リスト「パガニーニ・エチュード6番」を例に和音の動きを弾きやすくするコツを解説!

2020年10月25日

ピアノで和音の動きが続くと、気付いたら腕や肩が窮屈きゅうくつになっていることはありませんか?

リスト「パガニーニ・エチュード第6番」より

右手も左手も、弾き方に固執(執着)すると大変ですよ!

この画像のような和音が続くフレーズをラクに弾く方法をお話します。

ピアノでオクターブから和音へ動く場合の弾き方

まず画像の右手、左上の赤丸の2つの和音はどうしたらラクに弾けると思いますか?

リスト「パガニーニ・エチュード第6番」より

1つ目の和音は「ファ」のオクターブで、続く2つ目の和音は「ラとレ」。
画像で見てわかるように、2つ目の和音は1つ目の「ファ」のオクターブの開きの「中に」あります。

楽譜をもう一度よく見てみましょう。
この2つの和音にはスラーが付いています。
2つの音に付けられるスラーの基本的な弾き方は、1つ目で手を落とし2つ目で手を上げること。

大事なのは、打鍵は「2音(2つ)で1つの動き」をするということです。
決して動きは2つではありません。
確かに「1つ目で落として2つ目で上げる」とお話しました。
だから動きが2つだと思われるかもしれません。

「落として上げる」で1つの動きです。
何故なら打鍵のために手を落とした所で手の動きは止まらないから。
何かが、トランポリンやソファに落ちた時の様子や、スーパーボールが落下した時の事を思い出してみて下さい。
落ちた所で動作は止まるでしょうか?
いいえ、瞬時に上がる方へエネルギーは方向転換します。

先に全ての打鍵の用意をしておく

右手のはじめの2つの和音の弾き方は、「ファ」のオクターブを打鍵する前に、次の「ラとレ」の和音の打鍵の用意もしておくこと。
つまり「ファラレファ」という、1つの和音を打鍵する感覚を持ってみましょう。

だから、腕全体としては「ファのオクターブ」と、「ラとレの和音」の2つの和音への打鍵の動きは1つなのです。
「ファのオクターブ」を打鍵したら腕は上がっていく。
その時に「ラとレの鍵盤」へ指がなぞるように触れて発音される、という感覚。
決して改めて打鍵しません。

先に全ての打鍵の用意をしておかないと、動きは2つになってしまいますよ。
動きが2つになるというのは、「ファのオクターブ」を弾いて(動作は落ちて)、次の「ラとレの和音」を打鍵するために、もう一度手を落とすという、上下の動きが2回起きるという意味です。

もう一度、あなたがどんな風に打鍵しているか、客観視してみましょう。

オクターブ音程での動きが続く時の打鍵の仕方

リスト「パガニーニ・エチュード第6番」より

では次に、画像の上の段の右側の、赤丸のオクターブでの音の動きの打鍵についてお話します。

オクターブがギリギリで弾くのがつらいという方も、とらえ方の問題でラクに弾けるようになりますよ。
だから、弾くことをがんばらないで下さいね。

この「どれふぁみれ」というオクターブの動きを、オクターブだと思わずに「単音のフレーズだ」と思ってみましょう。
もしこれが本当に単音のフレーズだったら、「どれふぁみれ」で1つの動き(腕の回転)で難なく弾けますよね。
フレーズのとらえ方はそれと同じです。

オクターブで弾く時も1音目の「ド」で手を落としたら、右上へ回転していくように「れふぁみれ」を弾いていきます。
弾いて行くと言うよりは、やはり「鍵盤をなぞっていく」感じ。

もう一度言いますよ。「ド」で落としたら「れふぁみれ」で腕は上がっていく。
この時、実際に打鍵で鍵盤に触れる指を手首から客観的に見ると、「塩コショウを振る時」のような感じ。想像してみてね。

