様々なオクターブをピアノでラクに弾く5つのポイント
ピアノを弾くには、人それぞれに悩みがあるでしょう。
曲の難易度によるテクニカルな悩みも。
手が小さい(言い換えれば手が広がらない)・手が大きい(言い換えれば小回りが効きにくい)とか、速い細やかなパッセージが苦手・和音をちゃんと押さえられないなどなど。
問題は人それぞれにいろいろあるでしょう。
しかし、例えば「あなたは手が小さいからコレは無理」と断言してしまっていいのかしら?
それはもったいない気がするのです。
実際、「私は手が小さいからオクターブはきつくて」という相談をよく頂きます。
でもね、私自身、体の大きさの割には手は小さいの。
今は私の手は10度の音程が届きます。
だけど、昔はオクターブがぎりぎりでしたよ。
だから、手が小さいから広がらないとかオクターブはきついというのは、捉え方次第・トレーニングの仕方次第ではないかな?と思うのです。
そう思うからこそのトピック。
ピアノで弾く様々なオクターブを、ラクに弾くコツをお話しましょう。
Contents
ピアノでオクターブ・フレーズを頑張らないで弾くために

ピアノでオクターブが続くフレーズは、無意識のうちに頑張ってしまいがち。
次第に手が張ってきちゃう。そんなことはありませんか?
もしあなたがこんな症状になるなら、出来る事なら指遣いを考察してみましょう。
例えば上の画像のようなオクターブのフレーズは、「1と5」の指だけでとらず、
黒鍵では「1と4」、可能なら1と3」も使ってみる。
そして、ピアノに「向かっていかない」「闘いに行かない」こと。
これがオクターブ・フレーズをラクに弾くコツの1つ!
ピアノでオクターブ連打は塩コショウの術!

延々、いったいどこまで続くのぉ?なこんなオクターブの16分音符フレーズ。
つい手をこわばらせて手首でガードしちゃって、腕が「大根おろし」いっぱいやった~・・・みたいな状態に。
こういうところは、ほら~!塩こしょうをフリフリ~ってする時みたいにね~♪
(お料理めっちゃ上手な男性のレッスンでした)
そう言った途端に力がすっと抜けて、音の固さも抜けましたよ。
あなたも是非、お料理してると思ってやってみてくださいね~!
ピアノで8度の動きをラクに弾くポイントは用意と手首にある!

