音色には種類がある!ピアノで明るい音を出すための5つのポイント
そう、ピアノにはいろんな音色があります。
単純に「ピアノの音」というだけではありません。
「あのピアニストは多彩な音色を持っている」とか、
「あの人の音は鮮やかだよね」などと言うのを聞いたことはありませんか?
私は人生最大の師匠に出会った時、「あなたの音色は1つしかない」と言われ、ガーンと地球の奥底まで落ち込んだのを覚えています(笑)。
今思えば当たり前。だって私は音色を創るとか変えるという事を考えずに弾いていたのですから。
ただピアノで曲を弾くことだけに歓びを感じていたのです。
でも、ピアノ曲には実に様々な時代の、そしてたくさんの作曲家たちの、ありとあらゆる性格の作品がありますよね。
それを音色について考えること無く弾いていても、そりゃ、気分だけで音色を変えられたらエスパーですよ。
というわけで、私達はもっと「音色」に敏感になった方が良さそうですよ。
今日は、ピアノで明るい音を出すにはどうしたらいいのか?ということについて、考えていきます。
Contents
たくさんの音色を想像してみよう!

音には いろんな種類がありますよね。例えば…
- あったかい音
- 柔らかい音
- キラキラした音
- 透明感のある音
- 艶っぽい音
- 突き刺すような音
- 弾ける音
- 冷たい音
- 深い音
- 厚い音
- 曇った音
- モヤっとした音
…書ききれません。
これらの音を、ざっくりと二つに分けると、「綺麗な音」と「汚い音(キツイ音)」になるでしょうか。
もの凄い爆音なのに、キツくも汚くもなく「ずしん!」と腹の底に響いてくるような良い音もありますよね。
そうかと思うと、モノに石を投げつけるような、モノが壊れる(壊される)ような、痛い音も。
では、「明るい音」について考えてみましょう。
もちろん「明るい音」と言っても、いろいろ。
今、あなたが発する音は、明るいのか?暗いのか?
という事に焦点を絞って、あなたが出す音を聴いてみましょう。
聴き分けるように意識してね。
自分で自分が出す音を聴き分けられなければ、音色を変えて弾く事も、それを聴いている方に伝える事も、難しいです。
「(なんとなく~)明るい明るい~♪って思って弾いてる~ん」気分も大事です。
でもね、気分だけでは明るい音は出ないかもしれません。
ってか、「明るい!」って思い込むだけで明るい音が出るなら、誰も苦労はしないですよね。
明るい音を出すには?
ではまず、打鍵に意識を置いてみましょう。
指先の、ほんの一点で打鍵する。指の腹・面はあまり、鍵盤に触れないように。
そして決して、打鍵した指を落としたままにしないでね。
指を落としたままで止めてしまうと、音の生命力が消えてしまうから。
上半身は、鍵盤に覆いかぶさらないように。
音を上へ上へ!と飛ばすイメージを持って、打鍵と同時に手首を柔らかく使えると、尚良いです。
できれば視線は上げてね。
今日は、ピアノに向かったら、はじめはいつものように弾いてみる。
1フレーズで十分です。右手だけでもOK。
できれば長調の曲がいいですね。今日は、明るさを感じたいので。
ペダルを使わない方がいいです。まずは、あなたが出す「素の音」を聴いてみましょう。
そして上に書いたように、弾いてみてください。
手首を柔らかく使って、肩から指先までの関節の動きを、どこも止めないようにしなやかに。
指先と耳に神経を集中させてね。
きっと、違いを感じられることでしょう。
まずは、あなた自身がいつも出している音と、音を上げようとして打鍵の動きを止めずに出す音。
この違いを感じるところからですよ。
明るく音を動かしたいなら

ニ長調なので、悩みなんかな〜い♪って、アッけらか〜んと明るい感じが、するはず?
それなのに、何だか明るさに陰りが感じられたり重かったりする?
それならもう一度、打鍵する時の腕の動きをチェックしてみましょう。
気をつけたいのは、4分音符。
上の画像で言うと、1〜2小節目のそれぞれ第1拍目。
どちらもね、打鍵は、腕の内側から外側に向かってしましょう。
音に陰りが出てしまったり伸びがなかったりする時は、打鍵と同時に、手が落ちています。
手が「落ちたまま」になっているの。
だから、打鍵は、腕の内側から外側に向けて、伸びやかに。
この点を意識すると、実際に鍵盤に触れて打鍵する指は、打鍵後に「腕の内側から外側へ」という動きに連動して「てのひら」の中央が膨らみます。
そして手首が上がり=手の甲が上がり、指はしなやかに立ち上がっていきますよ。
このように打鍵すると、音は立ち上がり、響きは舞い上がっていき、明るさが放たれていきます。
何か心当たりがあるようでしたら、是非、あなたの腕の動きをチェックしてみて下さいね。
想像するだけで演奏レベルが上がる?

