バッハ「インヴェンション第11番」譜読みと演奏5つのポイント

2021年4月18日

偉大なる作曲家、ヨハン・セバスティアン・バッハ(1685-1750)。
バッハの作品は、私達バッハ好きにはたまらない魅力にあふれており、また勉強欲をかきたてさせられるものばかり。
その勉強は、何度繰り返しても新しい発見がありワクワクします。

そんなバッハの作品は、バッハ以降の多くの作曲家たちにも影響を与えてきました。

ピアノ学習者にとって、バッハ作品への入り口はそうやさしいものではないかもしれません。
実際、今まで教えてきた多くのピアノ学習者さん達は、バッハを好きになるかなれないかに二分されてきました。

そんな好き嫌いの分かれるバッハ様は、まず何と言っても「インヴェンション」を避けては通れません。

バッハ「インヴェンション」
バッハ「インヴェンション」

バッハの「インヴェンション」は「二声(にせい)」と言って、言い換えれば二人の人が輪唱するような感じ。
二人の人が異なるメロディを同時に歌う。それが絡み合っていくような感じと言いましょうか。
バッハの「インヴェンション」は二声ですが、その後に勉強する「シンフォニア」は「三声(さんせい)」で、歌う人が1人増えます。もちろんピアノ上での話ですよ。

そしてその他の作品になりますと、四声や五声のものも出てきます。
これらの事を総じて「複声・多声/ポリフォニー」などと言いますが、それはバッハに限らず他の作曲家の作品にもよく出てくるもの。

ですからやはり、バッハの二声である「インヴェンション」から、その楽譜の読み取り方や理解の深め方などを身につけていきたいですね。

今日はバッハの「インヴェンション第11番」を取り上げて、譜読みのポイントと演奏のポイントを少しだけ、シェアしちゃいますよ。

先の先まで見てみよう

バッハ「インヴェンション第11番」から
バッハ「インヴェンション第11番」から

右手に主題がある。16分休符を経て16分音符の音階で始まるフレーズが主題だと、わかっているの。
でもね、左手の動きが始まると、どこまで何を気にしたらいいのか、曖昧になっちゃうんじゃないかしら?

音の動きは、「れみふぁそらし」と上がっていって一度下りて、また上がって下りてきてを繰り返します。
それぞれ、高い音をつないでいくと、「れみふぁそらし→→ど→→れ」と、きちんと「れみふぁそらしどれ」1オクターブ上がる音階になる事が見えてきませんか?

それを打鍵で強調するかどうかは別(そうする事が音楽的になるのかを考える必要があるため)。
でも、この事を理解しているかどうかで、16分音符で長く続くフレーズを、どう表していくかが見えてくるんじゃないかしら?

左手は、第2拍で8分休符を経て始まる動きは下りていきますよね。
その下りきった音は「れ」。その時、右手は上がりきった「れ」ですよ。
両手の動きは広がっていって互いに「れ」に到達したところで、音の動きは変化していきます。
左手はここからシンコペーションになりますしね、出だしからの音はここへ向かってくるのがわかるでしょう。

もちろん、ここが最終目的地ではないのでね、全てのエネルギーを出し尽くさないように。
ここは通過点であり、第1の目的地に過ぎない事を理解しておくのがポイント。

音価とその意味を考えてみよう

バッハ「インヴェンション第11番」から
バッハ「インヴェンション第11番」から

この出だしで気をつける事は2つ。

1つは右手出だしの「16分休符」の扱いです。
このインヴェンション第11番の主題は、16分休符を経て16分音符フレーズが始まる、ということを忘れないで。
この後、何度も主題が出てきますが、必ずそこに16分休符があるわけではありません。
前のフレーズの終わりの16分休符から繋がっている事も。

すると、「そこから主題が始まる」事に気づかなかったり、軽視されやすくなる危険が。
出だしの主題は16分休符を経ている事を忘れないで。
この後に出てくる時、16分休符がなくても、そこに16分休符があったら?の呼吸を忘れないので感じて弾くのがポイントです。

くどいですが、そこに「16分休符」があるんですよ。
16分休符は息を吸うポイント。
この時、左手は4分音符です。
低音のソは響かせたいですよ。
何気なくポンと弾かないで、弾く前にその響きを想像してみましょう。
この「ソ」は、どんな響きなのか?地中から響いてくるような?鐘の音のようなのかな?

