ピアノの演奏効果を上げるために、どう音を聴くのか?どうイメージすると良いのか?

あなたはどうやって、あなたが出す音を聴いていますか?

この質問はやや愚問と思われるかもしれません。
だって、あなたは「聞いている」。
あなたは、自身が弾いている音/音楽が「聞こえている」から。

私も長いこと、そう思っていました。
それなのに、師匠から「あんたは全然自分の音を聴いていない」と何度言われたことか。

えぇ、「聞く」と「聴く」の違いがわかっていなかったのです。

「聞こえる」んだから「聴いている」と思い込んでいました。

そうじゃないんです。

「聞こえる」のは「受動的」。
あなたが意識しなくても、勝手に耳に入ってくる音です。

対して「聴いている/聴く」のは、「能動的」。
あなたが敢えて意識して、その音を「聴こう!聴こう!」という態勢で向き合うこと。

全然違うでしょ?

もしあなたが、今まであまり感じたり意識する事なくピアノを弾いていたのなら、今日は少しだけ感じたり意識してみませんか?
きっと、何かが変わりますよ。キラリとね。

頑張らないのがピアノ演奏のコツ。ポイントは「聴く」こと

エステン「人形の夢と目覚め」から
エステン「人形の夢と目覚め」から

アーティキュレーションに気を配って練習してきたのが、よくわかる演奏をしてくれた生徒さん。

えらいね、よく気をつけて練習してこれたね。本当にえらいよ!
さて。そこまで出来るようになったらね、もっとステキになるからね。

今ね、あなたはすごく「頑張って」ピアノを弾いているよね。
見てて、聴いていて、すごくよくわかるよ。
だけどね、これからは、頑張らないで弾いてみようか。
あなたはもう、頑張らなくても弾けるよ。

今ね、頑張って弾いているからね「頑張ってるよー!」っていう音が出ているの。
頑張ってピアノを弾くと、どうなっていると思う?

伴奏が ウルサイ(^.^)せっかくの歌がね、かき消されちゃってるの。
もったいないでしょ。

だからね、ピアノを弾く時のコツは

  • 頑張って弾かない
  • 歌を もっと聴いてあげる

この2つだけ、気をつけて弾いてご覧。

そうそう!ほら、もう抜群にステキになったよ。
1週間、これだけを気をつけて練習しておいでね。

伸びの空間に響いていくのを味わってみよう

リスト「パガニーニ・エチュード」第6番から
リスト「パガニーニ・エチュード」第6番から

どんなに音価の短い音でも、音を聴く・味わう。
例えばこの画像のような所は、その「音の伸びの空間」を、味わってみましょ。

ただそれだけで、うっとりしちゃうくらい素敵になりますよ♪

あなたが、音を大事にする。
あなたが出す音の響きを、あなたが意識して味わう。
音を楽しむ、慈しむ。

これだけは、これからもずっと変わらない、あなたの音楽により幅を持たせる・深みを持たせるための「聴き方」ですよ。

指先で音を聴くのがポイント

モシュコフスキーのエチュードから
モシュコフスキーのエチュードから

画像の右手を見てみましょう。
重音の中の、どれか1音を聴きたい/聴かせたい時、あなたはどうするかしら?

  • 聴きたい音を、頭の中で紡ぐ/聴く
  • 聴きたい音を、(頭の中ではなく)リアルで聴こうとする
  • 聴きたい音の打鍵に(漠然と)気をつける
  • 聴きたい音の打鍵をする指先に、神経を注ぐ

……などなど。
あなたは、どうやっていますか?

