ブルクミュラー「25の練習曲」から”アラベスク”6つの練習のポイント

2021年6月15日

あなたはピアノのおけいこを始めて、最初に「この曲弾きたい!弾けるようになりたい!」と思った曲が何だったか覚えていますか?

私は、親が先回りして「娘がこれを弾けるようにご指導よろしくお願いします!」と先生にお願いしてレッスンして頂いた曲が多かったので、小6くらいになるまで、自ら「弾きたい」と思う曲に出会いませんでした。(回りくどいですが、弾きたいと思う前に与えられてた感じがします)

子供たちに教えていた頃、ダントツに「この曲わたしも/ボクも弾きたい!」ってレッスンに持ってくる子が多かったのが、このブルクミュラー作曲の「25の練習曲」から第2番の”アラベスク”でした。

他にはね、「エリーゼのために」とか「小犬のワルツ」とかも多かったですが、ブルクミュラーの「アラベスク」は、同級生が学校の休憩時間に弾いているのを見て、「弾きたい!」ってテンション上がっちゃう子が多かったんです。そして、大抵は提示部は「見よう見まね」で(楽譜を読まずに)弾けるようになってきちゃうのね(だから、テキトー弾き💦)。

「この曲弾きたい!」っていう気持ちがあるって、いいですよね!もちろん、応援してますよー!

というわけで、ブルクミュラー「アラベスク」を弾く(練習する)上での、ちょっとしたポイントをお伝えしますね。

和音のスタッカーティシモに注意

ブルクミュラー「アラベスク」出だし
ブルクミュラー「アラベスク」出だし

ブルクミュラー「アラベスク」の出だしです。左手の4分音符和音が続いていますよ。全て同じ音で、そして、スタッカーティシモ()が付いていますよね。

スタッカーティシモとは、「スタッカートより短く」で、だいたいですがスタッカーティシモが付けられている音の長さの4分の1の長さと言われています。

この「アラベスク」の冒頭は4分音符にスタッカーティシモが付いているので、およそ16分音符くらいの長さで、という事になるわけですね。その長さ(短さ)は厳密ではありませんから、感覚的なもの。

でもスタッカートより短いのですから、「すごく短く!逃げるように!」と思って打鍵するでしょう。

そんな時、ちょっと気をつけたい事があります。

ここね、強弱記号は「ピアノ(p)」ですよね。だからね、「すごく短く!えいっ!」て弾いちゃうとね、大きくなりがちなんですよ。和音だしね。

だから、ポイントは

  • 頑張らないで弾く
  • 鍵盤に指を触れた状態で用意しておく
  • 打鍵した瞬間、鍵盤の底を感じないようにすぐ逃げる
  • 鼻息を「フッフッ」と素早く吹くような感覚で

ですよ。やってみてね。「アラベスク」の出だし、どうして「ピアノ(p)」なんでしょうね?どうして「フォルテ(f)」じゃないんでしょう?どうしてピアノなのか?も考えてみると、どんな情景の中にあなたはいるのか?が見えてきますよ。

16分音符の動きをスムーズに弾くポイント

ブルクミュラー「アラベスク」3小節目から
ブルクミュラー「アラベスク」3小節目から

さぁ、右手に16分音符の動きが出てきましたよ。子供たちが意気揚々と、鼻高々な感じで弾いて見せてくれるフレーズです。

でもね、ちょっと弾きにくいと感じる人もいますよ。うん、この4小節、リズムは同じですね。音は違うけど、16分音符4つに終わりが8分音符スタッカート。

ここを弾きにくいと感じるのは、変じゃないんですよ。だってね、人の指の長さや強さって、全部違うでしょ。人によっても違うけど、自分の手を見ても、右手の5本の指、それぞれの長さも太さも器用さも、全然違うもん。

それなのに、粒を揃えてきれいに弾くって、すっごい要求するよね?みたいな😁

だから、全てを同じように粒を揃えてきれいに弾くというのは「むずかしい」の。でもね、あんまり構えなくても大丈夫。コツがありますよ。

それはね、全ての音に、打鍵する前に指の準備をしておくことです。

「ラシドシラ」は実際、「12321」という指づかいで弾くかしら?「13431」もありかも?