スラーやスタッカートが細かく付いていると、どんな風に音が動くのか?
その動きを想像するのは難しいかしら?
スラーはつながって、スタッカートは軽快なのかな?
それとも元気がいいのかしら?
スタッカートに続くテヌートはどんな感じなんだろう?
「ココはね~、ピエロが出て来てジャグリングしてるの!」と目を輝かせて話してくれた生徒さんがいました。
わはは!ホント、そんな感じだね。目に浮かぶわ~!

「ココはね~、太った親分的ピエロが出てきて、コケちゃうの!」と、生徒さん。

「それから続いて、痩せてて小さい子分が出てきて、コケちゃうの!」…お!そうなんだ♬

「最後はみんな出てきて踊り出して、そして
【そーれっしっそー~~】で、お辞儀して終わり♪」
と、全部解説してくれた生徒さんでした。
彼女は、この曲を課題に渡してから、この楽譜を読み込んで、イメージしたことを全部楽譜に書き込んでいました。
そして、それらの彼女のイメージを、再現するように弾いて聴かせてくれたのです。
それはそれは、素敵な演奏でした。
音がね、生きていて弾んでいて。彼女の心の歓び・楽しさがそのまんま伝わってくるよう。
さぁ、あなたも、いーっぱい!想像しちゃいましょう!
そしたらワクワクがいっぱいになって、あなたの演奏が生き生きしてきますよ♪
ピアノでどう表現したら良いかわからないフレーズって?
それはね、「どう弾いたらいいのかわからない」というフレーズは、和音だけが続いていたり、逆に速いパッセージが左手にある時や、アルペジオのフレーズに多いかもしれません。
和音だけが続いているというのは、和音を崩して弾く「アルペジオ」のフレーズが続くものも含みます。
もしかしたら、和音が続くより、和音を崩して弾くアルペジオのフレーズが続く方が、何をどう感じたら良いのか難しさが増すのかもしれませんね。
「どう弾いたらいいのか」わからなくなったら俯瞰してみよう!

こちらの楽譜では、下の2段をピアノが弾きます。(上の段はヴァイオリン)
この画像例のように、ピアノは和音が変化して刻んでいくような、そんなフレーズについて考えてみましょう。
ぱっと見、この和音たちを「どう弾いたらいいのか、どう気持ちを込めたらいいのか」ちょっとわかりにくいかもしれませんね。
和音が変化していくと言う事は、それぞれの和音の響きの性格の移り変わりを楽しむ(表す)事が、出来るんですよ。
和音の変化=響きの変化=性格の変化を感じて見よう!
そしてもう一つ感じて欲しい事です。
こちらは、こちらはヴァイオリンとのアンサンブルですから(もちろん、他の楽器でも歌でも良いのですが)楽譜を見ると、ピアノの和音が入るのはヴァイオリンの短い旋律を受けての事ですよ。
簡単に言うと、「合いの手」。
合いの手とは、誰かの話を聞いて頷く。
- へぇ
- うん
- それで?
- だから??
あなたも、日常でよくある事ではないかしら?
あなたの大好きな人と・仕事場で・友人とのランチや飲み会の中で。
だからこんなフレーズでは、ピアノの和音だけで変化するのを味わうと言うよりは、ヴァイオリンの動きと一緒に、ヴァイオリンの動きと共に変化していく事をオススメします。
何を聴いて何を感じたらピアノで表現出来るのだろう?
さぁ、ではこの画像の場合はどうなのか?もう一度、同じ画像を出しますね。

この曲のこのフレーズの場合、画像の1番上の段を演奏するヴァイオリンが、何をどう歌うのか?を聴いてみましょう。
そのヴァイオリンとピアノは一緒に動いていく、一緒に変化していく・一緒に進化していく!と、寄り添ってみると素敵。
だって、ヴァイオリンの動きを受けてピアノは合いの手を出すのですから。
それぞれヴァイオリンとピアノが紡ぐものは、別個ではないのです。
だから、ひとりよがりにならないでね。あなたが弾くもの・あなたが弾く動きだけにとらわれないで欲しいです。
これを、俯瞰すると言うんですよ。
つまり、「木を見ていた」あなたに、全体像である「森を見よう!」とオススメしています。
脱!木を見て森を見ず!
今日のピアノ動画*ポンキエッリ「時の踊り」
ティブレイクは、ポンキエッリ作曲の「時の踊り」をお送りします。
こちらはバレエもあるので、興味がある方は探して観てみてくださいね。
ピアノで明るい音を出すにはどうしたらいいのか?のまとめ
- まずは、たくさんの音色を想像してみよう
- 明るい音を出すには、打鍵で指を落としっぱなしにしないこと
- 明るく音を動かしたいなら、打鍵の動きは腕の内側から外側に向けるのがコツ
- スラーやスタッカートで動く音を細かく想像すれば演奏レベルが上がる!
- どう表現していいかわからなくなったら、一度俯瞰してみよう
エンジョイ!あなたのピアノ・ライフをもっと豊かに!
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