ピアノでポリフォニーを聴き分け、聴き続ける方法
ピアノは大好きなんだけど、「メロディと伴奏」というパターンでは出来ていない曲があるでしょ?あれ、わっかんないんだよね〜、あれ、なんだろね?どうしたらいいんだろう?って頭こんがらがっちゃうの。

って思っているあなた。もしや、いくつかのメロディが絡み合って出来ているような、バッハのような作品と向き合った時に、「わけわかんね」が「面白い」になったらもっとピアノの世界が広がると思いませんか?
だってね、メロディと伴奏ではなく、バッハ作品のように幾つものメロディが絡み合うポリフォニーは、出だしこそ気をつけられても、次々と他の声部でメロディが出てきちゃうのです。するとどこでフレーズが終わるのか、そして別の声部から新たなメロディが現れても気づかなかったり。
というわけで今日は、ポリフォニーでも拒否反応を起こさず、どう声部を聴き分け聴き続けるのか?その方法についてお話しますね。
そうなったらいいな、と思って書きます!
Contents
ピアノで複数の音のラインを同時に聴き続ける方法

ピアノ弾きは、両手両足を同時に別の動きをしなければなりません。まるで聖徳太子のよう!
スゴイ!ですよね。えらいですよね、私たちって(笑)。こんな大変な事を一生懸命やっています。
大変ではありますが、やるからには出来る限りの事をやりたいもの。両手を使うという事は、右手と左手で別の役割がある。のかなぁ?なんて考えてみた事、ありますか?
例えば、片手は歌=メロディでもう片方の手は伴奏、とかね。よくあるパターンです。
でもそれだけではありません。どちらの手にも歌=メロディがあって、まるで会話のように掛け合っていたり、人の話を聞かないおしゃべりな人たちのように、どちらの手にもそれぞれの歌がある場合もあります。(メインとサブだったり、主役二人だったりケースバイケース。)
両手で合わせて弾く時に、あなたは「何を聴いていますか?」
- 全体として出て来る音?(なんとなく)
- メロディ?
- 弾くのに必死で、聴いているか?と問われたら、聴いていない気がする?
- 全ての動きを、耳が4つあるかのように聴き分けている?
「ちゃんと聴いています!」と答えられる方の多くは、歌おうとして「メロディ」を聴いていると思います。
そんな時、あなたはメロディではないパートの扱いが、いい加減になっていませんか?意外と雑な扱いで、崩れていたり音がいい加減になってしまう。
けれど、あなた自身は「メロディ」を歌う事、それを聴く事に集中しているので、その他の事に気づきません。
このような時には、「メロディ」ではないパートを「聴く」「聴こうとする」事を意識してみましょう。そうする事で、かなり改善されます。
聴覚の、使っていない部分を活動させるような感じですが。
メロディじゃない部分にも意識を向けてみよう!
あなたはメロディは、聴いています。あなたがそのメロディをしっかりと呼吸を伴って歌って弾けているのなら、あと一息!
そのメロディを歌いつつ、他のパートをも、こちらを「聴こう!」と意識してみましょう♪
近くでよく聴こえて来る音と、遠くにあるのだけれど気になって耳に入って来る音を、気になって聴こうとするのと同じような状態です。
(目の前の人との会話をしているのだけれど、少し遠くで鳥の鳴き声や、波の動きを「聴く」ような感覚です。または、目の前の人と会話しているのだけれど、横のカップルの話が気になってつい聞き耳を立ててしまうようなw)
うまくいかないものは、とにかく「聴く!」
何故、他へ意識を向けると良いのか?
何故メインではない方へ意識を向けると良いのでしょう?
それはね、自分の聴覚はとっても意識しないと、無意識に自分に都合の良いものだけを選んで(絞って)聴こうとするからです。
たとえば子供が三人いてね、その三人と散歩をする時に手をつなげるのは二人だけ。でも、手をつなげないもう一人の子の事も、絶えず気にして、その存在を感じるように気をつけているような、そんな感じです。
だから他へ意識を向けると、俯瞰して細部を受け止められるようになりますよ。
二声は会話と同じ

「二声」(にせい=二人の人が掛け合って歌う)のフレーズは、会話と同じですよね?
二声とは、二人の人が歌っている、と思ってね。三声(さんせい)なら三人、四声なら四人、五声なら五人。
バッハを始めとするバロック時代の作品には、多声(一声じゃない、メロディが複数あるもの)が多くあります。
しかし、それはバロック音楽に限りません。
バロック以降の作曲家達も、バロック作品の曲の作りめっちゃ勉強して自分の中に落としこみました。そして彼らなりの個性との融合を持って、多くの作品は生み出されたのです。
会話を想像する
さて上の画像ですが、右手で「・みふぁそらふぁそみふぁー」と来ましたよ!
右手は言いたい事だけ言ってそっぽ向いちゃうわけ?違いますよね。あなたが大好きな人と、会話してるんです。
だから、「私はね、あなたと○○へ行きたいの~♪」と言った。きっとね。
そしたら、左手(あなたが好きな人)は、
「へー、そうなんだ。ボクは君をあそこへ連れて行きたかったんだけどー?」と答えた。
するとあなたは「えっ!きゃー!そうとは知らなかったからぁあ♡…」みたいな、そんな大好きな人との会話。どうかしら?
この登場人物2人の組み合わせは、娘とパパでも、おじいちゃんでも良し。
お婆ちゃんとお爺ちゃんでも良し。恋人同士でもいいよね〜。
誰とでもいいけど、誰かとちゃんと「向き合って会話」してるんだよ。二人での会話で、自分の話だけ伝えて相手の話を聞かずにそっぽ向く?
そんなことしてたら、すーぐ嫌われちゃうよ。自分の話をしたらね、相手の話を聞こうと、相手のお顔を、目を見るよね?それが、この「自分の話をした後の伸びてる音」なんだよ。
だからね、自分の話が終わった後の伸びてる音を、いかに聴き続けるか?ということが、相手の話を「ちゃんと聴いてるか?」っていう姿勢につながります。
うん?打鍵で姿勢の問題?って思ったらアウトー!(笑)
だってね、相手の話(音)を聴く姿勢を持っているかどうかで、その音の打鍵の仕方・音の行方の追い方・聴き届け方、全てが変わってくるんだよ。
それはね、ホントに音に表れるんだから。見てても、わかっちゃうんです。
ポリフォニー(多声)音楽って、そういうことです。
今日のピアノ動画*バッハ「インヴェンション第1番」BWV772
ティブレイクです。今日はバッハ様の「インヴェンション第1番」BWV772を。
ピアノ学習者の多くは、バッハさまの「インヴェンション」を与えられると、ちょっと大人になったような気分もつかの間、両手歌ってむずいの…頭の中がこんがらがって敬遠してしまう人も。
それに対して、子供の頃から「バッハ大好き!」になる人もいます。
あなたはどちらかしら?
ピアノで複数の音のラインを同時に聴き続ける方法のまとめ
- 両手でピアノを弾く時、あなたは何を聴いているのかを知ろう!
- いつも聴いていないであろうメインではない音の動きを意識して聴いてみよう!
- ほかへ意識を向けられると俯瞰して細部を受け止められる!
- 二声は会話!好きな人との会話を想像しよう!
というわけで、是非とも、感覚を磨いて参りましょう!更に豊かなピアノ・ライフを送れますように♪
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