ドビュッシー「映像第1集」”ラモーを讃えて”21の練習ポイント

2021年2月5日

「ラモーへのオマージュ」、「ラモーを讃えて」とか「ラモー礼讃」とか訳されることもあるこの曲は、フランスの作曲家クロード・ドビュッシーによる「映像第1集」の第2曲として作られました。

フランスの代表的なバロック音楽の作曲家「ジャン=フィリップ・ラモー(Jean-Philippe Rameau, 1683年9月25日 - 1764年9月12日)を讃えた曲」ということです。

「オマージュ(フランス語=hommage)」とは、「尊敬・敬意・賛辞」などと訳しますが、私の師匠は「追憶」に近いと仰っていました。

ドビュッシーの「映像第1集」では、第1曲の「水の反映/水の映る影」が最も人気が高いようですが、3曲からなる「映像第1集」は、ぜひ3曲とも弾いて欲しいです。
3曲合わせて生み出されるドビュッシーの「映像」の世界に触れてみませんか?

今日は、ドビュッシー作曲の「映像第1集」から第2曲”ラモーを讃えて”を弾くための、練習のポイントをお話します。

「ラモーを讃えて」について

「ラモーを讃えて」は、ドビュッシーのピアノ作品「映像第1集」に第2曲で、1904〜1905年に作曲されました。

教会旋法や全音音階が使われていて、バロック音楽の作曲家ラモーが得意としていたオルガンの響きを感じる事が出来る作品。

ドビュッシーに直接教えを受けたピアニストの、マルグリット・ロン女史の著「ドビュッシーとピアノ曲」から、この”ラモーへのオマージュ”についての記述を覚書的に記します。

「ラモーを讃えて」は、「サラバンド」の姉妹作品で、同じスタイルの素晴らしい作品です。

この荘重で、テンポの遅い舞曲は、フランス的でも、古い時代のものでもなく、むしろ、古代的だと思います。
それは、ギリシャの切妻壁に刻まれているような純粋な行列のリズムです。

「出だしは、供物のように。そして、”サラバンド”と同じく、メトロノームのように」・・・
これが、ドビュッシーの要求でした。

3ページ目の初めで、ドビュッシーが意図した、言いようのない和音が、あの世を喚起しています。
目が覚めてから、覚えている夢のように、彼は夢中になってその和音を探し出し、曲に写そうとし、書きとめ、やり直し、演奏家、いや、祭式執行者ともいうべき者が、この見事なハーモニーをはっきり表現できるようにしたのです。

私としては、肉体的な弛緩状態、全くの投げやりな状態、一種、臨終にも似た状態でなければ、これを十二分に表現することはできなかったのです。

ドビュッシーは、「大きく指を広げるように」と書いていましたが、小さな手のために、作り変えたものがあります。
ドビュッシーは、「絶対にアルペジオで弾くことを認めず」、9度と10度の和音を打鍵できない手に対して、ある節分法を指示していました。

サラバンドのように

ドビュッシー「ラモーを讃えて」
ドビュッシー「ラモーを讃えて」出だし

これは「サラバンドのように」と書かれています。
では、サラバンドって何かしら?

サラバンドは、3拍子のゆったりした舞曲です。
ここで気をつけたいのは、決して6拍子で弾いてはいけないということ。

サラバンドは「ゆったりした舞曲」ですが、ポイントは遅すぎないこと!
そして、2拍目を感じるのがサラバンドの特徴です。

6拍子にならないようにする弾き方のポイントは、4分音符を打鍵するたびに手首が上下に動かないようにすること。
打鍵のたびに手首が上下に動いてしまうと、6拍子になってしまいます。

この曲は2分の3拍子ですから、2分音符1つが1拍になりますよね。
ということは、1拍には4分音符が2つ入りますよ。
この1拍の二つの4分音符で、腕は一つの動きです。
決して二つの動きになってはいけません。

サラバンドは、2拍目に向っていきます。
2拍目が長く伸ばす音なら、尚のことですよ。

1〜2小節目は、指で鍵盤を押さない(押し付けない)ように打鍵しましょう。
これは、歌うのと同じことです。
あなたの肩を使って=肩を回して音と音をつなげていきましょう。

