小さな香港を直撃状態ですから、絶対外に出てはいけません。

台風直撃で木々が折れたりなぎ倒される

このように、木々はなぎ倒され看板が落ちてきたり道路は凄まじい状況になります。2017年7月のシグナル10発令の時は、我が家の前を通るトラムの線路をたくさんの倒木がふさいでしまって、台風が去った後も片付けが終わるまでトラムの運行再開に少し時間がかかっていました。

余談:シグナルの番号の謎

シグナルが1→3→8→9→10という並びになっているのは変だと思いませんか?何故途中の数字が抜けているんだろう?何故8からは順番に並んているのかしら?と私もずっと不思議に思っていました。

昔はシグナル5とシグナル7があったそうですが、「そんなにシグナルがいっぱいあってもよくわからない」ということでシグナル5とシグナル7は無くなったそう。それでも他にも2・4・6などの無い番号がありますが、その理由を誰も知らず未だわからず謎なのです。

余談その2:在住者・仕事で出張の方はシグナル8以上が発令された時どうするか?

出社時刻前にシグナル8が発令された場合は、お休みです。

しかし、終業時刻の3時間前にシグナル8が解除された場合は、出社しなければなりません。例えば正午に「午後2時にシグナル8は解除されシグナル3に引き下げられます」とアナウンスされた場合、あなたの会社の終業時刻が午後5時以降なら出社しなければならないのです。ここ、ビジネスマンたちが「あ〜ぁ」と嘆く瞬間(笑)。

就業時間中に「2時間後にシグナル8が発令されるよ」とアナウンスが出たら一目散に帰宅OKです。

台風発生時、香港気象台のウェブサイトのどこを見る?

さて、香港に台風が来る!という時、香港市民はテレビやラジオで台風の動向をチェックしますが、観光客にとってはラジオは言葉のハードルが高いかもしれませんが、ホテルでテレビを見れるなら付けてみると画面の下に台風情報がテロップで流れますので覚えておいて下さいね。

さてテレビやラジオがなくてもスマホでもチェックできるのが、香港気象台のウェブサイトです。香港気象台のウェブサイトを開いてメニューバーの下の「Warning」の所に台風警報のシグナルの記号が出現。

そしてその下に香港の地図上に気温が表示される画像がありますが、その下に英文で台風についての情報が記載されます。何時にどこそこで発生して時速何キロで香港に向ってきていて何時間後にシグナル○が発令される予定だとか、シグナルを発令することを検討中などというように。私も台風が近づくと気象台のウェブサイトをチェックしまくりです(笑)。

香港に来る台風の頻度はどのくらい?

さて気になるのは香港に来る台風の頻度ってどのくらいなの?って事でしょうか。せっかく香港に遊びに行くのに、台風に遭って買い物に出られないどころか香港に着陸すら出来なかったら悲しすぎますよね。

交通機関に影響を及ぼし始めるシグナル3以上が発令されるのがどのくらいかを2015年から見てみますと、以下の通りです。

  • 2015年:2回
  • 2016年:5回
  • 2017年:6回
  • 2018年:6回
  • 2019年:3回

こうやって見ると、そう多くはないでしょうか。でもシグナルが出るのは1つの台風で1日とは限りません。3日に渡って出る事もありますので、香港滞在2泊3日に全て台風が当たってしまうと残念(涙)。

香港の台風警報発令で気を付けるべき5つのこと!台風の時期を考慮して渡航計画を立てよう!

さて、香港の台風警報が発令されたら気を付けるべきこと、ここが一番重要項目でしょう。

  1. 台風警報が発令されるとわかったら、とりあえず1日分の食料は買っておこう!
  2. 外出予定を出来る限りキャンセルしよう!
  3. 飛行機の予約をしていたら、出来る限り早くに他の便へ振替手続きをしよう!
  4. 窓や換気扇はしっかり閉めよう!
  5. 在住者なら、窓にガムテープをバツ(☓)に貼って補強したり水が部屋の中に侵入しないよう窓のサンにタオルや新聞紙を寄せておこう!

シグナル1や3では大丈夫ですが、シグナル8以上になるとお店も閉店してしまいます。シグナル8が2日も3日も続くことはありませんが、とりあえず1日は外に出なくても済むくらいの飲食物は買っておきましょう。

「2時間後にシグナル8になりますよ」と発表されると市民はスーパーに殺到して出前一丁やカップ麺などを何故か箱買いしたりします(笑)←そこまでは必要ないと思いますが。

外出予定・アポイントなどがあるなら、早め行動でなるべく予定をキャンセルするかスケジュールを組み直しましょう。

飛行機はシグナル8以上では離発着しなくなります。シグナル3が出ている状態でシグナル8を出す事を検討しているという話が出ると、飛行機はどんどん欠航へ。台風が去ったら遅延でも飛ぶならまだ良いかもしれませんが、LCCなどは完全に欠航してしまう場合もありますので、あなたのフライトが振替可能のチケットなら、さっさと振替手続きをしてしまいましょう。

香港の建築物は、日本のものと比べ物にならないほど造りがあまいので、新築物件でも水漏れやドアがずれてるとか床が斜めってるなんて、よくあること。そんな状態ですから、台風が来ると色んなモノが飛んでいくし、窓から雨水が侵入してきます。我が家もクーラーの室外機が吹っ飛んで行ったり、台風が去った後に見てみたら換気扇がなかった事もありました。

ですから、あなたがもしホテルにいて開閉が出来る窓が部屋についているなら、しっかりと閉めておきましょう。もしあなたが香港在住者なら、強風で窓が割れることもありますから、ガムテープで窓を補強することもオススメします。

台風が香港に来やすい月は

香港の台風シーズンは先にもお話しましたように4月から10月ですが、25年在住の経験上、最も警戒すべきは8月と10月です。10月末でも飛行機が飛ばない大型台風はよく来ます。筆者が乗るはずの飛行機が飛ばなかったのは2回とも10月でした(涙)。

また、8月は香港在住の日本人の多くが日本へ一時帰国しますが、私の知り合いは何人も日本から香港への帰りの便が台風に遭い、欠航したり途中で日本に戻ったり台湾に降り立ったりという事を経験しています。

もしもあなたが8月か10月に香港へ渡航することを考えているなら、台風のリスクも頭に入れておいて、最悪の場合どう動くか?も計画しておくことをオススメします。

香港の台風シーズン・時期と頻度と台風警報発令で注意すべきことのまとめ

  • 香港の台風シーズンは4月から10月の終わり
  • 香港には台風の警報システムがある
  • 台風の警報シグナル8が発令されたらお店も会社もお休みになるので、1日分の食料を確保してさっさと帰ろう!
  • 香港に台風が近づいているとわかったら、香港気象台のウェブサイトで情報をチェックしよう!
  • 香港に台風が来る頻度が高いのは8月と10月。この時期の渡航は気を付けて計画しよう!
  • 香港でシグナル8以上が出ている時は、外出は控え窓や換気扇をきっちり閉めよう!
  • シグナル8が発令されるとわかったら、可能な限りフライト変更の手続きをしよう!

南の方で台風が発生しても、途中で進路を変える事もあるので、近づくまで本当に香港に台風がやってくるのかはわかりにくいんです。でもね、台風が来ちゃうとお休みになったり交通機関も止まってしまって動けなくなりますから、どうぞ気を付けて渡航計画を立てて下さいね。

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