意識の仕方/持ち方は人それぞれ。
また、その気付きを与える指導者側も、言葉の選び方一つで、伝わるものも理解度も変わってしまいます

指導者側の言葉の選び方と、どう受け止めてくれるか?という、お相手の数だけ、指導者側にとって「たとえ」の数/方法/引き出しが必要になる。

聴かせたい音のラインを聴いて!と言うだけでは出てきません。

だって、ご本人は言われた通り、聴かせたい音のラインを「聴いて」弾いてはいるからね。
それ以上でもそれ以下でもなかったのだから。

聴かせたい音を打鍵する「指先に耳が付いている」と思って、指先から聴きに「行って」みて!
と伝えたら、途端に変われた人もいれば、

聴かせたい音を打鍵する瞬間に、その指だけが、ぐーん!と伸びて鍵盤の奥深くに入って行く、と想像しながら弾いてみて!
と伝えたら、欲しい音が出るようになった人も、いる。

人それぞれです。

「聴く」方法は、一つじゃありません。

あなたはどうやって、指先で音を聴くでしょうか?

どこを見るか。どこを聴くか。どこを追うのか。

バッハ「平均律第1巻第2番」前奏曲から
バッハ「平均律第1巻第2番」前奏曲から

こんな曲。
あなたはどう理解していきますか?
どう、理解しようとしますか?

どんな風に歌っていこうと考えるか?
どんな風に歌を捉えるでしょうか?

ずっと、右手も左手も、16分音符が続きますね。
その16分音符全てを「歌」として聴き続け、歌っていくのか?

並んでいる16分音符の中で、気になる音を選んで、歌として繋いでいくのか?
その捉え方を、フレーズごとに変えてみるのか?

拍子感は、どうするのか?
ペダルを入れるのか?入れないのか?
ペダルを入れるなら、どんな踏み方の可能性があるのか?
他にもいろいろ。

全ての事を、捉え方一つ変えれば、生み出されるものは変わっていきます。

さぁ、どこを見るか?
どこを聴くのか?
どこを追うのか?

可能性は一つじゃない。
ぜひ、ワクワクして感じてみてみましょう。

多声の動きは違う次元で聴いてみよう

リスト「パガニーニ・エチュード」第6番から
リスト「パガニーニ・エチュード」第6番から

これは、「ラ ファドミド ドシラ|ソ」
だと思う?(「ファドミド」は和音の上の音です)

「ラーードシラソーーミファソラーードシラソーー….」じゃ、ないかしら?
その「ラーー」から「ドシラソ」の間で動いている和音は、別の次元、別の空間のもの。

「ラーードシラソーー..」が目の前のリアルな事なら、「ファドミド(和音の上の音)」や「レシミド」などは、ちょっと自分の頭より高くて、もう少し向こう側の空間をさまよっている。
或は、そのもう少し向こう側の空間から、こちらに何かを向けてやってくる、そんな感じ。

もしくは、「ラーードシラソー…」は、ゴーカートに乗っている自分の動きで、
「ファドミド」などの和音の動きは、「空飛ぶダンボ」のような感じかもしれません。

イメージ、例えるモノや状況は何でも良いのだけれど、同じ次元で考えないで、何かに例えてみたらどうかしら?