※ 肩を回すというのは、肩だけではなく。
肩から背筋、肩から腕へ→手へ→指先へ、と連動している動きのこと。

そしてココは、expressivo, dolce, sostenuto

この3つの中で難しい(伝わりにくい)のが「エクスプレシーヴォ」。

では、どうしたら伝わるエクスプレシーヴォになるだろう?
しかも「ピアニシモ」でエクスプレシーヴォですよ。
ちょっと考えてみてね。

さて。

下半身は下へ降りていく。丹田に氣が入ることで、エクスプレシーヴォできるようになります。
上半身は踊りの動きで下から上へ、という動きをとることで、3拍子の踊りになっていく。
あなた自身が踊っていることを、常に感じながら(想像しながら)弾いてみましょう。

ピアニシモはソフトに・弱々しく・息も絶え絶え、という意味ではありません。
内に秘めた想い=表に出さない想いもあるわけですから、そこに「意思」があることを忘れないように。

そしてこの冒頭は続く2小節と併せて、4小節の大きなラインでとらえましょう。

ピアノ(p)の扱いを考える

ドビュッシー「ラモーを讃えて」
ドビュッシー「ラモーを讃えて」出だし

p はね、この曲の場合「ソフトに」という意味ではありません。
もっと深い気持ちを伴っています。

出だしは、弦の動きをうんと想像してみましょう。

肩をリラックスさせて落として、ちょっとだけ姿勢を良くしてみましょうか。
そうするとね、背筋が落ちた状態になりますよね?

もしもあなたの上体が前傾してると、背筋が上がってしまいます。
それでは音色コントロールは難しいの。

音色や音量は、手首や肘でコントロールするのではありません。
全ては背筋が落ちている状態であることが大事です。
その状態でね、「てのひら」にもっと空気を入れてあげましょう。

手首や指の付け根の関節で打鍵しないよう、気をつけましょうね。
指の付け根から一つ目の関節、そこを軸にすると意識して。
そうして音を出してみましょう。

バロックの作曲家が今の礎を築いた

バロックの作曲家はとっても重要です。彼らが礎を作ってくれたから、その後の音楽があるのですもの。
バッハもリュリもスカルラッティも。そしてラモーね。

最初の4小節について考えましょう。

ドビュッシー「ラモーを讃えて」
ドビュッシー「ラモーを讃えて」出だし

ここは、そんな過去の「偉大なる作曲家の偉業」を説明しているところです。
昔々、こんな素晴らしい方がいました...ってね。

第一音の「レ#」から次の「ソ#」へは、急がないで。
その間、少し時間をとってみましょ。タイミングですよ。
そしてね、この第二音の「ソ#」は、大きくしないで少し緩めてみましょう。
そうしないとね、6拍子になっちゃうんです。

出だしは、2分音符の「ファ#」に向っていくんですよ。
「レ#→ソ#」と、音が上がるので、「ソ#」へ向かうのかな?と考えるのは、間違いではありません。

フレーズの中の、高い音は向かっていく音の候補としては、かなり順位が上です。
ただ、このフレーズの場合は、長く伸ばす音が重要。ケース・バイ・ケースですよ。
だから楽譜を、前後関係をじっくり読むことが大事なんです。

そしてね、その後の「ドレファ」では、クレッシェンドしたくなっちゃうかもしれません。
そう、音が上がっていくからですよ。
でもね、楽譜にクレッシェンドの指示がない通り、クレッシェンドをしないで弾いてみるのはどうかしら?

mais sans rigueur しかし厳格さや正確性を求めずに)」と書かれていますよ。
だから、エクスプレシーヴォとは言っても、ドラマティックすぎないようにね。
ここがロマン派とは違うところです。
まだここは回顧しながら話しているところ。

