ギロック「雪の日のソリのベル」4つの練習ポイント
私が子供の頃には、お目にかかる機会がなかったアメリカの作曲家。
それがウィリアム・ギロックさま。
ギロックさまとは、1917年生まれで1993年に亡くなった、アメリカの音楽教育家で作曲家のこと。

ギロックのピアノのための作品は、様々なスタイルで書かれています。
バロックのスタイルだったり古典だったりロマン派だったりね。
その上、子供のために作られた作品が多いので、長すぎず、難しすぎず、なおかつとても素敵な、大人っぽい作品ばかり。
もちろん、大人のためにも作られているので、子供が弾いても大人が弾いても「暖かい愛に包まれるような気持ち」にさせらちゃうんです。
私も子供の頃にこんな作品に出会っていたらなぁ…なんて、教えながら思ったもの。
でも教えるようになって出会えたのですから、私も幸せですよね。
というわけで、私が子供達にピアノを教えていた頃に、とっても人気があって発表会で弾いた生徒さんが多かった「雪の日のソリのベル」。
こちらを題材に、ちょっとした練習のポイントを教えちゃいます!
Contents
和音の変化に気をつけろ!

こんなフレーズ、どういうわけか、ブツ切れ感をぬぐえません。
何故か、一瞬止まってしまうの。
どうして一瞬止まってしまうのか、わかるかしら?
それはね。左手の和音が変化することに反応できていないから。
どのように和音が変化しているかを理解しきれていないから、反応が遅くなってしまうの。
どの音が、どの指が
- どのように動くのか?
- 共通する音(指)はないのか?
- ほんの少しだけ動けばいいだけの指はないのか?
といった「共通点」「疑似点」を見つけてみましょう。
この画像の場合だと、和音を構成している音の並び方が同じですよ。
だから、白鍵・黒鍵の具合は違っても、手指は同じ形を保ったままで二度下がればいいんです。

こちらも同じ事。
和音が変わったからと言って、弾くたびイチイチ、それまで弾いていたポジションから手を離さないように気をつけてね。
手指は、必要以上に鍵盤から離さない。
限りなく鍵盤に寄り添っておくのがポイントです。
動きは最小限にね。
何がどのくらい動くのか?それを知っておくこと。
それだけで迷わなくなりますよ。
片手練習の時に、そういう所まで頭に入れたいですね。そ
うしたら、和音が変わるたびに「うん?」と迷わずに弾けるようになりますよ。
和音が変わる時は、何が変わるのか?変わらない事は何なのか?に目を向けよう!
音楽の三段階活用を見逃すな!三段階の法則で音の向かいどころがわかる!

画像の1小節目が第1段階。2小節目は第2段階。
どちらも同じ動きをしています。ただ、微妙に音に変化が。
微妙でも音が変わるということは、ニュアンスが変わるということ。
気持ちが変わる。変化があるんです。
ほら、よく見て!強弱の指示も違っていますよ!ということは?

ほら!第3段階では大きく発展しています。これが「三段階」の法則。
1回目と2回目は、同じリズムで同じような動きが繰り返される。
しかし、音には変化が。そして3回目では発展していくのです。
その3回目のフレーズの終わりに向かっていく。
そこが目的地になっています。
譜読みはパズルのようですね。
フレーズの三段階活用がないか、探してみよう!表現がより豊かになるから。
向かいどころをハッキリさせるための段階の上げ方

「ピアノ(p)」から始まって、(画像に入っていませんが)「クレッシェンド」を経て「メゾフォルテ(mf)」に。
そこからまた「クレッシェンド」して「フォルテ(f)」になっています。
その後は「フォルテシモ(ff)」になるフレーズ。
全て同じカタチで、少しずつ音が上がっていきます。しかも全部和音ですね。
さぁ、こんな時の「段階の上げ方」、どうしましょうか?
それぞれの小節で「音量」に差をつけていくのは勿論のこととして。
「打鍵の仕方」も少し変えてみましょうか。
例えばね、
- はじめの「ピアノ」の時は、「指の一点」で「軽い打鍵」
- 「メゾフォルテ」では、「指を少し寝かす」ことで「音色を暖かめ」に
- 「フォルテ」では「腕の重みを乗せる」
こんな段階の上げ方もありますよ。ご参考までにね。
拍は正しく!ただし体で数えない!

ベルがシャンシャン♪と鳴る「ソリ」が、遠くへ行っちゃったよ!
あぁ、もう見えなくなっちゃう…ベルの音も聴こえなくなっちゃう…そんな情景が浮かぶんじゃないかしら?
ソリが遠くに行ってしまうの。
見えなくなってしまうの。
だから、それを表す音の打鍵を、みんな同じにしていたら、遠くへ行く前にまた戻ってきちゃうかも。
打鍵を上に抜いてみましょう。
リズムは正しくね。でもね、頭を振って体をゆすってカウントしないでね。
それがアタック/発音に影響しちゃいます。
全ての打鍵が終わっても、あなたはまだ、しんしんと降る雪景色の中にいるの。
まだ聴こえるんじゃないか?ってね、その世界にいてね。
最後の音の打鍵が終わった瞬間、こっちに戻ってこないように。
余韻の最後の瞬間まで味わってね。
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