イメージすればするほど、どう表現したらいいのか?どう歌ったらいいのか?の幅が広がっていきますよ。

響きの変化を感じてみよう

グリーグ「ピアノ協奏曲」より
グリーグ「ピアノ協奏曲」より

美しい音楽の始まりですよ。

このハーモニーを、存分に味わいたい、味わって欲しいです。
これを味わうと、直後にこう変化します。

グリーグ「ピアノ協奏曲」から
グリーグ「ピアノ協奏曲」から

音程が、三度上がって繰り返されます。
この「三度上がる」のがポイント。

短調から長調に変化していますよ。
その響きの違いを、是非ともうんと!感じて欲しいです。

きっと、何か「見ているもの」「見えるもの」も変わり、あなた自身からその「もの」への距離関係も変わり、あなた自身の高さ・立ち位置なども変わるでしょう。

そうやって感じた事を、弾くたび、あなたの中で味わって、表してみましょうね。

ピアノで音を並べて終わりにしないために

モーツァルト「ピアノ協奏曲第27番」第3楽章から

神童と言われたモーツァルト様のピアノ協奏曲第27番第3楽章のカデンツァの始まりです。
上の画像のように始まるのですが、これはこの後、以下のようになります。

モーツァルト「ピアノ協奏曲第27番」第3楽章から

右手が伴奏で左手にメロディがくると、途端に弾きにくくなるのはどうしてなのでしょうね?
右手が16分音符になると尚の事。弾きにくいよね。

こんなフレーズを弾くコツはね、弾きにくい右手に必死にならなくていい、と自分に言い聞かせること。

だってね、「歌」は左手にあるんです。
ほら、冒頭に右手(前の画像)で弾いたあの歌がココにあるでしょ。
だから、左手を聴いて!うんと!聴いてね。
それだけでいいよ。

さぁ、あなたも「今 聴くべきところはどこ?」か、もう一度、楽譜と向き合ってみましょう。

ピアノを弾く前にその響きを強くイメージする

フォーレ「舟歌第4番」から

曲は変わってこちらはフォーレの「舟歌第4番」から。

アーティキュレーションの変化を見落とさない

この画像の前までも、左手は8分の6拍子で8分音符を奏でてきました。
そしてそれらにはアクセントが付いていたのです。
ところが、ここからアーティキュレーションが変わりましたよ。
さぁ、そこからは、どんな風に音が動いていくイメージかな?

メゾ・スタッカート(スタッカートにスラーが付いている)は、単純に「音の長さ」だけで捉えないようにしたい。
(とは言え、スタッカートではないしレガートではない事を理解しておきましょう)

これらの音がどんな風に発音されて、どんな風に響いていくのか?
どんな風に次の音へつながっていくのか?そういうことを考えてイメージしてみましょう。
打鍵した指を鍵盤に付けたままにしておかないようにね。

ピアノの音の響きは打鍵する前に想像するとバランスが良くなる

その後(上の画像の3小節目)、右手の高音の「ラ♭」の音も気を付けたいところ。
その音を打鍵する前に、その「ラ♭」がどんな風に聴こえて来るのか?
どんな音を響かせたい(鳴らせたい)のか?
あなたの中にその音のイメージがあるはずです。

その音のイメージを、打鍵する前に自分の中で想像する事、これがコツですよ。

忘れないでね。打鍵する前に欲しい音の響きを想像すると、バランスが良くなるの。
最適な塩梅で発音されます。
どうしてかって?
それはね、あなたの中で直前にその音を想像する事で、その音を出すのに必要な呼吸や体の動きをするから。
でも、いちいちそれをしてあげないとね、あなたの体はその欲しい音を出すために必要な事をしてくれないの。

あなたの指がね、あなたが思うように動いてくれないのと同じ。
自分の体だから自分がやりたい事がわかってるか?というと、結構おバカさんなの。
だからいちいち言い聞かせて教えてあげればいいだけ。
「わかってるつもり」じゃなくて、ちゃんとその都度伝えてあげればいいだけなの。

今日のピアノ動画*バッハ「平均律第1巻第2番」

ティブレイクは、バッハ作曲「平均律クラヴィーア曲集第1巻第2番」BWV847をお送りします。

バッハ作品は難しいけど、面白い(大変興味深い)ですね。
生涯、学び続けたい作曲家です。

まとめ

  • ピアノを弾くことに必死に頑張らないで、聴いてみよう
  • 音が伸びる空間にどう響くのか?を聴こう
  • 打鍵する指先に耳が付いていると思って指先で聴いてみよう
  • 細かな動きはどこを見て聴いて歌ったらいいのか?考えよう
  • 多声の動きは、どう繋がっているのかを知るために、違う次元に立ってみよう
  • ただ音を並べるコトだけに必死にならない
  • アーティキュレーションの変化に敏感になろう
  • 打鍵する前にその音の響きを想像してみよう

さぁ、今日からあなたももっと自分の音を慈しんで聴いてみましょう。
あなたの音楽に命が宿りますよ。

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