大きなラインは呼吸を意識しよう

ドビュッシー「ラモーを讃えて」
ドビュッシー「ラモーを讃えて」7小節目〜

ここも肩を回して使ってみましょう。
そう、ここは大きなラインですから、大きな一呼吸で肩を(上半身を)使う事を意識してみましょうね。

「レドレソ」「ソファソド」「シドレ」「ドレ」「ラ」「レ」「レー」というように、全部が切れていないか、よく聴いてね。

最後の最後まで一息ですよ。

ppiu pの違い

ドビュッシー「ラモーを讃えて」
ドビュッシー「ラモーを讃えて」5〜6小節目

1拍目の左の低音、ピアニシモだからと言って、やわやわになっていませんか?
1拍目で伸ばす音ですから、もっと何かの意志を持って弾きましょう。

この曲は、pがいっぱいですよね。
pにpiu pにppにpppに、ppppまで!
これらをどう変えて弾くのか?考えてみましょう。

この1拍目のppは、テヌートも書かれていますよ。
ピアニシモであってもテヌートが書かれていることの意味を考えてみましょう。

さてこの二小節。pとpiu pは、どうやって違いを出すのか?どうやってカラー(音色)を変えるのか?考えてみますよ。
全ての動きは、オーケストレーションできるので、やってみましょう。
さぁ、ここは、どんな楽器が奏でているのかな?

一小節目はフルート。
二小節目はちょっとくぐもった音色でクラリネット。
続く小節は「展開」で、「もっとソロ」なオーボエ。

じゃ、冒頭の4小節は何の楽器?チェロとかヴィオラとかかしら。
そう、きっと弦楽器。しかも二種類の弦楽器が一緒に奏でている。
...というように、他の楽器、オーケストラの楽器が演奏している様子を想像してみてね。

さて、一小節目のフルートのところは、もっと指先を使って弾いてみましょう。
それに対して二小節目のクラリネットは、もっと音をくぐもらせるために、指を寝かせて指の腹で弾いてみる。
ほら!これだけ音色が変わりますよ。

上の画像のところは、それまでの弦とは違って管楽器。
ププププープって口で吹いてるのをイメージして弾いてみましょうか。

イメージすることは凄く大事!あなたが音楽を創る大きな助けになりますよ。

鐘の音を想像する

ドビュッシー「ラモーを讃えて」
ドビュッシー「ラモーを讃えて」5〜6小節目

この曲は低音の「ソ#」が沢山出てきます。
この低音「ソ#」は、鐘の音。日本のお寺にもある、大きな鐘。あれをゴーンって響かすことを想像してみましょう。
除夜の鐘をついた事があるなら、その時のことを思い出してみて。

もちろん、ヨーロッパの鐘の音を実際に聴いた経験があるなら、その時の空気感を思い出してね。

鐘を打つのと打鍵する手は同じ動きです。打鍵したところで止まらない。
そして、鐘を打つ=打鍵するのは、強すぎないようにね。

その後の高音のメロディは「あぁ、私はラモー様をこんな風に慕っていて...」って思い出が蘇ってくる感じ。
ルバートというより、もっと「自由に」弾いてみましょう。

それから、この最初の低音「ソ#」はね「始まり」ではなく、それまでのフレーズの「終わり」の音。
だから、大きくならないように気をつけましょう。
遠くで鐘が鳴っているイメージでね。

ここはピアニシモとピアノと二つの指示が。
ピアノはどこに対しての指示なんでしょう?
そう、右手のメロディ・ラインへの指示です。
だから、最初の低音「ソ#」が、ピアニシモだということ。

このように和音を続けて弾くフレーズは、押して弾かないのがポイントです。
押してしまうと縦割りになって、6拍子になってしまうから。

これらの和音ラインはもう一つのメロディ・ラインでもあります。
だからこのようなフレーズでは、小さなクレッシェンド&ディミヌエンドを入れる事で、動きが出てきますよ。

楽器を想像してみよう

ドビュッシー「ラモーを讃えて」
ドビュッシー「ラモーを讃えて」13〜14小節目

1小節目の最後の音は、「溶ける」ことを想像してみて。
チョコは好きかしら?
チョコをお鍋で溶かしているところを想像するのも良し、生チョコを口に含んだ時の感覚を再現させるのも良さそうですよ。
とろけちゃってね。

2小節目、ソプラノとアルトは違う楽器だと想定しましょう。
想像できれば音色の弾き分けも難しくありませんよ。
ソプラノの打鍵は指先で、アルトは指を寝かせて指の腹で弾いてみましょう。

