【ピアノ奏法】スラーとスタッカートの効果的な打鍵法教えます!
スラーとスタッカート、それは日常的によく見ているもの。
そう、スラーとスタッカートは、ピアノに限らず音楽の勉強(演奏法)を始めると、普通に出てくる演奏法。
誰もが知る、一見なんてことない奏法かもしれません。
もしかしたら、大して問題なさそうに見えてしまうのかもしれません。
スラーやスタッカートには問題だという意識がないから、問題を起こしている事にも気付かないのかも?
だとしたらもったいないですよね。
一生懸命向き合っているのに、目の前にあるものを見落としているなんて。
今日はスラーとスタッカートの弾き方について、効果的な打鍵法をお話します!
Contents
スラーが付いていなければノン・レガートなのか?
たとえそこにスラーが付いていなくても、そこにスタッカートやノン・レガートの指示がない時、あなたはどう弾くでしょうか?
もちろん、ノン・レガートで弾いても良いのかもしれません。
ノン・レガートで弾いた方が、音が生き生きしてくる場合もあるでしょう。
でもね、それが全てに当てはまるわけではないので、注意が必要です。
もしそこにスラーが書かれていなくても、特にノン・レガートやスタッカートの指示(表記)がないなら、まずは「レガートだ」ととらえてみる事をオススメします。
特に上の画像のように、同じ音が続いた後は、つい手が上がりがちなので気をつけたいトコロ。
もしノン・レガートで弾いたら、どんなふうに聴こえるだろう?
だってスラーがないじゃん!と思うかもしれませんね。
どんな時も「どう弾くか?」の判断材料は
- 音楽的に聴こえるかどうか?
- 弾いていて気持ち悪くないか(違和感はないか)?
- 聴いていて違和感はないか?
ですよ。
スラーがない時でも、まずはレガートだと思って弾こう!
※重ね重ね、そうではない場合もあるということもご理解を。
それはどんなスタッカートなのかイメージしてみよう

左手はオクターブで「ドッシッラッ|ソッ・ソッ・」というスタッカートのフレーズです。
こんなスタッカート・フレーズ、あなたならピアノでどう弾きたいかしら?
オクターブで低音だけど、重いのかなぁ?
体が重い人が「よいしょっ」て頑張ってるのかな?
でもね、「ピアノ」で「ピアニシモ」になる指示がありますよね。
じゃあ、こんな感じなんじゃないかしら?

※ 「トムとジェリー」のトムのフル・ネームは「トーマス・キャット」で、ジェリーのフル・ネームは「ジェリー・マウス」だったんですね!
体の小さいジェリーが、トムを煙に巻いてトットットッとつま先で逃げていくー!みたいな、そんな感じじゃないかしら?
もし、そんな感じをイメージするなら、打鍵する指先のほんの一点で素早い打鍵をしていけばいいですよ。
つま先でトットットッと逃げる時の足の状態と同じ。想像してね。
イメージはこの通りじゃなくていいんです。
とにかく、どんなスタッカートかを想像してみることが、あなたに「どう弾くのが良いか」のヒントをもたらしてくれますよ。
出したい音のイメージを想像すれば、それは再現出来る!
効果的なピアノの打鍵法を知っておこう!

画像の右手に付けられたスラーは、8分音符二つずつ。
そして、1音目にはアクセントが付いています。
こんな時は
- 1音目で手を落として、2音目に向かって回転させていく。
- 2音目の打鍵で腕は上がる。
これで「落として(回転させながら)上がる」という「1アクション」。
つまり「一つの動き」で弾くことができます。
左手も同じこと。
スラーが付いている音の群れで「一つの動き」ととらえ、その中で打鍵していきましょう。
「どらみ」で言うなら、
- 手を落として1音目「ど」を打鍵
- そのまま(上げずにただ横へ回転する過程で)2音目「ら」を打鍵
- そのままさらに横へ回転し、3音目「み」を打鍵で手を上げる
ここまでで打鍵の動きは「1アクション」です。
そしてまた回転させながら次のスラーの1音目「し」に落とす。
以下、同じように横へ回転しながら弾いていきましょう。
「どらみ・しら」「しられ・しら」「どらみ・しら」「しられ・しら」ではなく、打鍵のグルーピングは
「どらみ」「しらしられ」「しらどらみ」「しらしられ」と、とらえてみましょう。
ぜひ、お試し下さいね。
今日のピアノ動画*ラフマニノフ「楽興の時」第4番
ティブレイクです。今日はロシアの作曲家セルゲイ・ラフマニノフの「楽興の時」第4番Op.16-4を。
ラフマニノフ様の「楽興の時」全6曲の中で、一番人気の曲のように思います。
私も多くの生徒達のレッスンで見てきた曲の一つ。
なかなか難しい作品ですが、心をぎゅっとわしづかみにされるような感覚になるのですよね。独特の哀愁が漂っています。
香港シティ・ホールのシアターでのリサイタルから。
ピアノはスタインウェイ。
効果的な打鍵法を知っておこう!ピアノでスラーとスタッカートの弾き方を考えるのまとめ
- 楽譜にスラーが書かれていなければノン・レガートで弾いていいのか?考えてみよう
- スラーなしのフレーズをノン・レガートやスタッカートで弾いても音楽的か?気持ち良いか?がポイント
- どんなスタッカートなのかイメージすると、生き生きして意味のある音になる!
- 効果的なピアノ打鍵法とは、無駄な動きを省くことだった!
自分の頭で考えて自分の手指を使ってピアノを弾いているのに、実は頭で思っている通りの事を弾いてくれない自分の手指。
その状態に気付いたら、あなたもこの記事の意味がより理解出来るでしょう。
そして、いかに無駄な動きを持ってピアノを弾いていたか、疲れやすかったのかがわかりますよ。
わたしはこう弾いている!という思い込みを取っ払うのは大変。
1から見つめ直す所から始めるのは、自分を否定するような気がしちゃうもの。
だから、なかなか一歩を踏み出しにくいでしょう。
でもね、それをやると、その後には今までよりももっと楽しくて、ワクワクの世界が待っていますよ。
何より、今までなんて大変な事をやっていたのか!と気づき体がラクになります!
エンジョイ!あなたのピアノ・ライフをもっと豊かに!
もっとラクに心と体を使ってピアノを弾くお手伝いをしています。
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