ドビュッシー「映像第1集」”運動”を仕上げる13の練習ポイント

2021年2月7日

「水の反映/水に映る影」が収録されているドビュッシーの「映像第1集」は、3曲から出来ています。

第1曲が「水の反映/水に映る影」、第2曲は「ラモーを讃えて/ラモー礼賛」、そして第3曲が「運動」「動き」と訳されている作品です。

ドビュッシーの「映像第1集」は、どれも素晴らしい作品ですから、出来るなら3曲全てを弾いて欲しいもの。
3曲全部弾いてみることで、ドビュッシーの「映像」の世界がより深く感じられるでしょう。
どの曲もそれぞれに特徴・持ち味があって、それぞれに違う魅力が詰まっています。

さぁ、今日は、映像第1集の第3曲「運動/動き」を仕上げるために、気をつけたらいい13の練習ポイントをお伝えしますよ。

ドビュッシー作品で大事なこと

ドビュッシーでとても大事な事は、ダイナミック・レンジを細かくきちんと設定することです。

この曲の一番ソフトなところの強弱記号は何なのか?
それに対して、一番音量が上がるところの強弱記号は何?
そしてそれはどこで出てくるのか?ということを理解しておくことが大事。

「映像第1集」”運動(動き)”で一番ソフトなのは「ppp」ですよ。
第二セクションにあります。

そして、一番音量が必要なところは中間部の終わりで「fff」。

つまり、この「運動」では、「ppp」から「fff」の幅があるということ。
ppp」から「fff」のコントロールが必要だということです。

pfか」だけではない事を忘れずに、あなたの中でのそれぞれの強弱のポイントを決めておくこと。
その大きさを頭の中で響きとして整理しておく、ドビュッシーはこれが大事です。

まず中間部を見てみましょう。
中間部が一番わかりやすいです。
なぜなら中間部は「p」から「fff」までの幅がありますよ。
さぁ、このような曲では、【ピアノを弾かずに音量コントロールをどうするか、頭の中で聴いて考える】のが非常に効果的です。

さぁ、やってみましょうか。

譜面を見て、手を動かさず、頭の中だけで音を響かせてみましょう。
どのように音量をコントロールしていくか、他の楽器の演奏に置き換えて強くイメージします。
良し!と思ったところで弾いてみましょう。

例えばはじめの「p」、すぐに音量が出てしまうからとソフトペダルを踏む方法もあります。
でもね、弾く前にその音を想像して聴いて考えて、それから弾き始めると、ソフトペダルなしでも「遠くで鳴っているような神秘的な音」を出すことができますよ。

出だしのスタッカートは元気良すぎないように

ドビュッシー「映像第1集」”運動”
ドビュッシー「映像第1集」”運動”出だし

さぁ、「運動」出だしの4小節から参りましょう。

和音にメゾ・スタッカート(スタッカートとスラー)が付いています。
そもそも同じ和音を続けて弾くのですから、打鍵の仕方に気をつけないと、とても元気の良い「はずんだ」音が出てきてしまいますよ。

この和音の打鍵は、指先が鍵盤に触れるだけ。
4音目だけ、テヌート・スタッカートになっていますね。
この音は腕の重みをかけるだけです。

そして、打鍵で絶対に「跳ねない」のがポイント。
打鍵する指は、鍵盤から離れないように。

左手でとる三つの8分音符は全て「等しく」。
三音目が急がないよう、注意が必要です。

そして打鍵は直角にならないように。
(直角になると、元気よくはねてしまいます)ここはダンスですよ。

出だしの和音の連続は、「はっきり見える」のではなく、「もやっとした感じ。霧が出てるような。」感じをイメージして。

こんなフレーズは、指を寝かせて打鍵する事をオススメします。
音色が変わるのを実感できるでしょう。

続くフレーズ(5小節目〜)。
右手で弾く「レミファレミファレミファレミファ」で気をつけること。
それは、親指で打鍵する音が跳び出やすいので注意。

ここがこの曲の技術力が必要なところです。
「レミファ」は全て等しい状態で弾くという事を意識しましょう。
それこそが、曲名の「movement(運動/動き)」なのです。

