ブラームスのピアノ曲「間奏曲」Op.118-2演奏4つのポイント
ブラームスと言えば、ドイツを代表する作曲家。
晩年の肖像画はなかなかゴツい感じがするのですが、若い頃はかなりイケメン💓

私がブラームスの作品と初めて出会ったのは、中学生になった頃のこと。自分専用のラジオを買ってもらって、FM放送でクラシックばかり聴いていました。その頃に出会ったのが、ブラームスの「ドイツ・レクイエム」。
泣きそうになりながら、聴いていました。その頃は、ブラームスさんがどんなお顔をした方なのか、全然知らず興味も持たず、ただ圧倒的な響き・迫力の虜になっていました。
ピアノ曲に出会ったのは高校に入った頃でしたか。課題として頂いた「2つのラプソディ」Op.79が最初でした。それから徐々に、ブラームスのピアノ曲の魅力にはまっていくのです。
今日は、大人のピアノ弾きさん達に大人気の「6つの小品」Op.118から第2曲”間奏曲”を取り上げます。ブラームスの「間奏曲」Op.118-2をより美しく演奏するちょっとしたポイントをシェア!
Contents
アルペジオのスピードを考えよう

画像の右手のアルペジオを見てみましょう。2分音符の「ファ」と「ラ」が、和音ではなく二声になっていて、下から崩して弾きましょうの「アルペジオ」の波線が付いていますね。
2分音符の「ファ#」と10度上の「ラ」。これだけを見ると、大した事ではなさそうです。
ここでまず考えたいことは、この「ファ#」と「ラ」では、どちらを「聴きたい」「聴かせたい」のか?と言うこと。それがあなたの中でハッキリしていないうちは、あなたがどう弾いているかは、ちょっとわかりにくいでしょう。
ではね、ざっくり上の「ラ」を聴きたい、と言うベースでお話を進めますよ。
上の「ラ」を聴かせる、と聴かせたいと思ってるのに、あなたが思っているようには聞こえないのは、どうしてだとなのでしょう?
- 「ラ」を出したいから、「ラ」を聴かせたいのに手を広げただけでは届かないから
- 左手の8分音符も跳躍する音程で、不安だから
だから、目的の音「右手のラ」への着地を、急いてしまうのです。無意識のうちにね。この「無意識」って奴が、厄介です。だって、無意識ですから、 故意にやってるわけではないのですから。
だから、あなたの意識は、聴きたい・聴かせたい「ラ」へ集中しているでしょう。じゃあね。
「ラ」の前の音は、どのように響いているでしょう?ちゃんと、聴き届けられたでしょうか?もし、聴き届けられたなら、あなたは気付いたんじゃないかしら。
「ラ」の前の、10度下の「ファ#」を、踏み台のようにキックして弾いているんじゃない?無意識でアクセント、付いていませんでしたか?
この画像の所だけを切り取って見た場合、「ファ#〜ラ」への弾き方のスピードを、どんな塩梅にしたら気持ちいいのか?綺麗なのか?
2分音符和音に付いているアルペジオだったら、「このスピードで」と決めてしまうのは、危険です。じゃ、何を基本にしたらいいか?と言うのは、もうね、あなたの「美意識」と言うのでしょうか。あなたが「あ、これ、綺麗、美しい」と思える塩梅、
ニュアンス、タイミングだろうと思います。
だから、自分が出す音を聴き続けるのは、とてもとても、大事なことなの。さぁ、あなたももっと、あなたが出す音を聴いてみない?
何を感じて歌うのか?

