歌っているつもりなのに伝わらない?ピアノで歌う6つのポイント

楽しい楽しい!ってピアノを弾いている自分。
でも、レッスンに行くと、先生に「もっと歌って!」と言われてしまう。どうしてかしら?
私はうんと歌ってるつもりなのに…

と思う事はありませんか?

うん、気持ちはよくわかります。
あなたは歌っているのね。あなたの中で。そしてあなたはとっても楽しんでいる。

でも、あなたの歌が聴いている人に伝わらないとしたら、何かがおかしいのかもしれません。
伝え方がちょっと違うのかも?いや、もしかしたら、歌の理解が少し足りないのかもよ?

今日は、ピアノでどう歌うとより音楽的に立体的になるのか?推進力が出るのか?そのポイントをお話します。

歌うには、音の波・うねりを素直に感じるのがポイント

バッハ「インヴェンション第13番」から
バッハ「インヴェンション第13番」から

右手も左手も、どちらにも歌が現れます。
歌を歌にするには、歌わなきゃね。
もし、声を出して歌うならどうするでしょう?

  • 音程の動きに気をつける
  • 音が上がっていくなら、気持ちは上向いていく
  • 音が降りていくなら、気持ちは深い方へ

それを、素直に感じて表すのがポイントです。
そして、音程ね。

  • 二度はとても狭い道を通るように
  • 三度では道が少し広くなる
  • 四度・五度と更に道が広がる

音程は、狭さや広がりを感じるもの。
六度・七度となれば、準備なしには渡れない、そんな感覚です。
声を出して歌うのでも、音程が開けば開く程、音を(声を)出す前にその音を想像してピッチをとりますよね。ピアノで弾くのも同じ事。

それが右手にも左手にもある、というのが上の画像の二声(歌が右手にも左手にも現れるフレーズ)。

だから、右手の歌も左手の歌も、それぞれの音の波・うねりを素直に感じてそのまま自然に表す。
とってもシンプルなこと。

でも、意識しないと出来ないことですよ。

高い音の動きと動きのある音を紡いでいくと歌になる!

モーツァルト「二台ピアノのためのソナタ」から
モーツァルト「二台ピアノのためのソナタ」から

右手なら「シファレシ ファレシファ レシファレ」という16分音符の動きになっていますね。
各拍=16分音符4つの中で、「高い音」を繋いでみましょう。
→「シ  ファ  レ・・・(次にシへ続く)」
これが、「シファレシ ファレシファ レシファレ」に対しての、もう一つのメロディです。

だから、「シファレシ」の中で1音目の「シ」の音を立たせて浮き出す。
「シファレシ」は自然な「dim.」で。

続く「ファレシファ」も同じ。だけど、「シファレシ」より全体的に落とす。
「レシファレ」も同じで、「シファレシ」より落としましょう。
こうして大きな「dim.」のラインを作っていくのです。

左手なら「シシレシ ファシレシ シシレシ ファシレシ」の中で「動いている音」を繋ぎます。
→「シ レ ファ レ シ レ ファ レ」
これも、もう一つのメロディになりますよ。
これらの音はスタッカート気味に弾いてみましょう。すると、「シ レ ファ レ シ レ ファ レ」のラインがわかりやすく聴こえるようになります。

ここでは「シ レ ファ」で「cresc.」、「ファ レ シ」で「dim.」と、音の型の通りに抑揚をつけましょう。
こうして、音に動きが出る。音に立体感が出来ますよ。

楽譜はパズルのような、迷路のような。
ウォーリーを探せ、みたいな。
楽譜を読むのはオモシロイ事ですよ。

音に動きを付けたかったら、音の動きをよく見てみよう。

フレーズの終わりまで大事にする理由とは?

バッハ「インヴェンション第13番」から
バッハ「インヴェンション第13番」から

フレーズの終わりは、新しいフレーズの始まりであったり、新しいフレーズの始まりと重なる事が多い。
画像でピンクの付箋が貼ってある所は、右手がそれまでのフレーズの終わり。
そして、左手はそこから新しいフレーズが始まります。
すると、頭の中は新しいフレーズの事で一杯になってしまいがち。

第3拍、右手の「ド」も左手の「ド」も、フレーズの終わりの音。
だけど音価が違います。

右手の終わりの「ド」は「8分音符」。
対して左手の終わりの「ド」は「16分音符」で続けて次のフレーズが始まります。

この時、左手は「新しくフレーズが始まりますよ」というわけで、16分音符の「ド」と続く「ソ」はノン・レガートになります。つなげません。

すると、右手もつられて同じように切ってしますのです、ポンと。
でも、右手は「終わりましたよ」と伝えるために音価が長くなっているのだと思ってみたらどうかしら?
「やい!」と終わらない。
次のお話が始まったけれど、でも、それまでのお話も聞いてるよ!聴き届けたよ!と、大事にしてあげたいですね。

フレーズの終わりの音は大事に聴き届けよう!