おまけ:オクターブ・フレーズを弾くコツ

オクターブが続くフレーズは、大抵は「1と5」の指で打鍵していくでしょう。
もちろん可能なら「1と4」「1と3」など使えると良いと思います。
そもそもオクターブが苦しいとお悩みの方は「1と5」でオクターブを弾くことは、もっとつらい(そもそも無理な)方が多いのですよね。

ここで、オクターブを弾く時の「捉え方のコツ」をお話します。

例えばオクターブを「1と5」の2本の指で弾きますが、2本の指で弾く、という感覚(概念)をポイポイっと捨ててしまいましょう。

意識するのはどれか1つの指だけで十分です。
例えば「5」の指だけに意識を置いてみましょう。
するとオクターブの幅は決まっています。
だから、「5」の指で「どれふぁみれ」を弾くことだけを意識するだけで、「1」の指もちゃんと弾いてくれてます。
つまり、リーダーは「5」の指。

同じように真逆の考え方が出来ます。
それは「1」の指に意識を置く。リーダーは「1」。
これは右手と左手の演奏音域が離れていると、全てを見る事は厳しいでしょ。
だから、自分から離れている「5」の指を意識するより、あまり意識しなくても視野に何となく入る「1」の指なら、安心して任せられるというトリックです。

ただ、望ましいのは「1」よりも「5」の指を意識すること。
もちろん、あなたのやりやすい方が一番です。
何故「1」より「5」の方が望ましいかと言うと、「1」の指を意識すると太くて短い親指(1の指)は、無意識のうちに固まりやすいから。

もう1つ方法があります。
それは「3」の指を意識すること。
先にもお話したようにオクターブの幅は決まっていますよね。
オクターブを弾こうと手を広げれば、その幅は変わらないのですから、手の中心である「3」の指を「方向指示針」として働いてもらいましょう。
「3」の指を意識する利点は、腕の力を抜きやすい事です。

あなたがオクターブ・フレーズを弾くにあたり、どの指に意識を置くとより弾きやすいか、いろいろ試してみて下さいね。

ピアノでオクターブを超える和音が続く時の弾き方

最後に左手のオクターブを超える和音の弾き方についてお話しましょう。

リスト「パガニーニ・エチュード第6番」より

答えは画像に書き入れてありますので、感の良いあなたはもうお気づきでしょう。

何度もお話しているように、手・腕に力を溜め込まず(程よく脱力して)弾くには、打鍵の動きを決して止めないことが大事です。

この左手は10度音程和音が続いていますね。
体も手も大きな男性なら難なく届くでしょう。
しかしほとんどの人は、これを「和音」として同時に打鍵するのは無理。
「レとファ」を同時に打鍵は出来ず、「れふぁー」「みそー」と崩して打鍵するでしょう。
つまり捉え方は「2音スラー」の打鍵と同じ。

「レ」打鍵で落とした手は止めず、右上へ回転させるように「ファ」を弾く。
「ファ」を弾いたらそこで止めず、左下から右下へと逆時計回りで腕を回転させながら次の「ミ」へ。
そしてやはり腕の動きを止めずに、右上へ回転させるように「ソ」を弾く・・・同じように続けていきます。

最後にもう一度言います。
打鍵の動きは絶対止めないこと!

ピアノでの和音の動きを弾きやすくするコツのまとめ

  • オクターブから和音へ動く場合の打鍵は先に全ての音の打鍵の用意をしておく
  • オクターブから和音へ動く場合の打鍵は、「落として上げる」で1つの動き
  • オクターブ音程の動きが続く時の打鍵は、単音のフレーズを弾くのと同じ捉え方をする
  • オクターブ音程の動きが続く時の打鍵は「塩コショウを振る時」をイメージする
  • オクターブを超える音程の和音が続く時は、動きを決して止めないこと

さぁ、鍵盤に執着するのをやめましょう!あなたはもっとラクに体を使って弾けるようになりますよ。

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