音階は覚え方より大事なことがある!音楽的に弾くコツは呼吸にあった

音階やら半音の動きなど、何を今更?と思うでしょうか。

ピアノに限らず、音楽の基本練習として早いうちから経験させられるもの。
だからこそ、考えなしに指だけ動かして弾いてしまう練習・運動になっていませんか?

音階だって至上の音楽です。
音階にある半音の動きは、どうして心に迫ってくるのかしら?

もっと音の動き・響きの変化に敏感になってみましょう。
もっと自分自身が出す音に、好奇心を持ってみませんか?

それこそが、あなたの音楽表現を更に深める・磨きをかけるいとぐちですよ。

音階をキレイに伴奏に乗せて弾く方法

ギロック「ソナチネ」から
ギロック「ソナチネ」から

メロディとは音価の違う伴奏に、美しく音階を乗せるためには、どうしたらいいのでしょうか?
もしあなたが疑問に感じたら、以下の3つを試してみてね。

  1. 右手も左手も、弾くことに必死にならない
  2. 水面をそよそよとかくイメージで音階を弾く
  3. 音階を弾く方の手首は少し上げる

まるで「操り人形」のように。
あなたの手が「つられている」ようにね。

音階を音楽的に弾く方法

音階を音楽的に弾くには?
音階を音楽的に弾くには?

音階は、指の体操ではありません。
今はそう言えるのに、徒競走みたいなものだと思っていた子供時代(汗)。
指づかいを間違えないで、速く弾ければ最高点!みたいな、勘違いも甚だしかったわけです。

それは、今の学習者さん達にも気をつけてあげないといけない事。
きちんと伝えていかないと、速弾き最高!なピアノ弾きをどんどん送り出すことに。

基本の「キ」の指づかいがしっかり身についてこその応用です。
最初から「どの指づかいでも弾けるもん!」ではありませんよね。

間違えて身につけたものを、矯正するのは本当に大変な事。
あなたも身に染みているのではないでしょうか?

さて、上の画像は上がっていく音階です。
まず、弾き始めのポジションに手を用意しますよね。
そうしたら、息を吸って…って言ったら、深呼吸のように、しかも、これ以上息は吸えない!というくらい、すでに死にそうになって息を吸った生徒さん…

軽くね!軽くでいいから、「すっ」と息を吸う。

息を吸うと、体はどうなるかしら?
少し、大きくなるような、上がるような感覚、わかるかな?
ということは、息を吸えば、鍵盤上に用意している手も少し上がるでしょ。
そして、ストンと落として弾き始めるんだよ。

ストンと落として弾き始める時、少し息を吐いている。
そして、息を吸っていきながら、上昇していきます。
一気に吸うと、すぐ詰まっちゃうからね。少しずつ吸っていく。
吸えなくなったら、ためておきましょう。息を止めるのではなく、【ためておく】んですよ。

この呼吸を意識するだけで、自然なクレッシェンドがつきます。

音階を音楽的に弾くには?
音階を音楽的に弾くには?

そうしたら、今度は下降で、ゆっくり息を吐いていきます。
これで、自然なデクレッシェンドになりますよ。

カデンツを音楽的に弾くには?

カデンツも音楽的に弾こう!
カデンツも音楽的に弾こう!

カデンツ(終止形和音進行)も同じことです。

ただ平坦に和音を並べても、面白くありません。
和音を一つずつ、「置きに」行かないでね。

呼吸を意識すると、一つの大きなラインになりますよ。

半音階はキーポイントだ

リスト「パガニーニ・エチュード」第6番から
リスト「パガニーニ・エチュード」第6番から

内声の、右手が「32分音符の動き」に注目してみましょう。

32分音符フレーズの一つ目は、「ソラ♭シ♭シ(ナチュラル)」
二つ目は、「ファラ♭シ♭|シ(ナチュラル)」
そして、○で囲ってある三つ目は、「ファララ#シ」という音の動きになっています。

一つ目と二つ目は1音目のみが違う。
二つ目と三つ目は1音目と終わりの4音目が同じ。
この、二つ目と三つ目の違いが鍵です。

その三つ目までは上昇なのに対し、次の四つ目は下降してクライマックスに向かっていきます

二つ目と三つ目の違いは何か?
それは、音程。

二つ目の「ファラ♭シ♭|シ」は、2音目「ラ♭」から3音目「シ♭」の音程は「全音」。
そして3音目「シ♭」から4音目「シ(ナチュラル)」までは「半音」。
ところが三つ目の「ファララ#シ」では、2音目「ラ」から3音目「ラ#」の音程は「半音」、
そして3音目「ラ#」から4音目「シ」の音程も、「半音」ですよね。
つまり、三つ目のこのフレーズは「半音階」になっているのです。
半音が続いている。

半音程というのは、「不安」な気持ちにさせるもの。
心の動きの激しさ、動揺などを表し、次に来る何かを予感させます。
だから、ココでは、この「ファララ#シ」が非常に重要。
それを、あなた自身が感じることが大事です。
全てを同じように、さらっと弾かないようにしたいですね。

もっと理解するために、半音階について考える

半音階でメロディが紡がれる時というのは、とても深い意味がある場合、つまり、重要な所だという事を意味します。

半音階という事に何か特別な意味、或いは決まりごとのようなものがあるのでしょうか?

