フレーズ単位で捉えて歌う・表現を考えるのは大事なことです。森を見て樹を見ずですが、たまには「1音」にこだわってみましょうか。今日は「樹を見て森を見ず」作戦です。まず「1音」にこだわりを持てなければ、フレーズという大きな単位でも大事なパズルのピースが一つ欠けているようなアンバランスさを感じるでしょう。

メンデルスゾーン「幻想曲」第2楽章冒頭

この画像にあるたった一つの和音、両手共に2分音符のこの和音だけで、「手の形」「呼吸」「打鍵のバランス」「表現」について考え追求することができます。今日はこのお話をしていきますね。

ピアノを弾く手の形について

ピアノを弾く手の形というと、「猫の手のように」とか「卵を持つ手のように」と、丸める形を表す事が殆どです。今日お話する手の形は、その手を緊張させず「ふわっと」させるという一般的な形とは違う視点からのお話です。

もう一度、画像を上げます。

メンデルスゾーン「幻想曲」第2楽章冒頭

画像の左側に「手の形」を手書きしているのがわかるでしょうか?

例えば楽譜に書かれている和音、右手は「みしみ」の和音を掴みますが、これを画像の左側に書いたように右手の指先を外側へ向けるような感じで弾いてみましょうか。体から(心から)発せられるエネルギーが、打鍵する音の外側へ広がっていく意識です。

左手も同様に、「みそし」の和音を鍵盤にまっすぐにつかまずに、外側(「みそし」の「み」の方)へエネルギーが通り抜けていくような感覚です。

ピアノを弾く時の呼吸について

さて次は、ピアノを弾く時の呼吸についてです。

ピアノを弾く時の呼吸は、それぞれのフレーズのあり方や今から打鍵する音のエネルギーのあり方によって変わります。ピアノを弾く時の呼吸法は一つではありませんので、今からお話するのは、この画像の音を打鍵する時の呼吸を、あなたもイメージしてみて下さいね。

メンデルスゾーン「幻想曲」第2楽章冒頭

画像の左上に「犬の呼吸、背中」と書いてあります。久しぶりにこの楽譜を開いて「はて?犬の呼吸?背中?なんのこっちゃ?」と一瞬「はてな?」が頭の中を飛び交いました。が、思い出しました。

犬が呼吸する時の様子を思い浮かべてみてください。もちろん犬の呼吸だって何種類もあると思いますが、犬がね、呼吸している時の「背中」に注目してみましょ。この楽譜の最初の音(って最初の音しか見せていませんね)、これを打鍵する時の呼吸をね、犬が呼吸している時の背中の感じをイメージしてみてね。

肩を開いて、首の後に息を入れるように・・・と言う説明も出来るけれど、もしもあなたが犬好きだったら、「犬の呼吸・背中」をイメージしたらとても易しい事かもしれません。

ピアノの打鍵のバランスについて

ピアノの打鍵のバランス。打鍵のバランスといえば、一緒に発音(打鍵)する音=一度に幾つもの音が鳴る時に、それぞれの音の響きの比率をどうするか?を考える・感じる・表すことです。

何となく「楽譜に書かれている音」を指でなぞってダン!とピアノの鍵盤を落とす、というのはそろそろ卒業しましょう。

メンデルスゾーン「幻想曲」第2楽章冒頭

さぁ、あなたならこの和音(左手:みそし、右手:みしみ)の6音を、どんなバランスで弾くでしょうか?度の音を1番聴きたいですか?2番めに聴きたい音は?じゃ、3番めは?あなたの耳が良い響きのバランスを教えてくれます。是非、バランスを聴くということに意識を置いてみましょう。

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ピアノで表現することについて

ピアノで表現する、というのは「言うは易く行うは難し」かもしれません。でもね、意識する・考えてみる・想像してみる・いろいろやってみるという、とにかく行動することが第1歩です。それはどんなに小さな事でもいいのです。

この楽譜の最初の和音は、どんな気持ちなのでしょう?どんな場面なのでしょう?どんな場所にいるのでしょうか?

メンデルスゾーン「幻想曲」第2楽章冒頭

何故そこに「スフォルツァンド」と書かれているのでしょうね?その「スフォルツァンド」は、その意味のまま捉えて弾いてしまって良いのかしら?それは攻撃的な音?それともシアワセに向かっていく音?高揚する音?興奮している音?温かさはないのかしら?

一つのアドバイスとして「Smile !」と楽譜に書き込みしてあります。ちょっと実験です。この和音を、思いっきり笑顔で弾いてみて下さい。次に、仏頂面で。さぁ、何か変化はあったでしょうか?これが一つの、でも大きなアドバイスです。

ピアノを弾く時の手の形・呼吸・打鍵のバランス・表現について考える

  • ピアノを弾く時の手の形は、エネルギーが向かっていく方へ
  • ピアノを弾く時の呼吸は何かをイメージしてみる
  • 打鍵のバランスは、どの音の響きを1番に聴きたいか?耳で心地よいところを探そう
  • ピアノで表現について考える時、もしも○○だったら?と、いろんなシチュエーションをイメージしてみましょう。

いろいろ考えることが多い?と思うかもしれませんね。でもね、自分で考えて自分で実践して「これだ!」と思えるものに出会えるというのは、一番大きな収穫です。それこそが、身に付くもの。是非、自分で意識する・イメージする・やってみる事を恐れずに!あなた自身の音楽を表すために!ね♪

チェンバロから考えるバッハ講座Vol.3 装飾音の考え方〜講座のご案内

ベルギー在住鍵盤楽器奏者の末次克史先生による「チェンバロから考えるバッハ・ピアノ奏法の可能性〜Vol.3 バッハ・装飾音の考え方〜」ワークショップのご案内です。

2018年7月15日(日)13時〜

東京都杉並区のスタジオ・ピオティータさんにて

講座参加費:5,000円

ピアノとチェンバロを使ってのワークショップです。

詳細はこちらのページをご覧ください。お問合せ・ご予約はわたくし荒井がメールで承っております。

chihirohk@gmail.com

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