なんでも良いのだけど、「12321」という指づかいで弾くとしたらね、実際に最初の「ラ」を弾く前に、「ラ=1 シ=2 ド=3」の指を、鍵盤に乗せておきます。そして、息を吸って吐き出しながら「ラシドシラ」を一息で弾きますよ。

「ラ」「シ」「ド」「シ」「ラ」と、打鍵が1音ずつ別にならないようにね。「ラシドシラ」で1つですよ。

つまり、「ラ」打鍵で「123」の指は落ちる。「ラ」の鍵盤に「1」の指が触れたら、「シ」に向かって手が傾くように(回転するように)して「シ」に「2」の指が、同じように回転で「ド」に「3」の指がいく。

そのまま手の回転が戻ってきて「シ」に「2」がきて終わりの「ラ」に「1」の指が触れた瞬間、手は鍵盤から離れて上がる。

次の「ラシドレミ」「レミファソラ」「ラシドレミ」は、全て「12345」という指を使って順番に弾きますから、弾き方は同じです。

「ラシドシラ」を弾いたのと同じ要領でね。「ラシドレミ」の5音に「12345」の5指を全て、鍵盤に乗せた状態で準備します。そして手の回転を使って一息で弾きましょう。手の回転は「ローリング」とも言います。

次の左手16分音符の弾き方も、同じ事ですよ。

手首が落ちやすい時とは

ブルクミュラー「アラベスク」12小節目から
ブルクミュラー「アラベスク」12小節目から

何と弾きにくい左手のフレーズでしょうか。

この前のセクションでは、この左手と同じリズムが右手にありましたよね。でもね、手が変わるだけでこんなにも弾きにくいのは、どうしてなんでしょうね?

というわけで、その理由と解決法を探っていきますよ。

弾きにくい理由

では、弾きにくい理由です。

  1. 右手の時は、16分音符の弾き始めは全て「白鍵」だった
    左手の場合は、「黒鍵」から弾き始めるフレーズと「白鍵」から弾き始めるフレーズが交互
  2. 右手の時は、ひたすら上昇していった=腕は体の中心から外側へ離れていった
    左手の場合は、白鍵から弾き始める時、手が体の前に来るので窮屈感がある

ではどうしたらいいのでしょうか?

弾きにくいのを解決するには?

では、解決法を考えますよ。

  1. 脇・肘が体にギュッとくっつくほどの体勢では座らない
    腕は自由に動かせる状態にしておく(空間をとっておく)
  2. 黒鍵から弾き始める時、黒鍵(ソ#)に指が乗っているため、自然と手は鍵盤の奥に
    白鍵から弾き始める時、手全体を手前に引き戻し過ぎると、1音1音打鍵しながら
    引っ張って弾く事になる=手首が落ちる=脱力の正反対状態になる。

→白鍵から弾き始める時、「手を手前に引き戻す」意識を外す。
=なるべく鍵盤の中央、黒鍵に近いところに指を置くカタチ
=「ソ#ラシラソ」から「ラシドレミ」へは、手は横移動。

決して前後運動にしないのがポイントです。

よく似ているフレーズには違いがないのか?

ブルクミュラー「アラベスク」7小節目から
ブルクミュラー「アラベスク」7小節目から

提示部と再現部の違いです。上の画像は提示部(セクションA)。次の画像は再現部(セクションA')です。よーく似ているようですが、違うのは音だけじゃありません。
(音が違うことに気づかないと、この先へは進めないんですよね。アンプで弾く時の要注意ポイント)

ブルクミュラー「アラベスク」24小節目から
ブルクミュラー「アラベスク」24小節目から

さぁ、この2つは音が違うだけじゃなく、右手のアーティキュレーションが変わっていますよ。

1つ目の画像では「・ミッミファレ」で休符があって、「レー」と続きます。でも2つ目画像では、「・シッシド|ラーミー」です。間に休符は入りません。だけど、最初の弾き方と同じだと思いこんでいたり、最初の弾き方に引っ張られてしまうと「・シッシド|ラッミー」というように弾いてしまうの。

