交互奏とは、左手→右手→左手→右手というように、ピアノで手を交互に打鍵していくもの。
この「交互奏」は、弾きにくいと感じる人が多い奏法の一つでしょう。

メンデルスゾーン「ロンド・カプリチオーソ」から
あなたは交互奏で「弾きにくいなぁ」と思ったことはありませんか?
例えば両手共にオクターブでの交互奏もあれば、単音での交互奏もあります。
今日はピアノで弾きにくいと感じることの一つ「交互奏」を、もっと弾きやすくすることについて考えていきますよ。
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オクターブで交互奏
下の画像はメンデルスゾーンの「ロンド・カプリチオーソ」のコーダ(結句)です。
両手共にオクターブ和音がかけ上がるフレーズで、華やかに盛り上がっていきます。でも実際にピアノで弾く方は息も絶え絶え、手も混乱し疲れやすいところですね。

メンデルスゾーン「ロンド・カプリチオーソ」から
ピアノを両手でオクターブで弾くフレーズだから、弾きにくいのではありません。
次の画像も交互奏ですが、オクターブではありません。両手共に単音ですが、「弾きにくい」と言う訴えのあったフレーズです。
単音での交互奏

シューマン「ピアノ五重奏曲」Op.44 第1楽章から
こちらはシューマンの「ピアノ・クィンテット(五重奏曲)」第1楽章の1フレーズ。1枚目の画像と同じように、左手から弾き始めて右手へ、そして交互に弾く音が続きます。
「左手から弾き始める」と言うのがポイントかもしれませんよ。先のオクターブ・フレーズも、こちらの単音のフレーズも始まりは、左手なのです。つまり、左手がリーダー。
ピアノの交互奏で意識したいポイントとは
交互奏の時に意識したいことが一つあります。それは「両手順番こに打鍵する」と言う考えを捨てること。
左手を打鍵してから右手が打鍵への動きに入るのではありません。1拍ごとに打鍵をとらえてみましょう。打鍵のために落とす動きに入るのは、左手も右手も「同時」。ただ、左手が先攻するだけです。
右手は左手の後から「ついてくる」だけ。
このように交互奏の打鍵の仕方を考えると、打鍵の動作が半減します。余計な動作がなくなるとどうなると思いますか?余計な動作とは「無駄な動きだ」と言うこと。
無駄な動きがなくなれば、交互奏が弾きやすくなるだけではなく、疲れることもなくなりますよ。
今日のピアノ動画*ドビュッシー「水の反映」
ティーブレイクです。今日のピアノ動画は、フランスの作曲家ドビュッシーの「映像第1集」から”水の反映”をお送りしましょう。
水の様々な動きや水面にきらめく光を想像・・・
ピアノで弾きにくい交互奏を弾きやすくする方法のまとめ
- 交互奏が左手から始まるのか右手から始まるのかを見てみよう!
- 先に弾き始める手がリーダーでもう一方は連れられていくだけ
- 右手と左手は交互の動きでも、打鍵の動作は同時(一つ)
もしかしたら「ちゃんと弾かなければ」「しっかり打鍵しなければ」という無意識下に埋め込まれた思い込みが、ピアノの弾きづらさを倍増させているかもしれません。
右手と左手は別物ですが、打鍵するための動きをなるべくひとまとめにする方へ考え方を変えてみる事をオススメします!


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