この画像2小節目からのフレーズは、♪シラソソファファー♪を聴かせていきましょう。

この2小節目低音の「ソ#」は、それまでのフレーズの「終わり」の音。
始まりの音ではないので気をつけてね。

とにかく、一音ずつが別個に切れ切れにならないように意識すること。

時間はとっていいから、音と音の繋がりを感じて弾いていきましょう。

質問と答えを表していく

ドビュッシー「ラモーを讃えて」
ドビュッシー「ラモーを讃えて」15小節目〜

1段目3小節目のフレーズの終わりは「問いかけ(質問)」。
それに対して、2段目1小節目のフレーズは答えを出しにいっています。

「質問」と「答え」という違いを表してみましょう。

画像の2段目1小節目の最後の重音と2小節目始めの重音は、変化します。
その違いを感じて、きちんと表現してみましょう。
決して突っ込まないようにね。

2段目3小節目(20小節目)は、突然のp です。
クレッシェンドしたのに、突然pになる時は、打鍵する前にその音の響きをよく聴くのがポイントです。(予想する・想像する)

クレッシェンドを助けるもの

ドビュッシー「ラモーを讃えて」
ドビュッシー「ラモーを讃えて」19〜20小節目

ここのクレッシェンドは左手で助けてあげると効果的ですよ。(右手だけでガンバらない)

左のメロディは右手のメロディの答え。右手と左手のメロディは、掛け合っている会話のよう。

ここのクレッシェンドは、この小節の最後まで続きます。
最後の右手8分音符の「ミソ」の時、一緒に弾く左手の和音は、緩めないようにね。
左手はその前の音より音程が下がるから、気をつけないと緩みがちです。
でも、緩めるのはこの次の小節から。

ドビュッシー「ラモーを讃えて」
ドビュッシー「ラモーを讃えて」22〜23小節目

続くココは、このフレーズのクライマックスですよ。
最後のところまで肩の回転・上半身を豊かに使い続けましょう。

決して押し付けて弾かないように。

内声を響かせよう

ドビュッシー「ラモーを讃えて」
ドビュッシー「ラモーを讃えて」24〜25小節目

内声は、指でつなげて弾く必要はありません。
しっかり切って、響かせて弾いてみましょう。
その方が効果的に響いて浮き立ちますよ。

ココは息を保って弾きます。
吸い込んだ息をそのまま維持して。
そうすることで、全ての音に同じ威厳を持てます。ここも鐘ですよ。

でもね、さっきよりももっとゴンゴン鳴らしてるの。
グーの手で1の指のとこで弾いてみるとよく響きますよ。
いや、3の指だけで弾くのもいいですよ。
どちらがいいか、どちらがあなたにとって気持ち良い音が出るか、両方試してみてね。

ペダルの踏み変えに意識を!

ドビュッシー「ラモーを讃えて」
ドビュッシー「ラモーを讃えて」28小節目〜

ペダルを踏み変えすぎないように。
ドビュッシーで大事なのは、低音の響きです。

この低音の「ソ#」は、どこまで聴かせたいのでしょう?
途中で聴こえなくならないようにね。

ハーモニーが変わることで気になるところは、ハーフ・ペダルにしてみましょう。
ハーフ・ペダルとは、ペダルを全踏み変えするのではなく、ペダルの上の方だけ、ちょっとだけ軽く踏み変えるのです。
これも練習ですよ。
やらないと出来るようにはなりませんから、とにかく練習してみましょう。

ハーフ・ペダルが使えるようになると、他のどんな曲でも応用がききますよ。

もっと魅惑的な音とは?

ドビュッシー「ラモーを讃えて」
ドビュッシー「ラモーを讃えて」31小節目〜

さぁ、この31小節目からは、魅惑的に、優しさを持って表していきましょう。
私の師匠が仰ったことが、ちょっとおかしくて記憶に鮮明なのでご紹介。

もっとセクシーに!よ。もっとクネクネさせて!

