打鍵にも種類がある!音は鳴らしたら終わりじゃない

ピアノは音を出す(鳴らす)だけなら簡単です。鍵盤をポンと押せば、音が鳴りますよね。
猫ちゃんでも弾けるなんて言われたりも。

でもね、音を鳴らすだけなら易しくても、音楽にするとなればまた話は別。
打鍵の仕方にも種類があります。
それを全部ここでお伝えするには無理があるので、少しずつ記事にしていければと思っていますが、今日は打鍵のちょっとしたポイントをおすそ分けしますね。

お知らせする音の弾き方

グリーグ「ピアノ協奏曲」から
グリーグ「ピアノ協奏曲」から

注意を引き付けたい時、音を持ち上げて膨らませたい時の弾き方について考えますよ。

画像はグリーグ作曲「ピアノ協奏曲」第1楽章の、カデンツァの始まりです。
ということは、それまではオーケストラが華々しく盛り上げてきたわけですよ。

そのオーケストラを受けての、このカデンツァ第1音目は、とっても大事。
なぜなら、「ハイ!次はワタシの出番ですよ!」というのを、一瞬で伝えなければならないから。

その音が鳴ったと同時に、そこにいる全ての人たちの視線があなたに集中する、
その音を出している人の方を、見ざるにはいられない、という気持ちにさせなければね。
そうでないと、誰もこの後の長いソロをワクワクして聴いてくれません。

こんな場面では、打鍵前に息をスッと吸うのがポイント。
吸った息は、ストンと腹の底まで落とすような感覚でね。
そして腹の底に息を貯めた状態で、ストン!と「ファ」打鍵に腕を落としましょう。
戸惑わないで。

これが「注意を惹きつける弾き方」です
指だけで弾かないでね。

次にこのカデンツァの後半。

グリーグ「ピアノ協奏曲」から
グリーグ「ピアノ協奏曲」から

主題と同じですが、ここは主題とは気持ちが変わっています。
「ミーーーファーーソ…」の「ファーー」の付点8分音符の打鍵は、重い荷物を持ち上げるように。
重い荷物なんだから、軽々と持ち上げないでね。

うんと重いものを持ち上げる時の呼吸とか下半身の状態って、どんなかしら?
荷物を掴み上げる「手指」の状態はどう?
それと同じ事。
これが「音を持ち上げて膨らませたい時の弾き方」です。

この曲のこの場面だけではなく、いろんなところで応用できますから、覚えておくといいですよ。

フレーズの終わりの音は優しく

ドビュッシー「小組曲」”舟歌”から
ドビュッシー「小組曲」”舟歌”から

音楽は、始まりも大事ですが、終わりもとっても大事。
それはその曲の始まりと終わりだけではなく、それぞれのフレーズの始まりと終わりも。

この画像なら右手の最後の音。「ミーシ」の「シ」です。
この「シ」打鍵は、ただ指を落とさないよう気をつけて。
ただ落としてしまうと、ちょっと「ドスン」感が出てしまいます。

子守歌がマーチにならないようにね。
ちゃんと寝せてあげましょう。

フレーズの終わりの音は、ふわっと大事なものに触れるように愛を込めて。

スラーの終わりは跳ね上がらないように

ギロック「コラール・プレリュード」から
ギロック「コラール・プレリュード」から

せっかくキレイに紡いできたのに、スラーの終わりの音を打鍵した途端に突然、マーチになったらビックリしちゃいます。
さて、どうして飛び出ちゃうのか、わかるかしら?

