2つの前後に連なる音に付けられるスラーは、様々な曲の色んな所に出てきます。あなたも無意識下でたくさん目にしているはず。もはや大して難しいことではないかもしれませんね。そんな2音の間に付けられたスラーの打鍵に気を付けることがあるとしたら、何だと思いますか?

ベートーヴェン「悲愴ソナタ」第1楽章から

優しさを表したいフレーズに出会った時、あなたはどんな風にその優しさのニュアンスを付けるでしょうか?どんな事でも、様々な状況が考えられますし方法も1つではないでしょう。だから、今日もあなたと一緒に考えてみたいと思います。

2音間スラーで気をつけたいコト

モーツァルト「ソナタ」K.331第1楽章から

画像の右手部分(上の段)に注目して見てみましょう。2つの音につくスラーがありますね。この打鍵の動きは一つです。1音目で指を鍵盤に落として打鍵して、その指を鍵盤から離す前に2音目を打鍵して離す(上げる)。

「落として上げる」という一連の動きです。しかし、一様に「落として上げる」と思わない方が良いですね。

モーツァルト「ソナタ」K.331第1楽章から

こんな状況を想像してみて。1音目は右足を踏み出す。そして2音目では、左足を踏み出す。その状態を思い浮かべてごらん。或いは今、歩いてみましょうか。

スラーは「つなげる」という意味ですね。右足が先に出ても次に左足が出てくる時、もうそこに右足がないという事はないでしょ?(歩く場合です)左足が出てくる時も、右足は連動して動きがあるよね?それが「スラー」ね。

じゃあ、左足が次に離れる時(2音目の離鍵)は、どうでしょ?いきなりそこでジャンプする?うん、そういう事もあるよね。でも、この画像の場合だったらどうかしら?って、考えて弾きましょうね。

2音間スラーの離鍵は、アクセントが付いたりスタッカートで飛んで不自然じゃないか?

自分が出す音をよく聴いて、考えようね。

使用楽譜はこちらです。

2音間スラーの打鍵は、動きは1つ!

ベートーヴェン「悲愴ソナタ」第1楽章から

この画像の中に、大事なことが2つあります。

1つは、画像1段目の右手。鉛筆で○で囲ってある「4分休符」です。ここは「息を吸って、次の打鍵に向けて準備するところ。

もう1つの大事なことが、表題の「2音間スラー」です。「2分音符+4分音符」に、スラーがついていますね。この2音の打鍵をするための動き=アクションは、「ひとつ」です。スラーの1音目(2分音符)打鍵で腕を落としたら、そこで動きを止めず次の音に向かっていく。そして2音目(4分音符)打鍵で上がる=上へ抜けていく。

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この動作は「一連」、ひとつの動きです。これを、1音ずつで動作を分けてしまうと(それぞれで止めてしまうと)、繋がらなくなります。

また、2音目(スラーの終わりの音)で手が抜けなくなると、4分音符ではなくなってしまう危険大!4分休符がなくなってしまいますよ。

だから、2音間スラーの打鍵は、2音で1つの動き!ということを、忘れないでね。

使用楽譜はこちらです。

優しさのニュアンス付けはどうしたらいいんだろう?

ドビュッシー「亜麻色の髪の乙女」から

画像の左手が入ってくるところのお話です。

それまでは右手だけで奏でられていた美しいメロディに、何か温かく柔らかく優しい気持ちが重なってきます。ほわんとして、心が癒やされるような。それなのに、そこで書いてあるとおりにストンと弾いてしまうと、何か台無しにされる印象を受けてしまいます。

だから、こんなところではドスンと落とさないでね。あったかいものを包むように。優しさの、ニュアンス付けを致しましょ。あなたの中の優しさを素直にね、優しく息を吐いて手を落としっぱなしにしないように。

2音間スラーの打鍵で気を付けたい事と優しさのニュアンスの付け方のまとめ

  • 2音間に付けられたスラーの打鍵は「落として上げる」全部で1つの動きにする
  • 2音間スラーの打鍵を「落とす」と「上げる」の2つの動きに分けない(それぞれで動きを止めない)のがコツ!
  • 音から・響きから・フレーズから優しさを感じたなら、あなたの中にある優しさをそのまま優しく伝えてみましょう。あなたの優しさは「ドスン」と尻もちはつかないでしょう。

よくある2音間に付けられたスラーの弾き方でいつも気を付けたいのは、動作を出来る限り少なくすることです。「落として上げる」で1つだということを覚えておきましょう。

音楽は、あなたが感じることを素直に表したら良いのだと思います。それがあなたの音楽になるから。だから、あなたが「優しさ」を感じたなら、あなたの優しさを伝えてみましょう。決して喧嘩にはならないはずですよ。

さぁ、最後にお知らせです。

チェンバロから考えるバッハ講座Vol.3 装飾音の考え方〜講座のご案内

ベルギー在住鍵盤楽器奏者の末次克史先生による「チェンバロから考えるバッハ・ピアノ奏法の可能性〜Vol.3 バッハ・装飾音の考え方〜」ワークショップのご案内です。

2018年7月15日(日)13時〜

東京都杉並区のスタジオ・ピオティータさんにて

講座参加費:5,000円

ピアノとチェンバロを使ってのワークショップです。

詳細はこちらのページをご覧ください。お問合せ・ご予約はわたくし荒井がメールで承っております。

chihirohk@gmail.com

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