クレッシェンド(cress.だんだん強く)とは音楽用語ですが、「フォルテ」と言ったら強く!と瞬時に反応する人が多いのと同じくらい「クレッシェンド」はよく知られた言葉だと思いませんか?

さて問題はその【クレッシェンド】。単純に意味として「だんだん強く」だとだけ捉えていると音楽の方向性がおかしなことになりかねません。

ショパン「バラード第1番」から

もう1つ。あなたは「3段階戦法」というのを聞いた事があるでしょうか?ちょっと難しそうに言ってますが、実は簡単な話なんです。でも知ってるのと知らないのでは大違い!あなたのピアノでの音楽表現やいかに?のスパイス的なすぐ実践応用できる知識をお送りします!

クレッシェンドの方向性を示す

ランゲ「荒野のバラ」から

「クレッシェンド(だんだん強く)」も「デクレッシェンド(だんだん弱く)」も、記号で書かれていると見てわかりやすいでしょう。しかし同じ指示でも「cresc.」「decresc.」「dim.」などと言葉で書かれると、見落としやすいのです。文字も小さいですから余計に。これは見落とさないようにしたいもの。

突然音程が開く時のクレッシェンド

さて、画像1小節目でクレッシェンドです。次の小節でデクレッシェンドというのは、表情付けとしてはわかりやすいでしょう。だけど、右手は少々弾きにくい(表しにくい)でしょうか。何故なら、音が徐々に上がっていくなら、クレッシェンドしやすいものなのに、「ラファミレ」といきなり「ラ」から「ファ」へ「6度」上がります。そして音階で下りていきます。

下って行くのにクレッシェンドするの?これは、ピアノで弾くにはちょっと違和感があります。意識としてはっきりした違和感を持たなくても、逆に意識しないとクレッシェンドしにくいもの。

まずは「ラ」から「ファ」への、「6度の音程の開き」を感じたいですね。6度も音が上がるというのは、ただ事ではありません。これを歌うなら、6度上の音をとるのはやさしい事ではないでしょ?
想像してみて?いや、歌ってみて?実際に声を出してご覧。ピアノで弾く場合、6度音程は大した開きではないので危険です。簡単に弾けてしまうからね。

だからね、「ラ→ファ」はとっても空間・距離があるのを感じてみると、どうかしら?音程の開き具合はそのまま空間や距離に例えてみるとわかりやすいですよ。逆に2度の音程や半音なら、とっても狭い道を通り抜ける感覚をイメージしてみるとグッド♪

和音の動きでクレッシェンドを感じる

スポンサーリンク

右手に対して左手の和音は、「ファラレ」から「ソレファ」へと、和音を構成する全ての音が、上がっています。(その上、和音の下の音と上の音との音程が、6度から7度へと開きます。)

この左手は、クレッシェンドしやすいですね。気持ちが大きくなる感じがわかるでしょうか?「ファラレ」の和音は、ピアノは弾いたら音が減衰してしまうけれど、もしも弦楽器が演奏しているとしたら?と想像してみて?伸ばす音でのクレッシェンド、出来るでしょう?

フレーズをグルーピングしてクレッシェンドする

では、右手に戻りましょう。

「ラ→ファ」を大事にとりました。そしたらね、そのあとは「みれどし」と「らし|れーー」に、グループ分けしてみましょうか。それがこのフレーズでクレッシェンドするヒントですよ。

休憩*今日の音楽:佐藤敏直「いじめっこ」

唐突ですが、今日の音楽を間にはさみましょう。コーヒーブレイクと言った所。

佐藤敏直さんは日本の作曲家。1936年に生まれ、2002年に亡くなられています。山形は鶴岡の方なのですね。そして音楽をご専門に学ばれたわけではないようです。なんと慶應義塾大学の工学部のご卒業。

そんな佐藤敏直氏は、管弦楽や室内楽に邦楽や子供のための独唱曲などをたくさん生み出されました。今日はそんな佐藤敏直さんの「いじめっこ」をお送りします。

いましたよね、いじめっこ。いや、今もいますね。子どもの世界にも大人の世界にもいますよ。本人「いじめてる」意識がないから相当厄介ですよね。

なんだか懐かしくて、ちょっとだけ寂しくて、ちょっと悲しい。

3段階戦法を考える

ショパン「バラード第1番」から

こちらの画像はショパン作曲「バラード第1番」のあるフレーズですが、ここを経て次は

ショパン「バラード第1番」から

このように発展していきます。3回、同じように弾くのではつまらない。あまり面白くない。飽きる。しつこい(言い過ぎ)。でも、これは会話でもあるよね!

お相手に向かってお話しているのに、聞いてるのかどうだかわからない。つれない返事。あれ?だーかーら!あのねー!!!って、声色やテンションを変えて話してみる。押してダメなら引いてみよ!っていう、アレです。

何か、考えてみようね。何かをどう変えたら、気持ちが2枚目画像の所に高揚してたどり着くだろう?ってね。はい、考える。自分で考えて、試してみて、しっくりくるモノを探そうね!

あなたがしっくりこないで弾いているとね、聴いてる方もモヤモヤだからね~(笑)。

クレッシェンドの方向性と3段階戦法のまとめ

  • クレッシェンドの指示があったら、そのクレッシェンドはどの音に向っていくものなのか?を考える(理解する)こと
  • 突然音程が離れる時のクレッシェンドは、声を出してピッチ(音程)をとる時の状態を思い起こしてみるのがコツ
  • 和音でのクレッシェンドは和音の構成音の動きを見て響きの動きを感じる
  • 3回似たことが繰り返されるフレーズは好きな人との会話を想像してみよう!同じ話を3回全く同じように話すかしら?

クレッシェンドと書かれているから「はい、だんだん強くだよね」と音量を増していくのではなく、どうしてクレッシェンドなのか?そのクレッシェンドはどこに向っていくのか?を考えて理解することなしにピアノを弾いていても、トンチンカンだったり過剰な演奏になってしまいます。

3回似たフレーズが繰り返されるのに、オウム返しのように繰り返していてはつまらないと思いませんか?だったら何かを想像して何かを変えてみましょうね。ご参考までに。

最後にお知らせです。

荒井千裕ピアノ・リサイタルのご案内

今年も東京でリサイタルを開催させて頂けることになりました。

毎年好評の「お話と映像とピアノ」のコラボレーションも、今回は「おんがくの絵本」としてバージョン・アップ!ドビュッシー没後100年の今年は、プログラムもドビュッシーの作品づくしです。

2018年9月2日(日)15時開演

東京南麻布のセントレホールにて

チケット代は以下の通りです。

  • 一般:4,000円
  • 中・高校生:3,000円
  • 小学生:2,000円

ご予約はこちらをクリックして開かれるページで承っております

セントレホールでお会いしましょう!

ブログをメールで購読

メールアドレスを記入して購読すれば、更新をメールで受信できます。

無料メールマガジンのご案内

ピアニストでピアノ講師の荒井千裕が、あなただけにお送りする無料メールマガジンです。

ピアノ練習法・打鍵・体の使い方や精神コントロールについて、ここだけのお役立ち情報をお届けしていますので、是非登録してみてくださいね。

メールアドレス

配信停止は、いつでもできます
迷惑メールは一切配信されませんので、ご安心くださいね

powered by まぐまぐ!
スポンサーリンク