ドビュッシーのピアノ連弾「小組曲」について解説

2020年7月6日

フランスの作曲家クロード・ドビュッシー(1862-1918)。
たくさんのピアノを愛する人たちに、ドビュッシーのピアノ曲は愛され弾き続けられています。

そんな私も大のドビュッシー好き。
さて今日は、そんなドビュッシーの初のピアノ1台4手の連弾作品「小組曲」についてご紹介しちゃいます!

ドビュッシーのピアノ連弾「小組曲」とは

ドビュッシーのピアノ連弾「小組曲」は、1888~89年に作曲されました。

初演は1889年3月1日、パリのあるサロンにて、作曲者であるドビュッシーとジャック・デュランによって演奏されたと言うのですから、豪華ですねぇ。

このジャック・デュランとは、フランスの楽譜出版社であるデュラン社の経営者(創業者ではなく、家業を継いだ)。

出版されたのも1889年。ビュッセルによるオーケストラ版への編曲もされています。

ドビュッシーのピアノ連弾「小組曲」は、4曲からなります。

ドビュッシーの「小組曲」を弾いた(学んだ)ことがある人だけでなく、この「小組曲」に魅せられ愛してやまない演奏家やピアノ講師の皆さんは少なくないでしょう。

かくいう私も今まで友人と、生徒たちと、何度も弾いてきましたよ。

「みやびやかな宴」との関係

さて、ドビュッシーがこの連弾曲「小組曲」は、フランスの詩人ヴェルレーヌ(1844-1896)や、フランスの詩人で劇作家のバンヴィル(1823-1891)の「みやびやかな宴」と関わりを持っているとも言われています。

なぜなら、「小組曲」の4曲のうちの2曲、第1曲“小舟にて”と第2曲“行列”は、「みやびやかな宴」という詩集の2篇と同じ題名なのです!
しかも当時のドビュッシーは、この詩集に強く魅せられていたというのですよ。

ドビュッシー「小組曲」は複合3部形式

ドビュッシーの「小組曲」、自筆譜はパリ国立図書館が所蔵。
見れるものなら、訪れて見てみたいものですね。

さてこのピアノ連弾による「小組曲」は、4曲からなっています。
どの曲も、複合3部形式。

複合3部形式とは、3部形式を発展させた楽曲のスタイルのこと。
3部形式は「ABA」とか「ABA’」のようなもの(AとA’はよく似た旋律だけれど、微妙に変化がある)。

複合3部形式は、「ABA CDC ABA コーダ」のような3部形式の発展バージョンです。

第1曲小舟にて 

ドビュッシー「小組曲」”小舟にて”から

ドビュッシー「小組曲」"小舟にて“は、アンダンティーノで8分の6拍子、
ト長調。

低音部を担当するセコンドの、柔らかな分散和音に美しいメロディが
奏でられます。

うっとりしながらも、次を、またその次を聴きたくなる作品。

第2曲「行列 

ドビュッシー「小組曲」”行列”から

ドビュッシー「小組曲」第2曲の”行列から“は、モデラートで4分の4拍子、ホ長調。

高音部担当のプリモは、三度の和音で始まり動いていきますね。
これは「鹿皮のお仕着せ猿の露払い(”ちょこちょこぴょん“とはねてゆく)」と言われている主題なのです。

第3曲「メヌエット」 

ドビュッシー「小組曲」”メヌエット”から

ドビュッシー「小組曲」第3曲”メヌエット“は、モデラートで4分の3拍子、ト長調。

この「メヌエット」は、ドビュッシーがバンヴィルの詩から作曲した
歌曲「艶めく宴」という曲の、歌と旋律をそのまま取り込んでいます。

第4曲「バレエ」

ドビュッシー「小組曲」”バレエ”から

ドビュッシー「小組曲」の第4曲(最終曲)は、アレグロ・ジュストで4分の2拍子、ニ長調。

ルイ王朝時代、ルイ14世も好んで踊ったと言われているバレエの「はずむ曲調」を表していると言われています。

ドビュッシーの「小組曲」全ては”小舟にて“から始まり、そして”バレエ“に向かっていく。
”バレエ“で終わるために、それまでの3曲があると言っては大げさだろうか。

非常に素晴らしい作品ですから、まだ弾いたことがないなら、ぜひとも弾いてみることを強くオススメします!

ピアノ動画*ドビュッシー「小組曲」

ここで以下のような演奏動画を紹介するのは、少し気がひけます。
なぜなら、プロの演奏ではありませんし、お手本となるような演奏でもないから。

それでも、私の教室で、過去の発表会で取り上げた生徒達による懐かしく、私にとっては愛する動画なので、ご紹介させていただきますね。

寛大なお心でご覧いただけますと嬉しいです。

ドビュッシー「小組曲」全4曲。

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