ピアノ上達のコツとは?超ゆっくり練習は本当に効果があるのか?

2019年11月2日

一刻も早くピアノが上手になりたい!

この曲はテンポが速い曲だから、何はおいてもテンポが出せるようにならねば!と思ってか、或は速く弾いたらカッコいい!と思ってか、いつも可能な限りの速さで(でも、弾けないところはテンポが落ちたり弾き直したりで)通し弾きばかりしていませんか?

ピアノ上達には超ゆっくり練習?
ピアノ上達には超ゆっくり練習?

どうやったらピアノは上達するんだろう?
ゆっくり練習なんてつまらないのに、本当に効果があるの?
今日は、ピアノが上達するコツについて考えていきましょう。

ピアノはゆっくり練習が大事って本当?

ピアノは日々の練習の積み重ねが大事。
これはとても難しくて、そして忍耐が必要ですよね。
でも、これが一番の「上達の近道」なのだと確信している事、それが超!ゆっくり練習です。

ピアノの練習は、譜読みをして両手で合わせられるようになってきたり、仕上げに近い状態になってくると、両手で弾く事が楽しくなってきますよね。
本当は、何カ所かまだ弾きにくい所や必ずミスする所があって、インテンポでは弾けない所があるのに、なんとなく最初から両手で弾き始めてしまう。あなたはどうかしら?

ピアノを両手で弾き通す練習の問題点とは?

なんとなく最初から両手で弾き始めてしまうのって、何が問題なのかと言うと、もしあなたがその曲をピアノで弾く上での問題点に直面しても、そのままスルーして最後まで両手で通して弾いてしまうでしょう。

「あ、最後まで弾いたら、ココ(問題の箇所)に戻って部分練習しよう♪」と、弾いている最中にはきっと思うのよ。
でも、なんとなーくまた通しで弾いてしまうのではないかしら?
なんとなーくそれを何回か繰り返して、「は~、今日も(は)いっぱい練習した~」と、妙な満足感は得られます。

そして翌日の練習で「あれ?昨日あんなに練習したのに、まだ弾けないや~。
おかしいな~?」と感じるでしょう。でも、それは当然ですよね。
だって、つきつめた練習をしていないのですから。

「あ、やばい!部分練習しなかった~」と思うかもしれません。
或は、問題の箇所の部分練習を徹底的にされたかもしれません。
それでも、翌日になれば「あれ?」というくらい後退し、何日たっても進歩の兆しを感じられない…?

はぁ、わたしって才能ないのね(がっくし)・・・
はぁ、この曲はわたしにはまだ無理なのね・・・などと思うかもしれません。

効果が出るピアノの練習法とは?

練習の効果があがるものとして上げられるものに、次の3つの方法があります。

  • 片手練習
  • 部分練習
  • リズム変奏練習

きっとあなたもご存知でしょうし、これらの練習はやってきたかもしれませんね。
しかしこれらの練習法を更に効果を上げるには(これらの他に、ではなくこれらを)超ゆっくりで練習する事が上達のコツです。

「ゆっくり」ではなく、「超」ゆっくりですよ。

あなたはピアノの練習をしていてこんな事はありませんでしたか?

弾き始めはゆっくりなのに、弾いているうちにどんどん速くなってしまう。
しまいには、インテンポになってしまうのです。

ゆっくり練習をしているのに速くなってしまうのは何故?

それはね、あなたの体内にテンポ時計がないからです。(体内時計が機能していないから)
では。どうしたら「ゆっくり練習をしているのに速くなってしまう」のを防げるのでしょうか?

ず、メトロノームでインテンポの倍以上に遅いテンポを設定して弾いてみましょう。

この練習の初期に必要なことは「メトロノームの音を聴く」こと
私は本番の前日でも、この「超ゆっくり練習」をやっていますよ。

さぁ、今日の練習はまず何か一曲、1ページだけでもいいです。メトロノームを「超ゆっくり」に設定して、ペダルなしで弾く練習をしてみましょう。
すると、このメトロノームの音を聴きながらゆっくり弾くのは非常に難しいという事がおわかり頂けると思います。

あ~、できない~!難しい~ではなく、ちょっと忍の字で、だまされたと思ってやってみてくださいね。
ただし「一日で効果は出ない」、「続ける事・繰り返しやる事に意味がある」ので、今日はその「意外とツライ・難しい」ということをまず知るところから。

メトロノームは絶対ではない!使わなくてもいい人もいる

メトロノームを使う練習は、必須ではありません。
どちらかと言えばメトロノームは使わない方がいいとも言えます。
ケースバイケースね。
体内リズム時計がきちんと機能している方なら、メトロノームを使用しなくても「超ゆっくり」を維持して練習出来るでしょう。

でも、もしもあなたが一定のテンポを保って弾く事が出来ないなら、まずはメトロノームで一定のテンポを維持して弾くことを身につける事を、オススメします。

ピアノでゆっくり練習をしなければならない理由

何故、ゆっくり練習をしなければならないのでしょう?

