【ピアノ奏法】フォルテは破壊力じゃない!フォルテに「力」はいらなかった

2021年3月13日

あなたはピアノでフォルテ(f)を弾く時、どんな風に弾いているでしょうか?

フォルテの意味は「強く」ですが、単純に音を「強く」弾けば良いのかなぁ?
強い音にもいろいろあるんじゃないかしら?

フォルテは「強い」ではなく「豊かに」とか「大きく」とか「包容力」とか考える事が出来たら?
もっとフォルテの幅が広がるんじゃない?
f」の記号が楽譜にあるのを見ると、一様に強く、渾身の力を振り絞ってピアノに向かっていませんか?

フォルテ記号
フォルテ記号

フォルテだからと言って、渾身の力を込めてピアノを弾かなくたって大丈夫!
ピアノに向かっていかなくたって、ピアノと闘わなくたって全然問題ないんです。

一度、今までのあなたのフォルテの弾き方を横に置いてみましょ。
そして、もう一度「フォルテ」の弾き方について、考えてみませんか?
今日は、「フォルテ」をラクに弾くためのヒントをお伝えしちゃいます!

フォルテに「力」は要らない

ドビュッシー「ゴリウォーグのケークウォーク」から
ドビュッシー「ゴリウォーグのケークウォーク」から

画像は、ドビュッシー作曲「子供の領分」第6曲の”ゴリウォーグのケークウォーク”から。

この画像では、一番「感じて」欲しいのは、画像2小節目頭の「16分休符」。
ここで息を吸ってみましょう。
息を吸ったらね、ただ腕を落とすだけです。

「・ラファミドー」の始まりが「フォルテ」だからと言って、力強く、鍵盤に向かっていかなくていいの。
そんな必要は全くありません。

1音目の「ラ」から頑張って弾いたら、音の「横の繋がり」がなくなってしまいます。
1音ずつ、投げてるみたいになっちゃう。

ここではね、あなたは16分休符を感じて息を吸って、腕を落とすだけで、十分なんですよ。

ドビュッシー「ゴリウォーグのケークウォーク」から
ドビュッシー「ゴリウォーグのケークウォーク」から

そして、この最後の和音を弾く時には、ただ「腕の重さ」を鍵盤に乗せてあげればいい。
それだけ。決して、叩きに行かないでね。

「フォルテ」を弾くのに、「力」は、いらないんだよ。

「強い」の動作、イメージの持ち方

強い音を弾く動作とイメージ
強い音を弾く動作とイメージ

fp」や「sf, sfz」や「>(アクセント)」を見ると、無意識のうちに「強く弾かなきゃ!」と思うのでしょう。
その上「強く弾かなきゃ」と思うと、強い音・フォルテなどの打鍵の動作は、「下へ」行ってしまいます。

打鍵の動作が「下へ」の意味は、

  • 鍵盤を叩く
  • 鍵盤を押す(押し付ける)

だったりします。まるで、とっさに鍵盤にケンカをふっかける、みたいな感じです。

その動作で出てくる音がどんなものなのか?
気にしなければ、気が付かないでしょう。

鍵盤を叩くように弾いたり、鍵盤の底まで必死で弾きに行くと、出てくる音はとても「固く」なります。
音が、伸びなくなるの。響かなくなっちゃうんです。

いやいや、そんなに伸ばしたり響かせたりしたいわけじゃないと言うなら、話は別ですが。

まずは、あなたが出している音が、どんな風に鳴っているのかを聴くところから始めてみましょう。

あなたは本当に、そういう音が欲しいのかしら?と、考えて試行錯誤してみるところからね。

あなたの「強い」音のイメージは、どんなものかしら?

「強い」は、「大きい」とか「膨らむ」「増殖する」などの意味を含む時も、ありますよ。

どんな「強さ」なのでしょう?その「強さ」は、「ギュッ!」と、固く何かを縛りつけるような強さなのかしら?
それとも、大きく開放するような強さなのかしら?
内に籠るのか、外に放つのか?