「レミファ」を等しい状態で弾くための、練習ネタ

まず、輪ゴムを親指にひっかけて、一回ねじる。
そして次に人差し指に。
もう一回ねじって中指に...と、5指全てに輪ゴムをはめ、ギュッと指が固定された状態にしてみましょう。
そしてそのまま「れみふぁれみふぁ」と弾いてみる。

その状態を忘れないで。
こうやって輪ゴムをしている時と同じように、「1・2・3」の指はとてもタイト(隙間のない感じ)で。
でもね、2と3の指はくっついたままだと同じ状態で鍵盤に当たれません。
だから3の指は少し2の指から離れようと(鍵盤に対して真っ直ぐになろうと)します。
それを、輪ゴム無しでやってみましょう。

わからなくなったら、輪ゴムはめて、その状態をまた体感してみればいいのです。
そしてもう一つのポイントは、この時「私とピアノは一体化している!」と強く思うこと。

「れみふぁれみふぁ」という練習だけではなく、時には「ふぁれみふぁれみ」という弾き方の練習もしてみましょう。

どちらの手が上?弾きにくい時は指使いを考える

ドビュッシー「映像第1集」”運動”
ドビュッシー「映像第1集」”運動”6小節目

6小節目最後の(右手の)「ミファラ」に注意。
それまでとの変化を聴かせる事を、意識してみましょう。

そうそう、そもそもここ、どちらの手を上にして弾いていますか?

よく見ると楽譜に指示があります。
「右手は左手の上に」と書いてありますよ。
でもね、それだと弾きにくいと感じる人もいます。
そんな時は指使いも考えてみましょう。

右手が上で、「レミファ」は「123」、「ミファラ」は「124」の指使いで弾いてみたらどうかしら?

ここで気をつけたいことは、「ミファラ」の「ミ」にアクセントが付かないようにすること。
なぜなら「ミファラ」で「クレッシェンド」の指示があるから。

1の指で打鍵する時は、手首から伸びた長い指だ!と強く思いこむのがポイントですよ。

そして、ハッピーに踊っている、楕円の動きを意識してね。

座り方と姿勢に気をつける

さぁ、ちょっと姿勢を見直してみましょうか。

もっと深く、底に沈むように座ってみましょう。
背中側の筋肉を全てリラックスさせて。
骨も「くつろぎ状態」に。

座って手を構えた時、背筋がピンとしているなら注意が必要です。
このような場合、背筋まで緊張している状態ですから、いい音を出すのは難しい。

ピアノを弾く時に、背中がどうあるべきかってことは、重要です。
ちょっと気をつけてみてね。

テヌートはアクセントではない

ドビュッシー「映像第1集」”運動”
ドビュッシー「映像第1集」”運動”12〜13小節目

ここは左手のテクニックが必要になるところ。

ミファドファミ ミファドファミ
 ミファドファミ ミファドファミ」

テヌートが付いている音は、アクセントではありません。
テヌート音を弾く時、「突き放す」ような打鍵にすると、アクセントになってしまいます。
でもね、ここはテヌートです。この音は腕の重みを使って弾くだけ。

そして続く「ミファドファミ」は指先だけを使って弾いてみましょう。
左手は広げて、この全ての音に指を用意しておきます。

左の「シ・ラ・シ・ソ|シ・ラ・シ・ソ」、5の指は指先ではねて。
突き放さないけれど、軽くはねるような打鍵です。

そして「シ・ラ・シ」に向けてクレッシェンド。
その後ディミヌエンド。二回目は少し落としてね。

聴かせたい音・助ける音

ドビュッシー「映像第1集」”運動”
ドビュッシー「映像第1集」”運動”20小節目〜

20~23小節目は、右手の「ラ」を出すことを意識してみましょう。
左手の「ド」に消されないようにね。

ドビュッシー「映像第1集」”運動”
ドビュッシー「映像第1集」”運動”26小節目〜

ここね、最初の左の低音「ド」を響かせることがとっても大事です。
だから、可能なら真ん中のペダルを踏んでみましょう。
※ グランドピアノで3本ペダルが付いている場合です。
アップライトピアノの真ん中のペダルは機能が違うので使えません。
(電子ピアノで3本ペダル付きだと、真ん中のペダルが有効のものもあるようです)