それはね、まず今まで弾いていたテンポでは弾けない、弾ききれない部分があると仮定しますよ。
あなたはその弾ききれない部分(フレーズ)を、超ゆっくりにして弾けるでしょうか?

テンポを極度に落としても、きちんと正しく弾けていないならば、テンポを上げたところで正確に弾けるはずがないのです。
速ければいいっていうものではありません。

イン・テンポで弾いた時に、弾けていない所はない、きちんと弾けている!と思っていても、テンポを落とすと途端に弾けなくなる事が往々にしてあります。

テンポを落としたら弾けない?

そう、そこが落とし穴!驚いちゃう事ですが、それなりのテンポならば「弾けている」のに!(実はそれは激しい思い込みに過ぎないのですが)テンポを「超ゆっくり」に落とすと、あれれ?途端に弾けなくなりますよ。
もしかしたら、ゆっくりにすると弾けないから、ゆっくり練習がキライなのかも?(笑)

「超ゆっくり」で弾く(練習する)という事そのものが、まどろっこしくてイラつく事だろうと思います。
私も、超ゆっくり練習を初めてやった時は、あくびが連発でした(汗)。
でもね、あくびが出るようでは、自分の音なんかちっとも聴い(聴けて)ていない証拠。

ただ指を動かしているだけなので、「早く終わらないかしら?」と思ってしまうでしょう。
それはつまらなく感じるわけです。

しかも!超ゆっくりにすると「弾けない」のは、指遣いが不確かであったり、譜読みをきちんとしたはずの音までもが怪しくなるというオマケ付き(笑)。
あれ?あれれ?なんだっけ?ココの音?この和音であってると思うんだけど…でも、構成音が違うような?とね。

超ゆっくりで確実に弾けない曲は、決してイン・テンポで正しく弾けるはずがない(断言)。

ごまかし弾きなら、できるんですよ。いえ、ごまかし弾きだから、出来ているんですよ。

でもね、「ごまかし弾き」を覚えるためにピアノを学んでいるわけではないですよね?
本当に超ゆっくりで確実に、しかも音楽的に弾くことができれば、テンポはいつだって上げることができるのです。

「指が回らないから」「速く弾くことができない」と仰る方も。でも、それを言う前に

  • 超ゆっくりで確実に弾けるのか?
  • 超ゆっくりでも非常に心を込めて音楽的に弾けているか?

この二点をチェックしてみましょう。
この二つに自信を持って「できます!」と言える状態で、尚かつ「それでも速く弾けない」という状態なら、それは指(や手・筋肉・関節など)の使い方に何か不都合があると考えられます。指遣いかもしれません。

何か、原因があると考えられます。
でも、それは生徒以外には実際にあなたの演奏を見る事は出来ません。
ですから、あなたが弾けない原因をこれこれ!と申し上げることは、出来ません。ケース・バイ・ケースですからね。

今日あなたにお伝えしたい事は、「労力を惜しまずにかけた時間は、決して自分を裏切らない」という事。

労力を惜しまずにかけた時間は自分を裏切らないのは本当か?

そうね、誤解のないよう補足しましょう。

「時間をかけたらOK」という事ではありません。

練習の時間は毎日いくらか、できるだけ持てた方がいいです。
しかし、無意味な練習に多くの時間を使うくらいならば、「超ゆっくり」の練習に5分、10分使った方が、絶対に上達しますよ。

日中、外で仕事をされている方々は、実際に練習に割ける時間は本当に少ないか、全く練習ができない日も少なくないでしょう。

ですから「そんな悠長に、ゆっくり練習なんかしている時間がない!」と思うかもしれません。でも、それなら尚の事。
たった10分15分しかピアノに向かえないのであれば、その10分15分をいかに有意義に練習をするか?という事が、今後のあなたのピアノの全てを左右するでしょう。

あなたは、本当にピアノ演奏が上手くなりたいですか?

今日のピアノ動画*イベール「物語」から”金の亀を使う女”

ティブレイクは、イベール様の「物語」から”金の亀を使う女”をお送りします。

金の亀かぁ。。。このイベールの「物語」は、1922年に作られた10曲から成る作品です。
あなたも10の素敵な物語に触れてみませんか?

ピアノ上達のコツとは?超ゆっくり練習は本当に効果があるのか?のまとめ

  • ゆっくり練習には忍耐が必要だけれど超ゆっくり練習こそがピアノ上達の近道!
  • ピアノで両手で弾き通す練習の問題点は、本当の問題点を簡単にスルーしてしまうところにあった!
  • ゆっくり練習していてもテンポが速くなってしまうのは、体内のテンポ時計が機能していないから
  • メトロノームは絶対ではないし、必要ない人もいるけれど、テンポが安定しない人は活用すべし!
  • テンポを落としたら弾けない部分があるのだとしたら、本当は弾けていない証拠だ!

ピアノ上達の近道は、ラクしない事ではなく、適材適所的な的確な練習をすることですよ。

エンジョイ!あなたのピアノ・ライフをもっと豊かに!
もっとラクに心と体を使ってピアノを弾くお手伝いをしています。

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