リスト「3つの演奏会用練習曲」より第2曲”軽やかさ”練習のポイント
「軽やかさ」とは、ハンガリー出身のロマン派の作曲家、フランツ・リスト(1811-1886)によって作曲されたピアノ曲。
リストの「軽やかさ」は、「3つの演奏会用練習曲」の第2曲として収録されています。第1曲は「悲しみ」、第2曲がこの「軽やかさ」、そして第3曲は「ため息」と題名が付けられ、どの曲も多くの人達に愛され演奏されている、リストの代表作とも言えるでしょう。
この「3つの演奏会用練習曲」は、1845年から1848年にかけて作曲され、1849年に出版されました。
「練習曲」と名付けられてはいますが、技巧力のみを要求されるわけではなく、甘美な詩情にあふれているため、演奏会で取り上げられる事が多いのでしょう。私達が魅了されるのは、練習曲としての意図だけで作られているわけではないからだ、と言えるかもしれません。
今日はこのリスト作曲「3つの演奏会用練習曲」から第2曲”軽やかさ”を取り上げて、練習のポイントをお話して参ります。
Contents
- 1 同じリズムの繰り返しは増殖を表す
- 2 レガートに弾くためのグルーピング
- 3 和音打鍵は手首の回転を使う
- 4 ラインを考える。始まりの音か?終わりの音か?
- 5 大事な音は長く伸ばす音と高い音
- 6 変奏の主題は超レガートで
- 7 音の繋がりと、同じことが2回繰り返される気持ちを考える
- 8 音の捉え方(グルーピング)を考える
- 9 音が増える意味を考える
- 10 espressivoをどう弾くか?
- 11 1音ずつ分断されない弾き方を知っておこう
- 12 espressivoとappassionatoの違いは何か?
- 13 細かい動きは主張しない
- 14 半音階フレーズで大事なこと
- 15 動きのあるフレーズでは、高い音を意識しよう
- 16 上昇フレーズの弾き方
- 17 技巧を必要とするところ
- 18 オクターブ・フレーズもラインを意識しよう
- 19 細かな動きのフレーズのポイント
- 20 dolcissimoの弾き方
- 21 ルバートし過ぎに注意
- 22 効果的なクレッシェンドと二度上がって下りるフレーズの捉え方
- 23 同じことが3回繰り返される時
- 24 拍頭を意識する
- 25 参考*ロマン派打鍵の練習
- 26 ピアノ動画*リスト「3つの演奏会用練習曲」第2曲”軽やかさ”
同じリズムの繰り返しは増殖を表す

音の出し方、指の用意の仕方、そして打鍵の仕方について、考えてみましょう。
この「軽やかさ」の出だしは、同じリズムの繰り返しになっていますね。
そしてそれは、どんどん増殖していくわけです。
だから、それをはっきり伝えていくことを意識してみましょう。
ココ(前奏部)は、カプリッチョですよ。
カプリッチョなのだから、もっと自由に!もっと動いていい!という事をあなた自身に許してあげましょう。
次に、打鍵について。
ホロヴィッツのフラットな指先をイメージして、もっと指を寝かせて打鍵する。
指の先の腹全部を使って弾く感じですよ。
そして、この初めのフレーズは、「・シドレミファ|ラー」ですね。
このうち、「シドレ」は始めに用意しておけますよね?
だから、打鍵前にきちんと用意しておきましょうね。
弾き始める前に用意しておくこと。
そして、指くぐりをして「ミファラ」までも、一息に弾けますよね?
だから、指くぐりした瞬間に「ミファラ」全ての指の用意をしておくのがポイントです。
レガートに弾くためのグルーピング

