手が小さくてもピアノでオクターブ・フレーズがラクに弾ける方法教えます!
わたし、手が小さいからピアノを弾いていてオクターブが厳しいんです。って思ったことありませんか?
ピアノでオクターブが届くかどうかは、手の大小は関係ないんですよ。じゃ、何が関係するのかって?それは柔軟に広がる手かどうか?です。

今手が広がらなくても広がるようになります。体も同じこと。体が固くても、トレーニングを重ねれば少しずつでも柔らかくなっていきますよね。
今日は「手が小さくてもピアノでオクターブはラクに弾けるようになる!」というお話です。
Contents
手の大きさとオクターブの関係
手の形や大きさは本当に人それぞれです。体が小さくても手は大きな人もいれば、体が大きくても手が小さい人もいます。また、手は大きくても、十分に広がらない人もいれば、手が小さくてもめっちゃめちゃ広がる人もいます。
手の大小を問わず、あまり手が広がらなくて、オクターブ・フレーズを弾くのは大変!疲れる!という方も、諦めないでください。
手は使いよう・訓練の仕方次第です。たとえ40歳を過ぎても、少しずつ広がるようになります。
私の手は大きい方かもしれません。でも、体の大きさの割には特に手が大きいわけではありません。ショパンの手の型が我が家にありますが、ショパンの手と私の手の大きさは、ほぼ同じです。(指の細さは全く違いますが。)

私は30代半ばくらいまで、9度(オクターブ+もう一つ)は届きましたが10度は「ありえない」状態でした。しかし、40歳になる前に10度届くようになりました!
めちゃめちゃ速いフレーズで10度和音の連続という場合はさすがに押さえ(掴み)きれません。しかし、打鍵の準備に相応の時間をかけられるくらいのテンポの曲であれば、「てのひら」を柔らかく開いて10度は届きます。
ちなみに私は体がめちゃめちゃ固いです。それでも体も訓練で柔らかくなります。皆さんも諦めないでくださいね。
オクターブ・フレーズの弾き方とは?
オクターブは「1と5の指(親指と小指)」で取る事が多いと思います。でも、可能な限り4(薬指)も使うとスムーズになり、応用できるようになりますよ。ここまでは意識している方が多いでしょう。
それはさておき、あなたはオクターブ・フレーズを弾く際、どこに意識をおいていますか?どこに意識がいっていると思われますか?
小指かな?親指かな?指や鍵盤に意識を置くより、もっと感覚的でしょうか?
親指に意識があると、「親指の付け根の筋肉から手首まで」に力が入りやすくなります。そして、疲れますね。
しかし小指に意識があると、小指側から肘までの「下腕の外側」が張りつめた様に力が入り、肩までガチガチで、これまた疲れやすくなります。
では、どうしたらいいのでしょう?
ピアノでのオクターブで意識を置いたら良いところは?
あなたの指の中で、一番長い指はどれでしょうか?3の指(中指)ではありませんか?
3の指はオクターブを弾くのに関係ないじゃないか!と言われそうですね。
3の指は手の中央に位置し、一番長い指であるというのは、実は優れものだということ。
親指や小指を使う時、苦労を強いられれてしまうのは「指が短いうえに手の外側に枝分かれしている様に突き出ている」から。そういう印象があるからだと思います。
「短い!コントロールしにくい!」と無意識レベルで思い込んでいて、あなたはその思い込みに支配されているんじゃないかしら?
3の指に意識を置くと良いわけ
ではなぜ「3の指」に意識を置くのか?それは3の指(中指)は軸そのものだからです。3の指は腕の骨にまっすぐ繋がっているとイメージしやすい。その3の指を「支点」にするのです。3の指は方向指示針だと思ってもいいですね。
オクターブで上昇・下降する時、1や5の指から移動しようとせず、「3の指から次の音へ向かって行く」と意識してみましょう。それだけで、大分ラクになりますよ。
3の指は長いので、オクターブで移動する時ちょっと邪魔に感じる事があるかもしれません。3の指先を(関節を曲げて)丸めてしまわず、方向指示針にしてしまいましょう!
ピアノで親指の力を抜くために
親指のちからを抜くためのコツがあります。それは親指の存在を忘れることです。
これだけで、親指の力が抜けます。親指の力が抜ける=手首に余計な力が入りません。
オクターブ・フレーズを弾く時にはすごく有効なので、「親指の存在を忘れる」事を、ちょっと思い出してみてくださいね。
小さな手でも広がる手にするには
もしあなたが気功とかヨガとか、呼吸法に関わる何かをやったことがあるならイメージして実行するのはやさしいでしょう。
さぁ、まずはあなたの「てのひら」を見つめてみて。
あなたの「てのひら」の中心から、何かが出てくる・発生することを想像してみましょう。そう、あなたの「てのひらの中心」から、湯気や砂が出ることを想像するのでもいいわね。そうそう!サイババはご存知?
サティヤ・サイ・ババ(1926-2011)とは、インドのスピリチュアリストとでも言うのでしょうか。
サイババの「てのひら」から出てくる砂のようなものを与えられた患者さんは、みるみる病が良くなり完治するという、そういう人がたくさん出てきて、一時、日本のメディアを賑わせていました。
サイババを信じるかどうかは別の話ですがね。
そうね、ドラゴンボールの「元気玉」でもいいですよ。てのひらから、何かエネルギーがぶわーっと出ることを想像してみてほしいの。
はじめは目をつぶってやるのが良いかもしれません。
あなたの「てのひら」から何かが出てくることをイメージするのが難しかったら、先に両手をこすり合わせてみて。そうすると、てのひらが熱くなってくるでしょう。そうすると、てのひらから何かが出てくるのを想像しやすくなると思います。
「てのひら」から何かが出てくるのをイメージさえできれば、あとはピアノを弾く時にね、いつもその「てのひらから何かが出てくる」感覚を持つこと。
なんでそれが良いかと言うとね、「てのひらから何かが出てくる」のを感じている間は、ピアノを弾くために不要な力が抜けるからです。
不要な力が抜けると、筋肉が自在に伸縮できるようになって、小さな手でも「広がる手」が作られていきますよ。
さぁ、ぜひ想像してみてね。
今日のピアノ動画*ショパン「英雄ポロネーズ」Op.53
ティブレイクは、ショパン作曲「英雄ポロネーズ」をお送りします。
2016年8月に、東京渋谷のラトリエ・ホールで開催したリサイタルから。ピアノはシゲルカワイ。
手が小さくてもピアノでオクターブ・フレーズをラクに弾く方法のまとめ
- 手が大きければオクターブが届くわけではない
- 手が小さいとオクターブが届かないわけでも、ない
- 手の大小ではなく、広がる手かどうかで変わる
- 大人になっても広がる手を作ることは出来る!
- オクターブ・フレーズの弾きやすさは意識をどこに置くかで変わる
- オクターブ・フレーズでは、3の指を方向指示針にしてみよう!
- 親指の力を抜くには、親指の存在を忘れること
- てのひらの中心からエネルギーが出る事を想像できれば、小さくても広がる手になる!
頑張らないことですよ。必死になってしまうと益々力が入って、自由に広がるはずのあなたの手は縮こまってしまいます。深呼吸して、今までの考えをそっと横に置いてみましょう。
エンジョイ!あなたのピアノ・ライフをもっと豊かに!
もっとラクに心と体を使ってピアノを弾くお手伝いをしています。
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