もし、外にエネルギーを放つようなイメージなら、動作も同じことです。
鍵盤に「落とす」「押す」のではなく、打鍵で手を落とさない。
逆ですよ。上がっていきます。
トランポリンみたいな感じを想像してみてね。

さぁ、あなたが出す音を、よく聴いてみましょう。

フォルテに向かう音を、想像してみよう

ドビュッシー「小さな黒人」から
ドビュッシー「小さな黒人」から

ドビュッシー「小さな黒人」の一部分。

クレッシェンドして行って、フォルテになるフレーズ。
「クレッシェンドして行って」フォルテになるんです。
始めからフォルテなのとは、違います。

では、こんな事を考えてみましょう。

  • クレッシェンドする前はどのくらいの大きさなのかな?
  • この曲で、このクレッシェンド以上に大きくなる所は、あるのかな?

というように。

クレッシェンドは、フォルテに向かっていく過程を、考えていきたいね。
そしてもう一つ考えたい事。それは、

  • クレッシェンドの果てのフォルテって、どんな音なんだろう?
  • キラキラしてるのかな?
  • 輝かしいのかな?
  • それとも叫びたい心境なのかなぁ?
ドビュッシー「ゴリウォーグのケークウォーク」から
ドビュッシー「ゴリウォーグのケークウォーク」から

さてこちらは、同じドビュッシーの「ゴリウォーグのケークウォーク」の一部分。

フォルテからクレッシェンドしてのフォルテシモって、難しいですね。

フォルテは「既に強い!」と思いこみやすいでしょ。
だから、はじめのフォルテの音には、かなり気を付けないとね。
だって、そこからたった1音経過するだけで、フォルテシモになるんですよ!一体どんだけ?

こんな所では、前後関係を見てみましょうね。

  • この少し前の音量は、どんなものなのか?
  • ここの他にフォルテやフォルテシモ、もしくはそれ以上になる所はないのか?

あなたが出せる音量の幅を知って、その中でコントロールしてみましょう。

そして、「効果的に聴かせる音量コントロール」を考えてみましょうか。

あなたが出せる音量の「ピアニシモからフォルテシモの幅」を見てみますよ。
「メゾピアノ」はこのくらいだから、「メゾフォルテ」はこのくらいになって「フォルテ」はこのくらい...だとします。

でもね、もしもフォルテシモの直前が、ピアノやピアニシモだったら?
そんなに張り切ってドカーン!と大きくしなくても、音量の変化を感じさせる事は、出来るんじゃないかしら?

そしてね、音量だけではなく、そこで必要な音色ってどんなもの?と考えられたら素敵ね。

あなたは「フォルテ」で

  • 痛い音が欲しいのか?
    (ショッキングな音が欲しいのか?)
  • ただ驚かせたいだけなのか?
  • あったか~い気持ちにさせたいのか?
  • あっかる~い気持ちにさせたいのか?

そういう事を、考えるだけでも楽しいですよ。面白いよ。

考えたら、もっと弾く事そのものが面白くなるし、あなたの演奏はもっと生き生きしてきます。

あなた自身も、もっと生き生きしてくるよ。
ワクワクしちゃうよ!

だから今日は「フォルテに向かう音を想像しよう!」ね♪

ピアノ動画*ドビュッシー「ゴリウォーグのケークウォーク」

ティブレイクは、ドビュッシー様の「子供の領分」から第6曲”ゴリウォーグのケークウォーク”をお送りします。

2018年9月2日のリサイタルから。ピアノはスタインウェイでした。

フォルテをラクに弾くためのポイントまとめ

  • フォルテを弾くのに「力」は必要ない
  • どんなフォルテなのか、想像しよう
  • フォルテに向かっていく過程をも、想像してみよう

フォルテは「強い」だけじゃない!あなたの想像力をフル回転させて、様々なフォルテを生み出そう!

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