レガートは、もっともっと超レガートに弾く事を意識する。
右手の半音階の16分音符フレーズは、もっと軽やかに。
- 「シドレ♭」で一つのグループ
- 「ミ♭ふファラ♭」で一つのグループ
※グループ/グルーピングとは、指か替え無しに一度に和音化して掴める音の群の事。
「・シドレミファ|ラー」第一音の「シ」は、
これ以上手を落としたら、手が鍵盤から落ちてしまう!
というギリギリまで落とした所で打鍵する。
そして、その後の二音「ドレ」は、その上からの圧力を跳ね返すように各指の腹で鍵盤をなぞるように打鍵。
指の腹でなぞるように=指先に絵の具を付けて、それを鍵盤になすりつけるように。
これが、超レガート奏法です。
指の腹は打鍵と同時に手前へ引っ張る。
これは、決して腕を引っ張るのではありません。
はじめのシからドへの弾き方。
単純に指を動かしていかない。
喉仏を広げて声を押し出していくような手のひらの動き。
このフレーズ最後のファからラも同じ。
そして、フレーズは繰り返され、どんどん高揚していく。
和音打鍵は手首の回転を使う

このフレーズでの弾き方で気をつけるポイントは、オレンジ○の和音です。
これらの和音は、打鍵したら肘を緩めて、手首を右回転させるようにして弾いてみましょう。
ただ単に、「タタタタタタタタタ」と音を並べるようには弾かないでね。
右手内声の動きは、各8分音符から4分音符へは、デクレッシェンドになります。
左手の動きもそれに合わせ、助けてあげましょう。
ラインを考える。始まりの音か?終わりの音か?

序奏の終わりです。
ここのラインは、「レシド」「レシド」「ドミレーシードー」ではありません。
「・・レ」「シド ドミレ」「シードー」とグルーピングされます。
あなたがそれをわかっていて弾いてるとしても、それが聴いている人に明確に伝わるかどうか?は、わかりません。だから、伝える事を今よりももっと意識してみましょう。
フェルマータは、躊躇せずためてね。
そしてフェルマータ後の「ド」は、これまでのフレーズの終わりの音ではありません。
次の新しいフレーズの始まりの音。
だから、フェルマータ後の「ド」は、次につなげる事を意識してね。
大事な音は長く伸ばす音と高い音

このフレーズで大事なのは、Long Note=長く伸ばす音です。
でもね、もう一つ大事な音がありますよ。それは何でしょう?
そう、High Note=そのフレーズの中での高い音です。
だから、高い音(画像で青丸を付けている音)を意識しましょう。
もし青丸の音を打鍵しているのが4の指だとね、意識せずに打鍵すると音が凹んでしまいます。
ここはドルチェでピアニシモ。
クレッシェンドやアクセントはいらないけれども、「歌う」ことは大事です。
あなたはどんな歌でも歌えるはず。
その歌の数・種類はね、あなたの引き出しにたくさん入っているんですよ。
だからね、もっとあなた自身の中を、よく見てみましょう。
もっともっと、素敵な歌があるのに、しまい込むのはやめましょうね。
変奏の主題は超レガートで

この曲は、ヴァリエーション(変奏曲)みたいなものです。
ココが初めの主題となる。
それなら主題は、超レガートで弾く!
そのためには、指先をフラットで寝かせて打鍵しましょう。
初めの「ドミファ」は一息に弾けるのだから、指全部用意。
まず「どみふぁ」の三音を和音で弾くように用意しておく。
そしてそれぞれの指は近づけて。
次、指の形を変えて「ミラシレー」も一息に弾けますよね。
形を変えた瞬間に、その4つの指の全てを用意しましょう。
こうして超レガートはできますよ。
そして、各拍ごとの細かなフレーズではなく、
- ミファミ
- ラシレーー
- ドシド
- ソファソ
・・・と捉える。
次に、打鍵の仕方についてお話します。
音を出すには、鍵盤に向かって体は「押し」の状態に入っていく。
言い換えれば「向かっていく」。
でもね、指先は打鍵したらじりじりと「引く」。
イメージしてみてね。
鍵盤ってね、実は、めちゃくちゃ「重い」の。
でもね、こちら(あなた)が打鍵するんじゃないわけ。
打つわけじゃないのね。
その「重いもの」が、実はこっち(あなた)に、にじり寄ってきてくれるの。
重い鍵盤が浮いてくる…って想像してみましょう。
つまり、あなたが一方的に弾いてるんじゃなくて、鍵盤はあなたに「会いに来てくれてる」の。
そしてあなたも鍵盤に「会いに行く」。
そうして「鍵盤」と「あなた」は、丁度良いところで出会う=打鍵。
次に左手。
まずここは初めなのだから、限りなくピアニシモ、限りなくレガートで左手のラインで。
聴こえてくるのはバス・ライン。
「ラー ソー ファー |ミー ミー レー…」というように。
音の繋がりと、同じことが2回繰り返される気持ちを考える