そしてここで気をつけることは、26小節目から急に速くならないようにすること。
かっちりした一定のテンポで刻む事によって、躍動感は生まれます。
決してaccel.ではありません。

ドビュッシー「映像第1集」”運動”
ドビュッシー「映像第1集」”運動”27〜28小節目

この右手。一つ目も二つ目の和音も同じに弾かないのがポイントです。

この二つの和音は「ドとソ」でどちらも同じ音ですが、1オクターブ移動しますね。
移動の仕方は、肘や大胸筋を広げて、手は横移動すること。
ただし二つ目の(高音の)和音は指先で打鍵しましょう。

そして左手。

それまでの「れみふぁれみふぁ」から「みふぁら」と一つだけ違う音に。
これは、「明らかに異なる新しいものの出現」を意味しています。
今までとは違うなら、同じ弾き方をしては伝わりません。
違う弾き方(ジェスチャー)をしてみましょう。

一息で歌いきってしまうのではなく(それで息が足りなくなって押し出した声で歌うのではなく)、この異なる音型の時には、息を吸い直すように打鍵しなおすのがポイントです。

26~29小節目で、ピアノからフォルテまで持っていくクレッシェンドは、クレッシェンドが書かれているところは右手でも助けてあげましょう。

オクターブ・フレーズの弾き方

ドビュッシー「映像第1集」”運動”
ドビュッシー「映像第1集」”運動”30〜31小節目

ここの右手も全て同じで弾かないよう、考える余地があります。

右手はもっとトランペットの響きを想像してみましょう。
はじめの「・そ そふぁみ」はテヌートが付いています。
腕の重みをかけて沈めて弾いてみましょう。

それに対して、続く「れどどそ」はスタッカートが付いていますよね。
ここはふわっふわっと腕を使って弾いていく。
テヌート付きの音と、スタッカート付きの音の違いを出して(考えて)みましょう。

左手の第一拍を響かす事を、意識して想像しましょう。

右手を弾き始める時に、頭が前に出ないように注意することも、お忘れなく。
背筋を落として、腕も脱力。ただ手を落とすだけ(一つ目の重音)。
続く三連符は、そのバウンス(跳ね返ってくる余力)で。

この右手オクターブは、3の指を支点にして動いていきましょう。
3の指がリーダーとして動いていくということです。
決して1の指から動いていくのではありません。
あなたがオクターブのフレーズを弾く時、どの指をリーダーとして動いているのか?観察してみましょう。

ここで出す音は、上の音です。1の指はただあなたの手に付属しているだけだ、と言い聞かせてみましょう。
重音の中の音は「2」の指で取ることで、オクターブは「3」の指を支点に動きやすくなりますよ。

弾き始める前(左手の和音を弾いた時に)、大きく息を吸ってみましょう。
そして、めっちゃハッピーに!

同じ音が繰り返される時の注意点

ドビュッシー「映像第1集」”運動”
ドビュッシー「映像第1集」”運動”30〜31小節目

一つ目の和音(ソ)から二つ目の同じ和音への打鍵に向かう時、跳ね上がっていませんか?
ここは、跳ねないように気をつけましょう。
なぜなら、スタッカートではなくテヌートだからですよ。

次の3連符は「一つの動きで」打鍵します。
1音ずつの打鍵にならないように。
1音目の打鍵で落としたら、上げながら2音目、3音目へと鍵盤をなぞるように弾いていきましょう。

そしてその後は、ちゃんとディミヌエンドすることも忘れないように。

オクターブ・フレーズを弾くポイント

このオクターブ・フレーズを弾く時は、腕を低くして手首を上げる。
二の腕も肘も脱力で。
その状態で、何かを放り投げるように弾いてみましょう。
ボールを投げる時を想像してみて。
手首かくんって動かして、二の腕や肘は連動して開放されますよね。
その「かくん」と曲がった状態を想像して弾いてみましょう。

