ピアノでペダルに頼らなくてもオクターブ・フレーズをレガートでキレイに弾く方法

2019年12月22日

手が小さい人に限らず、ピアノでオクターブをきれいに弾くのは、そんなにやさしい事ではありません。

そうね、オクターブをつかんで弾くだけの場合と、オクターブで動きがあるのではまた違いますよね。

ベートーヴェン「悲愴ソナタ」第1楽章序奏から

そんなオクターブの動きを、いかに体をラクに弾くか?きれいなレガートで弾くのか?ペダルに頼らずオクターブのレガートは弾けるのか?ペダルを入れるとしたらどうすれば良いのか?

今日はそんなことを考えていきましょう。

ピアノでオクターブの動きをレガートでペダルに頼らず弾く方法

ショパン「英雄ポロネーズ」から

こんな画像のところの動きが問題。はじめの小節の第3拍の音と次の第1拍の音には「スラー」が付いています。

ここは、意識すれば左手は特に問題ないかもしれませんね。しかし問題は右手です。

右手の1つ目も2つ目の音も、その外側の音程はオクターブ。その上、オクターブの中にも音がある和音です。この2つは無意識のうちに切れがち。でも、楽譜をよく見てみましょう。

※ 楽譜は右手もヘ音記号で、1音目の外側の音は「ラ♭(黒鍵)」で、2番目の外側の音は「ソ(白鍵)」

  • 1音目はオクターブの音は「ラ♭」で
  • 2音目は半音降りる「ソ」

この2つの和音の打鍵は、「1」の指も「5」の指もただ「滑らせる」だけでいいんです。和音の中の音は、楽譜に書かれているように「4」で取れれば次は「3」で取ればいいので、尚良いですね。

でも、これは人によって(それが弾きやすいかどうかは)違うので、オクターブ和音の中の音も「3」→「3」で取るとしても、オクターブを滑り落とすだけにすれば、それだけでこの2つのオクターブ和音はつながりを持てますよ。

オクターブで音が動く時、どうやってレガートにするのか?

ショパン「英雄ポロネーズ」から

画像の右手の二つの和音(スラーが付いている二音)を、どうやって限りなくレガートにするか?

こちらは1つ上のトピックとは逆で、1つめの和音の外側のオクターブは白鍵で2つ目の和音の外側は黒鍵になります。しかも2つ目は外側の音程がオクターブ(8度)ではなく9度!

この2つの和音も大きな移動ではありませんが、外側のオクターブが白鍵から黒鍵になります。2つめの和音は1つ目の和音から半音下がりますが、手の動きとしては白鍵から黒鍵へ「上がる」になりますね。

この時、手(腕)を上げすぎるとその動きが大きくなり、「ブチッ」と切れた感がハッキリしてしまいます。

どこに意識を置くのか?共通する音を探せ!

もう一度画像を出しますね。

ショパン「英雄ポロネーズ」から

右手、スラーが付いている2つの和音の中に、一つだけ共通する音があるというところに注目してみましょう。それは「ファ」です。

2つの和音に共通する「ファ」を弾いている指を軸にして、弾いてみましょう。この軸となる共通する音の指だけは、移動のギリギリまで鍵盤に付いている状態を確認(意識)してね。

そして、周りの指が次の音へと移動しますが、周りの指(特に1と5の指)から「行こう!」とはしないのがコツ。

2つの和音の共通音「ファ」を弾いている「3」の指先が軸です。その軸を支点として、「3」の指から手全体を半音ずらす=横移動する。この2つの動きは白鍵から黒鍵へ上がりますが、「滑り上がる」と思ったらいいでしょうか。スノーボードとかで「するり」と上がるイメージはどう?

そしてそれらの音の準備が出来たら「ファ」の指を少し上げて、打鍵し直すだけです。

スタッカートなしのオクターブの移動はどうつなげる?

続いて左手。左手にはスラーはありません。もう一度画像を見てみましょう。

ショパン「英雄ポロネーズ」から

しかしこの左手の和音、1つ目(画像の1小節目の第3拍)の和音にはスタッカートもありませんよ。それまでの音や、次の音には(いずれも8分音符には)スタッカートがありますが、この4分音符の和音はアクセントが付いているもののスタッカートは無し。

だから「飛ぼう!」と思わないのがコツ。

アクセントが付いているその4分音符の打鍵は、鍵盤に触れる指の面に「吸盤」が付いていると思ってみましょう。そして打鍵したら、腕の内側から外側に広がるように。(指先は鍵盤に付いたままで持ち上がる感じ)

腕が内側から広がると、「手が飛ぼう」としなくても、そこから横移動するだけですぐに次の音へ向かうことができますよ。広がった腕に下腕が「ついていく」だけ♪

オクターブの動きに効果的にペダルを入れる方法

ベートーヴェン「悲愴ソナタ」第1楽章から

第一音は、それまでのパッセージの終わり。しかしベース音は「これから」の響きを作るものでもあります。と考えてみましょうか。

だからね、第一音で「プチっ」と切れるのを避けたいよね。音が切れるのを防ぐためには、ペダルの踏み替えにものすごく神経を使いたい。あなたの耳を使ってね。ギリギリで踏み変えるんだよ。

第一音のオクターブは気持ち「テヌート」で。急いで跳んでこなくていい。

そしてね、もう一つだけ気をつけて欲しいことがあります。それは、ペダルを踏みかえる時に「ゴトン!」と音が鳴らないように。勢い良く足を動かさないで。

ペダルの踏み変えは素早くではあるけれど、ペダルに触れている足がペダルから離れないようにするのがコツ。

ペダルを全踏み替えじゃなくてもいい。ハーフの踏み替えでも十分です。なぜなら続くフレーズも響きは同じだからね。

今日のピアノ動画*ラヴェル「ボロディンのスタイルで」

ティブレイクは、フランスの作曲家モーリス・ラヴェル様の「ボロディンのスタイルで」。

ラヴェルの「...のスタイルで」という作品はもう一つあります。それは「シャブリエのスタイルで」。こちらも素敵な作品ですよ。

ピアノでペダルに頼らずオクターブをレガートで弾く方法のまとめ

  • ピアノで黒鍵から白鍵へのオクターブの動きをレガートでペダルに頼らず弾くには滑り落とすのがコツ
  • 白鍵から黒鍵へのオクターブの動きをレガートで弾くのはスノーボードのイメージで
  • スタッカートなしのオクターブ移動は腕を内側から外側へ広げるのがコツ
  • オクターブの動きに効果的にペダルを入れるには、ギリギリで踏み変えは素早くすること

これはあくまで例です。オクターブのレガート奏法もペダルの使い方も、その動きの・そのフレーズの数だけあります。もちろん似た動きもありますから応用はききますが。

だから、いちばん大事なのは、いつもその音にあなたが寄り添ってあげることですよ。

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