カデンツを味わうと、音楽が動き出す

モーツァルト「二台ピアノのためのソナタ」から
モーツァルト「二台ピアノのためのソナタ」から

「カデンツ」とは、終止形を表す和音進行で、幾つか種類があります。
この画像の場合、一度(Ⅰ)→四度(Ⅳ)→五度(Ⅴ)→一度(Ⅰ)という「終止形」。
ニ長調なので、和音の根音で言えば「レ→ソ→ララ→レ」。

曲中にカデンツが出てくるのは、そこでセクションが変わる(曲調が変わる)とか、転調するとか、何かあります。

モーツァルト「二台ピアノのためのソナタ」から
モーツァルト「二台ピアノのためのソナタ」から
モーツァルト「二台ピアノのためのソナタ」から
モーツァルト「二台ピアノのためのソナタ」から

さぁ、カデンツを、その響きの移り変わりをうんと感じちゃおう!
ちゃんと味わってみましょう。

カデンツを味わう・感じる、を するかしないかだけで、出てくる音楽はかなり変わります。
音の動き、響きの変化、そのリズムを感じる事を意識する。

カデンツを味わって、音楽に動きをつけよう!

歌が一つじゃないなら、会話を楽しもう!

ブラームス「2つのラプソディ」第2番から
ブラームス「2つのラプソディ」第2番から

さぁて、これは一体どこに歌があるのでしょうか?
まず、それを考えてみる。

考えたら次は、「歌は一つだろうか?」と疑って(笑)読んでみる。

歌が一つじゃないとわかったら。
それぞれの歌はどのように絡み合っているのか?
全てを一緒に弾かないで、歌の部分(音)だけを弾いてみる。

歌が一つじゃないということは(同時に奏でられる歌が一つじゃないということは)「会話」と同じだという事。

是非、その会話を楽しんでくださいね♪

  • どんな風に話しているんだろう?
  • どんな気持ち?
  • どんな声のトーン?
  • 雰囲気は?
  • 同じような感じでフレーズが繰り返されても、全部が同じかしら?
    何か違う響きがしないだろうか?
  • ちょっとニュアンス変わった?

って、いーっぱい想像しちゃってね。まずは、あなた自身が微妙な変化を感じることが大事です。

どこを「より聴くのか?」で表情は変わってくる

グリーグ「ピアノ協奏曲」から
グリーグ「ピアノ協奏曲」から

ここなら右手3連符の1音目を味わう。テヌート気味にね。
そして、

グリーグ「ピアノ協奏曲」から
グリーグ「ピアノ協奏曲」から

ここも右手3連符の1音目を味わいますが、左手の各拍のベース音を聴かせてみましょう。
この次の小節で発展していくのだから、この二つの小節は同じように弾くと、停滞感を与えてしまいます。

味わい歌いつつも、推進力がないと先へ先へと繋いでいけません。

一つ一つ大事なものはあるけれど、それらは一個一個ではなく、それら全てで大きな一つのカタマリ=フレーズになるんです。

表情の付け方は、木を見て、そして森をも見てみましょう。忘れずにね。

今日のピアノ動画*ブラームス「2つのラプソディ」第2番

ティブレイクは、ブラームス作曲「2つのラプソディ」から第2番Op.79をお送りします。

こちらは香港シティホール内リサイタル・ホールでの演奏。ピアノはベーゼンドルファー。
ブラームスは、感情が激しいものも、憂いがあるものも心が鷲掴みにされるような感覚になります。

まとめ

  • どう歌うかは、音の波・うねりを素直に感じて表せばいい
  • 高い音の動きや、動きのある音をラインで結ぶと歌になる
  • フレーズの終わりの音を大事にするのは最後まで話しを聴いてあげるため
  • カデンツをしっかり味わうと、響きに表情がつくため音楽に動きが出る
  • ポリフォニーの動きなら、会話として歌を楽しもう
  • メロディではない所にも歌となる動きがあるのを、どのバランスで聴くかがポイント

どう歌うか?は、あなた自身が「どう聴くか?」「どうバランスを取るか?」で変わってきます。
まずは、どこにどんな歌となるメロディが隠れているか、探してみましょう!

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