バッハ「平均律第2巻第1番」プレリュードを練習するポイント

2021年9月23日

音楽の父、ヨハン・ぜバスティアン・バッハ(1685-1750)は、数え切れないほどの鍵盤楽器のための作品を生み出しました。

バッハの「平均律クラヴィーア曲集」は、第1巻と第2巻があり、どちらもそれぞれ24曲の(24の全ての調による)プレリュードとフーガが収録されています。

フーガは3声から5声まで、曲によりいろいろ。
第1巻より第2巻は、より音楽的に豊かな作品が多くなっています。

バッハ「平均律クラヴィーア曲集」の第2巻から、第1番プレリュードを取り上げ、キャラクターや打鍵をどう考えていくのか?のヒントをシェアしますね。

どんなキャラクターなのか?

このプレリュードはどんなキャラクターなのか?考えてみましょう。

  • 軽いのか?
  • 重いのか?
  • 穏やかなの?
  • 荘厳?
  • どんな色が感じられるのか?

私はね、ちょっと荘厳な感じで、オレンジがかった明るさに包まれてるというイメージが。

あなたはどうかしら?

このプレリュードは、もっとtranquilloで、もっとespressivoなんじゃない?
もし、あなたの演奏が「穏やか」であることに意識を置いているなら、ちょっと気抜けしてしまうかもしれません。

でね、オレンジです。私のイメージは「オレンジがかった明るさ」。
だけど、「オレンジ」も1色じゃないですよね。
いろんな度合いのオレンジ色があります。
だから、もしもそのオレンジが黄色寄りになっていたら?
下手するとグリーンになってしまうかもしれません。

レッドまで行かないけど、これは「オレンジ」。
もし、あなたも「これはオレンジのイメージ」だと思うなら、その「オレンジ」の度合いを明確にイメージしてみましょう。

もちろんね、あなたがイメージするのが他の色の感覚なら、それでもいいんですよ。
ただし、どんな色のイメージでも、大事なのは、あなた自身がどれだけ明確にイメージ出来るのか?ということです。

それから、この曲は4拍子ですよね。
8拍子にならないよう、意識して4拍子を感じてみましょう。
そして、それを表すために、ほんの少し、テンポを上げてみるのも一つの手ですよ。

出だしのキャラクターを考える

バッハ「平均律第2巻第1番」プレリュード出だし
バッハ「平均律第2巻第1番」プレリュード出だし

荘厳な感じがして、とっても素敵な出だしです。
でもね、弾くことに必死になって指使いに振り回されていませんか?

この曲は、重い=荘厳ね。
どちらかと言うと、シリアスな感じです。
だからね、そのシリアスさ・重さを意識してみましょう。
軽く浮かないように。

最初のフレーズは、ずっと「C」のキィの中にありますよね。
だから、それを感じながら弾きましょう。

最初の赤○の左手8度の「C」を打鍵する時、あなたの腕は既に高いところにありませんか?
もし高いところにあると、打鍵で腕が沈む間もなく浮くだけになってしまいます。
打鍵する時は腕・肘を低くして、沈んだ打鍵から、ゆっくり腕を上げていく。
深く響かせる事を意識して。
そうすると、2小節と1拍分、響きが聴こえ続けますよ。

そして右手はCのキィの中で大事なのは何かしら?

そう、「E」と「B♭」。
「B♭」は特別な音で、「E」も大事です。
その後も、フレーズの中の「高い音」が大事なので、さらっと弾いてしまわず、意識して響きを感じながら弾きましょう。

最初の左手「C」とは違って、打鍵で腕は沈ませなくていいんです。
でもね、打鍵したらそこで止めないで、ふわっと浮かせていきましょう。
(上の画像の、青○の音が大事。)

バッハ「平均律第2巻第1番」プレリュード3小節目から
バッハ「平均律第2巻第1番」プレリュード3小節目から

(この画像の一段目の)アルトとソプラノのキャラクターの違いをもっと感じて表してみましょう。
これと同じ部分が第二セクションにも出てきます。
そこは、更に意識して違いを出して。

(この画像の二段目) 
青ラインの歌い上げと、タイで伸びる「F」を打鍵後に腕を浮かせて音(響き)が上がっていくように。
そして、続きのフレーズまで息を続かせる=一息で弾きましょう。

キャラクターの違い・明るさの度合いを考えてみよう

もっと欲しいものがある。
もっともっと、キャラクターの変化を感じて表したい。
そして、場面で分ける「明るさ」の度合いに敏感に。

フレーズの中の「高い音」は、明るい音=ハイ・フィンガーのように、用意して打鍵します。
打鍵時の鍵盤に触れる指は「点」で。

この曲は、前半と後半で同じ展開がありますよね。
前半は音域が中音域。
後半の方がより高音域になります。
だから、打鍵を変えるの。
前半は、ハイ・フィンガー気味にしなくてもいい。
だけど、後半は同じ展開なのに、ガラッとカラーを変える。
そのためのハイ・フィンガー打鍵と考えてみましょう。

