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シューマン「ピアノ・ソナタ第2番」から呼吸とスラーと跳躍を考える

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ドイツの作曲家、ロベルト・シューマンの「ピアノ・ソナタ第2番」ト短調作品22は、1833年から1838年にかけて作曲されました。出版されたのは1839年、シューマンが29歳の時のこと。

ドイツの作曲家ロベルト・シューマン

このピアノ・ソナタは、「のだめカンタービレ」で取り上げられると共に、グン!と人気が急上昇。老若男女問わずに弾かれる作品となりました。

今日はこのシューマンの「ピアノ・ソナタ第2番」第1楽章を例に、呼吸の仕方や跳躍についてポイントを教えちゃいます!

ビックリさせる音は迷いなく弾くのがコツ!

シューマン「ピアノ・ソナタ第2番」から

この第一音は、「ビックリさせる音」。左手の前打音からフォルツァンドで響かせる2分音符は、フェルマータ付きです。注意を引き寄せたいんですよね。

曲の始まりだというのに、この印象を強く植え付けるような音は、いったいどのように弾いたら良いと思いますか?

柔らかく大事に弾くのとは違う。

打鍵の準備をしたら、フッ!と力強く息を吸って止める。そして迷うことなく、素早い打鍵をしてみましょう。

ただし、打鍵した指・手をそのままで止めておかないようにするのがポイントです。

また、ペダルは打鍵の前から踏んでおいてみましょう。弾く前からペダルを踏んでおくことを、「オープン・ペダル」と言います。

この第一音は、これだけで終わってしまうわけではありません。この「ぶつかるような音の響き」から、次の16分音符の洪水が溢れ出てくるのです。

それを強くイメージしてみましょう。だから、ここは呼吸も一つです。第1音とその後で呼吸を変えないようにね。

ん?と思ったら、呼吸を変えて弾くのと変えずに弾く二つの方法を試してみましょう。そうすれば、何が違うのか?どういうことなのかがわかるでしょう。

短めのスラーも呼吸が大事なことを伝える道しるべ

シューマン「ピアノ・ソナタ第2番」から

こちらは右手がポイントですよ。

この曲はアウフタクト(弱起・弱拍から始まる曲)ではありませんが、途中からメロディがアウフタクトになります。こんなフレーズは、ちょっと危険。なぜって?それはね、無意識のうちに「つなげて」しまいやすいから。

短いスラーはどうして付けられているのかを考えてみましょう。どうして長いスラーにしなかったんだろう?って。長いスラーが付いていた場合と、楽譜通りの短いスラーでは、一体何がちがうのか?考えるのがポイントです。

シューマンがそこに「短いスラー」をあえて付けた理由がわかれば、その短いスラーの付き方を無視して長いスラーのようにつなげて弾くことはないはず。

短いスラーが続けて付けられているということは、そこに「呼吸」が存在します。

フレーズに合わせて呼吸するポイント

呼吸をしなきゃ!と思ってもいざ弾き始めると無呼吸になってしまう原因に、左手があります。もう一度、楽譜画像を出しますね。

シューマン「ピアノ・ソナタ第2番」から

左手のこのような速い動きは、雑になりやすいですよね。すると、頭の中は「合わせること」でいっぱいになってしまうのです。

だから、右手だけの練習をしていきましょう。あ、言われなくてもします?うん、えらい!ただし、もちろん、呼吸をしながら練習しましょうね。

右手は二声になっていますよ。二声になっている所は、上声を右手で・下声を左手で分けて弾いてみると、それぞれの動きがよくわかります。オススメの練習法ね。

この上声の短いスラーは、その切れ目で素早く息を吸ってみましょう。その時、あなたの喉・口と同じ役目をするのが「てのひら」

この場合はスラーの始まりの音は「5」の指で弾きます。だから、「レ=5」の打鍵の時に(打鍵に向けて)てのひらの「5の指側」を上げてみましょうね。これが、息を吸う時の口・喉の動きですよ。

シューマン「ピアノ・ソナタ第2番」から

こちらでは左手ですね。

左手だけでの練習は、ドレミで歌いながらスラーの切れ目で息を吸う!をやりながら弾いてみましょう。

短いスラーが続くフレーズは、緊迫感/緊張感を表しています。

呼吸がきちんとできていないと、ダラダラしちゃって緊張の「き」の字もなくなっちゃいますよ。

スタッカートなのにスタッカートで弾けていないのはどんな時?