音階の動きを追う

バッハ「インヴェンション第11番」から
バッハ「インヴェンション第11番」から

左手はほぼ音階で出来ていますよ。
音階で出来ているというのは、二度音程で音が動いていくということです。

「ソ→ファ#」「ファ#ソラ」「ラソファ#→ファ→ミ」「ミファソ」「ソファミ→ミ♭→レ」、音の方向は細かく変わりますが、全て隣り合う音(二度音程)で動いていますので、要は音階だということ。

そしてその中でも「半音程」で動いているところはより重視(注視)してみましょう。
8分音符で動いているところです。

「ソ→ファ#」「ファ#→ファ→ミ」「ミ→ミ♭→レ」ですよ。

なぜ半音での動きは他の音の動きより重視(注視)した方が良いのか?
それはね、半音で動くというのは、とても狭い所を通り抜けるような、また、心の不安を表すような意味があるからです。

商店街の中の、建物と建物の間をわずか1人が通れるかくらいの小道を入っていくような感覚、何か恐ろしいものが目の前の現実となりそうな不安に包まれた時のことなどを、思い出してみましょう。

逆の動きにも気をつける

バッハ「インヴェンション第11番」から
バッハ「インヴェンション第11番」3〜4小節目

さぁ、こちらは一つ前の画像の、逆パターンですね。
16分音符だけの動きが左手に移り、8分音符と16分音符の動きは右手に。

一つ前と違う事がありますよ。わかるかしら?
もう画像に書き入れてありますが、右手の動きです。
一つ前の画像では、音は下りていきました。
でもここでは、音は上がっていきます。逆行していますよ。
ということは、気持ちは逆になるということ。

音が下りていく時と、上がっていく時の感覚の違いを、あなた自身でうんと感じて表していきましょう。

主題はひそんでいる

バッハ「インヴェンション第11番」から
バッハ「インヴェンション第11番」6小節目から

さぁ、こんな所がこの第11番に限らず、あちこちに出現します。
つまり、主題がどこにひそんでいるかわからない状態。
前のフレーズとつながって書かれていて、よく気をつけて楽譜を読んでいないと、ここに主題がある事に気づかずスルーしてしまう。

この画像は原典版なので、作曲者であるバッハがそもそも書かなかったスラーなどは書かれていません。
が、画像に赤の縦線を書き入れたように捉えてみましょうか。

右手はその前からの動きは「らそふぁみれ」で一度終わる。
左手は「ファ→ファ→シ」で終わる。

右手は「らそふぁみれ」を弾き終えたら、息を吸う。
歌やリコーダー(その他の管楽器含め)、ブレス記号がここにあると思ってみましょうか。
つまり、そこで本当に息を吸うという事ですよ。

左手を見ると、「ファ→ファ→シ」の次の「シ」は、オクターブの開きがあります。
もし歌うとしたら、こんなに音程が離れているなら、簡単には出せませんよね?
それなりに音程をあなたの中で計る。
そのための時間を必要とします。

言い換えれば、ここではそれだけの時間(タイミング)をとっていいということ。
そうすることで、「ここからまた主題が始まる」事が明確になりますよ。

この記事では、お話するのはここまでにします。
しかし、この後の部分も、この記事でお話したのと同じ点に気をつけて楽譜を読んでいくだけで、「なんとなく弾いている」ところから脱する事ができますよ。レッツ・トライ!

ピアノ動画*バッハ「インヴェンション第11番」

ティブレイクは、バッハ様の「インヴェンション第11番」BWV782をお送りします。

あなたも弾いてみませんか?何度弾いても新鮮なんです。
いつも、違う自分に出会える感じ。あなたもぜひに!

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