もし、あなたの打鍵で出てくる音が「明るい響き」になっていないとしたら、次の事を意識してみましょう。

打鍵する時の指の「面」を考えてみる。
あなたはいつも、指の先の、同じところで弾いていませんか?
例えば指先の真ん中で打鍵しているんじゃないかしら。

打鍵はね、指先の内側で打鍵すればするほど、より明るい音になります。
逆に外側打鍵だと、暗い・影のある響きに。

そして、もっともっとドラマティックに。
もっともっとロマンティックに!
と想像・創造してみましょう。

あなたがオペラ歌手になった事を想像してみて。
あなたが歌う時に、声を出すために使う腹・肺・肩・喉、そして頬・口内は、全てあなたの背筋・肩・二の腕・胸筋・肘・手首、そして指先と代替することができます。
つまり、全部イコールだということ。

あなたの中にある歌を、怖がらずに出してね。

打鍵の仕方を考える

バッハ「平均律第2巻第1番」プレリュード出だし
バッハ「平均律第2巻第1番」プレリュード出だし

音が上昇する時の音の出し方・持っていき方に気をつけたなら、下降する時にも意識を置いてみましょう。

きっと最初の「ドレミ」は気をつけて弾くんじゃないかな?
音階の動きで上昇するから。
ところが、せっかく音階で上がったのに、次の「ソ」は急に6度も下がりますよね。
突然の音程の開きは、何かを教えてくれていますよ。
だから、ちょっと注意が必要です。

下降する音は特に強調しません。
(上昇する時とは歌い方が違う)
でもね、そこで用意していないと、あなたの歌は下降した瞬間に死んでしまいます。

ドからレ、レからミへ準備している指と同じことを、ミから下降するソへもしてあげる。
全ての音への準備は同じです。
そこに乗っかる歌・歌い方が異なるだけ。

そして、32分音符の打鍵にも気をつけましょう。
「タ・タ・タ・タ・ターー」と、一音ずつ強調しすぎないように。
流れていないように。打鍵を速くして。

これは、バッハです。
「バロックと古典」、それから「ロマン派とそれ以降」では、打鍵法は同じではありません。

だからね、歌おうとした時に、打鍵がロマン派寄りにならないよう、気をつけましょう。
これはショパンではないのです。

バッハ「平均律第2巻第1番」プレリュード3小節目から
バッハ「平均律第2巻第1番」プレリュード3小節目から

ソプラノの長く伸ばす音の時の、内声には注意が必要です。
長く伸ばす音を生かすには、もう一声の歌をも生かす事。

その一声の歌の終わりからソプラノの次の歌が(或いは応答が)始まるのです。
何となく弾いてしまうと、それが浮き立ちません。
ソプラノとアルトの2つの歌があることが、わかりにくくなってしまいます。

例えば画像1段目の2小節目(実際の4小節目)。
ソプラノが「ラソラドシー」と来たのを受けて、アルトは「ラソファソ」と動きます。
この時、「ラソラドシラソファソ」と弾いてしまうと、そこに二声あるのはわかりにくい。

だからね、ソプラノ「ラソラドシー」と歌ったら、その終わりの音「シー」の響きを丁寧に聴くこと。
すると、すぐさまアルトの「ラソファソ」には行かないでしょう。
ちょっとした「間」「ニュアンス」です。

多種類の音色を身につけ操れるようにするために

構築を理解して、声部の弾き分けも意識して出来るようになったら、もう1点注意してみましょう。
それは、あなたの演奏が「ソフトかラウダー」かで歌い分けていないかどうか、という事。

もっと歌い分けるためには、どうすればいいのか?

歌のキャラクターを変えようとした時、「ソフトかラウダーか」という弾き分けで終えないようにするには?

第一関節をうまく使ってみましょう。
それで出てくる音が何倍にも増えますよ。

肘の位置も手首も、もう少し下げてみましょう。

もしあなたの打鍵が、肘と手首から押して上げていたら?
用意しているつもりでいても、肘と手首が変だと、良い音にするのは難しい事。

第三関節はラクにして。

それから、32分音符で降りてきた時の、最後の音が2の指になるフレーズでは、こうイメージしてみて。
あなたの「1と2の指の間」に、実はもう一本指があるんだと。
その指がバランスをとっていてくれるのだという事を。

そしてね、てのひらには、風船があると想像してね。
風船に乗っていたらラクだよね。
重みの乗せようによっては、いかようにもバウンスできるわけでしょ。
その乗せ方で、出てくる音色が変わってきます。

決して肘から押したり、肘から乗っかって弾かないようにね。

「第一関節→手首の骨→肩の付け根」に一直線でつながっていて、さらに指はもっともっと先へ伸びるとイメージしてみましょう。
指先、伸びていくことをイメージして打鍵した時と、それを忘れて打鍵してる時とでは、出てくる音が違いますよ。
ぜひ試して、違いを実感してみてね。

ピアノ動画*バッハ「平均律第2巻第1番」

ティブレイクは、お題のバッハ「平均律第2巻第1番」BWV870ハ長調をお送りします。

第1音で宇宙へエネルギーが飛んでいきそうな、そんなイメージ。
あなたのイメージはどうかしら?

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