黄緑ラインのところは、「ため」ないように。
小さなフレーズの区切れではありますが、そこは一つの大きなフレーズの終わりではありません。
だから、そのまま前へ進んでいきましょう。
次の青○→は、さらっと弾かないで、溜めて開放する。
でも、そこで終わりではなく、次のフレーズへつながるところですから、手が伸びるように。
画像2段目の同じフレーズが二回続くところ。
同じフレーズが繰り返される場合は、同じに弾かない。何かを変えるのは基本です。
2回目は、もっと高揚していく事を想像してみましょう。
この前の画像から始まったのが、第一フレーズ。
これはその発展系の第二フレーズですよ。
だから、画像1段目の終わりに向かっていきましょう。
この第二フレーズが始まった所(画像1段目第2小節)からは、左手でも助けて第一段第3小節に向かっていくと効果が上がりますよ。

ココは、右手一段目の終わりシラで手を上げたら、次の段のミに向かって着地する。
つまり、それまで腕は宙を舞っていて、落ちません。
音の捉え方(グルーピング)を考える

ここも同じように「レシド」「レシド」ではなく、「シドレ」「シドレ」と、捉えてみましょう。
グルーピングのポイントは、音の動く方向です。
その後から始まる更なる発展系(第二変奏)は、左手を1回目と同じようには弾かない。
変化をつける工夫をしましょう。
1回目は、左手は各拍の頭=ベースを聴かせた。
それなら、2回目は各拍の中の二つ目の音(左手で弾く音の中の高音)を意識する。とかね。
音が増える意味を考える

第一セクション、二つ目のフレーズの後半です。
ここは音域が高くなっただけではありません。
黄緑○の音は、何気なく弾かないようにね。
黄緑○の音が加わった意味がある。
だから、ちゃんと聴かせること。
そして、ここで初めてのpoco cresc.ですよ。
1つ目の赤○に向かっていきましょう。
肘で隣の人をクイッと素早くつつくように。
そして小指側の筋肉を瞬時に緊張させて打鍵しましょう。
この音はその次の赤○につながっていますよ。
だから、そこで緊張を緩めないようにね。

ここも同じことです。
でもね、増殖した形で出てくるココは、腕の使い方は同じですが、もっと時間をとってたっぷりと弾いてみましょう。
espressivoをどう弾くか?

ここはespressivo。
もっと表現豊かに。
この和音「たーたーたー…」と、1つずつ主張するようには弾かないでね。
上の音をもっと聴く事を意識してみましょう。
そのためには、下の音は超レガートで次の音に指を準備ですよ。
エスプレシーヴォって作曲家が書いたら、それまでとは完璧に違うキャラクターを描かなければならないという事。
だから、もっともっと強いものを見せてあげましょう。
それには、鍵盤の底をしっかりと掴むのがポイントです。
あなたのその指先が、鍵盤の中に伸びて入っていくと想像してみましょう。
1音ずつ分断されない弾き方を知っておこう

右手8分音符の「シードー|レーー」は1音ずつ打鍵を分断させないように。
この三音で1つのグループです。
この三音を1度に和音として掴める状態に(三指を用意)しておきましょう。
決して、各指を、「改めて打鍵し直す」動きをしない事。
その後、高音まで駆け上がったら、また同じフレーズ3回繰り返されますね。
この中音域へ戻って来る前に必ず、一度、腕をリラックスさせましょう。
espressivoとappassionatoの違いは何か?