半音階のスケールを聴くと、なんとなく不思議な感覚がします。

という質問を頂いた事がありました。とても素晴らしい事を感じておられるな、と思いましたよ。

「半音階」の前に、【半音】とは何? というところから お話ししましょう。
これは、音の幅(音程)を表す言葉の一種です。
ピアノの鍵盤を見て頂いて、「ドとレ」や「レとミ」などの音の幅の事を「全音」と言います。
でも、「ミとファ」の音の幅は「半音」

いずれも白鍵(白い鍵盤)の音である事は同じですが、「ドとレ」「レとミ」VS「ミとファ」は、違う所があります。
鍵盤をよーっく見ると、わかるでしょう。

ピアノの鍵盤の並び方を見てみよう!
ピアノの鍵盤の並び方を見てみよう!

「ドとレ」「レとミ」は、それぞれの音の間に黒鍵(黒い鍵盤)が一つありますよね?
しかし、「ミとファ」の間には黒鍵はありません。

普段「ドとレ」は隣同士の音、と思っていますが、「ド」のすぐ隣の鍵盤は、「ドとレ」の間にある黒鍵「ド#」であり「レ♭」です。
この場合の、「ドとド#(レ♭)」の音の幅の事を「半音」と言います。
「ミとファ」や「シとド」は、間に黒鍵がありませんよね。すぐ隣の音ですよ。
ですから、「ミとファ」「シとド」の音の幅関係も「半音」と言います。

*「全音」は、「半音+半音」という事になります。

 (「ドとレ」=全音→【「ドとド#(半音)」+「ド#とレ(半音)】=半音+半音=全音)

さて、では「半音階の意味」の、本題です。
頂いたメッセージにもあったように、「半音階を聴くと、不思議な感覚になる」

ロックバンドのギタリストさんが、ギター・ソロで「うぃんうぃーん!」と音を少し下げては戻す、なんていう弾き方をする事があるでしょう。二胡奏者さんも、弓上で指をスライドさせて演奏する事がありますよね。
こんな時、やはり独特の響きがします。

半音移動って、脳が少しよじれるような。
時間の感覚がズレたまま階段を昇降するような感じにさせられます。
(ちょっと貧血状態?めまいがしているような、不安な状態)

その独特な響きを利用する、その効果を狙って半音の動きを使う事もあるでしょう。

バッハの作品において「低音部が半音階で下降する時、それはキリストが十字架に貼付けられる嘆きのモチーフ」として使われている事、あります。

バッハの作品は教会の日々の行事のために作られていました。全てがそうとは言いませんが、キリストの事を想って半音階に表したフレーズは、登場します。
また、バッハはその後の全ての作曲家に大きな影響を与えて来た・与え続けていると言っても過言ではないと、私は思っています。

半音階は私の中では、半音ずつ「用心深く昇る(降りる)」というイメージが。
例えば長調の音階、ハ長調を見ると、「ドレミファソラシド」ですね。
これらの音の中で、半音の関係にあるのは、「ミとファ」、そして「シとド」です。
ハ長調の場合は、ハ=ドが主音ですね。
「シ」は、主音「ド」へ導く音、という「導音」と言います。

「導音」は、不安定な響きを持っているため、「主音」へ行きたがる(解決したがる)性格を持っています。

この事を考慮すれば、「半音階」と言うのはその全ての音が、常に、そして非常に不安定なもの。
その音だけでは(一人では)立っていられないような状態なのだと考えられます。

例えば、映画を見ている時に、ドキドキハラハラするような場面がありますよね。
息を呑んで展開を見守ってしまうような。
半音階の意味は、それに似たようなものではないでしょうか?

今日のピアノ動画*バッハ「半音階的ファンタジーとフーガ」

ティブレイクは、バッハ作曲の「半音階的ファンタジーとフーガ」をお送りします。

2012年の5月、小鳥やセミが合唱している中、香港の聖ジョン大聖堂でのランチタイム・コンサートでした。この辺りはビジネス街なので、お昼休憩に多くのビジネスマン・レディ達が立ち寄ってくださった事を思い出します。

まとめ

  • 音階をキレイに伴奏に乗せて弾くには、手首を少し上げて鍵盤に執着しない事
  • 音階を音楽的に弾くには、呼吸を欠かさない事
  • 半音は不安な気持ちにさせるキーポイントだ

音階も半音の動きにも、性格があって美しい音楽になります。だからこそ、ただの指の運動・指づかいの練習で終わらせないようにしましょうね。

全てはあなたの音楽表現を深めるためです。

エンジョイ!あなたのピアノ・ライフをもっと豊かに!
もっとラクに心と体を使ってピアノを弾くお手伝いをしています。

スポンサーリンク

心と体を楽にしてピアノを弾くヒントを月曜の朝、メールでお届け!

ブログをメールで購読

メールアドレスを記入して購読すれば、更新をメールで受信できます。

1,094人の購読者に加わりましょう