ピアノを弾く上で(音楽をやる上で)、表現の三段階活用というのがあります。あなたも同じようなフレーズが何回も繰り返される作品に出会ったことがあるでしょう。そんな時、あなたはどう演奏しますか?どう表現するのでしょう。

グリーグ「ピアノ協奏曲」から

フレーズが三段階になっているなら、段階を経て表現していったらどうかしら?今日はそんなお話です。

フレーズの三段階を見つけてみよう!

上の画像の1小節目が「第一段階」、そして2小節目が「第二段階」。2小節目は1小節目から二度上がっていますよね。同じリズムで同じ動き方をしているけれど、ここは二度音程が上がるという変化が見られます。続けてこうなりますよ。

グリーグ「ピアノ協奏曲」から

更に二度上がりました。ここが第三段階めになります。以前、お話しした同じメロディ・リズムなどが(音程を変えたりして)繰り返される。それが三回続くと、フレーズは三回目で発展していきます。だから、その三回目に向かって段階を上げていくと、よりわかりやすい明確な演奏になるという事。

この「第三段階」は発展して次の画像のようになります。

第一段階と第二段階はそれぞれ「1小節」でしたが、第三段階は「2小節」で一つ。そしてフレーズは、この第一段階から第三段階の終わりまでの4小節で「1フレーズ」と捉えますよ。決して一段階ごとではありません。

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クライマックスがどこにあるか知っておこう!

4小節で1フレーズとなっている場合、3小節目に小さい「クライマックス(盛り上がり)」があります。クライマックスは一つの曲に1ヶ所だけしかないわけではありません。幾つかのセクションがあった場合、それぞれのセクションにその盛り上がりの程度の差こそあれ、クライマックスがあります。そしてもっと細かく言うと、クライマックス(盛り上がり)はセクションに1つとは限らないという事。

もしあなたが思い込んでいるなら、その思い込みを外してみましょう。「である」「べき」という、あなたの中の常識は、あなたの想像力(創造性)に簡単に壁を作って小さな枠から出られなくなりますよ。

さて、フレーズは幾つか重なったり繋がったり絡み合ったりして、セクションが出来ていきます。曲に形式があるなら、その形式だけに囚われないで、その中にある音の動きや音楽の動きや響きの変化に注目してみましょう。セクションが幾つかあって一つの曲が出来る。

各フレーズに小さいクライマックスがあって、それが積み重なって一つのセクションのクライマックスを迎えます。各セクションの繋がりがあって、その曲の最大のクライマックスを迎える。もう一度言います。それぞれのクライマックスはその程度が違います。もし、クライマックス(盛り上がり)の程度が同じなら、何度も同じ高さ(大きさ)の波が押し寄せて、一体いつ終わるのかわからなくなってしまうでしょう。

上の三枚の画像=4小節で言うと、1小節目は2小節目に向かっていきます。2小節目は更に3小節目に向かっていくという段階を経ている。そして4小節目で一度、ゆるやかな(小さな)終わりの形をとる。(=息を吐いていく)

ちょっと曲が長くなったら、セクション分けは出来るようになるでしょう。セクション分けが出来るようになったら、そのセクションの中でフレーズ分けをして、そのフレーズの中ではどこに向かっていくのか?ということを見てみると、よりわかりやすく、より表現しやすくなりますよ。

三段階活用の先の音を、事前に聴いておく

ラヴェル「クープランの墓」”トッカータ”から

上の画像の2小節目からについてです。

2小節目と同じことが3回繰り返されているのがわかるでしょうか?同じフレーズが3回繰り返されると、その3回目は発展していく、という法則の例ですよ。この画像でも、3回目は更に上がっていくという発展を見せています。

発展していった先のフレーズがあって、この曲の場合は更に三度上の音からもう一度繰り返される。そしてたどり着く「三段階活用の”先”」がココです。

ラヴェル「クープランの墓」”トッカータ”から

このような場合は、その「向かっていく先の音」到達点でもあり、新しく展開するフレーズの始まりでもあるその「音」を発音する前に、あなたの頭の中で「聴いておく」ことが大事です。あなたの身体の中で、その響きを「想像しておく」こと。それをするのとしないのでは、出てくる音は全く違うものになります。嘘だと思うかもしれませんね。騙されたと思って、あなたが欲しい音を明確にイメージしてから(あなたの身体の中でその音の響きを発してから)弾いてみて下さい。今日の課題ですよ。

あなたが欲しい音は、どんな音ですか?それをあなた自身が「聴く事」「想像する事」が出来ないと、あなたが欲しいはずの音の響きを発するのは、厳しい。

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フレーズ・表現の三段階活用とその先の音を事前に聴いておく事のまとめ

  • 同じ動きやリズムが3回繰り返されるフレーズがあったら、3回目は発展していく三段階活用になっている所に注目してみよう!
  • クライマックスは1ヶ所ではない事を覚えておこう!
  • 小さなクライマックスは、4小節で一つのフレーズなら3小節目にある
  • クライマックスの程度は全て同じではない。小さなクライマックスが積み重なって、一つの作品の中での一番のクライマックスに向かっていく
  • 三段階活用の先の音がどのように変化して響くのかを、弾く前に先に想像して聴いておこう!

全てはあなたの表現力を高め、あなたの想像力を豊かにし、あなたが創造する喜びを味わえる事に繋がります。音楽をやるのは楽しいこと・喜びであることを忘れないで欲しいです。

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