1段目2小節目が①、2段目1小節目が②、2小節目が③。
同じリズムのフレーズが繰り返されていますね。
執拗に増殖していく様を表しています。
そして画像の3段目にあたるところでは、また前のフレーズが戻ってきますが、ここはappassionato。
espressivoとappassionatoの違いは何かしら?
espressivoより、もっと強く訴えかける。
ここは、腕全体を使って弾いていきましょう。
もう、ここでは全ての音を出していっていい。
1回目より2回目、2回目より3回目と増殖していく事を感じて。
その増殖の到達点は最後の赤○の和音です。
だから、もっともっと!もっともっと!という気持ちでね。

アパッショナートは、腕を使って打鍵しましょう。
腕の重みを使って(乗せて)弾いていくのがポイントです。
細かい動きは主張しない

「たりらりらりたりらりらり…」と、6音ずつの塊の中でトップ音となる所を、いちいち強調しないように。
何事もないかのように、全てをさらさらとね。
大事に丁寧に弾いているつもりが、しつこくなってた、なんて事にならないように。
半音階フレーズで大事なこと

このような半音階フレーズでは、上昇よりも、トップから下降する時が大事です。
だから、上昇でテンションを上げすぎないように。
半音階フレーズで大事なのは、白鍵ではなく、黒鍵を打鍵する事へ意識を置くことです。
このフレーズの練習法。
指替えなしに弾けるところまでの全ての音に、指を用意しておく。
そして、それらの音を全て一緒に(和音として)打鍵する。
次に指替えした瞬間に、その状態で取れる次の音の並び全てに指を用意。
それらの音を全て一緒に打鍵。
また次に指替えした瞬間に次の音たちを用意…と。
和音化して弾いた後は、この楽譜どおりに弾きますが、その時もやり方は同じ。
指替えなしに弾ける音全てに指を用意。
指替えしたら、次に弾ける音全てに指を用意。
もっと、もっともっと軽く、という事を意識してね。
そして、音の波のうねりをきちんと出して行きましょう。
動きのあるフレーズでは、高い音を意識しよう

ここも、High Note(高い音)を意識しましょう。
これらのHigh Noteは、赤○の通り「ラ♭」「レ♭」「ラ♭」。
ココも、指替えなしに弾ける音全てに指を用意しておくのは、同じです。
音程の開きがあるところに注意。
「ラシ」から次の「ラ♭」へ行く時に、漠然と指を動かさないでね。
「ラシ」の「シ」打鍵と同時に手を開いて、5の指を次の「ラ♭」に用意します。
続くフレーズも全て同じ。
そうやって弾くと、打鍵ミスがなくなりますよ。

右手は赤○の音を聴かす。
最後の赤○の音は「一音ずつはっきり」聴かせるように。
左手は青○の音を、あなたが「聴く」こと。
青○の最後の音は、休符を経て次に弾く音の所まで空中を飛んで行きます。
だから、それをきちんと聴きましょう。

ココはためないように。
すぐに、すこんと次に入りましょう。

ココは、leggiero con graziaでしょ?
だから、あまり急がないで。
「たっぷりと」歌う事を意識しましょう。
上昇フレーズの弾き方

慌しくバタバタと、なんとなく打鍵していかないようにね。
指替え直後に、瞬時で次の音群に指を用意しましょう。
すると、指替え後の着地でミスが減りますよ。
右手。
「シードー」でフレーズの始まりを強調しても、その後の16分音符の出だしは緩める。
そして、その16分音符フレーズの終わりの方で、クレッシェンドをかけると効果的です。
このフレーズも、3回続きますよね。
もっとLeggieroで弾く事を意識してみましょう。
ここのタッチはね、本当に指の先だけで、ほぼノン・レガートで。
スタッカートに近いくらいの、そんな打鍵で弾いてみてね。