こんな右手の動き、めさ!弾きにくいですねぇ。
和音の次に弾く単音は、その直前に左手で弾いている音ですよ。
これはね、打鍵そのもののスピードを上げないと弾けません。
どうしても右手の「1」の指で弾く単音が弾ききれないの。音が鳴りません。
じゃあどうしたらいいのか?
その方法は二つ。
- 一音目の和音と次の「1」の指で弾く単音を、始めからグルーピングして一つの和音として掴める状態に常に用意しておく。
すると、用意されているので打鍵しに行って戻ってくる、という時間のロスがない分、慌てず確実に打鍵できます。
しかし、オクターブ重音を、トップ音を浮き立たせながら掴むのは難しい、という人も少なくありません。その場合は・・・ - 手首を使う
打鍵するための動きを、手首で助けてあげるのです。
これは文章だけでお話しするのは難しいなぁ・・・
レッスンでは手取り足取り、体感してもらってます。
この曲をレッスンしていた女子高生ちゃんは手が小さめなので、方法1よりこちらの手首を使う方法で、クリアになりました♪
あなたはどちらかのケースにあてはまるでしょうか?
オクターブ和音のバランスのとり方
人の手(指)は、人それぞれに長さも大きさも開き具合も違います。
人と比べなくても、自分の指は10指それぞれに長さ・太さが違いますよね。
その違う形の指たちで同時に音を鳴らすのに、そもそも同じバランスで音を発音しようというのは、かなり難しいことです。
でも、それを要求される(事もある)。
ただし、これは曲やフレーズにより異なります。
その和音の中の一音を、浮き立たせる事を要求される事の方が多いでしょう。
ではまず、全てを同じバランスで、という事をやってみましょう。
(コントロール力をつけるために)
手首の力を抜いて見よう!
オクターブでの和音の場合、1と5の指でがしっ!わしっ!と「掴まなきゃ!」と思ってしまうと、てのひらと手首に必要以上の力が入ってしまいます。
確かに、てのひらや各指の間は広げますが、手首とてのひらに力を入れる必要はありません。
まずは手首やてのひらの力を抜いてみましょう。
・・・と言われて簡単に力が抜ければ困らないですよね。
そこで、実際にその和音を弾く時に、息を「ふ~~っ」と吐き出します。
力を抜きたい時は、息を吐くんですよ。
「でもでもー!そうしたら、指が和音の形を保てない~!」という事があるかもしれませんね。
てのひらには力は入れません。
ただ、「オクターブ」もしくは「和音」の形を(幅を)保っておくだけです。
緊張させるのは、指先から第一関節(指先に一番近い関節)の部分だけ。
言い換えれば、打鍵する際に鍵盤に触れる指の面(腹)だけ。とにかく力を抜く。
息を吐いたら、肩の力が抜けますね。
そして、脇の下も肘も手首も力が抜けると思います。
な~んにも考えないで、ただ、息を吐いて弾いてみてください。
全ての音が同じバランスで、心地良い音が鳴るはずです。
そうしているつもりでも、音がデコボコしている感じがするのなら、体のどこかに力が入っています。
それは、あなたのそのお姿を見る事ができませんので、「ココよ!」と言ってあげることができません。ごめんなさいね。
この記事からあなたが感じる事で出来ることをやってみてください。
気になるなら、是非レッスンを受けにいらしてくださいね。
私のレッスンに興味がある方はこちら。
ピアノで和音の中の1音を浮き立たせる方法
和音の中のある一音を浮き立たせる弾き方についてです。
和音が多い曲の場合、大抵は右手和音の高音がメロディ・ラインとなっている事が多いでしょう。
また、オクターブでの和音ですと、右手のトップ音と「1」の指で弾く音が「ユニゾン」になっている事も多いかもしれません。
そのようなフレーズが繰り返される場合、以下のようなポイントに気をつけるでしょうか?
- 1回目は5や4の指で弾く高音のフレーズを浮き立たせる
- 2回目は1の指で主に弾く、低音側の音のフレーズを浮き立たせる
というように歌い方に変化を付ける方法。
全ての指のバランスを同じにする発音(打鍵)だけではなく、どれか一つの指(或は二つの指)が打鍵する音を浮き立たせて弾く、という練習も必要になります。
ツィメルマンの教え「和音の中である音を浮き立たせる弾き方の練習法」
以前、ツィメルマン氏のマスタークラスで教わった事です。
それは「和音の中でのある音を浮き立たせる弾き方の練習法」。
例えば、両手で「どみそど みそどみ」といった和音を弾きます。
(左手「どみそど」、右手「みそどみ」)
それをただ、リラックスして続けて(繰り返し)弾きますと、「C」のコードがじゃんじゃんじゃん、と鳴っているな・・・と感じるだけでしょう。
しかし、この和音を繰り返し弾く中に、もしも!
「ど み そ ど み そ ど み(上昇)|
み ど そ み ど そ み ど(下降)」
というメロディ・ラインがあると仮定します。
それをやるにはどうしたらいいでしょうか?
それらの音を弾く指が、打鍵する時に、「はいっ!わたし、バトンを受け取ります~!」と「出ていかねばなりません」ね。
でも、ただ弾いていても出てきません。
そこで。一つ、激しく想像してください。
和音の中で、メロディとなる音を担う指の順番が来た際、その指が、瞬間的にずどーーーーーん!と、もの凄く長く伸びる!ということを。
例えば、今あなたはビーチにいます。
砂浜で、砂の中に手をつっこんで、手形の穴を作ってしまおう!と思います。
でも、ただ砂の中に手を入れるだけでは、そのままの手形ができるだけですね。が!
砂の中に手を入れる瞬間、ある一本の指だけが、異常なスピードで長く長ーく伸びるのだっ!!と、強く強くイメージしてみましょう。
もし、漫画の「ワンピース」(アニメでも)をご存知でしたら、その主人公の男の子ルフィの手や足が(彼はゴム人間なので)びにょーーーーん!と伸びる、それと同じ事が、あなた様の指に起こる!と想像してみてね。
その感覚を持って和音を打鍵すると、浮き立たせたい音の指だけが、他の指よりも打鍵スピードが早くなるのです。
結果、その音だけが浮き出てきますよ。是非、お試しくださいね。
今日のピアノ動画*ショパン「英雄ポロネーズ」
ティブレイクは、ショパン様の「英雄ポロネーズ」Op.53。
圧倒的に男子が弾きたがる、男子に人気の曲だったなぁ・・・(回想)
様々なオクターブをピアノでラクに弾くコツのまとめ
- ピアノでオクターブ・フレーズを頑張らないで弾くには、指遣いの思い込みを捨てること!
- ピアノでオクターブ連打のフレーズがあるなら、お料理で塩コショウを振る時の感覚を再現してみよう!
- ピアノで8度の動きをラクに弾くポイントは、事前の用意と手首をうまく使う事!
- オクターブ和音のバランスをとるには、力を抜き呼吸のコントロールを試してみよう!
- ピアノで和音の中の1音を浮き立たせるには打鍵する際の指先の動き(スピード)を想像してみよう!
ピアノは楽しいけれど難しい。
難しいと諦めるのは簡単だけれど、もし、捉え方次第で挑戦する事ができそうだ!と感じるなら、あなたの音楽の可能性がぐんと広がると思いませんか?
エンジョイ!あなたのピアノ・ライフをもっと豊かに!
もっとラクに心と体を使ってピアノを弾くお手伝いをしています。
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