そして、大事なのは和音の中の音です。
「れ れどし ら そ そ れ」を弾く指は、鍵盤を掴み取るようにして弾くことを、意識してみましょう。

この右手が降りてくる動きは、腕だけでしようと思わないことです。
腰が回転台になって、上体を動かして行く。
腕は、ただそれに連れていかれるだけ。そういう意識でね。

続く左手に受け渡されるフレーズも同じことです。

ドビュッシー「映像第1集」”運動”
ドビュッシー「映像第1集」”運動”32小節目〜

左手「・ソ ソファミ|レ・ド・ド・ソ」から次の低音「ド」へ同じ勢いで飛び込まない。
低音「ド」は、深く沈めるように。

ドビュッシー「映像第1集」”運動”
ドビュッシー「映像第1集」”運動”40小節目〜

41小節目から42小節目への左手、やはり同じように飛び込まないように注意。
完璧に打鍵を変えましょう。
そのためには、バウンスできた「レ・ド・ド・ソ」の最後の「ソ」打鍵後、腕(肘)を一度外側へひねってしまうこと。
それを戻して、打鍵することで「新しく」なりますよ。
そして、低い声で押し殺しながら歌うように。

この左手を弾く時の「腹筋の使い方」は、管楽器を吹く時の腹筋の使い方と同じです。
管楽器の経験がある人は、思い起こしてくださいね。
腹筋は、ピアノを弾く人にとっての「口」と同じなんです。
腹筋=どう呼吸するかということ。

そしてね、管楽器奏者や歌い手と同じで、肩はリラックスさせないと出る音が苦しくなってしまいますよ。
忘れないでね。

次に、画像の3小節目(実際の43小節目)から。
左手の「シーシー」でのクレッシェンドをどう出すか。

一つ目の「シ」は低音を響かせる。
そして二つ目の「シ」は上の音を響かせてみましょう。
それだけでいい。
実際にクレッシェンドしなくても、バランスを変えるだけで、十分なクレッシェンド効果が生まれるますよ。

ドビュッシー「映像第1集」”運動”
ドビュッシー「映像第1集」”運動”44小節目〜

さぁ、問題です。ここの左手は何の楽器でしょう?

トロンボーンでもチェロでも良いのですが、もしトロンボーンだったとして。
第一音から第二音へはどうやって呼吸しながら吹くのか?
もしチェロだったら、第一音から第二音へはどういう弓使いで音を膨らませたりつなげていくのか?
これを考えてみる。
大事なのは、そのような「○○の楽器だったら?」と考えて、音と音の繋がりを出すことです。

思ってるだけじゃダメですよ。
想像したとおりに体が動いていかないとね。
ピアノは指だけ、腕だけで弾かないように。
背中から腕から指へ、全てがつながっていることを忘れないで。

オクターブを弾く時に、親指と小指をオクターブ幅に広げた状態を手首で維持してると、音が硬くなります

親指と小指をオクターブ幅に広げた状態で打鍵すれば、音量は出る。
でもね、音量が出るだけで、いい音は出ないんです。

上でもお話したように、「3の指を支点にして」弾いてみましょう。
親指と小指を広げた状態を、3の指で保つのです。
3の指で保つと、手首に力は入らなくなりますよ。

親指と小指でオクターブ幅に保っている時と、3の指を支点にして弾いた時では、出てくる音が変わってきます。
その違いを感じてね。

ドビュッシー「映像第1集」”運動”
ドビュッシー「映像第1集」”運動”43小節目〜

この頭に向ってのクレッシェンド&デクレッシェンドは...

右手も、低く少しずつ押し迫るように。
手首を低くして、一音ずつ主張しないように打鍵。
低い声で歌う時の喉の感覚を手で再現しましょう。

画像一段目の4小節目(46小節目)からディミヌエンドの指示があります。
ここは、実際にはディミヌエンドをすることなく、ディミヌエンド効果を生む弾き方をしてみましょう。
何言ってるの?って感じかと想いますが。

それはね、始めの(画像一段目4小節目)「ファソソー」のオクターブではトップを出してみる。
そして二段目始めの「・ファーソ」は低音の方を出す。
こうすることで、実際にディミヌエンドすることなく、ディミヌエンド効果を出せますよ。

