モーツァルト「ロンド」ニ長調K.485で音楽を創る7つのポイント
どんな曲と向き合う時も、譜読みに苦労し、技術が足りないと嘆きながら練習を積む。
たくさん練習を重ねた後に、ようやく「こんな感じの音楽かな?」というのが見えてきたり、理解できないフレーズにモヤモヤさせられたりしませんか?

曲ごとに違う難しさは確かにあります。
でも、どのように楽譜を読んでいくのかや、フレーズをどうとらえると弾きやすくなるのか?
より音楽的になるのか?など、基本は同じ。
だからね、今日はモーツァルト様の「ロンド」ニ長調K.485を例に、どう楽譜を読むか?
どうとらえるか?どう練習するかなど、お話します。
ぜひ、他の曲にも活かしてくださいね。
Contents
その音を、弾く前に想像する

この主題が何度も出てきます。時には調を変えて。
最初の第1音、この「ラー♪」って、一体、どんな音かしら?
どんな空気感なのかしら?
弾いてしまう前に、ちょっと想像してみて!
想像する前に弾いちゃ、ダメよ。
「ラー♪」
目をつぶって想像してみて!
その音の響きを、想像できた?
どんな種類の音がどんな風に発せられるのか?
どちらの方に向かってどんな軽さで
どんな風に乗って現れるのか?
うん、想像出来たら、弾いてみましょう。
ほ~ら。とっても素敵な響きが出てきたわよ♪
この事を忘れないで。弾く前に、あなたが出したい音を想像することなく、不用意に弾き始めないでね。
強く意識してその音を想像してみましょう。それだけで、出てくる音が変わりますよ。
だまされたと思ってもいいから、やってみてね。
想像なしに、不用意に弾いて出てくる音は、誰でも出せる音。出た後に、もやもやする音。
後悔する音。そこで欲しい音じゃ、ない。
さぁ、あなたも、この最初の音ってどんなの?って、目を瞑って想像してみましょ!
音階をデコボコさせたくなかったら、手首の動きに気をつけよう

この音階フレーズも、デコボコする事なく、まるで「そよそよと」爽やかな風が吹くように、美しく弾けるようになった生徒さんがいました。
もちろん、「そよそよと」弾くことを求められないフレーズもいっぱいありますよ。
でもね、音階フレーズや速いパッセージを弾く時には、まずは「デコボコしない」ために、
手首を少し上げ気味で弾く、というのがとっても有効です。オススメ!
伸ばす音・タイの音に命を与える弾き方

この画像のように「伸ばす音」や、更に「タイ付きの音」の場合、あなたの意識を「音価分きちんと伸ばす事」に置かないのがポイントです。
もちろん、正しい音価分の長さは必要ですけれどもね。
これは、その音の響きが向こうの向こうまで、エネルギーを増殖しながら飛んでいくのを、しっかりと聴き届けることがポイントです。
拍ごとに、響きのエネルギーが増していくのを耳と脳と腹で感じること。
エネルギーが増殖していく時は、腹部が横に広がっていく感覚を伴います。
伸ばす音やタイ付きの音の時は、響きを聴き届けることに気を集中させましょうね!
合わせにくいリズムを弾きやすくする方法

右手は16分音符で、左手は付点の「タッカ」のリズム。これ、合わせにくいのよね。
なんかズレたりギクシャクしちゃうの。どうしてだと思う?
それはね、付点8分音符の打鍵で「踏ん張ってしまう」から。
付点8分音符=16分音符三つ分 おさえなきゃ(伸ばさなきゃ)!ってね、あなたの指先が頑張っちゃうの。
その時にね、ものすごい圧力がかかっちゃうんですよ。
つまりね、鍵盤に指がしがみついてしまって、手が・腕が自由に動かせなくなっている状態です。
だからね、こんなフレーズの時は、
その「タッカ」のリズムを弾く方の手が、向こう側へいく、
手を向こう側へ差し出す、そう思って弾いてみましょう。
ほ〜ら、音色までキレイになりますよ♪覚えておいてね。
両手で弾くと、うまく合わなくてゴチャゴチャになってしまうなら、
手を向こう側へ出す意識を持って弾こう!
音の伸び・ふくらみを味わう方法

2分音符や付点4分音符、シンコペーションの4分音符などは、その音の伸びを十分に味わいたいポイントです。
音がね、伸びて行って、そして「帰ってくる」のを聴き届けてみましょう。
帰ってくる音を、キャッチするつもりでね。
まるでその音がね、フリスビーのように飛んで行って戻ってくる。って想像してみて♪
もう、ワクワクしちゃうよ♪
トランペットで吹く場合でも同じことだよ。
吹いた音の響きが、向こうへ行って、そして自分に戻ってくる。
うんと、音の伸び・ふくらみを感じちゃおうね!
スラーとスタッカートには、ワナがある!

この、一見わかりやすそうに見える(気がする)譜面に、「思い込み」というワナがあなたを待ち受けています。
装飾音は、どの音に掛かっているのだろう?
それはちゃんと、装飾音として弾けているだろうか?
(違うリズムになってはいないだろうか?)
スラーはどの音から始まって、どの音で終わっているのだろう?
スラーの終わりの音は、そこでスラー終わりってこと。
スタッカートはどこに付いているんだろう?
スタッカートで弾いているつもりが、実はレガートになってるよ!というコト、ありがちです。
自分ではちゃんと弾いているつもりなので、耳が「思い込み」という幕を張ってしまう。
スタッカートが続く音は、ただ同じ打鍵をするのではなく、どこの音に向かっていくのか?
見て、読んで、理解して、そして弾きましょう。
考えなしに適当に弾いちゃうのは、もうやめましょう。
音が湧き上がってくるのを聴こう!

聴きたいのは、休符の後の「ラー」。
左手の波に引き寄せられるようにやってくる「ラー」。
それを、休符の間、体の中から「ラー」がわき上がってくるのを静かに聴く。
心で、脳で、体で聴いてみましょう。
- どんな「ラー」がやってくるの?
- どんな「ラー」が響くの?
それを弾く前に聴くことができたら、欲しい音を出すのに必要な呼吸・体の動きができますよ。
まず、呼吸です。呼吸なくして必要な、欲しい音を出すための体の動きはなされないから。
あなたの中からわき上がって来る音を聴いてね。
ピアノ動画*モーツァルト「ロンド」ニ長調K.485
ティブレイクは、モーツァルト様の「ロンド」ニ長調K.485をお送りします。
モーツァルトは愛されている作品がとても多い作曲家だと思います。
このロンドニ長調は、今まで教えてきた子供から大人にまで、大人気の曲でしたよ。
あなたも弾いてみませんか?
音楽を創るポイントのまとめ
- 音を弾く前に、その音の響きを想像しよう
- 音階打鍵は手首を上げ気味で弾くとデコボコしない
- 伸ばす音・タイの音は、エネルギーが増殖するのを感じてみよう
- 合わせにくいリズムは、手を向こう側へ出すように弾いてみよう
- 音の伸びは、響きが行って帰ってくるのを感じてみよう
- スラーとスタッカートは、どこに・どこまで付いているのかを理解しよう
- 音が湧き上がってくるのを聴くことに意識を傾けよう
意味のない音はない、などと言います。
では、「この音にはどんな意味があるのかな?」と、いちいち好奇心を持ってあげたらいいんじゃないかしら?
それだけで、あなたが紡ぐ音は、躍動感が出てきますよ。
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