あなたが着てるコットンの服みたいなんじゃなくて、
私が着てるシルクのシャツみたいな感じよ!わかる?

   by 香港演藝学院のエレノア・ウォン教授の言葉

大爆笑でしたが(自分がセクシーじゃないのに、それを表すって、めっちゃ難しいですよね?
でも、「クネクネ」で「のだめちゃん」を思い出してしまいました(「のだめカンタービレ」)。

音を分断させないために

ドビュッシー「ラモーを讃えて」
ドビュッシー「ラモーを讃えて」36〜37小節目

右手、「ソー|-ファレ...」と「ソ#」を伸ばしている間に、1拍目に入る和音を弾くことで、「ソーーーファレ」が分断されて「ソーシーファレ」になりやすい危険なところです。

さぁ、歌ってみましょう。
歌なら「ソーーーー(と増していくエネルギーから続く)ファレドーシーソーファー」までが一息だ、とわかりますよ。

対比をハッキリさせるために

ドビュッシー「ラモーを讃えて」
ドビュッシー「ラモーを讃えて」38〜39小節目

右手と左手の対比をはっきりさせてみましょうか。

右手が「come along~」と歌えば、左手は「I am coming~」と答える。
「I am coming~」の「I」から主張しまくらないようにね♬次第に近づいてくる感じを想像してね。

拍子感に気をつける

ドビュッシー「ラモーを讃えて」
ドビュッシー「ラモーを讃えて」41小節目〜

さぁ、こんなところでも、また6拍子になって弾いていないか?
3拍子意識」を忘れずにいきましょう。

こんなフレーズは体を開放させて、自由に。
上半身が大きな波や風に動かされているように、大きな流れを感じるのがポイントです。

ドビュッシー「ラモーを讃えて」
ドビュッシー「ラモーを讃えて」43小節目〜

ココからはスイング!スイ〜ングね!

軍隊の行進にならないように

ドビュッシー「ラモーを讃えて」
ドビュッシー「ラモーを讃えて」44〜45小節目

ここから始まるセクションも、ペダルの踏み変えが多くならないように気をつけましょう。
肝心なのは、低音をちゃんと響かせられるかどうかです。

オクターブ和音の動きが多いからと、カチッカチッに「ちゃんと弾かなきゃ」モードで弾いていると、まるで軍隊行進になってしまうので、要注意。

もっと音に・響きに膨らみを持たせてることを強くイメージしましょう。
もちろん、上半身、特に背中側がゆるんでいる状態を想像して弾くと、ラクに膨らみの有る豊かな音が出てきますよ。

決して、一音ずつ別の打鍵をしないようにね。だからと言って、ただ手を横移動させて弾くのではなく、音を豊かに膨らませるためにも、一音つずつの打鍵をバウンドさせて弾いていきましょう。
※ カチッカチの叩く打鍵ではありませんよ。

重音の打鍵の仕方に気をつけよう

ドビュッシー「ラモーを讃えて」
ドビュッシー「ラモーを讃えて」51小節目〜

ココ!ちゃんと2拍目を感じましょうね。
伸ばしている間に拍を感じるのは、無意識では出来ませんよ。意識すること。

そして一段目と二段目は、音の方向が違っていますよ(赤○内)。
その違いをよく感じましょうね。

第一の重音は、手首を使って打鍵しないのがポイント。
肩から背筋の力を抜いて...肘も手首も全て抜けた状態で弾く。
背中(上半身)で押さないように。

ココの練習は、立ってやってみることをオススメします。
肩だけを使って手を落とす練習をしてみると、指先だけじゃない、手首からだけじゃない、肩から全体を使って弾く感覚を得られるでしょう。

2分音符は、第一音と別ものではありません。これは一つ。
だからこの2つの打鍵は1つの動きですよ。
バタフライする時の手の動きと同じ。

第一音で肩を使って打鍵したら、そこから「よいしょ」と手を上げない。打鍵した時に、鍵盤が下から上がってきて(イメージしましょ)、それにあなたの手は跳ね上げられちゃうんです。そして、跳ね上げられたあなたの手は宙で止まらず、そのまま第二の重音に落ちる。ただそれだけです。これが1つの動きね。

一音目でジャンプして二つ目に飛び込む時、一つ注意が必要です。
それは、岩に向って飛び込まないようにすること。
もし、あなたが岩に向かって飛び込んだら?
砕け散ってしまいます。岩は硬すぎですから。

この飛び込みは、プールでの飛び込みのイメージでね。
飛び込んだそこは柔らかくて、そこからまだ広がっていくイメージを持ってみましょう。
叩き付けて終わらないでね。

ここでもう一つの注意点。
両手同じバランスで弾いたら重たすぎるので、バランスをよく聴いてみましょう。
明るい音を出す時は、低音ではなく高音を聴かせること。
バランスは左手より右手ですよ。

