バッハ「平均律第1巻第21番フーガ」を練習するポイント
ピアノを学ぶ、こと、クラシック音楽/西洋音楽を学ぶなら、代表する作曲家にヨハン・ゼアスティアン・バッハ様を外す事は出来ないでしょう。
バッハの作品はとても興味深く、実に学び甲斐があります。
バッハはどの作品をとっても、向き合うたびに新鮮な発見があったり、その時の自分の状態で感覚も変わってくるから不思議。
今日はそんなバッハ様の「平均律第1巻第21番」フーガを練習するポイントをお伝えしちゃいます!
Contents
フーガを弾く上でのポイントとは?
フーガのポイントは、各フレーズの性格を、明確に変えて弾くこと。
同じフレーズが二度続けて出てくるところは、「再度確認」するように。
例えば、会話の中で「私はそう思うのよ。」と言ったら、相手がイマイチな反応だったとしましょう。
それでも聞いて欲しいから、「でも私はこう思うのよ!」と強く訴えるように。
これって、1回目に話したのと2回目の話し方は、少し強度やニュアンスが違いますよね?
そういうことです。
メインだけに注目しない

始めの歌い出しを心を込めて丁寧に歌ったら次、5〜6小節目で(画像の2段めで)アルトにも歌が現れますよ。
きっとここでは、このアルトの歌の出方に意識を置いていることでしょう。
だから、ここで気をつけるのは、上声(ソプラノ)の3拍目です。
8分音符の「レファ」をどう歌うか、意識してみましょう。
アルトの動きだけに気持ちがいってしまうと、ソプラノの動きが残念になってしまいますよ。
どこまでがテーマなのか?

テーマ(主題)は「・ファ-ソ-ファ-シ-レ-|ド」ではありませんよ。
「・ファ-ソ-ファ-シ-レ-|ド→ラソシラソファド-ミ-|レ→シド…」
と、大きなフレーズになっていることを忘れないでね。
つまり、「・ファーソーファーシーレー|ドッ!」「ラソシラソファドーミー|レッ!」って、唐突にぶつ切れにならないように。
画像に赤丸をした音の後は、軽いブレス(呼吸)をする所。でもね、それは大きなブレスじゃないんです。
そこ(赤○の音)、実際に音はつなげません。
でも、指先が鍵盤から離れて次の音へ向かう時に、手のひらに大きな空間がふわっと広がるように、次の音へ向けて弧を描くように。
どこをより意識して聴くのか?

ここはソプラノの「ラシドシラドシー」を聴いてあげましょう。
バスのラインもソプラノの動きとリンクしていますが(平行で動いていますが)、控えめにね。

13小節目のソプラノは、「さぁ、私の出番よ!」と、クィーンが出てきたみたいに。
もし、バスにテーマが出てきたら、キングをイメージしてね(笑)。

15小節目からは、上(13小節目)とは逆になります。
13小節目と同じに考えると、内声が出てきますよね。
でも、15小節目では、上声(ソプラノ)を浮き立たせてみましょう。
もちろん、内声を聴かせるという弾き方もありますよ。
だから、最終的には弾き手であるあなたが決めること。
でも、ここはソプラノを出した方がバランスが良いですよ。
主題(テーマ)が反行する動きを見逃さない

19小節目からは、バスが重要です。
何でだと思うでしょう?
そう、ここのバスは、それまでの主題の反行になっていますよ。
「反行」とは、ある基準音を中心に旋律を上下反転させることです。
これを英語だと「Inversion」。
ここはバスですから、キングの登場ですよ!
さぁ、十分に楽しんで弾きましょうね。
シンコペーションを味わおう!

右手の赤○の音は、シンコペーション。
(※ タイによる強拍の移動。)
シンコペーションの音には、意味がありますよ。
だから、ただなんとなく「ポン」と弾かないようにね。
そのリズムと、その一音を「歌う」ことを意識してみましょう。
やはり、そのシンコペーションの音に向けて、弧を描くように手を持っていく事を意識してね。
そして、同じ部分の左手青○の音は、テーマの小さなブレスへ向かう音。
その空間を、手と耳で意識してみましょう。
お知らせすること・聴くことを忘れない

さぁ、22小節目は間奏の終わり。
ココで内声に主題が戻ってきましたよ。
それをお知らせするように、少し意識してハッキリと歌ってみましょう。

30小節目からも、同じことですよ。
いつも、手のひら・指先と共に、「耳で聴くこと」を忘れないでね。
片手で二声を弾く時に意識すること

43小節目の青○は、右手で二声になります。
外声(ソプラノ)と内声(アルト)は、同じタッチで弾かないよう考えてみましょう。
外声の8分音符は、5の指だけでのリピーテッド・ノート(同音連打)。
5の指は短いし弱いですよね。
5の指打鍵の時は、手のひらの1の指の側で助けて打鍵することを意識しましょう。
決して5の指だけで弾こうとしないようにね。
手のひらの筋肉は、二つのパートに分かれています。
1の指側の筋肉と、4・5の指側の筋肉。
これを使い分けることを意識してみましょうね。
ただ、指だけを動かして打鍵しないように。
ココは、5の指でのリピーテッド・ノートを「軽く」、瞬時打鍵で弾く事を意識してみましょう。
そのためには、5の指の打鍵を指先だけにしないように。
1の指側の手のひら筋を5の指側へ素早く緊張させて、そのエネルギーを5の指先に伝えることです。

さぁ、43小節目は前半と違って、上声ソプラノ8分音符の「ファファファファ」を明るく聴かせてみましょう。
明るい音を出すには、指先の点で打鍵のスピードを速くしてみましょうね。

ここの左手青ラインの音も、43小節目と同じ弾き方。
この45小節目からは、43小節目と同じフレーズがバスに移りますね。
だからココではバスをはっきりと。
そしてそれが終わりに向かっていくのだ、ということをお知らせするように。
次に右手。
1回目の「ラシドシラドシー」と2回目は同じではありません。
2回目は、「ラシドシラドシー」で終わりませんよね。
「ラシドシラドシ ソー レードシシーーーー」と、最後の音まで続くフレーズになります。
つまり、1回目より増殖しているというわけですね。
ココはもう、これ以上はないっていうくらい、自信に満ちて弾いてみましょう。
ピアノ動画*バッハ「平均律第1巻第21番」
ティブレイクは、バッハ様の「平均律第1巻第21番」をお送りします。
さぁ、あなたもバッハを新たな気持ちで弾いてみませんか?
🌟こちらの記事もおすすめ🌟
- バッハ「パルティータ第2番」を練習するポイント
- バッハ「インヴェンション第1番」譜読みと演奏4つのポイント
- バッハ「インヴェンション第11番」譜読みと演奏5つのポイント
- バッハ「平均律第1巻第21番プレリュード」を練習するポイント
- バッハ「平均律第1巻第22番」プレリュード練習のポイント
- バッハ「平均律第1巻第22番」フーガ練習のポイント
- バッハ「平均律第2巻第1番」プレリュードを練習するポイント
- バッハ「平均律第2巻第1番」フーガを練習するポイント
- バッハ「平均律第2巻第5番」プレリュード練習のポイント
- バッハ「平均律第2巻第5番」フーガ練習のポイント
- バッハ「平均律第2巻第8番」プレリュードを練習するポイント
- バッハ「平均律第2巻第8番」フーガを練習するポイント
エンジョイ!あなたのピアノ・ライフをもっと豊かに!
もっとラクに心と体を使ってピアノを弾くお手伝いをしています。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません