ピアノ奏法

音の響きのしっぽまで聴くために意識したい7つのポイント

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

この記事は約 12 分で読めます。

他の楽器に比べて、ピアノは鍵盤をポンと押せば音を出すのは簡単です。

そう、ただ音を出すだけなら簡単ですよね。だけど、良い音・様々な音色や響きを考えて弾くとなると、たちまち「ピアノ超難しい」モードに入りそうです。

なぜなら、そもそも自分が出す音に無頓着な人が多いから。あなた自身が出す音を聴いていない事が多いからです。

これも難しいのよね。だって自分自身では聴いているつもりなんだもの。でもね、それは「聞こえている」だけで、自らの意思を常に持ち続けて「聴きに行く」のとは、違うんです。

そんな事言ったって、なんだか抽象的でよくわからない!って思うかもしれませんね。確かにね、実際のレッスンを通してでないと伝える・理解してもらうのは簡単じゃないと思います。

でも、あえて書きますよ。もしもあなたがこの記事を読んでいるのだとしたら、あなたは、あなた自身が出す音について、ちょっと気になっているからでしょう。

どうやってあなたが出す音を聴くのか?少しでもヒントになりますように。

速い音符のフレーズ(16分音符のフレーズ)が続く時の音の聴き方

速いフレーズは弾ききれないから、ゆっくり弾こう!
と思っているのに、弾いているうちに何故か速くなってしまう...

という事は、ありませんか?

こんな時は、メトロノームに合わせて練習すれば、「一体わたしはどこから走り始めてしまうのか?」が、わかります。

どこから速くなってしまうのかがわかれば、メトロノームなしでも「いつも自分が速くなってしまう」ところに十分に気をつけて弾く様になりますよね。

それでも、また気を抜いてしまうと、無意識のうちに走ってしまうもの。だって、速いフレーズで、必要以上に速くなる・走るとしたら、それはあなたのクセだから。

16分音符のオシリまで聴くには?

4分音符が1拍なら、16分音符は1拍に4音入ります。もし4分の2拍子の曲で、16分音符続きのフレーズだとすると、1つの小節には8個の音を続けて発することになりますよね?

1小節だけではなく、その16分音符はもっと長く2小節・4小節・8小節と続いたら、あなたはそれら16分音符を、どこまで聴いてあげられるでしょうか?果たして聴いているのでしょうか?

各小節最後の音が大事なんだ、ちゃんと弾いてあげよう!と思うことが第1。でも自分の事はなかなか客観的になれませんよね。それが出来ていたら誰も苦労しないのです。

「自分の演奏を録音して聴いてみる」という方法は、客観的に自分の音を聴くのにはとても有効ですよ。しかし、問題もあります。

人によって違いはありますが、録音する場合に何が問題かと言うと、それは「体内リズム」。

速くなる傾向にある人は、速くなっていくような(アッチェレランドのような感覚で)リズムが体の中に染み込んでいます。だから自分の中では、各小節の終わりが速くなってしまっても不自然には聴こえません。いくら客観的に聴こうとしても。

そのような場合は、もっと強固な意思を持たなければなりません。では、どうしたらいいのでしょうか?

話が重なりますが、4分の○拍子の場合の1拍は、16分音符4音で出来ていますよね。各拍は必ず16分音符の一つ一つ、4音めまでを「聴き届ける」ことを、常に意識して弾いてみましょう。

これは重箱の隅をつつくようなトレーニングですが、絶対に!効果があります。もしあなたが「なんだか速くなってしまう」ことをコントロール出来ないなぁと感じているなら、是非お試しくださいね。

どうしたら走るのを回避できるのか?

大抵の場合、速くなる所は、各小節の終わりの拍です。または、跳躍の前。

「各小節の終わりの拍」にしろ「跳躍前」にしろ、速くなってしまうのは、その時あなたの気持ちがそこにはないから。無意識のうちに、気持ちは「次」へ行ってしまっているからです。

シマノフスキ「変奏曲」Op.3から

シマノフスキ「変奏曲」Op.3から

「きゃー!次の小節も大変!」とか「跳ばなきゃ!」などと思って弾いているから、無意識のうちに焦っています。次の小節のために、次の音のための準備もしなくちゃだしね。

でもね、まずは今の拍を大事に、きちんと弾ききる・弾いてあげる事に意識を置いてみましょう。そうしなければ、次へはうまくつながらないのです。

速くなってしまう拍の音だって、「必要だからそこに存在している」の。だから、ゾンザイな扱いをしては失礼でしょ。それらの音が「大事」なんだ、「ちゃんと弾いてあげよう!」と、あなたが思う事が、まず第一です。

きっとそれだけで矯正できる人も多いでしょう。あなたも、ちょっと意識してみて下さいね。

速い音符のフレーズは、どうしても「難しい」「弾ききれない」と思って超焦ってしまいます。そんな場面を想像しちゃって息が止まっているあなた、深呼吸しましょ。

肩を落として、ちょっと背もたれや壁に寄っかかってください。腕をだら~んとさせてね。

「楽譜を読む」ところに戻ってみよう!

新しい曲をもらってその曲を練習して行くと、早く両手で弾きたくなります。音に出したくてウズウズしちゃいますよね。それをちょっと我慢してみましょうか。え?我慢したくない?わはは。お気持ちはわかりますけれども、お願い!ちょっと我慢してくださいな。

今からその速い音符のフレーズを、音の名前で声に出して言って(歌って)みましょう。

「どれどしらしらそふぁらそふぁみふぁそみどれみど・・・」by モーツァルトのトルコ行進曲から。

他にもたくさん、いろんな作曲家の作品で、このように速い音が並ぶフレーズがあるでしょう。あなたが「うわ〜弾ききれない〜〜!」と思うようなフレーズがあったら是非、声に出してみてください。言えますか?歌えますか?

音程が外れていても気にしないでください。声に出せること(出すこと)が大事です。

音そのものの動きがきちんと頭に入っていないと(理解していないと)、自分の声として発することはできません。(目で見て)わかってるから!ではないのです。

声に出すから覚えられる!という事を覚えておこう

「声に出す」というのは、学ぶ上でとても大事なこと。

私たちが、はじめに母国語を覚えた時の事は、記憶になくて当然ですが。お子さんがいらっしゃる方なら、愛するお子さんが初めて言葉を発した時のこと、きっと覚えていますよね。そう、まずは声に出すんですよ。乳幼児は、周りへの耳のアンテナが凄くて、聴こえたものの中で印象強いものは、どんどん吸収していきます。

声にして発せられたものを耳で捉え、そして自分の声として発する。

その自分の声をまた、自分の耳で聴くことによって再確認し、確実な知識として自分のものとして取り入れる。九九算を声に出して覚えた事を思い出すと、感覚がわかるかもしれませんね。

フレーズを「わかっている」つもりでいても、実際細かい所まではわかっていない事は意外とあるものです。それにハッと気づかされるのは、突然片手で弾かされる時です。両手セットの「動きで」覚えているから、音の正しい動きまでは頭に入っていないんですよね。

さて。声に出して言えました(歌えました)か?ではそれを、イン・テンポ(実際に弾くテンポ)でやってみましょう。そこま出来るようになったら、絶対に16分音符フレーズのオシリまで、きちんと弾く事が出来ます!

太鼓判を持ってオススメ!します!お試しあれ。香港教室の歴代の生徒たちは、皆これで弾けるように、フレーズのオシリまで気を遣って弾けるようになりました♪

伸びて行く音を聴き続けるために

バッハ「シンフォニア第14番」から

バッハ「シンフォニア第14番」から

画像の、ソプラノの「ドーーーー」に注目。2分音符がタイになっています。さらなるタイで、この次の小節まで続きますね。

このように長く伸びる音は、ほとんどの場合、打鍵と同時にその存在を忘れられてしまいます。なぜなら、他に動きのある声部があるから。動きのある方に気をとられてしまうからです。

でもね、「伸びて行く音」には「伸びる意味」がある。なんで伸びているのか?と考えてみましょう。

ピアノは、打鍵すると音はどんどん減衰していきます。だから、弾き手=あなた自身が、あなたが弾く音について、ものすごく意識する必要が。何を意識するかというと、あなたが打鍵する前から、その伸び行く音に意識を向けておく必要があるということ。

つまり、Pre-Listen、打鍵する前にその音を聴く】ということです。

えー?打鍵する前に聴くってどういうこと?打鍵してないんだから、聴こえないジャーン!?と、思うかもしれませんね。その通りです。それはもちろん、実際には聴こえません。だから、あなたの頭の中で鳴らすのです。

あなたが欲しい音色を・欲しい響きを、前もって想像する。するとね、その欲しい音・欲しい響きに必要な打鍵への動きを、あなたの体はするようになります。

尚且つ、本当に事前に想像して聴けていたらね、副産物も♬それは、打鍵後もその響きを聴き続ける=追い続ける事が出来るようになるんです。

はじめは難しいかもしれません。でもね、意識一つ、どこに向けるか?という違いです。是非、強く意識してみて下さいね。

音はどこまで繋がっているのか?最後まで聴くために

湯山昭「ショートケーキ」から

湯山昭「ショートケーキ」から

「どーーーしーどー しーふぁーふぁーー」と、シンプルながら美しい歌が「繋がっている」事は、わかっているのよね。そう、わかっているの。

それなのに、実際に弾くとね、繋がってない。音が切れちゃうの。
「どーーーしーどー し」「ファッファー」ってね。

普通に考える(感じる)と、「どーーーしーどー しーふぁーふぁー」。
でもね、気をつけて弾かないと「どーーーしーどー しーふぁ」「ッファー」って切れてしまうケースが、多そうですよ。

じゃあ、「どーーーしーどー し」「ファッファー」って切れてしまうのは、どうしてなんだろう?
それはね、その歌と共に、内声で弾く音があるから。

「しーふぁーふぁーー」の「し」の時、「ファ」も同時に打鍵します。(上の画像2小節目参照)
そこが和音になる上に、その次に弾く音が、またしても「ファ」だからというのも原因の一つのよう。

でもね、「ファとシ」を和音として弾いたら次の「ファ」を打鍵するまで、「シ」を弾いている指を、離鍵しなければいいの。
つまり、「ファとシ」を和音として弾いている時、下の音「ファ」を若干早めに離鍵→次の「ファ」打鍵に向けて行けばいい。

気の使い方、耳の使い方、聴き方次第で変わりますよ。変えられます。同じ4分音符の和音だから、絶対上の音も下の音も同時に離鍵しなければいけない?のは、思い込み。

和音の次の「ファ」を打鍵するその瞬間まで、直前の和音の上の音「シ」を聴き続けましょう。「シ」から「ファ」までの音の距離・音の空間を感じてみてね。

最後まで、よく聴こう!

音の(響きの)バトンの渡し方

ベートーヴェン「エリーゼのために」から

ベートーヴェン「エリーゼのために」から

それぞれのフレーズの弾き始めは、優しさでいっぱい。

ところが、左手が語り始める時、よほど気を付けないと右手のフレーズの終わりの音がスン!と尻餅をついてしまうの。どうしてだろう?

  • 左手が弾き始めるところなので、勢いがついてしまう
  • ペダルを入れるので、右足の動きが全身運動となってしまう

全ての動きは同じではありません。

右手のフレーズの終わりは、左手にバトンを渡してあげるために上がっていく。それはまるで、大好きな人の目を見て、大好きな人と話をして、あなたの大好きな人に触れるように。

ペダルを踏む時に、上半身でえいやー!って踏みに行かないでね。足の動きだけで踏むようにしてみましょ。=ペダルを踏む勢いで前傾しないように。

右手と左手は常に円を描くように、回転するように。

フレーズの最後の音まで、聴き届けてあげたいですね。

和音は動きのある音のラインを聴くのがポイント

ブルクミュラー「アヴェ・マリア」から

ブルクミュラー「アヴェ・マリア」から

メインの歌は、右手の和音の上の音の動き。ところが、左手にも歌が隠れています。

左手は8分音符ですが、これを分散和音だと思ってみましょ。すると、上の音はずっと同じだけれど、下の音は動きがありますね。「シーシーラー」。

楽譜を見ると、その音は8分音符だけじゃなくて、もう一つ「棒」が付いてますよね。4分音符で「シーシーラー」と歌う人の登場です。この動き、右手の歌の動きと、同じでしょ?右手は「レーレードー」で、左手は「シーシーラー」。同じ音が続いて、二度降りる。

ブルクミュラー「アヴェ・マリア」から

ブルクミュラー「アヴェ・マリア」から

ほら、ここもそうよ。右手の和音の中で動いているのは、下の音=「ミーファーソー」。

左手の8分音符を和音化してみましょうか。すると、下の音はずっと「ラ」だけど、上の音は「ドーレーミー」と、動いていますね。ほら、右手と同じように、二度ずつ上昇しています。シンクロしていますよ。

こういう動きは、ちょっと気にして「聴いて」あげましょう。

その響きのバランスを、どうしたら気持ちいいか?綺麗かしら?って、いろいろ弾いてみましょうね。

あなたが気持ちの良い所を探してみましょ。あなたの耳を鍛えるいい訓練になりますよ。

ピアノ動画*ブルクミュラー「アヴェ・マリア」

ティブレイクは、上に出てきましたブルクミュラー作曲「アヴェ・マリア」をお送りします。

キレイな曲ですよねぇ♬

音の響きのしっぽまで聴くポイントまとめ

  • 各小節の最後の音を大事に聴いてあげよう!
  • 最後まで聴き届ける事を常に意識していこう!
  • もしあなたが走ってしまうなら、深呼吸して一度余分な力を抜こう!
  • もう一度、楽譜を読んでみよう!
  • 声に出して音の動きを読むと音の動きがしっかり頭に入る!

いつもどんな時でも同じ事。大事なのはあなたの耳と意識にあります。うまく弾ききれないフレーズがあるなら、それはあなたがあなたの耳を使ってきちんと「聴ききれていない」から。

あなたが「聴ききれない」のは、あなたの【意識】が音を聴くところへ行っていないからなんです。実はとってもシンプル。ややこしくしているのはあなた自身かもしれませんよ。

こちらの記事もオススメ!

ピアノで自分の音の響きを聴く方法は、音を想像することにあった!

ピアノ上達のコツは、聴く耳を育てることにあった!

ピアノで伸びる音の響きを聴く4つのポイント教えます!

エンジョイ!あなたのピアノ・ライフをもっと豊かに!
もっとラクに心と体を使ってピアノを弾くお手伝いをしています。

大人のための心と体をラクにする東京ピアノレッスン

オンライン/動画レッスンのご案内

 
 

 

 

スポンサーリンク

心と体を楽にするピアノ奏法をメルマガでお届けします。

【ブログをメールで購読】

メールアドレスを記入して購読すれば、更新をメールで受信できます。

1,063人の購読者に加わりましょう

コメントはこちら

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。