ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第17番」テンペスト第1楽章練習のポイント

2021年4月7日

作曲家三大Bと言えば、ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(Bach)にルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(Beethoven)に、ヨハネス・ブラームス(Brahms)。

三大Bと言うだけあって、お三方とも偉大な作曲家です。
実に素晴らしい作品を多く残してくださいました。

中でも古典派のベートーヴェンは、ピアノにおいては「ソナタ」全32曲がどれをとっても魅力あふれるものばかり。
ピアノ学習者にとっても、ベートーヴェンの「ソナタ集」を買ってきなさいと先生から言われると、ちょっと嬉しく感じたのではないでしょうか?

作曲家ベートーヴェン
作曲家ベートーヴェン

今日はそのベートーヴェンのピアノ・ソナタから、第17番の「テンペスト」第1楽章を取り上げます。

演奏効果が上がる練習のポイント、ぜひ取り入れてみてくださいね。

フレーズの最後まで気づかってあげよう!

ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第17番」テンペスト第1楽章から
ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第17番」テンペスト第1楽章2小節目から

2音スラーが続くフレーズです。

2音の間に付けられたスラーの打鍵は、難しいとは言えないかもしれません。
でも、この画像のように2音間スラーがずっと続く上に、それが速いとなると、次第に自由が効かなくなってきます。

こんな時は、指づかいを含めて考えてみましょう。

  • どの指の組み合わせで弾いていくのか?
  • ポジション移動をどのようにしたらいいのか?
  • 打鍵の動きが大きくならないようにするには、どうしたらいいのか?
  • 上腕が固まらないようにするには、どうしたらいいのか?

何より全ての音に、気を使い続けるには、

  • どこを聴いたらいいのか?
  • どこを意識したらいいのか?

こんなフレーズで、音がダマになったり欠けやすいのは、降りてくる「終わりの音」です。例えば

  • ラソ ソファ ファミ ミレ
  • ラソ ソファ ファミ ミレ
  • レド ドシ シラ ラソ

といった、終わりの2音のこと。

ちゃんと最後まで気づかっていないと、最後まで聴いてあげられないと、自分がどんな風に弾いているのかすら、気付けません。

こんな2音間スラーのフレーズは、最後まで気づかうコトを意識してみましょう。
きっとそこから、突破口が見えてくる!

和音進行は、動いている音を聴くのがポイント

ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第17番」テンペスト第1楽章から
ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第17番」テンペスト第1楽章2小節目から

さて、こんなフレーズでは、右手だけに意識が行っていませんか?
左手は、ただ和音で刻んでいると、思っていませんか?

こんな和音続きのところは、和音の中で動いている音を追ってみましょう。

和音の中で動いている音の、その動き・響きの変化を感じてみよう!

そうしたら、今までとは違うものが見えて(聴こえて)くるかもしれませんよ。

他より伸ばす音は「響きの伸び」を味わうと生き生きしてくる

ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第17番」テンペスト第1楽章から
ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第17番」テンペスト第1楽章5小節目から

コマゴマと動いてきた後の少し長く伸ばす音は、つれなくされやすいの。

きっとあなたは「そんなつもりはない」のでしょう。
でもね、何だか邪険にされてるように聴こえます。

動いてきた後のちょっと伸ばす音は、その響きの「伸び」を味わってみましょう。
目一杯味わってね!

どんな風に響きが立ち上がって、空気を振動して行くのかを、味わうよう意識してみましょう。
響きの振動の、最後まで聴き届けるように。

ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第17番」テンペスト第1楽章から
ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第17番」テンペスト第1楽章54小節目から

こんな所も、ですよ。

大事なのは、指を動かす事じゃなくて、響きを味わう事。
全部は難しいかもしれないけど、こんな所こそ、味わってみましょうね。

目的地がどこにあるのかを理解しておこう

ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第17番」テンペスト第1楽章から
ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第17番」テンペスト第1楽章8小節目から

どこかへ向かって行く、急き立てられているのが目に浮かぶような、フレーズです。

どんどん、どんどん、突き動かされて行くように、追われて逃げているように・・・

だけど、一体どこへ行くのだろう?どこに向かっているのかしら?

ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第17番」テンペスト第1楽章から
ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第17番」テンペスト第1楽章13小節目

う。ここだ!とわかっているのよね。
でもね、本当にわかっているのかしら?
ここへ到達すると、「あ、ここだった」って気づいていないかしら?
本当に「ここに向かっていく」って前に目標地点が見えていて、向かってきたのかな?

右手は何かを教えてくれているのに、左手は何をしているのだろう?
ただの、拍取りではありませんよ。
左手も、一緒に目的地へ行ってみない?

右手だけで目的地へ行かないで、左手も一緒に。
そうしたら、あなたが感じるもの、見えてくるもの、あなたに見える世界は、きっと変わってきますよ。

指に任せきりにしない

ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第17番」テンペスト第1楽章から
ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第17番」テンペスト第1楽章69小節目から

左手の、うねるような8分音符の動き。
とても規則的に上がっていきます。
まるで、ハノンみたい?こんな動きこそ、指に任せきりにしないでね。

ソファソラ・シソラシ・ドシドレ・ミレミレ・・・いつでも、歌っていたい。
歌いながら弾くのは、ちゃんと指に指令を伝えるのに、最適ですよ。

ここでは、拍の通りに「ソファソラ・シソラシ・ドシドレ・ミレミレ」と感じても良いけれど、動きとしてのとらえ方(グルーピング)として、

ソ・ファソラシ・ソラシド。シドレミ・レミレミ・・・」と感じるのも、推進力が出るし、指の動きもなめらかになって弾きやすくなりますよ。

このような動きのフレーズでは、いつも気にかけてあげたいもの。
これらの動きから、ああなたは何を感じるのか?

