この記事は約 10 分で読めます。
ピアノと言えば思い浮かぶのはバッハ?ベートーヴェン?それともショパンかしら?
年齢が上がるにつれ、大人なピアノの世界のような気がするロマン派作品に憧れるのは、自然なことかもしれません。
でもね、思い出してみて。子供の頃からステキだなぁって憧れたピアノ曲に、「エリーゼのために」はありませんでしたか?
あ、この記事では「エリーゼのために」を取り上げるわけじゃないんですけどね^^;でもね、その「エリーゼのために」を生み出したドイツの大作曲家、ベートーヴェン様の「ピアノ・ソナタ第3番」を取り上げますよ。

ドイツの作曲家ベートーヴェン
さぁ、この記事ではベートーヴェン作曲「ピアノ・ソナタ第3番」の練習のポイントをお話しちゃいます!
Contents
ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第3番」Op.2-3とは
ドイツの大作曲家、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)は、ピアノのためのソナタを32曲、作曲しました。
その中の第3番Op.2-3は、1795年に作曲されたものです。ベートーヴェン25歳の時の作品ですね。この第3番ソナタ全4楽章を続けて演奏するには、25分前後かかります。
ハ長調で、なかなか愛らしく軽やかで様々な表情を見せるので飽きることなく楽しめる作品。ところが冒頭から三度の和音によるトリルのような動きで始まるあたり、なかなか手ごわいんですよね。
ちなみに筆者は中学時代に通った音楽学校の講習の課題だったかで、苦戦した記憶がよみがえります。あなたはどうかしら?
ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第3番」第一楽章の練習のポイント

ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第3番」第1楽章から
画像の右手、第3拍目の三度重音16分音符がくせものです。この最初の音に、アクセントを付けないように気をつけてみましょう。この16分音符を勢いよく軽やかに弾こうとすると、つい、1音目にアクセントが付きがちです。アクセントが付いたら、そこは美しいかしら?
あなたはアクセントを付けて弾いている自覚がないかもしれません。だから、ちょっと注意してあなたが出す音をよく聴いてみましょうね。
このフレーズは、はじめの一音から「ミーーレミレミファッミッレッソッ」までで一つ。もし16分音符にアクセントが付いたら、そのアクセント音がフレーズの始まりのようになってしまいますよ。

ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第3番」第1楽章から
この右手の16分音符は はっきり動かして弾いてみましょう。どんなふうにハッキリ動かすのかって?右手をね、左右にブルブル振るようにね♬

ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第3番」第1楽章から
さて、右手をブルブル振った後のこちらの画像の場所、左手の16分音符は「subito piano」ですよ。このラインを右手で邪魔しないよう、気をつけてみましょう。
ここの左手はとってもespressivo。左手のラインと右手は、二つの表現で弾き分けることを意識するのがポイントです。

ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第3番」第1楽章から
ここは「pでdolce」です。ソフトにナイスにね。まるでシュートしてるみたいな、投げるような当たるような感じでは弾かないように。
シュートする感じで弾くのと「ソフトでナイスに」弾くのでは、完璧に違いますよね。想像して感じてみましょう!

ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第3番」第1楽章から
この両手でオクターブは、1音ずつにフォルテの指示があります。でもね、少し左を押さえて弾いてみましょう。全体的にフォルテというよりは、右手のトップを出すことを意識して。

ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第3番」第1楽章から
16分音符のこのフレーズは、途中でペダルを頻繁に踏み換えたくなるでしょう。その気持ちはよくわかります。でもね、左の和音が変わるまでは決してペダルの踏み変えはしないように!
なぜなら、左手の和音は変わらないから。それでも音がにごるような気がして、それが気になってどうしてもペダルの踏み変えをしたいなら、浅いところで薄く踏み変えてみましょう。

ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第3番」第1楽章から
画像の右手、ターンの弾き方ですが、
- × ソーラソファソーラー
- ○ ソラソファソーラー
ターンの音を入れるリズムに気をつけましょう。

ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第3番」第1楽章から
この8度で16分音符トレモロ・フレーズも注意点が。あちこちに「勢いでアクセント」がつかないよう、気をつけてみましょう。
フレーズは、大きなラインでとらえる。そしてその大きなライン(山)の中で高揚させていくことを意識してみましょう。
ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第3番」第二楽章練習のポイント

ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第3番」第2楽章から
さぁ、第2楽章に入ります。
はじめの音では、E Major(ホ長調)の響きを出す・味わってみましょう。

ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第3番」第2楽章から
ここ、ホ長調からホ短調へ店長するところでは、でテンポを変えないように。不必要に揺れないように。タイミングをはかってみましょう。

ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第3番」第2楽章から
この画像の、交差する左手の「シードーラーソーファー」、つい主張して弾きたくなるかもしれません。でもね、叫ばないようにね。静かに前後のバランスを考えて歌いましょう。

ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第3番」第2楽章から
32分音符も16分音符も、揺れないように。常にイン・テンポで。テンポは厳格に!を意識して。

ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第3番」第2楽章から
音のラインが上がっていくとね、ついespressivoやcresc.したくなりますよね。でもここではその気持ちを抑えておきましょう。
dolceで「ワン・テンポ」で、ただ「フィーリング」を変えるだけで。
ポイントは、一定のテンポの中で弾くこと。そして歌い上げすぎないように。
ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第3番」第三楽章練習のポイント

ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第3番」第3楽章から
第三楽章の出だしは、アクセントがつかないように気をつけて。ピアノで軽快に始まります。
そして右手は二声。二声であることを生かして、それぞれをよく聴いてね。

ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第3番」第3楽章から
8分3連符のフレーズは、指をもっともっとアクティヴに!つまり、流して弾いてしまわない。打鍵する(鍵盤に触れる)指先に敏感に!その指先をもっと感じて弾いてみましょう。
第三楽章はその点だけ気をつければ、生き生きとして推進力が出てきますよ。
ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第3番」第四楽章練習のポイント

ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第3番」第4楽章から
第四楽章は軽快な出だし。ということは、シリアスにならないように気をつけましょうね。
第四楽章は、もっともっと小さな子供たちの「遊び」で「会話」みたいにね、キャッキャってした感じを想像してみましょう。もっともっと単純に、キャッキャっキャっていう感じで。

ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第3番」第4楽章から
左手の親指が強く出てしまっていないか、あなたが出す音をよく聴いてみましょう。
このパターンでは、左手は「2の指の音を出す」ことを意識してみるのがポイント。誰しも、親指は不用意に強すぎる打鍵をしがちです。親指は、他の指に比べてコントロールしにくいですから、こんな動きでは気をつけてあげましょう。

ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第3番」第4楽章から
シリアスな、真面目な顔をして弾かないで、もっと楽しんで!そうね、ニコニコして弾くことをオススメしますよ。あなた自身が楽しまないとね♬

ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第3番」第4楽章から
F Major(ヘ長調)になるフレーズはpp(ピアニシモ)であることを忘れないで。盛り上げすぎないように。

ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第3番」第4楽章から
f minor(ヘ短調)は、短調の性格・響きを感じて表してみましょう。

ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第3番」第4楽章から
8分の6拍子は8分音符3音で1拍ととらえる「2拍子」。
しかし、2拍子を意識しすぎると、8分音符3音の1音目にアクセントが付いてしまいます。過剰にならないよう、気をつけてみましょうね。

ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第3番」第4楽章から
最後は、リタルダンドしないように。イン・テンポで弾き進めましょう。
このベートーヴェンのソナタ第3番はね、ヤング・ソナタ(ベートーヴェンが若い時の作品)。ベートーヴェン25歳の時の作品です。
だからね、まるで「110歳のソナタ」みたいにはならないように。シリアスにならないようにしましょうね。
うんと純粋に楽しんで!レッツ・エンジョイ♬
こちらもご参考まで。
エンジョイ!あなたのピアノ・ライフをもっと豊かに!
もっとラクに心と体を使ってピアノを弾くお手伝いをしています。