重音のバランスとテヌートの弾き方

ドビュッシー「ラモーを讃えて」
ドビュッシー「ラモーを讃えて」56〜57小節目

ここの第一の重音のバランス(画像の2小節目、ピアニシモのところです)。
右手は「レ#」より「ラ」を出してみましょう。
左手は真ん中の「シ」を出す。
次の小節では、この第一の重音が変わるので、そこを意識して響かせてみましょう。

そして上声にはテヌートが付いていますよね、「レ#ソ#ファ#ー」に。
テヌートですから、レガートで弾こうとしないでね。

あなたの「てのひら」を緊張させて、でも肘は緩めて、肩から腕を使って音を出しましょう。

同じ弾き方をしない

ドビュッシー「ラモーを讃えて」
ドビュッシー「ラモーを讃えて」59小節目〜

この二つの小節も完璧に違います。
だから、同じに弾いては違いを表せません。

二つ目は「解決」。そしてその後は、完全に気持ちを入れ替えましょう。
全く変わりますよ。そのままなだれ込まないように。

ドビュッシー「ラモーを讃えて」
ドビュッシー「ラモーを讃えて」65小節目〜

ココの始めの「レソ」は、次の拍頭の重音に向かって行くものではありません。
だから、同じラインで弾かないように。

そして、ドビュッシーはココであなたにどうして欲しいって言ってるのか、見落とさないでね。

「遅く!」弾きなさい(Un peu plus lent)って言ってますよ。

さぁ、ここからは内声を響かせていきましょう。
ペダルはそれに合わせてハーフ・ペダル。わずかに踏み替えていきましょうね。

始めの「レーソー」から次の小節の第一音へ、何気なく「ぽん」と繋げて弾かないように。
これはサプライズなんです。なぜって?それはね、

「レーソー」と聴いたら、お客さんは誰だって、主題の「レーソーファーーーレドレファ...」

ドビュッシー「ラモーを讃えて」
ドビュッシー「ラモーを讃えて」出だし

こう来る!って予想しちゃいます。なのに、それを裏切るのですから。

ドビュッシー「ラモーを讃えて」
ドビュッシー「ラモーを讃えて」65小節目〜

だから、サプライズ。タイミングと音の幅が大事。音の幅はフルで!

始めの「レソ」を、右手で1-2の指でとると、音のコントロールが難しくなります。
オススメは「1-3」。なぜかと言うとね、3の指はマザー(支点)だから。
だから「レソ」を「1−3」の指で弾いて、その3の指を支点にして次の重音の形を用意するんです。

この時、「てのひら」に空気をいっぱい含むようにして弾いてみましょう。

ペダルの踏み変えに意識を!②

ドビュッシー「ラモーを讃えて」
ドビュッシー「ラモーを讃えて」73小節目〜

この前の小節から低音「ソ#」の8度はタイになっていますよ。
とは言え、これだけ違うハーモニーが出てくるのですから、一つのペダルでは濁るのが気になりますよね。

この小節で左手がフリーになります(その前の小節は左手は重音ラインを弾いています)。
そしたらね、ココに来た時に「音が出ないように再びソ#8度を押さえる=サイレント・ホールド」のが、ポイントです!
そしてハーフ・ペダルで踏み替えていく。

これも、他の曲でも同じように小節をまたいで伸ばすタイの音が出てきたら、応用できますよ。

Plus retenu の小節の、右手8分音符「レラ」は急がないこと。たっぷりとね。

右手高音の「レーソーレラソー」は、限りなくレガートで!

もっと「聴く」を味わう

ドビュッシー「ラモーを讃えて」
ドビュッシー「ラモーを讃えて」74小節目〜

最後の3小節。もっと遅く!もっと味わって!

そして最後の和音は、弾く前にじっくりとその音を聴いてね。
よ~く聴いて、それから弾きましょう。

背筋を落として。音がバラバラにならないように。

そう。この曲は技術的に難易度が高い曲ではありません。
でもね、物凄く難しいの。
音色の弾き分けや、エクスプレシーヴォの勉強になりますよ。

今日のピアノ動画*ドビュッシー「ラモーを讃えて」

ティブレイクは、ドビュッシー作曲「映像第1集」から第2曲”ラモーを讃えて”をお送りします。

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