画像の1段目は、ストリンジェンド。
ちゃんと1小節ずつ、段階を経てストリンジェンドしましょう。
1段目の最後の、右手の4つの音は1音ずつ聴かせるように。
画像2段目の左手のメロディは、最初から主張しすぎないで。
どんな所で、盛り上がって行くなら、最初から主張しすぎると、途中で聴く耳(意識)を持てなくなってしまいます。
ここでは、左手のバス・ラインを意識して響かせましょう。
同じようなフレーズが、あちこちにありますが、みな同じことですよ。
そしてここではメロディ・ラインは右手ではなく左手にくるのだから、大きく歌っていきましょう。
幅が広がっていくように。

そして上のフレーズの到達点が、この赤○の和音。
ぐわ~っと持っていきましょう。
左手も用意は同じこと。
ココは、指使いの指示通りに弾いているかしら?
指示通りに弾くのが一番、レガートで尚且つ次の和音へ用意しやすいですよ。
※ エディション(版)によって指使いの指示は違うと思いますので、臨機応変に。
技巧を必要とするところ

この「軽やかさ」で技巧力をつけるのは、ココです。
ここは、左手の重音の打鍵を、一つずつダンダンダンと弾かないように。
1の指の運びに十分に気をつけて。
常に、次の音の打鍵の前に、先に1の指をオープンにして(開いて)打鍵の準備をするのがポイントです。
右手の重音はね、トップ音を常に聴き続けましょう。
そうしたら、トップ音と下の音がずれる事はなくなりますよ。
オクターブ・フレーズもラインを意識しよう

二つの赤○は到達点ですから、全身全霊をぶつけるような気持ちでね。
左手オクターブはただバンバン弾かないで、青ラインを意識。
ラインの終わりの音が、それぞれの小さなフレーズの頂点なので、そこに向かいましょう。
出だしは静かに、そして頂点に向かう。
次はもっと高い頂点に向かって!と増大していく。
続くフレーズは、もう、一気に駆け上る。
左手オクターブは、5や4の指の事は忘れましょう。
オクターブの上の音は、全て1の指で弾きますよね。
1の指での白鍵から白鍵への打鍵は、ただ横へスライドさせるだけ。
決して上から打鍵し直さないように。
だけれども、白鍵から黒鍵への打鍵は、きちんと上げて落とす。
上げる、という用意をする事が必要です。
ただし、いずれの場合も、低音側の4や5の指は「ついていきます~♪」という姿勢でいい。
余計な事はしないのも、ポイントですよ。
細かな動きのフレーズのポイント

このようなフレーズは、1音ずつのきらめきが大事なので、全ての指をきちんと動かして弾くのがポイントです。
細かい粒が、1つずつ光を放ってコロコロ動くように。

ココは、クレッシェンドをかけるのは右手で。
左手は軽く上に飛んでいくように弾く。

1段目の2小節目は、高い音が大事です。
「そこから始まる」のがわかるように、弾いていきましょう。
2段目からのフレーズは、指先ではなく、腕(肘)を持っていくだけでいい。
dolcissimoの弾き方

ココのdolcissimoの弾き方。
目をつぶって想像してみましょう。
あなたの指は鍵盤に乗っています。
鍵盤は下からあなたの指に向かって、ふわっと浮いてくる。
だから、あなたは鍵盤を押す必要がない。
ただ、指をなめらかに動かすだけ。
上の方でお話した事ですが、「弾こう!」と思わないでね。
頑張らなくていい。
軽く!軽く!軽く!ね。
ルバートし過ぎに注意

左手が低音を打鍵するたびに「間(ま)」を持たせていないかしら?
もしそうだとしたら、ちょっとしつこいかもしれません。
間を入れるのは、最初だけでいい。
あとはさらっと。軽やかにね。
効果的なクレッシェンドと二度上がって下りるフレーズの捉え方