この曲に限った事ではないお話。
楽譜への「指示」は、そんなに多くありません。スラーの付き方に合わせて小さなクレッシェンドとデクレッシェンドがあるだけ。強弱記号は初めに「ピアノ(p)」があるだけでしょ。
ということは、「ピアノ」の中での、小さな変化を繰り返すだけなのでしょうか?こんな時に、あなたに感じて欲しいこと、見て欲しいのは、「響きの違い(変化)」。
1回目と2回目の、上のラインはどちらも「ミーファーミー」ですが、ハーモニーは変化していますよ。1回目は「ド」ですが、2回目は「ド#」に。半音上がるだけ?だから何?ってスルーしないでね。
そのわずかに半音上がることが、響きに大きな変化をもたらしている事を、感じて欲しいの。「ド」が「ド#」になる、その音の響きから感じられる事は、何かしら?
- 響きの違いは、どんなものなのか?
- 感情に変化があるのか?
- 空気感に変化はあるのか?
何か、「あなた」が感じる事が出来る感覚機能で、その違いを味わって欲しいですね。
もしも歌うなら。1回目の「ミーファーミ」と2回目の「ミーファーミ」は、響きを抜きにすれば同じかもしれません。でも、3回目は「ミーシーラーソー・・・」と、フレーズが長くなっていますよ。すると、歌うなら呼吸もコントロールしなければ、歌いきれないよね。
- どうして長くなるんだろう?
- どうして変化するんだろう?
まず、感じる事を、大事にしたい。感じる事があるなら、それを表す事を躊躇しないで、まずは表してみましょう。
ぜひ、感じる事をためらわないでね。
楽譜から得られる情報は、たくさんある!

この画像から、何が読み取れるでしょうか?
音の並び・音の動き、そして そこからメロディの動きが見えてくる。
- メロディ(歌)は、どのように始まって、どのような動きを経て終わりに向かうのか?
- メロディに対して、伴奏はどうなっているのか?どのような動きなのか?
- ベースラインの動きは、どうなのか?
- ベースラインに、歌を感じるだろうか?
- ハーモニーは、どこで感じられるのか?
- ハーモニーが変わるきっかけは、どこかにサインを出しているのか?
- ハーモニーの中に、歌はないのか?
もし、そこに幾つかの歌の存在が見えるなら、それらの関係・バランスはどうなっているんだろう?
もしくは、どのようにしたら、気持ちいいだろうか?何かそれについての情報を、楽譜から見つけられないだろうか?と考え、楽譜を見直してみましょう。
あなたの今の思い込みを、取っ払って見直してみるのがポイントです。楽譜から得られる情報は、実にたくさんあるんだよ。
教えてもらう前に、まずは自分で考えるところから。楽譜を別の視点からも眺めてみるところからね。
とらえ方を考えてみよう

それぞれの和音を、掴むことだけに、追われがちなフレーズです。
本当は、とっても素敵なのだけれど、それがわかっていても、いざ弾くとなると、
うっうっ...どうして、こんなに臨時記号多いのん?正しい音を押さえてるのかどうかすら、わっかんない〜!
正しい音を鳴らしてるのか、わからないんだよー!ってなってしまうかしら。
何を聴いたらいいのだろう?いや、あなたは何を聴いているのかしら?
じゃあね、違う所を聴いてみましょうか。
- 音がどう動いているのか?
- 同じ所はあるのか、ないのか?
- 隠れたラインはあるのか?ないのか?
- 捉え方(グループ分け)は、どうやっているのか?
じゃ、それを変える事は出来るだろうか?
-
- 細かく分けてみたり
- 少し大きく捉えてみたり
- うんと大きく捉えてみたり、ちょっと捉え方を変えてみよう
「piu lento」は、見えているかしら?
「legato」は、見えている?ここは、マーチになってもいいのかなぁ?
捉え方はこれでいいのか?他の捉え方は、ないのかしら?と、考えてみましょうか。
もっとラクに。委ねるように。
ピアノ動画*ブラームス「6つの小品」から”間奏曲”Op.118-2
ティブレイクは、ブラームス作曲の「6つの小品」Op.118から第2曲”間奏曲”をお送りします。
一時、大人の生徒さんたち10人くらいがこの曲をレッスンに持ってきてた事がありましたよ。いくらなんでもシンクロしすぎでしょっていう(笑)。ブームだったのかしら?
ブラームス「間奏曲」Op.118-2 演奏のヒントまとめ
- アルペジオのスピードを考えてみよう
- 何をどう感じて歌ったらいいのか?をスルーしない
- 楽譜から得られる情報はたくさん!だからわからなくなったら楽譜を読もう
- 和音だらけのフレーズは、とらえ方を考えてみよう
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