ドビュッシー「水の反映」演奏効果が上がる練習のポイント

2020年12月7日

フランスの作曲家ドビュッシーと言えば、ピアノ弾きに人気が高い。かくいう私も大好きな作曲家です。

ドビュッシーと言えば「月の光」や「2つのアラベスク」、「子供の領分」あたりが好んで弾かれる筆頭でしょうか。

他にも「亜麻色の髪の乙女」とか連弾の「小組曲」なんかも人気があります。そしてもう一つ!

では今日は、ドビュッシー様の「水の反映」を取り上げて、ちょっとした練習のポイントについて、お話していきますね。

ドビュッシー「水の反映」とは?

フランスの作曲家クロード・アシル・ドビュッシー(1862-1918)は、印象派音楽の代表なんて言われています。

「水の反映」は、1904-1905年にかけて作曲された「映像第1集」の第1曲として創られました。「水に映る影」とも訳されています。

「水の反映」と「水に映る影」では、その言葉から受ける印象はちょっと変わるんじゃないかな?と思いますが、あなたはどう感じるでしょうか?

その題名のとおり、ドビュッシーが「水」を題材にして作曲したもの。

ドビュッシーは「水」を題材にした作品は他にもありますが、この「水の反映」は、ドビュッシーの「水」作品の代表と言っていいでしょう。

ちなみに「水の反映」が収録されている「映像第1集」は、以下の3曲で構成されています。

  • 水の反映(水に映る影)
  • ラモー礼賛(ラモーを讃えて)
  • 運動(動き)

どれもとても素敵な作品で、3曲続けて聴く・弾く事で、より一層「映像」としての作品を味わうことができます。

とは言ってもね、それぞれが単体で演奏されることも多いんですよね。中でも大人気なのが、第1曲の「水の反映」。

今日は、このドビュッシー作曲「映像第1集」から”水の反映”を取り上げて、練習のポイントを解説していきます!

ドビュッシー「水の反映」、曲の中の最大と最小を知っておこう!

さて、ドビュッシーの「水の反映」、この作品の中で一番盛り上がるところ、つまり「フォルテシモ」になるところはどこでしょう?

さぁ、楽譜を開いてよく見てみましょうね。

「水の反映」で、一番盛り上がりを見せる、強弱の指示が大きいところは

ドビュッシー「水の反映」から

ここですよ。


では逆に、「水の反映」の中で、一番静かになるところはどこかしら?

さ、また楽譜をよく見てね。

ドビュッシー「水の反映」から

「水の反映」で一番強弱の指示が小さく(弱く)なるのは、この画像のところです。

「水の反映」は、トリプル・ピアノ(ppp)からピアニシモ(pp)、ピアノ(p)、メゾ・ピアノ(mp)、メゾ・フォルテ(mf)、フォルテ(f)、フォルテシモ(ff)までの「音量の幅」を広げないとね。

あなたがそれだけの音量の幅を意識して、あなたが出せる音量の幅の中で、様々な強弱の指示を「今この段階」と理解して弾くのがポイントです。

そして、音色を変えるということ、どんな音色で表そうか?と考えるのがポイント。

ピアニシモはソフトに弾くもの?

「水の反映」を弾く上で注意すべきことは、ピアニシモだからと言ってソフトすぎないように!ということ。

ピアニシモは、この「水の反映」においては「ソフト」という意味ではありません。

「水の反映」の出だしのピアニシモでソフトに弾いていたら、コーダのトリプル・ピアノのフレーズをどうやって表したらいいのでしょうね?出だしよりも段階を落とす場所がある、ということを頭に入れておきましょう。

ドビュッシーの曲はね、「楽譜に書いてあることをそのまま実行する」ことができればいいのです。

「楽譜に書いてあることをそのまま実行する」とは、楽譜に忠実に、楽譜を正しく読み取って演奏に反映させるということ。楽譜の指示の、見落としがないか、いつも自分に問いかけていきましょうね。

暗い音色を出したかったら、どう打鍵する?

ドビュッシー「水の反映」から

出だしの左手の和音は、「もっと暗い音色」を意識してみましょう。

ここをもっとダークに暗い音色にするには、低音のD♭をもっと響かせるのがポイント。この和音を弾く時、このD♭を「4と5」の2本の指で打鍵すると、安定して暗い音が出ますよ。

左手に対して右手で流れていく和音は、明るい音色で「もっとレガートに」弾くことを意識してみましょう。

でもね、右手の和音の動き打鍵は横移動ではなく、「マットの上を歩くように」。あなたがマットの上を歩く時のことを思い起こしてみて?学生時代、体育の時間にマットの上を歩いたこと、ありますよね?

