あなたはピアノで「歌うこと」と、どうやって弾くか?の「奏法」は別のものだと捉えているでしょうか?「

ピアノの奏法」は「技術」だとすれば(いや、技術ではあると思いますが)、それは「歌うこと」とは別かもしれません。

ブルクミュラー「清い小川」から

目の前の作品を弾くために必要な技術がなければ、実際に弾く事は出来ません。しかしピアノで「歌うこと」が出来なければ、どんなに技術があってもメカニカルな演奏以上の何かを求めるのは難しいと思いませんか?技巧のためだけの奏法ではなく、歌うために必要な奏法があるとしたら、まずはあなたが「どう歌いたいか?」を考えないとピアノを弾く事は出来ないかも知れませんよ。

指遣いも然りでしょう。指遣いは「今の弾きやすさ」より「今から次への弾きやすさ」を考えてみたい。そしてそれは更に言うと「弾きやすいから」というところを超えて、「歌いやすい指遣い」を考えられないものだろうか?これは視点の問題です。ものは何でも見方次第。さぁ、今日は「歌うための奏法」「歌いやすい指遣い」を考えてみませんか?

奏法を面倒くさがると、歌がおかしくなる

次の画像の右手に注目しましょう。

ブルクミュラー「清い小川」から

右手は8分3連符で進行していきますね。でもこれ、よく見ると二声になっていますよ。この曲は、8分3連符の第1音を「押さえておく=保持する」練習曲です。

しかし早い学齢からピアノ学習を始める、言い換えれば体(手)の小さな子が多い日本人には、この奏法は厳しい場合が多いでしょう。つまり、1音を保持しながら他の音を弾くということが難しい。何故ならまだ体が小さいから(手が小さいから)。そんなピアノ学習者の場合、どうなるのでしょうか?

身体の小さなピアノ学習者に、右手だけで二声になっているということを理解させて演奏に反映させるのは、やさしい事ではありません。

多くの場合、「しそれ しそれ どらふぁ らふぁれ…」と聴こえてしまいます。でも、歌は「しーーしーーどーーらーー…」という4分音符が紡いでいますよね。それを理解しているか否か?という違いだけでも、手の大きさや開き具合に関わらず出てくる音楽は変わるでしょう。

気付きを与える練習法のうちの2点を、お話ししましょう。

  1. 8分3連符の中の、4分音符として伸ばす音を立て左手で、続く2音を右手で弾いていきます。

      →これは「二声(2人の歌)」への意識付け。

  2. 各拍を、和音化して取る。

    「しそれ」を「しれそ」の和音として弾く。

      →この時、「1」の指に指先も耳も、強く意識を置く。

他にも方法はありますが、ご参考までに。

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指遣いは、次への弾きやすさを考える

コープランド「ネコとネズミ」から

画像の右手の和音をどんな指で取るかについてです。下から「ラシレファ#」という音で出来ていますね。これ、パッと音を見たら「1235」もしくは「1234」の指で取るのではないでしょうか?

しかし楽譜には、下から2音目の「シ」は「3」で取りなさいよ、という指示があります。もちろん、指遣いは必ずしも書かれているその通りにしなければならない、というコトはありません。あくまで「推奨」。この指遣いが、弾きやすいんじゃない?という、指針です。

基本の指遣いは、あります。ただし、人の手・指の形や大きさ長さ広がり具合などは様々ですから、あくまで参考にということ。

ではこの画像の場合は、どうして「シ」を「3」で取ったらいいのかわかりますか?(こういうコトを考えて自分で答えを見つけられるよう、レッスンでは導いています。)

どうして「シ」を「3」の指で取ったらいいのか、言わないでおこうかと思いましたが(笑)タイトルの通り、次への弾きやすさを考えて「3」になっています。

和音ではない16分音符の動きに注目してみましょう。「3」の指で弾きなさいよという指示の「シ」の次は「シの♭」で続いて「ラ」です。つまり、白鍵→黒鍵→白鍵という凸凹の動きをしますから、黒鍵を弾きにくい「1」の指で取らないように、出だしの「シ(白鍵)」を「3」で取るように指示しているのですね。

このように、今弾くその音の指遣いが弾きにくい場合、今のその音だけに注目しないで、その次への動きを見てみましょう。

歌うための奏法のコツと次への弾きやすさを見て指遣いを考える事のまとめ

  • 技術だけに注目しすぎないで、歌うためにはどう弾いたら良いのか?を考えてみるとイイ
  • 今弾く指遣いが弾きにくい場合、次の音へキレイにつなぐにはどの指遣いがキレイになるか?を考えてみるとイイ

「今」に注目することはとっても大事です。でもね、音楽は今の1点だけのものではありません。前後が繋がって流れていくもの。だから弾きにくさ・弾きやすさは「今」にこだわらないで、前後関係を見てみましょうね。

最後にお知らせです。いよいよ明後日です!

チェンバロから考えるバッハ講座Vol.3 装飾音の考え方〜講座のご案内

ベルギー在住鍵盤楽器奏者の末次克史先生による「チェンバロから考えるバッハ・ピアノ奏法の可能性〜Vol.3 バッハ・装飾音の考え方〜」ワークショップのご案内です。

2018年7月15日(日)13時〜

東京都杉並区のスタジオ・ピオティータさんにて

講座参加費:5,000円

ピアノとチェンバロを使ってのワークショップです。

詳細はこちらのページをご覧ください。お問合せ・ご予約はわたくし荒井がメールで承っております。

chihirohk@gmail.com

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