シューマン「ピアノ・ソナタ第2番」から

両手ユニゾンでスタッカート。わかりやすいよね。両手ともに同じように打鍵すればいいのだけど。でもね、これちょっとした落とし穴があるので注意が必要です。

右手はオクターブだからスタッカートで弾きやすいでしょう。(逆にこれ、レガートで弾くのは難しいですよね。)さて、問題は左手ね。

左手は単音のフレーズなので、スタッカートじゃなくても指が届いちゃうでしょ。簡単に弾けちゃうの。だから気をつけないとスタッカートになってないなんてことに。でもね、弾いているあなたの頭の中では、ちゃんと両手ともにスタッカートで弾いてるつもりなのよ。

だから!両腕を同じように動かしてみましょう。(打鍵のための動作を同じにするという意味。)そして、耳でよく聴くこと!これに限ります。最後は自分の耳頼み。耳が頼りだ。というか、意識の問題ね。

「聞こえてる」けど「聴いていない」からおちいるるワナですから。だから、こんなスタッカート・フレーズには気をつけましょう!

もう一度言いますよ。大事なのは「打鍵の動作」と「聴く耳」、「聴こうとする意識」です。

短い「時」でも緊張感が生みだす方法

シューマン「ピアノ・ソナタ第2番」から

画像の2小節目が問題の場所です。左手の低音「ファ」の8分音符から、次の高音の「スフォルツァンド(sf)」へ跳ぶ。

この跳躍は、「跳ぶ!」「急いでいかなきゃ!」と考えるのをやめるのがポイント。

想像してみて。陸上の「棒高跳び」を。棒高跳びは、長い棒を持って走っていくよね。そして棒をついて飛び上がる。それがこの低音の「ファ」から高音へ移るところです。身体はしなやかに飛び上がって反っていくよね。

「スフォルツァンド」音のところで高い位置にあるバーを身体が飛び越える。

想像してみて。水泳の「高跳び込み」を。高いところにある飛び込み台からジャンプするのが、低音の「ファ」だよ。しなやかにジャンプするよね。そして「スフォルツァンド」音のところで着水する。

棒高跳びにしても高飛び込みにしても、その動きの一瞬一瞬を、まるでスローモーションで体感しているような、そんな感覚を持ってみてね。

飛び上がってから着地(着水)するまでのエネルギーの動き。それと同じ。その動き・呼吸が緊張感を生むんです。ここにふさわしい緊張感と音をね、生み出すの。忘れないでね。

重なり合うカノンのような複旋律は、歌い方を変えてみよう!

シューマン「ピアノ・ソナタ第2番」から

画像の例では、左手ですよ。左手は二声になっていますね。テノールが「ファーソラシーー」と歌えば追いかけてバスが「し~どれみ~~」と登場する。

このような場合、何かを変えて弾かないと、二人の掛け合いだという事がわかりにくいですよね。弾いているあなた自身がわかっていても、聴いている人には伝わらない。

例えばテノールは明るい音が出るタッチ(打鍵)で、バスは深みのある(ふくよかな?)音にしようとすれば、それぞれの打鍵の仕方が変わるでしょ。

鍵盤に触れる指の点か面か、打鍵スピードが速いか柔らかくか。各フレーズのストレスの置き場を変えるのも、アリです。バッハが大事な理由は、ここにあります。

後のあらゆる作曲家の作品に、このような複旋律・ポリフォニー要素はたくさん!出てきますよ。今 バッハを学んでいる方は、あらゆる歌い方を模索してみましょう。今後、あなたの表現力の幅が、グンと広がりますよ。

こちらの記事もご参考までに。

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