そのイメージで、打鍵する時のあなたの肘は低く。低いところから打鍵して、ふわっと上がりつつ次の和音へと動いてみましょう。

水の動きの響きはレガートだけど?

そしてメイン・メロディの内声、これは、水がポシャン、ポシャン、ポシャン・・・と落ちていく様子を想像してみましょう。この内声「A♭→F→E」の動きはね、

「響きはレガートだけど、実際にはレガートでは弾かない。」
手は落ちていく水と同じ動きをしてみましょう。

そして、このフレーズ終わりの赤○ですが、もう一度画像を出しますね。

ドビュッシー「水の反映」から

右手の赤○ですよ。「ミラミソ」だと思っていませんか?

残念ながら、「ミラミソ」ではありません。ではどうなのか?というと、
「ミラミー」ですよ。読み違えない・勘違いして覚えないように気をつけましょう。

よく似ているフレーズの違いを考える

ドビュッシー「水の反映」から

最初のフレーズと、この第2フレーズはちょっと違うところがあります。

よく似ているフレーズが表れた時は、「何が同じで、何が違うのか?」を探す事に意識を置いてみましょう。

第2フレーズには、クレッシェンドが書かれていますね。

それを正しく理解するだけで、最初のフレーズと第2フレーズを全く同じように弾いてしまうことは、なくなるでしょう。

16分休符を感じる!呼吸を意識する!

ドビュッシー「水の反映」から

出だしにある16分休符では、「息を呑む」ような呼吸を意識してみましょう。

あ、ここに16分休符がある〜!ではなくてね、どうしてここに16分休符が入ったんだろう?って「なぜ?」って考えるのです。

どうして、そこは、前の音からの「タイ」ではいけなかったんでしょうかね?

そこに16分休符という小さい「間(ま)」が必要だとドビュッシーが考えた・感じたからでしょう。

だったら、この曲を弾くあなたが、その16分休符の「間」を感じないとね。

動的なピアニシモ?

重音フレーズは「動き」を出していきましょう。まさに「動いていく」という感じです。言い換えれば「動き出す」。

ドビュッシー「水の反映」から

ここは、くどいくらいピアニシモ(pp)が書かれていますよね。内声の重音の動きも、外声の単音の動きもピアニシモです。

この重音での動きは「動的なピアニシモ」を意識・想像してみましょう。
この後に出てくる高音から降りてくる単音フレーズのピアニシモとは、同じピアニシモでも種類が違いますよ。

この重音フレーズは、中の音を感じて出して、動いていくよう意識してみましょう。

そして高音から降りてくるフレーズは、一本指(3)だけで。ふわふわと。なでるような打鍵で。

打鍵する前に音を聴く

ドビュッシー「水の反映」から

ここは、piu pianoになっていますね。だから、出だしがソフト過ぎると、ココで落とせなくなっちゃいます。こういった事も考えて計算して創っていきましょうね。

さてココではね、Pre-Listen !音を出す前に「聴く!」ことが大事です。

そして画像での2小節目は、ただ拍どおりに弾いていかないで、そのまた次の小節の2分音符重音に向かって動いて行きましょう。

水の動きを想像しよう!

ドビュッシー「水の反映」から

画像に赤で印をつけたところは、水が勢いよくシュルシュルシュル~~って渦巻くようなイメージで弾いてみましょう。一気に渦巻くのよ。「シュ・ル・ル・ル・ルー」のような、点の動きにならないように。

ポイントは、全ての音に指を用意しておいて、ドミノだおしのような感覚で一気(一息)に打鍵すること。

ドビュッシー「水の反映」から

こちらは、画像の一段目はもっと「だんだん水の流れが勢いづいていく」ように。もっと咳き込んでいきましょう。

そして画像の二段目は、アルペジオのトップの音をもっとキン!と響かせることを意識してね。

声部を弾きわける

ドビュッシー「水の反映」から

画像の、まずは内声のメロディを見てみましょう。この内声のメロディは、もっと「鍵盤の中に入っていくように」。

次に右手のアルペジオのポイント。

  • 全てをソフトに弾かない
  • 逆に、全ての音がはっきりわかるように弾かない
  • トップの音に向っていく
  • トップ音を出す(聴かせる)=キラキラっと
  • 中音層あたりに降りてきたところはソフトに
  • トップに向う幾つかの音ははっきりとクレッシェンドする
  • トップから降りてくる幾つかの音もキラキラを意識

水面に光が反射する様子を想像してみましょうね。

アルペジオを弾くポイント

ドビュッシー「水の反映」から

さぁ、ここではこの曲始まって以来初のフォルテが登場!
なんとわずか3つの重音で、メゾフォルテからフォルテへいきますよ。だから、うんとハジケちゃいましょう!

その後の低音A♭はタイで繋がれて、長く伸ばす音になっています。だから、ちゃんと響かせてあげましょうね。

ドビュッシー「水の反映」から

画像の左手ラインについて。

1段目はオクターブをつかむ「1」の指先に緊張感を持って弾いてみましょう。それに対して2段目は、「1と5」両方の指に緊張感を持たせることで、増幅していきますよ。

右手のアルペジオは、ただなんとなく弾かないようにね。いつも、「もっと音楽的に」弾くことを意識して。そのアルペジオだけを聴いても、うっとりしちゃうように美しく、その響きを出しましょう。

ドビュッシー「水の反映」から

それまでオクターブで動いてきた左手が、突然の単音になりますよ。それまでのフレーズは、ここに向ってきているんです。だから、ここは満身の想いを込めて打鍵しましょう。

気持ちが突然萎えてしまわないようにね。

そして続くアルペジオ(画像のフォルテの小節)は、
「ココで手を交代してま~っす」なんて、わからないように気をつけてね。リレーと同じです。

リレーでバトンを次の走者に渡す時、ポンって渡したらそこで止まるかしら?違いますよね、渡してもまだ少し一緒に走ってるでしょ。

このアルペジオでの手の受け渡しも同じことです。リレーのバトンの受け渡しと同じ動きを、両手でしてみましょう。

ドビュッシー「水の反映」から

このアルペジオ、全ての音がガチャガチャと出てしまわないように、気をつけてみましょう。フォルテでクレッシェンドだという指示を見ると、つい、ピアノに向かって闘いにいっていませんか?

まず、弾き始めは左手でクレッシェンドしてみましょう。右手の弾き始めの三つまでは聴こえないくらいに。そしてその後は、右手だけでクレッシェンド。それだけでいいんですよ。

ほら、随分と頑張らないでラクに弾けるでしょ。

ドビュッシー「水の反映」から

一つ前の画像のアルペジオの続きがココ。

この出だしの左手低音のE♭は、グーの手で打鍵することをオススメ!その音の太い弦が鳴り響くのを想像してね。グーの手で叩くのではなく、弦をはじくようにゴンってね。

対して右手のオクターブの動きは、レガートで。高音を紡いでいく5の指は、もっと伸ばしてみましょう。そしてその指先を緊張させて弾くのです。

フレーズの違いを感じる

ドビュッシー「水の反映」から

1段目の終わりのフレーズと2段目の始めのフレーズは、違いますよね。

2回目のフレーズは、1回目より長くなります。だからね、2回目のフレーズを弾く時、1回目と同じように「ミシファ」で止まらないように気をつけて。「ミシファミシファ」と続けていきますよ。

ドビュッシー「水の反映」から

ここの左手のメロディは、オーボエの音色を想像してみましょう。

ドビュッシー「水の反映」から

ココから終わりまでは、右手5の指の、指先は水が跳ねるように打鍵するのがコツです。

ピアノ動画*ドビュッシー「水の反映」

ティブレイクは、ドビュッシー様の「映像第1集」から第1曲”水の反映”を。

こちらは、ドビュッシーの没後100年だった2018年の、オール・ドビュッシー・プログラム・リサイタルから。

ピアノはスタインウェイでした。

ドビュッシー「水の反映」練習のポイントまとめ

ドビュッシーの「水の反映」は、全ての部分を「オーケストラだったらどの楽器?」と想像することで、あなたの音楽創り・音色作りに役立ちますよ。

練習していく上で大事なことは、

  • 打鍵前の用意
  • 打鍵直後からのアフター・モーション
  • 前もって十分に音をイメージする/聴く(プレ・リッスン)
  • 呼吸は十分に
  • 今弾いている音をよく聴く&次に弾く音を前もって聴く

これらを同時にするということです。

もしもあなたが深い音を出す時、深さが足りない、もっと深さが欲しいと感じたら。動作を見直してみましょう。

もしかすると打鍵で深く落ちる動作は良いのに、沈みきっていない所からすぐ浮き上がっているのかもしれません。

もっと手首を柔軟に。背筋をリラックスして、親指から指令を出して手首を落とし外側へねじっていく。そうすることで深みが増します。

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