ここの右手のクレッシェンドは、3〜4拍目の方でが~っと盛り上げていくように。
そして左手の赤○の音は、「つながっている」ことを意識して聴かせましょう。

右手三度和音の動きは、2つずつ上昇→下降して上昇という動きを繰り返しています。
これを、「タらタらタら」と1音目に重心がいく弾き方をしない。
「たラたラたラ」です。
「後打ち」という意味ではなく、High Note=高い音を意識するのがポイント。

フェルマータ!がありますよ。
だから、もっと味わって!あなたが今まで思っていたよりも、もっとね。
同じことが3回繰り返される時
3回同じような動きが出てくることについては、これまでもお話してきましたね。
左手の「ドラドファー」、3回出てくる最後のところは、それまでよりももっと増殖していく。
それを音色や弾き方を変えて表してみましょう。
2回目はもっと左手で助けてあげる。
そうすることで、クライマックス(画像2段目)に持って行けます。
がむしゃらに弾くところじゃないのでね。
もっとラクにして。
体中の力を抜いて。
ほら、トランポリンでジャンプしてるような感じですよ。
トランポリンでジャンプする時って、力いれて踏ん張ってジャンプしなくても、1回跳んじゃったら、後は反動でボワンボワンって体が浮いていくでしょ。
あなた自身が力を入れてなくても。
それと同じですよ。
もっと、ラクに、軽く、さらさらと。
肩に力入れないで!気張らないでね。
拍頭を意識する

1音ずつしっかり動かして打鍵していきましょう。
それぞれ高い音に向かってはいきますが、その高い音が拍頭だということを、理解しておくのがポイントです。
画像の3拍目、左手の弾き初めの音が拍頭だと勘違いしてないかしら?
気をつけてね。

右手の「レ♭」は、ベルの音ですよ。
だから、弾くのをひるまないで。
その後のコーダは、拍をよくとって(感じて)。
参考*ロマン派打鍵の練習
ロマン派の打鍵の仕方練習について。
文章ではうまく伝わりきらないと思います。
だから、これを読んで、写真を見て、誤解なさらないように、安易に真似なさらないようにご注意ください。
変な解釈して練習すると、指・手首・腕を痛めますよ。
これは、私が香港で師事していた師匠エレノア先生とのレッスンでのこと。
もしあなたがこのような事をしようとするなら、あなたの先生にご相談くださいね。
※これは、私自身への覚書です。
「指をフラットに」と言うのは簡単。
でも、意識しているつもりでも、曲を弾いていればだんだん指の形は「古典スタイル」に逆戻りしてしまうなら?
とは言え、その「古典スタイル」は、バロックや古典を弾くにはとても良いのだから、それは忘れたらダメなんだよ、とエレノア先生。
ただ、もう一つの弾き方を身に付けられたら、音の幅が広がるから、やってみなさい。
これは、何より多くやりなさい。毎日必ずやりなさい。

まず、この画像のように、手のひらの手首に近いあたりを、鍵盤のふちにつけます。
(お行儀悪い感じね)
そこに、体中の体重を押し付ける感じで。
でも、その時、肩や肘はリラックス状態にあります。
そうして、指先、打鍵する部分をいつもより気持ち多目で、そのままハノンの1番なんかを弾いてみる。
その時、打鍵したら指は手前に引きます。
体の体重は鍵盤に向かって押し付けているけれど、指先は引く。
ここがポイントです。
ピアノ動画*リスト「3つの演奏会用練習曲」第2曲”軽やかさ”
ティブレイクは、お題のリスト作曲「3つの演奏会用練習曲」第2曲”軽やかさ”を。
こちらは、2011年の東日本大震災後のチャリティコンサートから。
香港在住のシンガポールの方が、被災した日本のためにと、香港在住の日本人ピアニストという事でご指名を頂き急遽決まったリサイタルでした。
香港湾仔(ワンチャイ)にあるアニエスベー・ホールにて。
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もっとラクに心と体を使ってピアノを弾くお手伝いをしています。
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