「悲愴ソナタ」を例にピアノでの2音間スラー打鍵を制してもっと音楽的に演奏する方法
2つの前後の音に付けられるスラーは、よく出てきます。
あなたも無意識下のうちにも、いっぱい見てきたでしょう。
2つの音に付けられたスラーは、もはやピアノを弾く上で、大して難しいことではないかもしれませんね。
そんな2音の間に付けられたスラーの打鍵に気を付けることがあるとしたら、何だと思いますか?

もはや難しいとすら感じないかもしれない「2音間スラーの打鍵」を制すれば、あなたの演奏はもっとうんと、ダントツに音楽的になりますよ。
そして、あなたは優しさを表したいフレーズに出会った時、どんな風にその優しさのニュアンスを付けるでしょうか?
どんな事でも、様々な状況が考えられます。
方法も1つではないでしょう。
だから、今日もあなたと一緒に「2音間スラーの打鍵」と「優しさをどう表すか?」について考えてみますよ。
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ピアノの2音間スラーで気をつけたいコト

画像の右手部分(上の段)に注目して見てみましょう。
2つの音につくスラーがありますね。この打鍵の動きは一つです。
1音目で指を鍵盤に落として打鍵して、その指を鍵盤から離す前に2音目を打鍵して離す(上げる)。
「落として上げる」という一連の動きです。
しかし、なんでもかんでも「落として上げる」とは、思わない方が良いですよ。

こんな状況を想像してみて。
- 1音目は右足を踏み出す
- そして2音目では、左足を踏み出す
その状態を思い浮かべてみましょう。そうね、今、歩いてみてもいいわね。
スラーは「(音と音を)つなげる」という意味です。
右足が先に出て次に左足が前へ出てくる時、もうそこに右足がないという事はありませんよね?(歩く場合ですよ)
左足が前へ出てくる時も、右足は連動して動きがありますよね?
それが「スラー」です。
じゃあ、左足が次に離れる時(2音目の離鍵)は、どうでしょうか?
いきなりそこでジャンプする?うん、そういう事もあるかもね。
でもね、この画像の場合だったらどうかしら?って、考えて弾いてみましょうね。
2音間スラーの離鍵は、アクセントが付いたりスタッカートで飛んで不自然じゃないか?
自分が出す音をよく聴いて、考えようね。
ピアノでの2音間スラーの打鍵は、動きは1つ!

この画像の中に、大事なことが2つありますよ。
1つは、画像1段目の右手。鉛筆で○で囲ってある「4分休符」です。
ここは「息を吸って、次の打鍵に向けて準備するところ。
もう1つの大事なことが、表題の「2音間スラー」です。
「2分音符+4分音符」に、スラーがついていますね。
この2音の打鍵をするための動き=アクションは、「ひとつ」です。
スラーの1音目(2分音符)打鍵で腕を落としたら、そこで動きを止めず次の音に向かっていく。
そして2音目(4分音符)打鍵で上がる=上へ抜きましょう。
何度も言いますが、この動作は「一連」、ひとつの動きです。
これを、1音ずつで動作を分けてしまうと(それぞれで止めてしまうと)、音と音は繋がらなくなります。
また、2音目(スラーの終わりの音)で手が抜けなくなると、4分音符ではなくなってしまう危険大!
4分休符がなくなってしまいますよ。
だから、2音間スラーの打鍵は、2音で1つの動き!ということを、忘れないでね。
使用楽譜はこちらです。
今日のピアノ動画*モーツァルト「ピアノ・ソナタ」K.331
ティブレイクは、上の画像にも出てきましたモーツァルト様の「ピアノ・ソナタ」K.331の第1楽章をお送りします。
子供の頃から大好きなモーツァルト様のソナタでした。
どうしてこの第1楽章が好きかというと、それはきっと変奏曲だからかもしれません。
私は他の作曲家の作品でも、変奏曲はとてもワクワクするのです。
1つの主題から、どんどん変化していくメロディやリズムや響きを、あなたも味わってみませんか?
ピアノで2音間スラーの打鍵で気を付けたい事と優しさのニュアンスの付け方のまとめ
- 2音間に付けられたスラーの打鍵は「落として上げる」全部で1つの動きにするのがポイント!
- 2音間スラーの打鍵を「落とす」と「上げる」の2つの動きに分けない(それぞれで動きを止めない)のがコツ!
- 音から・響きから・フレーズから優しさを感じたなら、あなたの中にある優しさをそのまま優しく伝えよう!
あなたの優しさは「ドスン」と尻もちはつかないでしょう。
よくある2音間に付けられたスラーの弾き方でいつも気を付けたいのは、動作を出来る限り少なくすることです。
「落として上げる」で1つだということを覚えておきましょうね。
そうは言っても、本文でお話したように「落として上げる」と単純に、そこだけを切り取って覚えるのは危険です。
いつもそのフレーズにふさわしいニュアンスを考えてみましょう。
音楽は、あなたが感じることを素直に表したら良いのです。
それがあなたの音楽になるのですから。
だから、あなたが「優しさ」を感じたなら、あなたの優しさを伝えてみましょう。
決して喧嘩にはならないはずですよ。
エンジョイ!あなたのピアノ・ライフをもっと豊かに!
もっとラクに心と体を使ってピアノを弾くお手伝いをしています。
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