バッハ「平均律第2巻第5番」プレリュード練習のポイント

2022年2月25日

「音楽の父」ことヨハン・ぜバスティアン・バッハ様の作品を、クラシックピアノを学ぶなら避けて通る事は出来ません。

ドイツの作曲家ヨハン・セバスティアン・バッハ
ドイツの作曲家ヨハン・セバスティアン・バッハ

バッハの作品は、簡単に弾けるものではないのがネック?
楽譜を深読みするのも、はじめのうちは大変でしょう。

それでも、これはトレーニングと同じです。
何度も向き合っている事で、段々と理解出来るようになったり、深く考える癖がついていくもの。

今日は、バッハ様の「平均律第2巻第5番」プレリュードを取り上げて、どのように楽譜を読むのか?
どう練習したら良いのか?ちょっとしたポイントをお話しますよ。
あなたの音楽創りの参考になれば嬉しいです♬

アーティキュレーションをどうするか?で表情が変わる

バッハ「平均律第2巻第5番」プレリュードから
バッハ「平均律第2巻第5番」プレリュードから

♪・レミファソ らーふぁっらっ れーらっれっ ふぁーれっふぁっ・・・

 と弾くのか、それとも

♪・レミファソ らっふぁっらっ れっらっれっ ふぁっれっふぁっ・・・

どっちでのアーティキュレーションで弾いてもいいんです。
他のアーティキュレーションも幾つか考えられますね。

どのようなアーティキュレーションで弾いても構わないの。
ただ、私はこう弾くっていうだけ、こういう弾き方もあるっていうだけの事だからね。
あなた自身でそれがわかっているなら、どっちでもいいの。
なぜなら、バッハは「どんなアーティキュレーションで弾け」という指示は、残していないのだから。

ただ、どんなアーティキュレーションで弾くにしても、この最初のフレーズは、ホーンが華々しく上を向いて吹いている事をイメージしてみましょうか。
続く所は違うけどね。
それがわかっていて弾くなら、どんなアーティキュレーションでもいいんです。

どんなアーティキュレーションであっても、それはどんなシチュエーションや躍動感を表したいのか?が、あなたの中に強いイメージとしてあるなら、十分に「伝わる表現」になりますよ。

以下、アーティキュレーションをどうするか?は、あなた次第である、という前提ではありますが、私なりの解釈・表現でお話していきます。

あなたの参考になる所だけ取り入れてね。

明るい音を出すには?

バッハ「平均律第2巻第5番」プレリュードから
バッハ「平均律第2巻第5番」プレリュードから

「ラーふぁっらっ」より次の「レーらっれっ」。
そして、それより最後の「ファーレッファっ」がもっともっと華々しくなっていく。
「勝利のファンファーレ」ですよ。

このプレリュードは「ダンス」。だから「明るい音」が似合います。

もし、あなたが明るい音を意識して弾いているつもりでも、出てくる音が明るくないとしたら?
きっとそれは、弾き方がちょっと違うのでしょう。

♪・レミファソ ラーファッラッ レーラッレッ ファーレッファッ ラー

これらの赤字の音に向かって、明るさが増していくでしょ。
その赤字の音に向かってはいるんだけども、その赤字の音打鍵と同時に手が沈んでるとしたら?
明るい音は出てきません。
その音を打鍵すると同時に手首から手の甲が向こう側へアップ!してみましょう。
そうすると、明るい音色が出てきますよ。

他のフレーズもみんなそうです。
明るさを増していくところは、アップ打鍵でね!

カラーを変えるなら?

バッハ「平均律第2巻第5番」プレリュードから
バッハ「平均律第2巻第5番」プレリュードから

この最初の二小節。
一小節目は、高らかなファンファーレ。
続く二小節目を、一小節目よりも「穏やかにソフトに」歌いたいとしたら?

でもね、その二つは全く別物ではありません。
つながっているからね。
だから、カラーを変えたいと思っても、違いすぎないようにするのがポイントです。
最初のファンファーレを受けて、その波にのったままの「穏やかさ」を持って、息を切らないでいきましょう。

打鍵はどうするのか?

バッハ「平均律第2巻第5番」プレリュード
バッハ「平均律第2巻第5番」プレリュード

画像の青↑音の打鍵の時、肘から指先プッシュで音を立たせるようにしてみましょう。

この音打鍵の時、指と手の甲が外側(右側)に傾いていませんか?
外側へ、ではなく、前に出すイメージで。
肘から押すような感覚を持って打鍵してみましょう。
その打鍵の動きは素早くね。
そうすることで、音に尖った明るさが出ますよ。

ここの音は、トランペットのファンファーレでしょう?
それをイメージしてね。
弦楽器が弾いているのとは、違うよね。

低音オクターブをどう響かせるか?

バッハ「平均律第2巻第5番」プレリュードから
バッハ「平均律第2巻第5番」プレリュード出だし

はじめの左手の8度の「レー」は、どーんと。ずっしりと。
でも、沈まない。
どーんと響かせて膨らませるイメージで。
だから、打鍵後に手が落ちないようにしましょう。
バウンドさせるように、手の内側の筋肉ぎゅっでね。

そして、それはそこで終わっていませんよ。
次の小節に出てくる、左手の「レーラーラーレー」まで、続いています。
だから、そこまで響きが持続しているように、空中に響きが残っているように意識して聴きましょう。

一段階レベルを上げるために必要な事とは?

