ピアノで分散和音の練習法とユニゾンの弾き方を考える
和音を崩して弾く分散和音(アルペジオ)、そして両手で同じ事を並行で弾くユニゾンも、ピアノ作品にはたくさん出てきますよね。
何気なく出てくるものですから、あまり気にかけていないかもしれません。あなたは曲中に分散和音やユニゾンが出てきた時、どんなふうに練習するでしょうか?

今日は分散和音の練習法や、ユニゾンの弾き方について、一緒に考えてみましょう。
さぁ、ワクワクの領域を広げていきますよ!
Contents
分散和音は、和音化して「型作り」と「移動」の練習をするのがポイント

この画像のように、「分散和音(和音を崩して弾くアルペジオ)」が続くフレーズなら、その「分散和音」を「和音」としてつかむ練習がオススメします。
それぞれの「分散和音」は、1音ずつ「弾きに行く」わけではありません。
例えば右手の最初の分散和音「ソミドっ」は、「ソ」の打鍵をする時点で、続く「ミド」に指が用意されている状態がベスト。
なぜなら、その方が「運動量」が少ないから。
「1つの動き」で「ソミドっ」を弾けるからです。
そもそも「ソ」「ミ」「ド」ではなく、「ドミソ」という和音を「分散させて」弾くだけなのですから。
そのために、分散和音を、あえて「和音化」して「つかむ」練習をすることをオススメしているのですよ。
次に、それぞれの分散和音を全て「和音化」してつかみますが、その「和音化」した状態で、パッパッパッパッと「移動」することを意識して練習をしてみましょう。
例えば、「ドミソ」はそれぞれ「三度」ずつの音程関係ですが、
「ソドミ」になると「四度+三度」(ソとドの音程は四度、ドとミの音程は三度)なので、
「ドミソ」をつかむ時とは、手の状態は異なりますよね。
それを、瞬時に変えられるように意識するという練習です。
楽譜通りの分散和音で弾くのは、両手ともに(まずは片手ずつ)、すべての音を和音化して弾く(つかむ)のがスムーズに出来るようになってからですよ。
このような、分散和音系のフレーズが苦手!という方は、ぜひお試し下さいね。
ユニゾンの弾き方を、考えよう!

圧倒的に人気の高いこの曲、はい、ピアノの詩人ことフレデリック・ショパンさまの壮絶に大人気な作品「バラード第1番」です。あなたもお好き?
画像を見て下さい。楽譜を読むことが出来ない人でも、この画像は上と下が同じように動いているんじゃないかな?って気づくのではないでしょうか?
この曲に限りませんが、この両手平行奏のユニゾンで始まる曲って、とーっても難しいです。
(※ ユニゾン=両手共に同じ動きをする事。平行奏。)
ユニゾンで始まらなくても、曲の始まりと終わりはとっても大事よね。
なぜなら聴いてくれる人の印象に残りやすいですから。
- 奏者が何を考えて何に気をつけて
- 何を言いたくて弾いているのか
- どんな風に音を慈しんで弾いているのか
- あるいは何も考えていないのか
これらの事が伝わりやすいからです。
それがユニゾンのフレーズともなれば、そのフレーズをどのように聴かせるかで、この長い曲の後を「聴きたい」とワクワクしてもらえるか、もういいや、と聞く耳持たずになるかの分かれ目ですよ。
「あなたはこのフレーズ、どう弾きますか?」
うん、どう弾いてもいいのよね、ぶっちゃけちゃうと。ただしね、基本があります。
ユニゾン・フレーズの基本は「全部同じに弾かない」ということ。
全部同じ、というのは「同じバランス」であったり「同じ抑揚(歌いまわし)」であるということ。
出だしから終わりまで全ての音を、両手共に同じバランスで弾き続けない、ということです。
もちろん、同じバランスで弾いていいところもあります。
しかし、最初から最後まで同じにはしない、というだけ。
それはね、「繰り返すフレーズ」では、
- 1回目と2回目には同じようには弾かない
- 何かニュアンスを変える
- 歌い方・表情付けを変える
といった事と同じですよ。
さぁ、あなたはどうしましょうか?
女子高生Nちゃんは、「私はこう弾きます!こう弾きたい!」と決めて帰りました。
ヨシヨシ♪決められないと、それを考えてくるのが宿題になるレッスンです。
もちろん、弾くたび同じである必要はないの。
だけどね、あなたの中に「どう弾きたいか」「どう弾こうか」というモノがないと、行き当たりばったりでは心の奥にあるものを形に(音に)して出すのは難しいのよ。
要するに「ハウhow(どうやって)」がわかっていないからね。
悩んでいい。考えて考えて、いろいろ弾いてみて、自分で気持ちいい所を探すのです。
「こう弾きなさい」と教えられても、あなたの心がそれを本当に「気持ちいい」と思えないなら、良いものは出てきませんから。
あなたが考えてきた弾き方が、私の中にあるものと違っていいんです。
あなたの言いたい事が、私に伝わればいいのよ。
もし私に伝わらない時は、何か方法がずれているのね。
その時は、どうしたらあなたが言いたいように弾けるか、一緒に考えるからね。
今日のピアノ動画*ブラームス「二つのラプソディ」第2番
ティブレイクは、ブラームス様の「二つのラプソディ」Op.79-2をお送りします。
元生徒さんたちも、この曲が好きでレッスンに持ってきた子たちがいたなぁ、と思い出します。
分散和音の練習法とユニゾンの弾き方を考えよう!のまとめ
- 分散和音は1音ずつ弾きにいかない!
- 分散和音は塊に(和音化)してつかむ練習をする
- 分散和音を和音化した時、和音によって手指の幅や形は異なるので、それを覚えていく
- ユニゾンの弾き方はバランスを考えてみる
- ユニゾンの弾き方はいつも同じでなくていい。自分の弾き方の引き出しを増やそう!
分散和音のように、「和音をバラバラにした」とわかりやすいものは皆このパターンで練習することをオススメします。
でもね、分散和音に限らずどのフレーズでも、一度につかめる限りの音を和音化する練習は、余計な移動や動きを減らしますから、疲れなくなる上に弾きやすくなりますよ。
ぜひあなたの練習に取り入れて下さいね。
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