バッハ「平均律第2巻第5番」フーガ練習のポイント

バッハの作品を、クラシックピアノを学ぶなら避けて通る事は出来ません。
バッハの作品は、楽譜を深読みするのも、はじめのうちは大変でしょう。

でもね、トレーニングと同じです。 何度も向き合っている事で、段々と理解出来るようになったり、深く考える癖がついていくもの。

バッハ様の「平均律第2巻第5番」フーガはストレッタになっているので、それぞれをしっかり歌う・呼吸する事を忘れると、つらくなってしまいます。

このフーガを取り上げて、どのように楽譜を読むのか?どう呼吸するのか?どう歌うのか?どう練習したら良いのか?ポイントをお話します。

フーガで大事なこととは?

バッハ「平均律第2巻第5番」フーガ
バッハ「平均律第2巻第5番」フーガから

バッハ作曲の「平均律第2巻第5番」のフーガはね、最初のテーマが何度もストレッタで出てきます。
※ ストレッタ(stretta)とは、「押しあった」「緊迫した」といった意味。
 フーガにおいてのストレッタは、ある声部の主題が完結する前に他の声部での応答が畳み掛けるように現れることを表します。

このフーガは、テーマを出す(聴かせる)ことよりも大事なのは、その応答の流れ。

それぞれのテーマからの応答ではありません。
各声部でうねりのように続く応答の動きを、途切れなく歌っていくのが大事なのです。

このフーガは、歌う
もっと歌う!

長いフレーズを歌う時に、緊張するのは体のどこかしら?
逆に、リラックスしているのはどこ?
息が続かなくなりそうだけど、ブレスできないところで緊張しているのは体のどこ?

おなかです。
でもね、喉から頬から、リラックスしてる状態で。
その体の動きがそのまま、あなたの腕・肘・手首・指先・掌の空間になります。
だからこそ、このフーガは歌えなければ意味がないんです。

ここが、ピアノの怖いところ。
管楽器や歌の人は、そのまま自分の腹筋から喉から使ってるから、自然とそれが出来ます。
でもピアノは、指が器用でよく動いたら、弾くだけなら誰だって出来ちゃう。

だけどね、そこに歌がなかったら、音楽になりません。意味がない。

歌は、息を吐き続けている(気持ちを乗せてコントロールしながら)か、吸うか、どちらかです。
止まってる瞬間はありません。

歌じゃなくて、「おしゃべり」になってはいませんか?
大して気持ちのこもっていない「おしゃべり」程度だとね、一つのフレーズを歌い終わって次のフレーズに行く時、腕が宙で止まってしまいます。

動きが止まってしまうと、音楽が止まってしまう。
だから、次のフレーズの歌いだしに向けて、腕は動き続けていく事。
決して止まらないように。

このフーガはストレッタ三昧だから、休符があって腕が宙に浮いてるところは、ほとんどないはず。
前のフレーズが終わって、或いは前のフレーズが続いている中で、次のフレーズが入ってきます。
それでも、歌う前に呼吸をしなければね。(次のフレーズを歌えなくなるからね)
だから、掌の空間を使いましょう。

掌の空間が、歌う前に息を吸う喉のように、広がりますよ。

始まりのイメージを明確にする

バッハ「平均律第2巻第5番」フーガ
バッハ「平均律第2巻第5番」フーガ出だし

このフーガはね、ゆったりしています。
でも、遅すぎないように。

「・レレレソーシー」をたっぷり歌って「・ミラソファー」はちょっと巻き返してくるような感じでね。
ココは歌なのですから。

始まりはシリアスにね。

もしかしたら、あなたはシリアスではないイメージを持ったかもしれません。
それはそれで良いこと。
そしたらね、こんな方法もあるのかな?という程度でいいから、一度「始まりはシリアスに」弾いてみてください。

その時、あなたが何を感じるか?
感じた事を大事にしましょう。

歌い方を考える

バッハ「平均律第2巻第5番」フーガ
バッハ「平均律第2巻第5番」フーガ出だし

赤のラインのところが、主題の始まり。歌の始まりです。

でもね、続く青のラインが重くならないように気をつけてみましょう。
ここも実際に歌うのと同じ。息を吐いていく=抜いていく。

いつまでも歌い上げていたら辛くなっちゃいますよ。

フレーズのつながり・絡み合いを歌う

バッハ「平均律第2巻第5番」フーガ3小節目から
バッハ「平均律第2巻第5番」フーガ3小節目から

この赤ラインのフレーズのつながり、絡みをよく歌ってつむいでいく。

バッハ「平均律第2巻第5番」フーガ12小節目から
バッハ「平均律第2巻第5番」フーガ12小節目から

ココも同じ。
でも、もっともっと大きく広がっていく感じで。

バッハ「平均律第2巻第5番」フーガ16小節目から
バッハ「平均律第2巻第5番」フーガ16小節目から

ココからは、それまでと違って、もっとソフトに。
やわらかくね。

バッハ「平均律第2巻第5番」フーガ30小節目から
バッハ「平均律第2巻第5番」フーガ30小節目から

そして、ココは、もっともっと大きなフレーズになっていますよ。
その大きなフレーズが切れないように。
「♪シミレドーーーーシーーーーラーーソーーファミファーーソ」までが、一息の歌ですよ。

ロングノートを大事に

バッハ「平均律第2巻第5番」フーガ30小節目から
バッハ「平均律第2巻第5番」フーガ30小節目から

ロング・ノート(長く伸ばす音)が出てくると、その音を押さえていることに必死になっていませんか?

とは言え、内声の動きに捉われてしまいがち。
実はロング・ノートには、そちらのライン(動き)があります。

画像の赤ラインのフレーズを見てくださいね。

少し欲を言うと、ロング・ラインのフレーズを大きく歌っていく。

バスとテナーに動きがありますね。
でも、そちらだけに気を取られないで、ソプラノの長い長いラインを、歌が途切れないように弾いていきましょう。

もう一度言いますよ。大きく捉えていくことが大事!

小さな動きも大事ですが、それらを統合する大きなラインを意識していないと、音楽は途切れ途切れになってしまいますよ。

スペシャルな音とストレッタ

バッハ「平均律第2巻第5番」フーガ43小節目から
バッハ「平均律第2巻第5番」フーガ43小節目から

ココは、それまでのテーマの現れ方とは違います。
テーマ直後の音の響きはスペシャル!ですよ。

バッハ「平均律第2巻第5番」フーガ48小節目から
バッハ「平均律第2巻第5番」フーガ48小節目から

歌の掛け合いは最後の最後で増殖、激しくストレッタに。
最後の一つまで気を抜かないでね。

バッハ「平均律第2巻第5番」

ティブレイクは、バッハ作曲「平均律クラヴィーア曲集第2巻第5番」BWV874をお送りします。

ぜひ、あなたも弾いてみてくださいね。
私もまた弾いてみたくなりました。

まとめ

フーガを弾く上で気をつけることは、「全体像」。大きく見ること。
テーマがどんどん畳み掛けるように出てくるストレッタも多い。
それぞれはすごく良くても、どんどんそれが続くと苦しくなってきます。

あなたが、聴いてる人たちにこの曲はどんな曲なのかを教えてあげる。と考えてみましょうか。
意識して気をつける事は「もっと呼吸を大きく、はっきりわかるように」する事。

バッハには無駄な音は一つもありません。
全てが意味のある音だって、忘れないでね。

⭐こちらの記事も参考までに⭐

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