続く3小節(48~50小節)は、もっとホーン・セクション(管楽器)の響きを意識してみましょう。
ホーンを吹く時の口の形を想像してね。

ドビュッシー「映像第1集」”運動”
ドビュッシー「映像第1集」”運動”48小節目〜

左手の「レシラー」という内声の動きについて。

ここは直接的に弾かないで、指の付け根を山型にしてそこから鍵盤に向って(傾斜する形で)、指を真っ直ぐ下ろした形で打鍵してみましょう。

そして「レシ」から「ラー」へ入るところは大事に。
「大好き!」って言う時に、本当に愛してる人に気持ちを込めて言うのと同じです。

ここで聴かせるのは「レシラー|-ミレシ|レシラー」。
「レシ」の「シ」打鍵の後、親指は大きく息を吸うように上げて広げる。
そして打鍵する時、親指の付け根の関節を使わないで(指先で弾こうとしないで)、指の側面全体を使って柔らかくしましょう。

二声のライン

ドビュッシー「映像第1集」”運動”
ドビュッシー「映像第1集」”運動”51小節目〜

ここの左手は、二声だということを忘れないように。

最初の低音オクターブ「ド」は、ずっと響かせておかなければなりません。
その「ド」は次の「レミファ」につながっているからです。
「ドッソ ソファミ|レドドー」という音の動きではないので、注意しましょう。

このフレーズで大事なのは、右手ではなく左手。
「神秘的に」なものを想像してみましょう。

61~62小節目の左手の「ミーファ |ミーファ 」は、「ミーファー|ミーファー」ではありません。
「ミーファ 」で一つ。
ここで一回目のデクレッシェンド。
そして次の「ミーファ 」で更なるデクレッシェンドなので、呼吸を忘れないでね。

ドビュッシー「映像第1集」”運動”
ドビュッシー「映像第1集」”運動”52小節目〜

53~54小節目の「・ソ ソファミ|レ・ド・ド・ソ」は、前回と違ってフォルテシモ。
こんな時は、ただ手を落とすだけではなく、肩の重みも使ってみましょう。

ドビュッシー「映像第1集」”運動”
ドビュッシー「映像第1集」”運動”63小節目

63小節目のこの左手の「ミシドシー」は、突然の恐怖ですよ!
「きゃあぁあっ!」て、もっと怖がってね!

腕の重みを使って弾く

ドビュッシー「映像第1集」”運動”
ドビュッシー「映像第1集」”運動”67小節目〜

ここのラインは、右手の動きの中にある「そーらーどーーーーれーーーふぁーそーみーーー」です。
「そーらーどーどーどーどー」にならないよう、あなたが出す音をよく聴いてみましょう。

テヌート音は、腕の重みを使って弾く。
それ以外は指先のみの打鍵で、もっと軽く弾いてみましょうか。

右手の打鍵につられて左手の「ミ・ファ・ラ・ラ・」がうるさくならないように。
ここの打鍵は、手首を楕円に回していきましょう。
指の動きが先ではなく、手首が先です。
そして指は打鍵前に用意する。

「ソラド」から「ドドド」と続く音を控えるには、この時の5の指は鍵盤から離さないのがポイントです。

右手の「ソーラードーーー」は、言葉をあてはめたらいいすね。
そしたらもっと自然に歌えるでしょう。
例えば、「Come A Long」、カーム・アー・ろ~~~~~ンって。
「ラ」から「ド」へは含みを持たせる。

続く「ファーソーミーー」も同じこと。
ここの音が一番高くなるところなので、最初の「ソーラードーーー」より、もっと!です。

そして続く「ドーレーシーーー」も同じ、続く「ラーシーソーーー」は「終わり」であることを忘れないで。

まず、弾かないで音を想像してみましょう。ここはどんな音?

遠くで小さな鐘が鳴っているように...ね。

和音の動きとアルペジオの動き

ドビュッシー「映像第1集」”運動”
ドビュッシー「映像第1集」”運動”89小節目〜

ここは、二つの別物(和音の動きとアルペジオの動き)が同居しています。

メインは和音の動き・ライン。

ここでアルペジオをちゃんと弾かなきゃ!って気持ちが急いてしまうと、メインがおざなりになってしまうので気をつけて。

それぞれの和音の打鍵は「押し込む!」=鍵盤の中に「深く」入っていくように。
そして、すぐに抜け出さないで、「入りきる」のがポイント。

メロディの和音は、背筋を落として鍵盤に入っていくように。
「ファファファファ」のオクターブ・アルペジオは指先だけで。

続いてフォルテのフレーズになる時は、和音のメロディには重みを乗せていきます。

フォルテシモでは体中の重みを乗せるために、上体から押すようにして助けてあげる。
でも、叩くように弾くのではありませんよ。上体の重さを利用するだけ。

このセクションでは、ピアノ(p)からトリプル・フォルテ(fff)までの幅を明確にすることが重要。
クレッシェンドで急激にフォルテに達しないように、計算して、徐々にね。

