音楽的に歌うために!打鍵しやすくするためにグルーピングする方法
楽譜を読む。音の動きを読み取っていく。
ピアノは右手の動きと左手の動きがあるから、その両方を読んで理解しないといけないですよね。
その上、読むだけじゃなく、そのとおりに指が動くようにと練習を重ねる。
すると今度は指がちゃんと回りますように!と、弾くことに必死になってしまったり?
体がこわばっていませんか?
呼吸してる?
あらら?歌はどこへいっちゃったのかな?
なんて事にならないようにしたいですよね。
じゃあどうしたらいいの?そうね、いつもピアノで音楽的に歌うために、打鍵に必死にならないようにするには?
もっと弾きやすくするために、グルーピングするといいですよ。
今日は、どんなふうにグルーピングするのか?というお話です。
同じ方向を向いている音でグループ分けするのがポイント

画像はランゲ作曲の「荒野のバラ」から。
問題は右手の16分音符フレーズです。
「ラドシラ ソシラソ|ファラソファ ミソファミ|レファミレ ドミレド」
何だか回転するように、坂道を転がり落ちるような動きが続いていますよ。
指もちゃんと動いているのか?
もしかして絡まっているのかも、微妙なところ。
こんなフレーズは、弾ききる事に一生懸命だったりしませんか?
うん、大変だよね。
じゃあね、とらえ方を変えてみましょうか。
「ラ」「ドシラソ」「シラソファ」「ラソファミ」「ソファミレ」「ファミレド」「ミレドシ」というようにね。
気付いたかしら?この分け方(とらえ方=グルーピング)はね、素直に同じ方向を向いている音の塊で「ひとかたまりとして」とらえているんだよ。
このようにとらえると、実はとっても弾きやすくなるんです。
ぜひ試してみてね!
音の動きの通りに歌ってみよう

画像のフレーズは、両手ユニゾンでの動きです。
このフレーズで、この次に向かって行く時。
「向かって行くのだー!」
という、クレッシェンドのような気持ちで弾いていたとしましょう。
次へ向かっていくという事は、「次」という目標地点が見えているから、そこへ向かっていく。エネルギーがそこに向かって発していくから、クレッシェンドするような気持ちになるのですね。
こんな時は、ちょっと注意ですよ。
「目標に向かって、撃てー!」みたいな感じで、攻撃的になりやすいの。
軍隊的と言うか、1コ(1音)ずつ、真面目になっちゃうのね、打鍵がね。
じゃあ、そんな状況でも(次に向かっていきながらでも)、「歌う」にはどうしたらいいのでしょう?
それはね、音の動きの波の通りに歌うことですよ。
これが一番、自然だもの。
じゃ、実際どうするのか?というとね、それは音の動きの通りに、グルーピングするのです。
「シドレ ドソシ ラミファ ソ」を、
「シドレド」「ソシラ」「ミファソ」と、分ける。
決してそこで「切る」のでは、ありません。
歌う上での、とらえ方のお話ですよ。
そして、打鍵もこのグルーピングに合わせて腕を柔らかく回転させながらね。
「指先で弾く」と言うよりは、「脇の下」や「背筋」で弾くような感覚を持つのがポイントです。
打鍵のグルーピングの考え方

画像の右手を見てみましょう。
2音ずつ、スラーが付いていますよね。
それぞれ、1音目で手を落として2音目で手を上げる(抜く)という、
「2音を一つの動作で弾く」と言うのは基本ですよ。
ここで考えたいのは、打鍵のグルーピングはスラーの付き方の通りで良いのか?と言うこと。
2音目で上げる(抜く)けれど、その動作が大きいと、スタッカート・アクセントのように発音されてしまいます。
物は試し。こんなグルーピングはどう?
2拍で一つの動きでとらえてみる。
- 1音目で落として回転させながら2音目で上がる(抜く)けれど、上がりきらない(抜ききらない)
- 鍵盤から指先が離れたか離れてないか?そのくらいで3音目の打鍵を改めて上から落とさない
- 2音目で上がりつつ、そのまま3音目を打鍵して4音目打鍵で完全に上がる(抜ける)=回転しきる
言い換えれば、音が多い印象を与えたいのか否か。
何を、聴かせたいのか?
生徒さんに、あなたがこのフレーズで聴きたい・聴かせたい音のラインはどこ?と聞いたら、的確に即答。
答えた瞬間、どう弾いたら良いのか、わかったようでした。
彼が聴かせたい音のラインを本当に聴けるように弾くなら、1拍ずつ(2音ずつ)で一つの上下運動をしていては、聴きたい音は聴こえないのです。
まとめ
- 音の動きが同じ方向を向いている音群でグループ分けしよう
- 音の動きの通りに、上がっていくなら大らかに!脇の下で弾く感覚を持ってみよう!
- 2音スラーでも、時には打鍵のグルーピングを2音ではなく2拍にしてみよう
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