ぜひ何かを感じて、ワクワクちゃいましょう。

二度の動きに意識を置いてみよう

ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第17番」テンペスト第1楽章から
ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第17番」テンペスト第1楽章78小節目から

右手も左手も、気を付けたらもっと素敵になる!

そんなポイントを2点。

  • 各小節の終わりまで気を抜かない!
  • 二度音程の動き(トリル)は1音1音、声を出して歌うように

以上。決して指の体操にしないように。音楽は歌があってこそ!を忘れないでね。

会話の盛り上がりを想像してみよう

ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第17番」テンペスト第1楽章から
ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第17番」テンペスト第1楽章79小節目から

こんなフレーズ、右手と左手が掛け合っていますね。

  • 漫才でボケてるのか?
  • 会話がうまいこと運ばないのか?
  • 会話がエスカレートしているのか?
  • 相手は誰なのか?
  • 話はちゃんとまとまるのか?こじれちゃうのか?

ちょっと想像してみるだけで、うんと面白くなります。
あなたがどう弾くべきかも、つかめちゃいますよ!

そこに休符がある意味を考えてみよう

ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第17番」テンペスト第1楽章から
ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第17番」テンペスト第1楽章93小節目から

伸ばす音の後に置かれている休符は、その存在を忘れられやすいもの。
どうして忘れられやすいのかしら?
伸ばす音に付いているフェルマータも、忘れられやすいですよ。

そもそも伸ばす音の場合、「その音がどのくらい伸びるのか」と言うのを感じる事を、ためらってしまうのかもしれません。
「待てない」と言う人は多いですよ。あなたはどうかしら?

伸ばす音や休符を「待つ」って思うから、待てないんじゃない?それは、

  • 響きがどこまで広がっていくのか?
  • どのように響いていくのか?

とか、そういうのを聴いていたら、待つ必要はなくなります。
多分、そこに相応しいだけ、伸びているだろう。

で、散々伸びたから?もうこれ以上、待てない?

いやいや、そうじゃなくてね、休符は何故、そこにあるんだろう?

だってね、そこに休符が必要ないのだとしたら、そもそもフェルマータが付いている音は、「付点2分音符」ではなく「全音符」にしたら良かったんじゃないの?

でも、ベートーヴェンさんは、「全音符」じゃなくて、「付点2分音符」にしたかったんだよね、きっとね。
だからね、ただの記しじゃないと思うからね。ちょっと、考えてみましょう。

どうしてそこに、休符があるのだろう?ってね。

他の楽器だったら?と想像してみよう

ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第17番」テンペスト第1楽章から
ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第17番」テンペスト第1楽章から

こんな、伴奏のない自由な旋律は、どうやって歌ったらいいのだろう?

「自由で、表情豊かに」となると、途端に自由になれなかったりしますよね。
こんな時は、是非、もしこの旋律を演奏するのが、他の楽器だったら?と、想像してみて!

  • フルートなら?
  • クラリネットなら?
  • サキソフォンなら?
  • トランペットなら?
  • ユーフォニウムなら?
  • ヴァイオリンなら?
  • チェロなら??

他の楽器に触れた事があると、想像しやすいでしょう。
もし、あなたが他の楽器の音色やその演奏する様を
想像するのが難しかったら、そんな時は、動画サイトでいろいろ観てご覧。

初めは、真似するのでもいいんです。
でもね、真似するなら、いろんな人のを真似してみましょう。
そうしているうちに、あなたの中でしっくりする歌い方が見えてきますよ。
ただの真似じゃなくなるから。

ぜひ、やってみてね。

2音間スラーの打鍵は、横の動きで

ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第17番」テンペスト第1楽章から
ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第17番」テンペスト第1楽章181小節目から

「2音間スラー」の弾き方の基本は、1音目で落として、2音目で上がる。
でも、その動きは、1音ずつではなく、2音で一つの動きです。

「落として止まる」わけではなく、「落ちきる前に腕は回転して上がって行く」のがポイント。
だから、画像のようなフレーズでも、小さな回転を繰り返しながら弾く事になります。

そうは言っても2音ごとの回転が大きいと、運動量が増え、当たりが強くなってしまいますよね。

「運動量が増える」と言う事は、「余分な動きが増える」と言う意味です。
要は、そんなにいっぱい回転させんでも!ってハナシ。

「腕とか手首の回転」と言うよりは、「脇の下で小さなボールを、ストローで吹いて転がしてる」みたいなイメージかな?

ふんふん♪ふんふん♪ ってね、鼻歌っぽく。
マイクを握りしめて、コブシを効かせないで。

そうだなぁ。坂道を、ボウリングのボールがゴロンゴロン・・・と回転しながら落ちていくのと、同じ坂道を、ピンポン球がころころころりん・・・と落ちていく、その違いみたいな。
って、わかるかしら?通じてる?

打鍵は2音で一つの回転ですが、その回転の上下幅を大きく取らない。
横に楕円を描くようなイメージを持って弾いてみましょう。
楕円じゃなくて円でもいいけれど。
横にね。横に、だよ。上じゃないよ。

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