4分音符の「ラ」が8分音符になって、次の「ミ」とつながらなくなっちゃうんですね。すると、ブルクミュラーさんが言いたかったことと、ちょっと変わってきちゃいます。

跳躍・移動は素早く準備するのがポイント

ブルクミュラー「アラベスク」の終わり
ブルクミュラー「アラベスク」の終わり

さぁ、いよいよカッコいい終わりですよ!ここは、両手ユニゾンで「みれどしラッ」と下降した後、跳躍します。

この時、右手も左手も同じ幅で移動するなら、大した問題にはならないのかもしれません。跳躍して弾く和音が、右手も左手も同じ(音程)なら、つかみやすいでしょう。

でもね、跳躍する幅は違うのね。

左手は、「みれどしら」を弾いた手指の感覚のまま1オクターブ上がれば良いけれど、
(5度音程の和音「らみ」になりますから)

右手は、オクターブより、少し上がる上に、次の和音は6度音程「どら」になります。

この感覚は、微妙でしょ。

左手は、それまで右手が「みれどしら」を弾いた「そこ」へ上がってくるので、そこを目安にする。

ただし同じ感覚で右手も跳躍すると、ずれます。

どちらも、移動は素早く。ただし、素早くするのは「移動(準備)」であって、次の和音の打鍵を素早くするのではありません。

移動します。移動したら、次に弾くべき和音の鍵盤上に指を置く、用意する。
だけどすぐさま打鍵はしない。そこで、止める感じです。

そして、丁度良い拍のタイミングで打鍵する。

決して、上から手を落とさない。上から落とすから、外れますよ。

練習方法は、跳躍して次の和音へ準備をしたら、弾かずに止める!です。

跳躍は、移動・準備を素早く!

伸ばす音で音を持ち上げるには?

ブルクミュラー「25の練習曲」第2番”アラベスク”の最後。もう一度画像を出しますね。

ブルクミュラー「アラベスク」の終わり
ブルクミュラー「アラベスク」の終わり

6分音符で「ミレドシラ」と駆け下りてきて、また音域が上がると、「やれやれ、終わったー!」と、最後の和音を弾いた途端に全身脱力してしまっていないかしら?

そうなるとね、手首は落ちてしまうから、音も落っこちて終わり。ちょっと残念ね。

とび箱で着地した時のように、体操選手が鉄棒や何かで回転して着地した時のように、足のバネを使って体を起こし広げてポーズをとるような感じにしてみましょう。

最後の和音を弾いたら、指は鍵盤から離さない。
てのひらにある風船がどんどん膨らんで、てのひらがめっちゃ押し広げられる!って想像してね。
そして、その動きのとおりに立ち上げる。

そうしたらね、音はちゃんと持ち上がって、上に広がって響いていきますよ。

音の響きを持ち上げるために、てのひらが膨らんでいくことを想像して立たせるとイイ!

ピアノ動画*ブルクミュラー「アラベスク」二台ピアノ

ティブレイクは、お題のブルクミュラー「アラベスク」を二台ピアノでお送りします。

大人な「アラベスク」でした。子供が弾くのとは雰囲気が違うでしょ。あなたなら、どう弾く?

まとめ

  • 和音のスタッカーティシモ打鍵は、がんばらない・鍵盤の底を感じないのがポイント
  • 16分音符の動きをスムーズに弾くには、全ての音に指の用意をしておくこと
  • 手首が落ちやすい時は体勢を見直し、黒鍵→白鍵の動きで手を引っ張らないこと
  • よく似ているフレーズは音だけじゃなくアーティキュレーションが違うこともある
  • 跳躍・移動は準備を素早くするのがポイント
  • 伸ばす音で音を持ち上げるには、てのひらが膨らんでいくのを想像するといい!

体の小さな生徒達は、上手に弾けるようになりたくて、「必死」に頑張って弾きます。練習します。

そんな「弾けるようになりたい!」気持ちを削がないよう、手を添え、言葉掛けをしていきたいですね。

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