バッハ「平均律第2巻第5番」プレリュードから
バッハ「平均律第2巻第5番」プレリュードから

それは音価

例えば始めの、
♪・レミファソ ラーファッラッ レーラッレッ ファーレッファッ♪

1拍目の16分音符に注目してみましょう。
「レミ」はいいとして。
次の「ファソ」が同じ音価になっていないと、「くしゃくしゃっ」と畳みかけてしまいます。

2~4拍目の8分音符も、三つ目の音価が等価であるよう意識しましょう。
全ての音価は、同じであるという事です。

ポリフォニーは会話

バッハ「平均律第2巻第5番」プレリュード5小節目から
バッハ「平均律第2巻第5番」プレリュード5小節目から

ポリフォニー(多声)は、それぞれの動きがクエスチョン&アンサーになっています。
そう、まるで会話のキャッチボール。
だから、受け答えがはっきりわかるような動きを持たせて(意識して)、弾いてみましょう。

バッハ「平均律第2巻第5番」プレリュード10小節目から
バッハ「平均律第2巻第5番」プレリュード10小節目

内声が動いていますね。
ここで気をつけて、高らかに響きを出していくのは、ソプラノの4分音符(赤線の音)。

バッハ「平均律第2巻第5番」プレリュード11小節目
バッハ「平均律第2巻第5番」プレリュード11小節目から

一つ目のカデンツに向けてdim.をかける。
そしてカデンツは「意識」して弾く。ただ、「意識して弾く」です。
過剰にならないようにね。

カデンツがどこにあるのか?
前もって理解してそこに向けて、盛り上げを考えて弾きましょう。

「うわっ!カデンツだ!」と直前に気づいてごこもかしこもグワーっと盛り上げないようにね。

バッハ「平均律第2巻第5番」プレリュード13小節目から
バッハ「平均律第2巻第5番」プレリュード13小節目から

この三つの赤ラインのフレーズは、同じ形の動きですが、音が下がっていきますね。
だから、しぼませていくのが自然です。
どんどん高揚させるんじゃなくて、その逆ね。

そして、その後にカデンツが。

カデンツは、ゆっくりしすぎないように。
ここで曲は終わりじゃありません。
ただ、一つ目のセクションが終わるだけ。
テンポは遅くしないで、でも、気持ちを大きく持って弾くだけ。
そのまま次のセクションへ素早い呼吸をして入りましょう。

ニ長調はここで終わります。
この後からはイ長調になるので、その前のカデンツは、堂々と。

バッハ「平均律第2巻第5番」プレリュード17小節目から
バッハ「平均律第2巻第5番」プレリュード17小節目から

さぁ、後半に入ります。イ長調の始まりですよ。
ここは、一番はじめの部分と、何が違うでしょう?

そう!逆行していますよね。
だから、ニ長調の始まりは華々しいファンファーレでしたが、こちらは違う。
気持ちが落ち着いていきますよ。

バッハ「平均律第2巻第5番」プレリュード21小節目から
バッハ「平均律第2巻第5番」プレリュード21小節目から

ニ長調セクションにもあった「会話」シーンですよ。
でもね、やはりニ長調セクションとは音型が逆行しているので、それをしっかり意識して感じてみましょうね。

バッハ「平均律第2巻第5番」プレリュード24小節目から
バッハ「平均律第2巻第5番」プレリュード24小節目から

ここでは、ソプラノの赤ラインの音を歌う事を意識してみましょう(聴く事を)。
「ドシラシドー
「レドシドレー
「ミレドレミー

それもやはり、一つ目より二つ目、二つ目より三つ目は音程が上がっていきますよね。
だからその分、歌にこめる気持ち、吐き出す息の量が増えていくと考えてみましょう。

バッハ「平均律第2巻第5番」プレリュード26小節目から
バッハ「平均律第2巻第5番」プレリュード26小節目から

ここの左手のアーティキュレーションについて。
もちろん、全てをノンレガートで弾くのも有りです。

でも、画像に書き込んだように弾く方法も有る、というご参考まで。

タイの後の音に注意

バッハ「平均律第2巻第5番」プレリュード36小節目から
バッハ「平均律第2巻第5番」プレリュード36小節目から

左手の赤○の音、入りが遅れないように気をつけましょう。
タイの後の音は、入りに気をつける事。
右手の4分音符打鍵を受けて、その前にちゃんと用意しておいて、すぐ入る!

「入り」に気をつける上で、これらの16分音符の動きが雑にならないよう、コケないよう、きちんと指先に言い聞かせて弾く練習をしましょう。

ピアノ動画*バッハ「平均律第2巻第5番」

ティブレイクは、バッハ作曲「平均律クラヴィーア曲集第2巻第5番」BWV874をお送りします。

ぜひ、あなたも弾いてみてくださいね。
私もまた弾いてみたくなりました。

まとめ

フレーズの取り方と歌い方、そしてカデンツがどこにあるか前もって理解してそこに向けて盛り上げを考えて弾くこと。

(いつも、カデンツ直前まで弾いて「はっ!カデンツっ!」と焦って、突然カデンツだけ丁寧に弾いたりしないように)

そして、音の波を見る事。
同じリズムで一見同じテーマであっても、音の波が上がっていくのか降りていくのかでは、歌の意味が別物になるのだから。

⭐こちらの記事も参考までに⭐

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