ピアノでアーティキュレーションの意味を考えるとあなたの音楽はもっと生きてくる!
ピアノを弾く時にあなたが考えるのはどんな事?あなたがピアノを弾く時に大事にしていることは何でしょうか?
- そこにスタッカートが書かれているから「短く切って」弾く?
- そこにフェルマータがあるから「長く伸ばす」?
- ではどうしてその音にはスタッカートが付いているの?
- なぜその音にはフェルマータが?
とその意味を考えてみたらどうでしょう?
音符にその記号が書かれているから、そのように弾くのではなく、その記号が書かれている意味を考えてみるのです。
考えたらどうなると思いますか?そう、どう打鍵したら良いかがわかるのですよ!
というわけで、今日は「アーティキュレーションの意味を考えよう!」というお話です。
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アーティキュレーションを正しく読み取ろう!

画像の右手(上の段)は「ピアノ(p)」で16分音符で上がっていくフレーズ。
はじめはレガートですが(スラーが付いています)、途中からリタルダンドになりメゾ・スタッカートに。
そして終わりの2音には、フェルマータが付いていますよ。
このように弾き方が変わっていくアーティキュレーションを正しく読み取るのは、ピアノを弾く上で(もちろん他の楽器でも)とても大事なこと。
楽譜を読む上で最初に注意すべき事が、アーティキュレーションを正しく読み取ることです。
なぜならこのアーティキュレーションを読み間違えると、作曲家が何を言いたかったのか・伝えたかったのかが変わってしまうから。音の方向性すら変わってしまう恐れがありますよ。
打鍵のニュアンスを考えよう!
短い音価のメゾ・スタッカートって、どんな具合だろう?
- 切ればいい?
- 明確に切ればいいのかな?
- 指のどこを使おうか?
- スタッカートとの違いはどう表せるだろう?
- 短い音価に付くフェルマータって、どんな塩梅?
- それぞれ、どんなニュアンスなんだろう?
- その後は、どうなるんだろう?
ということを見たら、考えたら、フェルマータのニュアンスが見えてくるんじゃないかしら?って、考えてみるのがポイントです。
ベートーヴェンらしい音とは?
先日発行したメルマガの記事から、いくつか「疑問」をお寄せ頂きました。
ベートーヴェンらしい音とは、どんな音?どうやって作っていったらいいのでしょうか?
あなたはこんな事を言われたことはありませんか?
- もっとショパンらしく!
- これはバッハじゃないよ!ドビュッシーなのよ!
- これはブラームスじゃないよ
などと。
作曲家もそれぞれに生まれた国・育った国の違いや、生きていた年代が違うよね、くらいはわかると思います。
日本を訪れたことのない西洋人にとっては、 日本は未だ「富士山・芸者」のイメージがあるとか、韓国と日本の文化の違いや、顔つきの違いがわからないなどと聞きます。
だから、その作曲家らしさってどんな音なんだろう?と考える時、まずその作曲家の背景を出来る限り知る事が、大きな手助けになりますよ。
私も昔、師匠に言われた事があります。
全然知らない作曲家の作品と向き合う時は、
「伝記を読みなさい!まず、伝記を読みなさい!日本語の伝記がなかったら英語版を探しなさい」と。
伝記や書簡が役立つ!
伝記もいろいろあります。
さすがにベートーヴェンですと、日本語でも多種多様な伝記がありますよね。
あなたにとって、読みやすい本を読むのも良いですが、たまに子供向けの伝記を読むのも面白いですよ。
何しろ子供が読んでわかるような言葉で書かれていますから、とても理解しやすく面白いです。
もし書簡集があれば、それもとても参考になりますよ。
あなたが今、向き合っている作品が作られた年の、その作曲家は何をしていたか?や交友関係などを見るのも参考になるでしょう。
その作曲家の性格や交友関係や、経済状況・生活の様子を知る事は、大いに音作りの参考に役立ちます。
単純に、体が弱かったショパンと同じ年代のリストでは全然違うのも、作風にも現れていますが、実際に二人の演奏の違いを想像する事も難しくないでしょう。
するとショパンとリストを同じようには弾こうとしなくなるはず。
音の出し方含めてね。
ベートーヴェンも、同じように探っていく事は出来ます。
まず背景を知る。
でも例えばね、ご質問はソナタだったのですが、有名な「エリーゼのために」を、子供達は早弾きで後半は大きな音で弾きたがりますが… それは子供達から見た、ベートーヴェン像なのかもしれません。
(音楽室にあるベートーヴェンの肖像画のイメージ?)
でもね、「エリーゼのために」はラブレターなのだとしたら、いきなり男性からそんな叫ぶような手紙をもらっちゃったら、怖くなっちゃいますよね。
きっとね。ベートーヴェンだって、そんな叫ぶような気持ちで書いたのではないと思います。
だから、その曲にエピソードがあるなら、それは曲作り・音作りにとても役立ちますよ。
曲についてのエピソードがなくても、その作品が作られた頃のベートーヴェンの生活はどんなだったのか?
前後に作られた作品はどんなものか? などを見ていくと、たくさんのヒントを得られるでしょう。
今日のピアノ動画*ベートーヴェン「エリーゼのために」
ティブレイクは、ベートーヴェン様の「エリーゼのために」。
2019年のリサイタルのアンコールから。ピアノはスタインウェイ。紀尾井町サロンホールにて。
ピアノ打鍵のニュアンス・アーティキュレーションの意味を考えると音楽が生きてくる!のまとめ
- アーティキュレーションを正しく読み取ろう!
- 打鍵のニュアンスを考えよう!
- 作曲者の背景を知ろう!
このベートーヴェンらしい音作りと、打鍵のニュアンスを考えることには通じるものがあると思います。
要するに、目の前のものに、うんと興味を持つ!って事ですね。
「楽譜にそう書いてあるから」じゃなくて、「どうして、そう書いてあるんだろう?」ってね、考えてみましょう。
そうすると、あなたが紡ぎ出す音楽はもっともっと生きてきますよ♪
エンジョイ!あなたのピアノ・ライフをもっと豊かに!
もっとラクに心と体を使ってピアノを弾くお手伝いをしています。
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