ドビュッシー「人形へのセレナーデ」から4つの練習ポイントをシェア
とっても楽しい曲、大好きな曲をピアノで弾くのは、心が浮足立つような幸せな時間です。
音にするだけで、ウキウキしてしまう感覚は不思議ですよね。
でも、自己満足で終わっていないかなぁ?
もしかしたら、いろんな事を勘違いしたり間違えて音にしているかもしれません。

楽譜をパッと見た感じでは、たいして難しそうではない。
だけどよく楽譜を読むと、なんと右手と左手でアーティキュレーションが違っていたり。
片方の手はレガートでもう一方はスタッカートの動きのようなフレーズ。
こういうのって、ちゃんと理解した上で弾かないと、楽譜の指示通りには弾けないですよね。
今日は、ドビュッシー作曲「子供の領分」から”人形へのセレナーデ”を取り上げて、ちょっとした練習のポイントをシェア致します。
Contents
アーティキュレーションを理解するだけで音が踊りだす!

この画像の左手に注目してみましょう。
左手は二声になっていますね。
ベースラインは伸ばしておかねばなりません。
その上で動きのあるラインが。
こんなフレーズは、ものすごく気をつけないと、左手の上のラインもレガートで弾いてしまいます。
もちろん、上のラインもレガートの指示になっているなら問題ありません。
でも、楽譜を見るとそうは書かれていないんですよね。
左手の上のライン「どーれどれー」は、1音目の4分音符「ど」が、テヌート。
しかし、続く8分音符はと4分音符「レドレー」は、「スタッカート」。
つい繋げてレガートで弾いてしまうのと楽譜の指示通りに弾くのでは、まるで違うものになります。
だから、アーティキュレーションを正しく読み取るのは大事。
あなたがアーティキュレーションを正しく読み取る事ができれば、もう音が生きてくる!踊りだすよ♪
音の動き・響きを想像しよう!

音数はそう多くありません。比較的、鍵盤もつかみやすそうな、この動き。
でもね、片方の手にスタッカートの指示があると、つられやすいのよね。
- 左手は全てスタッカート
- 右手は二声
内声も一音目は2分音符なので、その長さの間はその響きを放ちます。
そして上声は「みそしーー」と、伸びのある歌。
そう、伸びがあるのよね。だけど、左手のスタッカートにつられて「ミソシっ!」と、手が浮いてしまいがち。
しかもその「みそしー」でクレッシェンドだしヘ(゚∀゚*)ノ
ここは、あなただったら、どんな音の響きをイメージするかしら?
きっと素敵な音が響き渡っている。想像してね。
音量を下げる時の呼吸とは?

フォルテシモで2小節同じ音が続きます。
何だか「誇らしげ」?「うふ♪私を見て!」な感じかしら?
そして次の小節では

突然ピアノになって、更にデクレッシェンドの指示が。
前の小節までのフォルテシモから、デクレッシェンドなしでのピアノ(p)、突然の「強弱変化」です。
この急激な強弱の変化は、どうしたらいいのかしら?
じゃあね、「ふっ」と身をかがめて隠れる時って、どんな感じ?
どんな呼吸かしら?
「ピアノ(p)」にする直前、「ふっ」と身をかがめるような「息を呑む」ような呼吸をする。
そして「piu p」でデクレッシェンドは、「息を吐いていく」。
やってみてね。

続く、ピアノでエスプレシーヴォは左手に注目してみましょう。
この場合「ピアノ(p)」の指示は、右手だと思ったらどうかしら?
左手はたっぷりと歌う。まるでチェロで弾くように。
想像してみて。チェロの響きを、音色を。
そうしたら、うんとステキになりますよ。
ちょっと試してみてね。ご参考まで。
バトンの受け渡しは優しく

単旋律なのに、左手から右手へと音を受け渡して弾く上の画像のようなフレーズ、よくありますよね。
この時、大事なのは、「まるで片手で弾いているように、なめらかに聴こえるように弾くこと」
じゃ、片手で弾いちゃダメ?うん、片手でも弾けるよね。
でもね、片手で弾くとこんなフレーズでは「指くぐり」をしないといけないでしょ?
すると指くぐりで音がデコボコしやすくなります。
もちろん、デコボコしないように弾くことも、出来ますよね。
意識して、打鍵の仕方を気をつければ良いのだから。
だけど、その点を意識して弾くよりも、このように両手でバトンを渡すように繋げてあげる方が、カンタンです。
手指に自然な指を使って弾かせるのは、ドビュッシーらしいですね。
これがドビュッシーのピアニズム。
さて、それでも、その時に注意したいのが「受け渡し」ですよ。
「さー!バトン渡しまっせー!」と、意気込み過ぎないでね。
それよりも、大事な人の手にそっと触れるように。
あなたが、あなたの大事な人と過ごす時間を想像してね。
眠りに入った子供が起きないように、愛を込めてそっと撫でるように。
そんな気持ちでね、優しい気持ちで弾いてみましょう。
実際にどのような連係プレーをするのか?というのは、レッスンで手取り足取りお伝えしています。
ピアノ動画*ドビュッシー「人形へのセレナーデ」
ティブレイクは、ドビュッシー様の「子供の領分」から”人形へのセレナーデ”をお送りします。
ピアノはスタインウェイでした。お話と絵とのコラボから。
ドビュッシー「人形へのセレナーデ」練習のポイントまとめ
- 声部で違うアーティキュレーションは、正しく理解しよう!
- その音の動きや響きはどんなものなのか?想像してみよう
- 突然音量を下げる時の呼吸を考えてみよう
- 音のバトンの受け渡しは、優しくね
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