学校が始まったら(新学期が始まったら)途端に学校のことで手一杯・余裕がなくなってしまった5歳くん。今回から日曜日にレッスンに来ることになりました。

この5歳くんに限りませんが、学校が休みの間は伸び伸びと出来て余裕があるからか、どの生徒たちもとても丁寧に、そして表情豊かに練習をしてきます。ところが学校が始まった途端に「あれ?同じ人だっけ?」みたいな状態に(笑)。

今日はそんな5歳くんの「一週間忙しすぎて練習できなかったから全て忘れちゃった」レッスンのお話です。

和音を弾く時の手の形はどうしたらいいんだろう?

問題は、左手で弾く(画像下の段の)「ドとソ」です。5歳くんの手はまだ小さく、鍵盤が重めのグランドピアノで和音を弾くのは(特に弱い5の指=小指)を使うのは大変なことです。

それで、気を付けて見ていないと、こんな風になってしまいます。

一生懸命、鍵盤を(ドとソを)押さえなきゃ!と必死に構えてしまうせいか、手首が「山型」になってしまいます。これはとても不自然ですし、体の色んな所に力が入ってしまいますね。それに、この手首の状態のまま弾き続けるのは無理です。手を壊しかねません。

じゃあどうしたらいいかと言うと

このように、手の甲から下腕はなるべくデコボコせずなだらかにあると、腕を自由に(関節や筋肉を自由に)使いやすくなります。

では鍵盤に必死になってしまう体が小さく指の力も弱い5歳くんのような、小さな学習者はどうしたらいいんでしょうか?

体の小さな学習者でも手首を柔らかく使うために

そのためには、まず姿勢を正す。頑張って(一生懸命)弾こう(打鍵しよう/鍵盤をつかもう)とすると、上半身が前傾してしまいます。背中は丸まり肩が上がり、手首から指先まではまるで機械(ロボット)のように不自然な動きに。

だから、まず息を吐いて丸まった背中を正す。そうしたら肩は落ちますよ。そしてね、この場合なら左手は「どれみふぁそ」に指を用意しておく。

手をね、一度ギュッと握ってみて。そしてパッ!と開いて。そして「ふわ〜」っと手を緩めてみて。その「ふわっとした手の形」のままで、「どれみふぁそ」に手を乗せる。

そしてね、息を「ふっ」と吐きながら、指を「ストン」と落とすだけよ。鍵盤の底まで「弾いてやらなきゃ!」と思わなくていいからね。「ストン」と落とせれば、鍵盤の底まで当たらなくても音は出るよ。ただね、ゆっくり鍵盤を押したら(沈めたら)音は出ないよね。

手で・腕で「よいしょ!」と鍵盤を押さず、ただ「ストン」と落とすだけよ。

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装飾音の弾き方

5歳くん、ほぼ初めての「装飾音」です。「装飾音」とは、書いて字の如く「飾り付ける音」のこと。鈴をチリン♪と鳴らすようなものです。

装飾音だけの練習は少し前にやりました。問題は・・・

右手で弾く「装飾音」に左手の音も合わせて弾かなければ!と思った途端に、右手全体がこわばってしまった5歳くん。「どれー」なのか「れどー」なのかも、彼の指が混乱。「ど」を弾く指(2)も「れ」を弾く指(3)もガチガチに固まってくっついてしまいます。

「どれー」と弾いたり「れどー」と弾いたり、どちらにしても「装飾音」を打鍵直後に解放する(上げる)ことが出来ず、その装飾音を弾く指は鍵盤にシガミついている。

右手の装飾音「どれー」を弾くことに意識もガチガチになっているため、左手がおぼつかず、同時の打鍵ができない。

頑張って、2と3の指がくっついてしまっています。この打鍵も、鍵盤の底まで行くことに固執しない。上半身は前傾させずに、打鍵したら手は前へ。

そしてね、左手の「ソ」は右手の「どれー」の「れ」と同時に打鍵するのですが、ということは左手の「ソ」は右手の装飾音「ど」より「後」になりますよね。後なんだ、と思うから左手が鍵盤に降りるのが遅くなります。

右手と左手の、打鍵のために鍵盤に手を落とすのは「同時」です。右手「どれー」は装飾音ですから、「ど」から「れー」までに時間はありません。瞬時の移動です。だから、左手も右手と同時に落とす。ただそれだけです。

どんな場合の打鍵もコツは鍵盤にしがみつかないこと

  • 大変だな、と思う時、大抵は鍵盤にしがみついて自分の自由を自ら失っている
  • 大変だな、と思ったら鍵盤にしがみつくのをやめてみよう
  • 鍵盤の底まで打鍵しなくても、音は出るよ

モノゴトがうまくいかない時には、必ず何か原因があります。その原因はすぐには見つけられないかもしれません。自分自身で見つけるのは難しいかもしれません。でもね、必ず原因はあります。一つだけ覚えておいてね。「頑張らない」ことを。

チェンバロから考えるバッハ講座Vol.3 装飾音の考え方〜講座のご案内

ベルギー在住鍵盤楽器奏者の末次克史先生による「チェンバロから考えるバッハ・ピアノ奏法の可能性〜Vol.3 バッハ・装飾音の考え方〜」ワークショップのご案内です。

2018年7月15日(日)13時〜

東京都杉並区のスタジオ・ピオティータさんにて

講座参加費:5,000円

ピアノとチェンバロを使ってのワークショップです。

詳細はこちらのページをご覧ください。お問合せ・ご予約はわたくし荒井がメールで承っております。

chihirohk@gmail.com

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