あなたはピアノで音階を弾く時に、「音楽的に弾こう」と思った事があるでしょうか?
聴かせたいラインがあるのに、トレモロが入ったりすると右手と左手は合っているのかどうかもわからなくなったり、しませんか?そのうち、あなたは「合わない」という、まるで両手の拍が合わない事が前提条件のように思い込んでしまうのです。
合わないんじゃないの。それはただの思いこみで悪い暗示を自分でかけているだけ。合わないなら、合う(合わせる)方法を見つけましょう(考えましょう)。
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聴きたい音を聴く事に集中してみよう!

ベートーヴェン「悲愴ソナタ」第1楽章から
このフレーズの中で聴かせたいラインは「外声」にあります。8分音符4音ずつの塊の1音目にはスタッカートが付いていますね。そのラインが聴かせたいもの。ところがいざ弾くとなると、両手の内声トレモロを合わせる事に必死!になってしまいます。
もう頭の中では、「合わない!きっとまたズレる!」スイッチが入っちゃってますから、体もガチガチ。お願い、弾きに行かないで~~!!!
合う?合わない?ちゃんと弾けないかも?という事ではなく、今は違う所に焦点を当ててみたいですね。それはね、聴きたい音、聴いて欲しい・聴かせたい音を、集中して聴いてご覧!
そう、まずはあなた自身が、聴きたい音をたっぷりと聴くのです。それだけでいいの。まず、あなたが楽しまないとね♪
今日のピアノ動画:ドビュッシー「グラドゥス・アド・パルナッスム博士」
ちょっとティブレイクで練習模様をはさみます。区の施設でピアノをお借りしてみました。ピアノ専門の施設ではないせいか、音の狂いもすごいのですが、これはこれで味わいがあると言っては怒られてしまうでしょうか。
今年2018年はフランスの作曲家クロード・ドビュッシー様の没後100年の記念年。というわけで今年はドビュッシーの作品を多く練習しています。こちらは子供の頃から大好きだった「子供の領分」第1曲の”グラドゥス・アド・パルナッスム博士”。
意気揚々とピアノの練習を始めるけれど、すぐつまらなくなってあくびしながら、窓から外の様子に気が散りながら練習してしまうのは、わたしだ(笑)。
ピアノで音階を音楽的に弾く方法
音階とは書いて時のごとく、音の階段ですね。1音ずつ上がっていったり降りていくもののことを音階と言います。
さてその音階は、指の体操ではありません。でも子供時代の私は、音階とは、徒競走みたいなものだと思っていました(汗)。指遣いを間違えず、速く弾ければ最高点!みたいな、勘違いも甚だしかったわけです。
それは、今のピアノ学習者さん達も変わらない。だけど、学習者さんたちにはきちんと伝えていかないと、速弾き最高!で満足してしまうピアノ弾きをどんどん生み出してしまいます。
基本の「キ」の指遣いがしっかり身についてこその、応用です。最初から「どの指遣いでも弾けるもん!」では、ありません。間違えて身につけたものを矯正するのはどんなに大変なことか、あなたは身に染みているのではないでしょうか?
さて上の画像、上がっていく音階について。まず、弾き始めのポジションに手を用意しますね。そうしたら、息を吸って・・・
って言ったら、深呼吸のように、しかも、
これ以上息は吸えない!ってくらい、
すでに死にそうになって息を吸った小2Yちゃん…
軽くね!軽くでいいから、「すっ」と息を吸今しょう。息を吸うと、体はどうなるだろう?少し、大きくなるような、上がるような感覚、わかるかな?
ということは、息を吸えば鍵盤上に用意している手も、少し上がるでしょ。そして、ストンと落として弾き始めるんだよ。
ストンと落として弾き始める時、少し息を吐いています。そして、息を吸っていきながら上昇していく。一気に吸うとすぐ詰まっちゃうからね。少しずつ吸っていく。
吸えなくなったら、ためておく。止めるのではなく、ためる。この呼吸を意識するだけで、自然なクレッシェンドがつきますよ。
そしたら下降で、ゆっくり息を吐いていくの。これで、自然なデクレッシェンドになりますよ。
カデンツも同じことです。ただ平坦に和音を並べても、面白くない。和音を一つずつ「置きに」行かないでね。
呼吸を意識すると、一つの大きなラインになるよ。
使用楽譜はこちらです
レッスンでの使用楽譜はこちらです。
ピアノで音階を音楽的に弾く方法と、聴きたい音を聴く事のまとめ
- 聴きたい音がうまく合わない・弾けないという時は、その聴きたい音をもっともっとよく聴いてあげましょう。あなたは今まで「聞こえて」いただけかもしれませんよ。
- 音階を音楽的に弾く事を意識するだけで、ピアノの表現力が上がる!曲の中にはたくさんの音階があるから。
- 音階を音楽的に弾くには、呼吸を意識しよう!上がる時は息を吸っていく。降りる時は息を吐いていく。
私達はピアノを弾いている時に、たくさんのことを感じているはず。だけどそれをただ何となく流してしまうのは勿体無い。感じたことは、もっと深く味わってそれを表してみましょう。
そして呼吸を忘れないで。上がって行く時と降りていくという音階の時だけではありません。もしあなたが歌手なら?管楽器奏者なら?呼吸をせずに音楽を奏でることは出来ませんよね。
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