89小節目、ここは左手の「ファーラードーー」を響かせましょう。
「ファーラー」から「ドー」へ行く時、完全に指を用意するのがポイントです。
1の指は一度上げてから、指の側面を全部使って打鍵する。アクセントではないけど、アゴーギグで。
(※ アゴーギグ=テンポやリズムを意図的に変化させる表現法の一つ)

続くフレーズも全て同じです。
このリズムのところは、最後の音が長く伸ばす音。
その音を打鍵する前には必ず用意しましょう。
そしてホンの少しの間をとる、ニュアンスを大事にしてね。

ドビュッシー「映像第1集」”運動”
ドビュッシー「映像第1集」”運動”97小節目〜

piu fになる97小節目までは、外郭の「ファ#」オクターブ・アルペジオの動きは、出さないように。
ここからは、弾く時の姿勢と視線は「遠くを見るように」。

フォルテ→フォルテシモになるところからは、右手の方をより出していきましょう。

どの音がどの音に属するのか?

ドビュッシー「映像第1集」”運動”
ドビュッシー「映像第1集」”運動”104小節目〜

このセクションは、16分音符ナシの練習をする事をおすすめします。
どの音(和音)がどの音に属するのか?片方の耳でその音の繋がりを聴き続けてみましょう。

そして、16分音符も混ぜて全てを弾く時には、もう一方の耳で16分音符の輝きを聴くよう意識してね。

このフォルテシモの和音は、右手のトップ音を、指を立てて響かせていきましょう。
そうすることで、ラインがより明確になります。

画像1段目、2小節1拍目の2分音符和音を打鍵する前、背筋から何から全てを脱力しましょう。
息を腹の底に吸い込んで、腹から力を送り出して打鍵します。
この時、指の関節を使って力を出すのではなく、指先の鍵盤に触れる面で、ピアノを向こう側に動かすように打鍵してみましょう。

その時、あなたの力だけではなく、まるで鍵盤がクッションのように下からあなたの指を押し上げるスポンジの役割を担っていると、きちんと思いこむのがポイント。
だから、打鍵した反動で腕は上がりますよ。

1段目3小節は、「ドラ~」です。「ドラシ」にならないように。
「ドラ~」の「ラ」を弾いたら、手首は向こう側へ上がる。
その過程で親指が「シ」をなぞるだけ。

2段目のトリプル・フォルテ(fff)、あなたはその前にあるフォルテシモとの違いをどう出しますか?

トリプル・フォルテの打鍵の時は、頭を上げてみましょう。
そうすると音が上へ、外へと明るく広がっていきますよ。
音を飛ばしたい(広げたい)時は、上体と頭が下を向いていては難しいので、上げてみましょう。
出てくる音が、明らかに変わりますよ。

あなたが、自分でどうやったらいいかわからない時、どうやっても違いがはっきり出ない時は、あなたが思っているより、あなたが今までやっていたのよりも、大げさすぎるほどにやってみることをオススメします。
このくらいかな?という微妙な加減では、伝わりにくいんですよ。
練習ですからね。

和音に続く16分音符ですが、和音打鍵で腕が上がった後、弾きなおさない。
上がった腕が落ちてくるそのまま、勢いも落とさない。
同じ勢いで弾いていきます。

それからね、このトリプル・フォルテの二回目は、時間を取りましょう。
しっかり息を吸う時間を。
そうしないと、直前までの16分音符の波に飲まれてしまいます。
でも、この和音は特別なのでね。

ドビュッシー「映像第1集」”運動”
ドビュッシー「映像第1集」”運動”107小節目

107小節目からの、弾く時の姿勢と視線は、「もっと向こう側を、身を乗り出して見る」感じで。

ドビュッシー「映像第1集」”運動”
ドビュッシー「映像第1集」”運動”111小節目〜

4小節に渡ってこの伸ばす和音は響かせ続けなければなりません。
忘れないでね。聴き続けながら、他の音を弾くのがポイントです。

そして、この4小節で、トリプル・フォルテからピアニシモまで落としていかなければなりません。
そこを計算して弾きましょう。
突然弱くなるわけではありませんよ。

どこを出すのか?どこに向かうのか?

