ブラームス「2つのラプソディ」Op.79第1番の練習ポイント
ブラームスと言えば、ドイツを代表する作曲家の一人ですね。
ドイツ三大Bと言えば、バッハ(Bach)、ベートーヴェン(Beethoven)、そしてブラームス(Brahms)のこと。
あなたは三大Bでお好きな作曲はどなたかしら?
私はね、バッハもベートーヴェンも、そしてブラームスも大好きです。
ブラームス作品と最初の出会いは中学生の頃の「ドイツ・レクイエム」ですが、ブラームスのピアノ作品での初めての出会いは、この「2つのラプソディ」Op.79でした。

今日は、ブラームスが1879年に作曲した「2つのラプソディ」Op.79第1番の、ちょっとした練習のポイントをシェアします。
Contents
ポリフォニー(多声)である事を忘れない
もうね、冒頭から三声になっていますよ。わかります?

右手部、符頭が上向きのものと下向きのものがありますよね。
これは2つのラインがある=要するに右手だけで二声になっているということ。
左手の出だしを見る限りでは、左手は一声なので、冒頭は両手合わせて三声です。
画像は1小節目だけですが、内声の2分音符ラインは、「ファ#→ミ#」の後も「ミ(ナチュラル)→レ→ド#」と二度ずつ降りていく音階ラインになっていますよ。
そういうところを見て理解しておきましょうね。
例えばですが。冒頭の「ファ」と「ファ」。
オクターブですが、二声でそれぞれの音の長さは違いますよね。
そしてそこは左手は休符です。
だから、ここは上の音は右手で、下の音は左手で弾くというのも、一つの方法ですよ。
スタッカートとメゾ・スタッカートの違いを感じよう

両手共にヘ音記号。手が重なります。
その時の左手は、スタッカートですね。(右手もスタッカートですが)この次の小節、こうなります。

ほぼ同じ?と思われた次の2小節。「何かが違う」という事に気がついたかしら?
左手は、スタッカートではありません。
メゾ・スタッカートです。なぜスタッカートからメゾ・スタッカートに変わったんだろう?って考えてね。
その違いを指先で感じてね。頭で、心で、その響きの違いを感じてみましょう。
スタッカートとメゾ・スタッカートは同じじゃない。
どこを聴くべきか考えよう

こんな音の動きの時、あなたなら「どこ」を聴くかしら?
「どこに、より注目して」聴きますか?
音の聴き方には、いろいろあります。
例えば、「弾く前にその音を想像して聴く」こと。
そして「弾いた後の響きを聴き続ける」こと。
これを続けていくと、常に「これから弾く音を想像して聴き」、
今発している音が、「過去の音になっても響きを聴き続け…」
そして「これからの音」と「今の音」と「去りゆく音」とが常に重なっている。
その上、次から次へと音がやってくる状態で、あぁもう、一体どこが一番大事やねん?って大混乱。
こんな時は、「長く伸ばす音」を聴く。
「長く伸びている音」が、今まだ伸びていて、響き続けている様を聴くことです。
次に弾かなければならない音のことで、頭が一杯ににならないようにね。
打鍵したら、それで意識がなくならないように。
木を見て森を見ず には、ならないように。
やっぱり多声に気をつけろ!

右手の上声、「れーそーらーしー|どーしらそーみー」と、哀愁漂うメロディですよ。
その続きやいかに?

さて、上の「れーそーらーしー|どーしらそーみー」の続きはどれでしょう?
内声で動いている「どーしらそーみー」だと思う?うん、よく似ているものね。
でもね、私は「れーーーーれーーーー」という2分音符に繋がっていると思いますよ。
この2枚目の画像にも「どーしらそーみー」がありますが、それは内声。
まるで、やまびこのような自分の心の声が胸の内で鳴り響いているような、そんな感じがしませんか?
状況・キャラクター・シチュエーションが変わるんだ、と思ってみてくださいね。
伴奏の中にもメロディがある?

右手の内声(4分音符のライン)、「ふぁーしーどーれー|みーれみれーどー・・・」がメロディ。
左手はずっと8分音符のフレーズ、あたかも伴奏だけれど、実はその中にメロディがあるんです。
右手がメロディを弾く時の左手の音もメロディ。
「ししれしみしふぁし|そしふぁそふぁしみし・・・」
合唱で言うなら下の音域のパートの「はもり」。
ここで気を付けたいのは、左手の8分音符の音価。
正しく「タタタタタタタタタ」と弾いてしまうと、まるでマーチになってしまいます。
右手とはもって同調している音の時は、少々テヌート気味に、大事に弾いてあげると良いですよ。
とっても気持ち良い!を感じて。右手のメロディと重なって出るその響きを味わってね。
伴奏の中にもメロディがある時は、その音を味わう、テヌート気味に弾くと良いよ。
音と音の間を聴いてみよう

右手の内声、「ふぁーしーどーれー|みーれみれーどー|…」という動き。
「れみ」が8分音符ですね。そして、左手はずっと8分音符です。
このような場合、ちょっとだけ意識を8分音符の音たちに置いてあげると、素敵になりますよ。
それはね、8分音符それぞれの音と音が、「引っ張り合っている」という感覚を持って弾くコト。
言い方を変えれば、「それぞれの音の響きを、十分に味わって弾く」。
右手の8分音符「れみ」は、「れ~み~」と味わいたい。
だけど、味わずに弾くと「れみー」と、ちょっと前のめりになるような感覚に。
左手もそうです。極端に言えば、「ししーれしーみしーふぁしー」のようにねなりやすいの。
ほんの少しの気づかいをするだけで、更に素敵になりますよ♪
ピアノ動画*ブラームス「2つのラプソディ」Op.79-1
ティブレイクは、ブラームス作曲「2つのラプソディ」第1番です。
2005年の演奏です。めっちゃ昔やん(笑)。香港シティ・ホールのリサイタル・ホールにて。
ピアノはベーゼンドルファーです。
ブラームス「2つのラプソディ」Op.79-1練習のポイントまとめ
- 多声(ポリフォニー)である事を忘れてはならない
- スタッカートとメゾ・スタッカートの違いをちゃんと感じよう!
- どこを聴いたらいいのかを、考えること
- 伴奏の中にもメロディがあるのを見つけてみよう
- 音と音の間を、聴こう!
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