レガートで音と音をつなぐピアノでスラーの弾き方3つのポイント
スラーが付いていたら、「なめらかに」とか「繋げて弾こう」って確か習ったんじゃないかなぁ?
でも、練習しているうちに、自分が「なめらかに」弾いているか、ちゃんと「繋げて」弾いているのか、気にもしなくなっていないかしら?
あなたが繋げて弾いているつもりでも、音が繋がって聴こえないとしたら?
それは打鍵の仕方・離鍵の仕方にちょっと問題があるのかもしれませんよ。
もう一度、スラーが付けられた音たちをどう弾くか?あなたは今、どうやって弾いているか?チェックしてみませんか?
Contents
2音に付けられたスラーは「落として上げる」のシンプルな動き

2つの音に付く「スラー」の弾き方は、とってもシンプルです。
1音目で指を落として、そこで動きを止めず、2音目の打鍵で手を上げる。
この動作は「二つ」ではありません。「一つ」ですよ。
「指を鍵盤に落とす」で一つの動きとして、止まるわけではありません。
落ちた時、手首のクッションを使って、自然に次の音の打鍵に向けて上がっていく。
ソファのように、トランポリンのように。
だから「落として上げる」で一つの動きなのです。
でもね、腕に力が入っている状態では、これを「一つの動き」として弾くことはできません。
「落とす」で一つ。ここで動きが止まってしまいます。
だから、2音目で「上げる」と言っても、指先で打鍵してからまるで時差があるかのように、後付けで手首が上がってしまうのですね。
手首のクッションを使って、手・腕が連動して上がっていく過程で、指先は第2音の打鍵をするのです。
ご参考まで。
打鍵は1つのスラーで1回転で弾くのがポイント

右手「レミ ファソラソ ファソファミ レ レー」で、1つのスラーになっていますね。
こんなフレーズは、「1スラーで1つの動き」で弾いてみましょう。
「1つの動き」と言うのは、打鍵する動きの事。
1音目の「レ」が発音したら、腕の回転で、楕円を下から描くように立ち上がりながら「ミ ファソラソ ファソ」と弾いて行く(鍵盤をなぞって行く)。
そして、立ち上がった腕をふわりと下ろすように「ファミ レ」と、なぞって行くだけ。
「レ」「ミ」「ファ」「ソ」「ラ」「ソ」「ファ」「ソ」「ファ」「ミ」「レ」「レー」
と、1音ずつの縦の(上下の)動きにならないように、気をつけましょう。
ブーメランが、行って帰ってくる、みたいな感覚でね。
スラーの終わりは手をはらう動き

スラーの終わりの音の打鍵を考えますよ。
あなたはスラーの終わりの音を打鍵したら、手・指・腕を落としたままにしていませんか?
打鍵したところで落としたままにしてしまうと、そこで音は止まってしまいます。
音の伸びはなくなり、下へ落っこちてしまうの。
だから、スラーの終わりの音で手を払って(上げて)みませんか?
スラーの終わりの音に向けて、手を払って(上げて)行ってみましょう。
それだけで、音の柔らかさが変わりますよ。
ほら、聴いてみて。音がどうなるかを。
「あ、そっか!」と生徒さんは、打鍵の(離鍵の)仕方が変わると音の動き方が変わる事にと気付いたようです。
その後の1週間、この事によく気を付けて練習してきてくれましたよ。
人は、自分で違いに気付いたら、自分で「どっちがいいか?」を感じられたら、自ら変えていけるんです。
「変えよう」って動いていけるんですよね。
すごいなぁ。嬉しさが溢れる瞬間です。
さぁ、次はあなたが違いを感じる番ですよ。ぜひ試してみてね。
今日のピアノ動画*グリーグ「ソルヴェイグの歌」
ティブレイクは、グリーグ作曲「ペール・ギュント組曲第2番」から”ソルヴェイグの歌”Op.55-4をお送りします。
なんだかとても懐かしい気持ちになるのは、どうしてなのでしょう?
まとめ
- 2音に付けられたスラーは「落として上げる」という一つの動きで弾くのがポイント
- 2音に限らず1つのスラーは1回転の動きで弾いていく
- スラーの終わりの音打鍵で手の動きを止めずに上げるのがコツ
スラーは言い換えれば「レガート」です。
ということは?スラーの中にある音たちは、全て繋げて弾くのが基本。
音と音を分断させないために必要なのが、「1つの動きで打鍵する」こと。
決して1音1音ずつ縦の動きで弾かないように。あなたが今、どうやって弾いているのか、客観的にチェックしてみましょう。
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