ドビュッシー「映像第1集」”運動”
ドビュッシー「映像第1集」”運動”156小節目〜

コーダの右手を見てみましょう。

ここでは重音を出すのではありません。
16分3連符のそれぞれ三つ目の音が「高い音」になっていますよね。
そこに向っていきます。
高い音を聴かせるのが大事ですよ。

ピアニシモでこれを消えるように弾き続けるには、目を閉じて手を鍵盤に乗せて。
鍵盤が、肩の高さまで上がってくると強くイメージして。

そうしたら次は目を開けて、同じことをイメージして弾いてみましょう。
鍵盤が肩まで上がってきたその感覚の中で弾くと、脱力した状態でキレイに弾けますよ。

ドビュッシー「映像第1集」”運動”
ドビュッシー「映像第1集」”運動”162小節目〜

左手の内声、初めはピアノ(p)。
そこはメゾ・スタッカートです。
ここは、腕の動きは止めないように。
全て腕の回転で動いていきましょう。

そして167小節目からのpiu pからは、「よりレガートで」。

左手のフレーズは、一回目と二回目で違いますよ。
一回目はノン・レガート。
でも二回目はレガートですよ。
だから同じ弾き方をしないように。

ドビュッシー「映像第1集」”運動”
ドビュッシー「映像第1集」”運動”174小節目〜

三回ある、左手の「シ♭」は、大事に大事につかみ取る、落とさないように
鍵盤に触れてから鍵盤の上にあるものをつかみ取るように、そしてつかみ取ったものが落ちないように、手を丸めて腕は上がっていきます。

最後の最低音「ド」の打鍵は、それまでの「シ♭」とはちょっと変えますよ。
指は鍵盤に触れておく。
あなたが「弾きにいく」のではなくて、鍵盤の下から、何かの力であなたの指が跳ね上げられるような感覚でね。

あなた自身で飛び込むんじゃないので、打鍵後に大きく指がジャンプすることはありません。

1の指(親指)打鍵の音が飛び出ないようにするための練習方法

手首・肘・大胸筋を全てリラックス(脱力)させた状態にする

そして指先は鍵盤に吸い付いたまま(ピアノと一体化)で打鍵する。打鍵を続ける。

親指の付け根関節ではなく手首の親指の骨の付け根の関節を使って打鍵する。

打鍵するたびに(肘その他を脱力のまま)手首を立てて行き(親指の骨が真っ直ぐの状態で)クレッシェンドしていく。
手首が立ちきって親指の指先より向こう側へ行くまで。そうしたら今度は戻ってくる=デクレッシェンド。

これを毎日10分。朝5分、夕方5分、両手やること。

いろんなコードを、腕・肩全て「シンジャッタ」状態にして(超脱力状態)

でも、指先だけが「生きている」状態で鍵盤に放り投げる。

放り投げた(打鍵した)瞬間、全てを再脱力→また高い所から腕を放り投げる→再脱力。

これを毎朝5分。

親指を使った速いフレーズの時にいつも親指打鍵の音だけが飛び出てしまう、音色も違うものになってしまうのを矯正するために

1と2の指だけを使っての2オクターブ音階練習をする。この時、1の指打鍵と2の指打鍵の全てが同じ、等しくなるように。
1打鍵でガクッと落ちないように。

そして、これを二つずつ「どれ・みふぁ・そら・しど」取る練習、
三つずつ「どれみ・ふぁそら・しどれ・・・」、六つずつ、八つずつ...という練習をする。

翌週は1と3の指を使ってやる。その次の週は1と4の指で。

ピアノ動画*ドビュッシー「映像第1集」から”運動”

ティブレイクは、お題のドビュッシー「映像第1集」から第3曲”運動”をお送りします。

ピアノはスタインウェイ。2018年の、ドビュッシー没後100年でのリサイタルから。

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