それはね、その次の音のことを考えているからです。
次の音への用意が素早くするのは、良いこと。
だけどね、音のオシリ(終わり)までを、大事に聴いてあげないとね。
聴いていないから、音が飛び出てしまっても気がつかないという悪循環に。

でも、もうその違いがわかったでしょ。
そしたらもう大丈夫ですよ。
(レッスンで体感したRちゃん、次のレッスンではとっても美しく弾けていました♪)

スラーの終わりの音は、その響きを大事に聴いてあげる。体の中にまだある空気を吐き切るように。

終わりの音は大事に聴き届けるのがポイント

バッハ「インヴェンション第13番」から
バッハ「インヴェンション第13番」から

左手の8分音符フレーズは、右手の16分音符フレーズよりも少し早くに「終わる」でしょ。
8分音符フレーズを、ノン・レガートで弾く時は特に!そのフレーズの終わりの音を大事に弾き/聴きたいですね。

意識して聴こうとしなければ、意識して聴き届けようとしなければ、フレーズの終わり感を伝えられません。
それまでの8分音符と同じノン・レガートで弾いてしまうと、なんとぶっきらぼうに、なんと素っ気なくなることか。

あなたが、あなたの耳で聴き届けることを怠けなければいいんです。
ただそれだけの事。
とは言え、言うは易し、行うは難しとはまさにこの事かもしれません。
自分に甘いのが人の常でしょう…
 なんて言ってないで、聴き届けましょ♪

スラーは「意識して」つなげよう

ブルクミュラー「進歩」から
ブルクミュラー「進歩」から

左手の和音は、必ず「2と4」の指でとります。
何故なら、その和音と次の音はスラーでつながっているから。
次の音とつなげるために、その指づかいで和音を弾かざるを得ません。

でもね、それだけでは不十分なの。
「次の音とつなげるんだ!」という強い意識を持って弾かなければ、指は浮きやすく、つながりません。

スラーでつなげるための指づかいを無視しない。「つなげる!」という意識を強く持つこと。

推進力を出すには打鍵1音ごとに動きを止めない

1小節に1音ずつの打鍵に注意!
1小節に1音ずつの打鍵に注意!

この画像のように、1小節に一つの和音+休符が何小節か続いて終わるという曲は、結構あります。
休符が入っても、これ全部で「1フレーズ」である事に意識を置きましょう。

これ全部で1フレーズということは、1小節ごと・1音ごとで打鍵の動きを止める/終えてしまうと、1フレーズという1つながりにはなりません。
1フレーズが実際に1つながりにならないという事は、音がぶつ切れになるわけですから、「1フレーズ」というフレーズ感も推進力も失われてしまいます。

演奏に推進力を持たせるコツは、1フレーズの中で、腕の動きを止めない事!
動きが止まらず続いていく=1アクション、という事です。

それは「呼吸」も然り。

一度吐き出してから吸っていく

これ以上 吸えなくなったら、吸った息を溜めておく

吐いていく

これが、「呼吸の1アクション」です。

出して入れる。
入れたら出す。
向こうに行ったら帰ってくる。

忘れないでね。

今日のピアノ動画*ル・クーペ=ギロック「コラール・プレリュード」

ティブレイクは、ル・クーペ作曲=ギロック編曲の「コラール・プレリュード」をお送りします。

小学生時代に課題として与えられた「ル・クーペ」の練習曲。大人になってからギロックの編曲で再会した時、この練習曲が持つ本当の意味を理解し、そしてこの曲の美しさにしびれた事を思い出します。

ペダルの踏み方の練習にも良い作品ですよ。

まとめ

  • 注意を惹きつけたいお知らせする音は、重い荷物を持ち上げるように
  • フレーズの終わりの音は大事なものに触れるように
  • フレーズの終わりの音は、体の中の空気を出し切るように
  • フレーズの終わりの音まで聴き届けるのがポイント
  • スラーは意識しないと音はつながらない
  • 推進力を出すために、打鍵1音ごとに動きを止めない

ピアノはやることがいっぱいありますよね。両手で次々と音が出てくるし、弾く事だけで精一杯になりがち。
そう、次の音を弾く前に聴く事・打鍵の準備を早めにする事も大事でしょ。
でもね、どんな音も、ただ鳴らせばいいわけじゃない。それぞれの音に意味があります。
だから、どんな音にも最後まで気にかけてあげましょうね。

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