交互奏でのアルペジオをキレイに弾くには?ピアノで音のバトンを渡す3つのコツ
アルペジオの練習方法はいろいろあります。
このホームページでも、圧倒的に検索数/訪問数が多く読まれているのは、アルペジオに関して書いたブログ記事。
それだけ、ピアノを弾く人たちにとっての関心が高い事なのでしょう。
今日は左手から右手へ、というように交互奏となるアルペジオ・フレーズを、いかにキレイに弾くか?
その音のバトンの渡し方のコツをお話します。
バトンの渡し方・拍の感じ方

画像の曲は、4分の2拍子。
2拍子なら、確かに「いちっ にっ|いちっ にっ」と、拍を取ります。
でもね、「いち」と「に」は、同じ強度なのかなぁ?
同じ気持ちなのかな?同じニュアンスで弾いていいのかしら?
これを、2拍/2拍子として「感じる」のと、もう少し大きなまとまりで見るのとでは、どんな風に違ってくるでしょう?
1小節で一つの動きとして感じてみたら、どうかしら?
バトンを渡す時に、「エイヤー!」どかーん!って渡したら、痛いよね。
バトンを渡すのは、丁度良いタイミングで、なおかつ丁度良い角度で渡したかどうか?
と言う微妙なところで、もう、前の選手の手に、バトンは「すっ」と収まっているのが理想。
だから、音を受け渡すバトンも、そんな風に感じてみたらどうかしら?
奇しくも、この曲のタイトルは「なだれ」。
「なだれ」って、どんな風かしらね?想像してみましょうね。
きちんとバトンを渡して響きを想像するのがコツ

低音から高音へ上がっていく、上の画像のような左手から右手への「音」の受け渡し。
こんな時、あなたは何を想像するでしょう?
- 左手と右手は別の人?同じ人?
- どんな響き?
- どんな風に音は伝わっていくの?
- どっちに音は動いていくの?
- 気になる人から、思わずプレゼントを受け取って、心が踊ってる?
プレゼントは、置かないでちゃんと渡しましょうね。投げないでね。
交互奏は用意してバトンを渡すのがコツ

左手から右手への、こんな16分音符フレーズ。
簡単そうで、簡単に弾けていると思い込みがちで、実は全然イケていなかったりします。
しなやかにバトンを渡すように。
まるで片手でハープを奏でるように。
そう、まるで片手で弾いているように。
ただし、指くぐりをしているとか、感じさせずにね。
「全力で用意」しますが、それは「必死に頑張って」という意味ではありません。
「全力」の意味は、「集中しなさい」ということ。
この楽譜例で言えば、左手で「ファソラシ」、右手で「ドー」と弾きますね。
それこそ本来なら、片手で弾けちゃうものですが、わざわざ手を分けていますよ。
これも、きちんと用意しないと音の出方が凸凹してしまいます。
「ファソラシドー」と弾きたい(弾いているつもりなのに)「ファソラ・シ・ドー」のように聴こえていませんか?
左手は、打鍵する前に「ファソラシ」全ての音(鍵盤)の上に、4指を置いて用意しておく。
続ける右手の「ドー」も、左手が弾き始める前に用意しておきますよ。
そして息を吸って、吐き出しながら「ファソラシドー」と、一息で弾いて行きます。
次のこんな場合も同じですよ。

弾き始める前に、左手は「ファソラシ」に全ての指を用意、右手は「ドレミファ」全てに指を置いておく。
そして息を吸って、吐き出しながら、「ファソラシドレミファ」を1ライン=一呼吸で。
左手は「ファソラシ」を弾いて右手にバトンを渡した瞬間に、右手の上から「ラ」に指を用意しにいきます。
この用意は、右手が「ドレミファ」を弾き終わってからでは遅いの。
右手が「レ」打鍵の時には「ラ」への用意がされている状態が望ましい。
これは「ファソラシドレミファラー」までで一つのラインを、一息で弾くべきところだからです。
そしてもう一つ。
実際に弾く時、頭の中でも「ファソラシドレミファラー♪」と、言い(歌い)ましょう。
指先に「正しい打鍵をするんだよ!」と、指令を送るのです。
ご参考まで。
今日のピアノ動画*ギロック「森の伝説」
ティブレイクは、ギロック作曲「森の伝説」をお送りします。アルペジオのバトンの渡し方とは関係ないですが。
何だか懐かしくて、何だか切なくて、思いを馳せながら眠りにつきそう。
まとめ
- 音のバトンを渡すコツは、きちんと丁寧に良いタイミングを意識すること
- 音のバトンをキレイに渡すコツは、その響きを想像すること
- 交互奏での音のバトンは、全ての音に先に打鍵の準備をしておくこと
先に打鍵の準備をするという事は、呼吸にも連動してきますよ。呼吸が出来れば、音は自然に流れていきます。
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